目次
カスタマーサクセスを成功させることで、商品やサービスが有益であることが証明され、信用を得られます。 企業としての信用を得られれば、当然売上も向上しやすく、集客力アップにも繋がります。
担当者が「いざカスタマーサクセスに力を入れていこう!」と思っても、以下のように感じていませんか?
- 具体的にどうやってカスタマーサクセスを取り組めばいいのかわからない
- カスタマーサクセスに必要なKPIってなに?
- 達成させるコツってあるの?
カスタマーサクセスを取り組む中で必要なことは、段階ごとの可視化です。
可視化するためには、具体的な目標設定、つまりKPIが必要不可欠になります。
そこで本記事では、カスタマーサクセスで設定すべき8つのKPIと、達成させるコツを解説していきます。
誰でもわかるように簡潔に記載しているので、気になる方はぜひ最後までご覧ください。
参考記事:カスタマーサクセスとは?カスタマーサポートとの違いや営業との関係
カスタマーサクセスとは?
そもそもカスタマーサクセスとは、顧客の成功体験を創出することです。
主に、自社サービスの契約後に行うものです。
顧客に満足する成果を上げてもらい、自発的にサービスの継続や追加の契約を促します。
例えば、世界的に有名なスターバックスは、カスタマーサクセスの達成を継続できていると言えます。
コーヒーなど、1品1品が比較的高価であるにもかかわらず、顧客の満足度が高いことから利用され続けています。
カスタマーサポートとの違い
カスタマーサクセスとよく勘違いされやすいのが、カスタマーサポートです。
既存顧客への対応という点で共通している、カスタマーサクセスとカスタマーサポート。
これらの違いは、目的や役割にあります。
カスタマーサポートは、顧客からのお問い合わせから行うもので、受動的な取り組みとなります。
お問い合わせから課題や疑問を解決し、既存顧客に貢献します。
対してカスタマーサクセスは能動的な取り組みです。
お問い合わせに限らず、自社製品やサービスを通じて、成功体験を得てもらうため、積極的に顧客へ働きかけます。
カスタマーサクセスで重要な3つのKPI
カスタマーサクセスで重要なKPIは、以下の3つです。
- 解約率
- オンボーディング完了率
- アップセル・クロスセル率
解約率
設定すべきKPIの1つ目は、解約率(チャーンレート)です。
そもそも解約率とは、顧客が商品やサポートを解約する割合のこと。
解約率を可視化することで、カスタマーサクセスの達成具合が測れます。
解約率が高ければカスタマーサクセスは達成しにくいです。
解約されてしまった場合、自社商品やサービスを通じての成功体験は得られません。
仮に解約率が高ければ、解約されてしまう要因を追求し、その改善に努めるべきです。
オンボーディング完了率
オンボーディング完了率とは、商品やサービスを活用できる状態になることを指します。
商品やサービスを購入してもらっても、活用方法がわかなければ成功体験へ導けません。
まず商品やサービスを使いこなせる状態になることが必要です。
具体的には、使用方法を理解し、初期設定などを完了させていることなどが条件になります。
「オンボーディング完了」の定義は、企業やその商品・サービスによって異なります。
一般論ではなく、社内で決定したオンボーディングを達成させる必要があります。
具体的には以下のようなもの。
- 初期設定を完了し、ログインすること
- 1ヶ月以内にアカウントを作成し、プロフィールを入力し終えること
オンボーディング完了率を重視すべき理由は、解約率と関係していることです。
オンボーディングが完了していなければ、その顧客の解約率が向上してしまいます。
スマホのアプリなどで「ダウンロードだけして使ったことがない」という経験はありませんか?
オンボーディングが完了していないということは、上記と同様の状況です。
アップセル・クロスセル率
3つ目はアップセル・クロスセル率です。 どちらも、売上向上におけるKPIという点で共通しています。
アップセルとは、上位モデルへの変換を指します。
スタンダードプランからプレミアムプランへの移行などが、それに該当します。
クロスセルは、現在契約しているサービスとは異なるサービスの追加購入です。
どちらも売上貢献度合いを可視化できることから、重要なKPIと言えます。
アップセル・クロスセル共に、顧客満足度が鍵となります。
顧客満足度が低迷している状態で、上位モデルへの変換や、別サービスの購入は見込めないからです。
アップセル率・クロスセル率の向上を狙う場合に活用できるのが、キャンペーンや特典です。
「期間中に購入すれば○円OFF!実質○円でプレミアムプランに!」などの謳い文句が多いのは、これが狙いです。
合わせて意識したいカスタマーサクセスのKPI
解約率、オンボーディング完了率、アップセル・クロスセル率と共に、合わせて意識したいカスタマーサクセスのKPIは、以下の通りです。
- LTV(顧客生涯価値)
- アクティブユーザー数
- セッション期間
- NPS(顧客推奨度)
- 売上継続率
LTV(顧客生涯価値)
LTVとは、顧客生涯価値のことで、サブスクリプションのサービスなどで特に重視されるKPIです。
そもそも経営戦略において、新規顧客開拓よりも、既存顧客からのリピートの方がコストパフォーマンスが高いと言われています。
LTVは、一人の顧客から将来的な見込みも含めて得られる利益を算出します。
- LTV = 購買単価 × 購買頻度 × 契約継続期間
- LTV = MRR(一顧客あたりの平均月間経常収益)× 売上総利益率 ÷ 顧客月次チャーンレート
マイホームの購入など、一度きりの高額な商品ではさほど重要視されません。
しかし継続的な購入や課金が見込める商品・サービスでは、非常に重要なKPIとなります。
近年、LTVにおけるKPIの重要性は、より一層高まりつつあります。
理由はスマートフォンのアプリなどが要因で、課金制が当たり前となったからです。
アクティブユーザー数
アクティブユーザー数とは、言葉の通り活動的な利用者のことです。
自社が決定した期間内に、1回以上利用した利用者をアクティブユーザーと呼びます。
反対に一定期間サービス利用を見られない利用者は、非アクティブユーザーと言われます。
例えば、スマートフォンのゲームアプリでは、アクティブユーザー数を重視しています。
アクティブユーザー数が減少すれば、ゲームに対する需要が薄れてきていると判断できるからです。
アクティブユーザー数は、設定期間ごとに以下のように表記される場合もあります。
- MAU:1ヶ月のアクティブ数を表すもの
- DAU:1日のアクティブ数を表すもの
セッション期間
セッション期間も、サービスに対する依存度を計測するための重要なKPIです。
セッション期間が長ければ長いほど、依存度が高い、サービスに対するニーズがあると判断できます。
サービスのファンである顧客ほど、セッション期間が長いのが特徴。 SaaSモデルビジネスでは、特に意識したいKPIと言えます。
NPS(顧客推奨度)
NPSとは、顧客推奨度とも言い換えられますが、簡単に言えばそのサービスのファンです。
つまり、顧客が商品・サービスにおいて、どれくらい愛着や信用を置いているかを測れます。
NPSが高ければ高いほど、他者に勧める可能性があります。
そのためNPSは、他者への紹介を可視化します。
心から癒された旅行、我を忘れて楽しめる映画など、本当に良いものは他人に勧めたくなるもの。
魅了された顧客は、他に類似した商品・サービスが登場しても離れにくいです。
売上継続率(NRR)
売上継続率は、顧客ごとに前年比、前月比などと比較して、どれくらい売上を維持できているかを測るKPIです。
新規顧客をあまり獲得できていなくても、売上継続率のKPIが良好であれば、全体的な売上は低迷しません。
アップセル・クロスセル率とも関係性があります。
既存顧客がより高いサービスに契約したり、別のサービスを購入した場合、売上継続率は向上します。
商品・サービスによっては、新規顧客開拓よりも、売上継続率が重視されます。
カスタマーサクセスのKPIを達成するには?
カスタマーサクセスのKPIを達成するには、以下のことを意識しましょう。
- 顧客視点で考える
- 効果測定しやすいKPIを設定する
- 定期的にKPIを確認、検討する
顧客視点で考える
1つ目は、顧客視点で考えることです。
そもそもカスタマーサクセスは、顧客の成功体験を通じて、自社の利益を向上させることです。
つまり、顧客なしでは考えられません。
「顧客が成功するにはどうすべきか?」という企業側の視点ではなく、自分自身が利用者である場合を想定して考えましょう。
想定することが難しい場合、顧客の意見をリサーチすることが重要です。
顧客のニーズを把握できれば、改善策や修正点が見出せます。
効果測定しやすいKPIを設定する
効果測定しやすいKPIを設定することも、達成するために必要なことです。
いくら適切だと思ったKPIを設定しても、効果を測定できなければ意味がありません。
たとえば、「SMART」を意識することで効果測定しやすいものとなります。
- S:明確性(Specific)
- M:計量性(Measurable)
- A:現実可能性(achievable)
- R:関連性(relevant)
- T:適時性(timely)
定期的にKPIを確認、検討する
KPIを達成するためのポイントは、定期的にKPIを確認、検討することです。
そもそも適正なKPIは、利用者や世間の状況によって変動します。
一度設定したKPIをそのまま放置した場合、適切なKPIではなくなっている可能性があります。
設定したKPIは今もなお適切かどうか、きちんと効果を測定できているかを把握しましょう。
KPIからの分析により利益を伸ばせているか、などを確認し続ける必要があります。
継続的な分析が必要なことから、多すぎるKPIの設定も避けるべきです。
KPIによる可視化が成功していても、処理しきれていなければ、有効的に活用できていないので、可能な範囲で行うようにしましょう。
自社に適した指標でカスタマーサクセスのKPIを達成しよう!
自社に適した指標でカスタマーサクセスのKPIを達成しましょう。
カスタマーサクセスにおいて、KPIは重要な指標となり、顧客を成功へと導きます。
しかし自社に適したKPIを設定しなければ、その効果を十分に発揮できません。
KPIを設定する目的は、あくまでも顧客の成功と自社の利益であるはずです。
分析だけに捉われず、目的を達成するためのKPIを設定することが重要となります。
投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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