新規事業の営業戦略とは?手順やフレームワーク、成功のコツを解説!

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新規事業を成功に導くうえで重要なのが、営業戦略です。
新規事業の営業戦略とは、未開拓の市場や顧客に対し、新しい商材をどのように届け、事業成長につなげるかを定める戦略です。

新規事業を立ち上げる際に、曖昧なターゲット設定や価値提案で進めると、時間やリソースを消耗するだけで、事業撤退につながるリスクがあります。
そのため「何を決めるべきなのか」「どのように策定すべきか」と悩む方もいるでしょう。

本記事では、新規事業における営業戦略の立て方や役立つフレームワーク、成功のコツを紹介します。
これから新規事業を立ち上げる方や、営業成果が伸び悩んでいる企業担当者は、ぜひ最後までご覧ください。

新規事業における営業戦略の重要性

新規事業では、ターゲットや提供価値、アプローチ方法が定まっていないことが多く、営業戦略を設計せずに動くと場当たり的な受注に陥ります。

一方、営業戦略を策定すると、ターゲットや訴求ポイントが明確になり、顧客の反応をもとに仮説検証を進められます。
受注・失注の理由を分析でき、プロダクトの改善や価格設計、提供方法の最適化が可能です。

また、戦略を定めておくと、営業手法やKPIに一貫性が生まれ、属人的な営業からの脱却も期待できます。

このように新規事業における営業戦略は、単に売上獲得の手段ではなく、営業活動の方向性を定め、事業成長を支える指針として重要な役割を担います。

既存事業における営業戦略との違い

新規事業と既存事業の営業戦略は、試行錯誤を前提とした設計が求められる点が大きな違いです。

既存事業では、ターゲット顧客や提供価値、アプローチの勝ち筋がある程度確立されています。
そのため、既存事業の営業戦略は効率化や再現性の向上に主眼が置かれる点が特徴です。

一方、新規事業では、市場ニーズや顧客像が不確かな状態からスタートします。
営業活動中に、受注数や反応した顧客層、刺さった訴求内容などの仮説検証が必要です。

そのため、新規事業の営業戦略では、短期的な売上最大化よりも、検証スピードや柔軟な軌道修正が求められます。

このような違いから、既存事業で成果を上げてきた営業戦略を新規事業にそのまま適用することはできないため、一から組み立てる必要があります。

新規事業の営業戦略によくある失敗

新規事業の営業戦略において失敗に至るケースには、いくつか共通点が見られます。

以下では、新規事業の営業戦略によくある失敗を紹介します。

勝ちパターンがない闇雲な営業

新規事業の営業戦略策定が不十分な場合、再現性のある勝ちパターンを構築できず、闇雲な営業に陥るケースが見られます。
このケースの原因は、アポイント数や商談数などの行動量を重視する一方で、評価や検証を戦略に組み込めていないことが主です。

評価の仕組みがないと、受注などの成果が出たとしても、効果的なアプローチや有効な顧客を整理できず、改善につながる知見が蓄積されません。
その結果、成果創出が個人のスキルや経験に依存し、営業成果が不安定になります。

場当たり的な営業を防ぐためには、検証すべきターゲットや訴求内容を定め、成果と要因をセットで振り返る営業戦略を設計することが重要です。

市場や顧客のニーズの誤解

新規事業の営業戦略策定では、机上の仮説や限られたヒアリング結果だけをもとに、市場や顧客のニーズを判断するケースが少なくありません。
顧客が本当に解決したい課題を十分に理解しないまま営業を進めると、提案内容とニーズにズレが生じ、商談につながりません。

市場ニーズへの期待と営業現場の成果が噛み合わず、事業判断を誤るリスクが高まります。

ニーズを正しく理解するためには、定量・定性データをもとに顧客の反応や行動を分析し、継続的にキャッチアップする必要があります。

曖昧なターゲット設定

新規事業の営業戦略策定では、ターゲット設定が曖昧になる傾向にあります。
この原因として、商機拡大のために対象を広く設定する場合や、既存事業の成功体験に引っ張られ、分析なしに同じ顧客層を想定する場合が挙げられます。

業種や企業規模、役職を定めない状態で営業を進めると、提案内容が定まらず、顧客に価値が十分に伝わりません。
その結果、商談や担当者ごとに提案にブレが生じ、成果につながらない営業に陥ります。

このような失敗を避けるためにも、STP分析などのフレームワークを活用し、ターゲットを絞り込むことが重要です。

リソース不足

新規事業の営業戦略策定には、営業分析やターゲット設計、KPI設計など幅広い知識が求められるため、対応できる人材が限られます。
そのため、リソース不足が課題として浮上するケースも少なくありません。

リソースが不足すると、戦略設計や評価に十分な時間を割けず、営業活動が行動量重視に偏る傾向にあります。
その結果、場当たり的なアプローチや属人的な判断に頼ることになり、成果を得られない可能性が高まります。

そのため、新規事業を確実に成功させるためには、外部の専門家を活用するなど、営業戦略策定に十分なリソースを確保することが大切です。

新規事業の営業戦略手順

以下では、新規事業の営業戦略を策定する際の基本的な手順を紹介します。

1.市場調査・競合分析

新規事業の営業戦略は、まず市場全体の構造を把握することから始まります。
市場調査と競合分析を通じて、参入余地や優位性を築ける市場の仮説を立てます。

具体的にそれぞれで実施する内容は、以下のとおりです。

市場調査競合分析
・市場規模や成長性、業界動向の把握:参入余地や将来性の判断
・顧客属性や購買決定プロセスの把握:意思決定者や検討フローの理解
・市場課題と未充足ニーズの整理:新規事業の機会発見
・競合サービスや製品の洗い出し:競争環境の全体把握
・競合の強みと弱みや価格帯、営業手法の分析:差別化ポイントや勝ち筋の特定
・競合の成功事例や導入実績の把握:顧客が評価している価値の特定

単なる情報収集にとどまらず、市場と競合を多角的に分析し、営業戦略に活かせる勝ち筋を見極めます。

2.自社分析

自社分析では、自社の技術やノウハウ、人的リソースなどを整理し、市場ニーズと照らし合わせます。

具体的に実施する内容は、以下のとおりです。

  • 強みの整理:自社の技術・ノウハウ・実績を洗い出し、競合と比較した優位性を把握
  • リソース分析:人的リソースや対応可能範囲を整理し、実行可能な営業戦略の見極め
  • 提供価値の整理:自社が提供できる価値を言語化し、顧客課題との適合度を確認
  • 制約条件の把握:コスト・工数・スピードなどの制約を整理し、現実的な戦略設計を実施
  • 競合との差分確認:競合分析結果と照らし合わせ、差別化ポイントを明確化
  • 営業資産の整理:既存顧客や実績、営業ノウハウを整理し、活用可能なアセットを把握

自社分析で重要なのは、顧客にとって価値のある強みを見極めることです。
顧客視点で強みを捉えられると、営業で訴求すべき価値や優先的に狙うべき市場セグメントが定まり、戦略の軸が固まります。

3.ターゲット設定

市場調査と自社分析を踏まえ、営業戦略の精度を高めるために以下のようにターゲットを具体化します。

設定項目詳細設定例
業種どの業界を対象とするかIT企業
エリア営業対象とする地域首都圏
企業規模企業の規模や成長フェーズ従業員50名〜200名の中堅企業
役職商談・意思決定に関与する立場経営者、情報システム担当
課題特性抱えている課題やニーズ新規顧客獲得に課題、業務効率化を検討中
導入状況類似サービスの利用有無既存ツール未導入、他社サービス利用中

ターゲットを明確に設定できると、営業リスト作成やアプローチ方法、訴求メッセージに一貫性が生まれます。
その結果、営業戦略の検証スピードが上がり、成果を短期間で得られます。

4.ビジネスモデルの構築

続いて、収益獲得方法や価格設定、契約形態などを定め、ビジネスモデルを構築します。

具体的には、以下のような項目を定義します。

設定項目具体的な内容
収益モデル初期費用型、月額課金型、従量課金型などの選定
価格設定顧客が納得しやすい価格帯や料金体系の設計
契約形態単発契約、継続契約、長期契約の有無
導入ハードル初期コストや導入工数の整理
継続性リピートや追加受注につながる仕組みの検討

新規事業の営業戦略では、顧客にとって導入しやすいか、営業現場で説明・提案しやすいかといった点が特に重要です。

理論上は成立するビジネスモデルでも、顧客ニーズに合わない設計や営業しにくい設計では成果につながりません。
そのため、顧客分析やターゲット設定をもとに、売りやすく、かつ成長しやすいビジネスモデルを構築しましょう。

5.営業プロセスの設計

ビジネスモデルの構築後は、営業活動の流れを具体化します。
見込み顧客の獲得から商談、受注、フォローまでの一連の営業プロセスを整理し、各フェーズで行うべきアクションを定義します。

具体的な設計内容は、以下のとおりです。

営業プロセス設計内容
1.リード獲得獲得チャネルの整理、ターゲットに合った集客手法の選定
2.初回接触アプローチ方法やトーク内容の設計
3.ヒアリング顧客課題やニーズを把握するための質問設計
4.提案提供価値や差別化ポイントを伝える提案内容の整理
5.クロージング契約条件や意思決定を促すプロセスの設計
6.フォロー受注後のフォローや追加提案の流れを整理

新規事業の営業戦略では、プロセスを固定化しすぎず、仮説検証を前提とした設計を行います。
各フェーズの数値や顧客の反応をもとに、改善を重ねていきます。

6.目標・KPIの設定

続いて、営業活動を評価・改善するために、目標とKPIを設定します。
特に新規事業の営業戦略では、KPIを設定し、戦略の有効性を客観的に評価することが重要です。

アポイント獲得数や商談化率、成約率など、営業プロセスごとにKPIを設け、フェーズごとの課題を把握します。

具体的な設定方法は、以下のとおりです。

営業フェーズ目標例KPI例KPI設定の目的
リード獲得検証に十分な母数を確保リード数、問い合わせ数集客施策やターゲット設定の妥当性検証
初回接触ターゲットとの接点を創出アポイント獲得数、アポ率アプローチ方法や訴求内容の検証
商談課題仮説が通用するかを確認商談化率、商談数ヒアリングや提案の質の確認
提案提供価値と価格の受容度を測定成約率、提案件数提供価値や価格設定の検証
受注事業として成立するかを判断受注件数、受注金額事業としての成立可能性の判断

目標を設定する際は、実現可能な目標を設定することが大切です。
現実とかけ離れた目標は現場の疲弊を招き、実行が滞ります。

過去の営業データや直近の実績をもとに目標を定期的に調整し、戦略の妥当性を保ちましょう。

7.実行

設計した営業戦略は、実行して初めて意味を持ちます。

新規事業では、設計通りに進まない場合のほうが多くあります。
そのため、完璧を目指すよりも、スピードと柔軟性を重視し、まずは行動に移して戦略を検証することが重要です。

営業現場で得られた顧客の反応や課題感を記録し、仮説とのズレを把握できると、次の改善につなげられます。

8.評価

新規事業では市場環境や顧客ニーズが短期間で変化するため、初期に立てた戦略を常に最適化していくことが重要です。
新規事業の評価工程では、プロセスごとのKPIを確認し、営業プロセスが機能しているかなど、戦略の妥当性を検証します。

具体的に評価する内容は、以下のとおりです。

  • KPI達成状況の確認:設定したKPIが計画どおりに推移しているかを把握
  • プロセス別の成果分析:どの営業プロセスが機能し、どこで停滞や離脱が起きているかを確認
  • 仮説の妥当性検証:ターゲット設定や訴求内容、価格設定が市場に合っているかを評価
  • 改善ポイントの抽出:数値から課題を特定し、次の打ち手を洗い出す


営業戦略を見直す際は、感覚や個人の印象に頼るのではなく、データに基づいて振り返ると、改善点が見えます。
営業戦略の評価と改善を繰り返すと、市場や顧客ニーズの変化に適応できるだけでなく、仮説の精度が高まり、再現性のある勝ちパターンの構築につながります。

新規事業の営業戦略策定に使えるフレームワーク

新規事業の営業戦略においてフレームワークは、仮説を整理し、実行と検証につなげるためのツールとして活用できます。

特に役立つフレームワークを以下の表にまとめました。

フレームワーク概要活用方法
STP分析市場をセグメント化し、ターゲットとポジショニングを定義する手法狙う顧客層の明確化、訴求軸の整理
PEST分析政治・経済・社会・技術の外部環境を整理する分析手法市場変化やリスクの把握、中長期戦略の検討
3C分析市場・競合・自社の三要素を比較する分析フレーム勝ち筋や差別化ポイントの特定
SWOT分析自社の強み・弱みと外部環境の機会・脅威を整理する手法戦略方向性の整理、施策立案の土台づくり
4P分析商品・価格・流通・販促の視点で提供価値を整理する枠組み営業・マーケティング施策への具体化
ファイブフォース分析業界の競争構造や参入障壁を把握する分析手法収益性や競争リスクの見極め
バリュープロポジションキャンバス顧客課題と提供価値の適合度を整理するフレーム営業で伝える価値の明確化

複数のフレームワークを組み合わせ、実行・評価・改善のサイクルを回すことで成功につながります。

フレームワークの活用例を詳しく知りたい方は、以下を合わせてご覧ください。

新規事業の営業戦略を成功させるコツ

以下では、新規事業の営業戦略を成功させるコツについて紹介します。

データドリブンな戦略策定

新規事業を成功させるためには、勘や経験だけに頼らず、データに基づいた戦略策定が重要です。
CRM内の顧客や市場のデータを分析し、自社の強みや競合との差別化ポイントを客観的に把握しましょう。

例えば、反応の良かった顧客属性や商談化率の高い提案内容を可視化すると、ターゲットや訴求軸が明確になります。
また、数値をもとに営業プロセスを振り返ると、改善すべきポイントを的確に特定でき、戦略の軌道修正もスムーズに行えます。

マーケティング・プロダクトとの連携強化

新規事業の営業戦略は、営業だけで判断すると、顧客ニーズを正しく捉えられず、ターゲット設定や提供価値の方向性を誤ります。
リード獲得施策を分析できるマーケティング部門や、機能・価格を調整できるプロダクト部門と連携し、戦略の妥当性を確かめることが大切です。

マーケティングと連携すると、ターゲットに合った集客施策や訴求設計が可能になり、営業活動の前段階から戦略の精度が向上します。
また、営業現場で得られた顧客の声や失注理由をプロダクト側へ共有すると、機能改善や価格調整に反映できます。

営業・マーケティング・プロダクトの連携により情報を共有化すると、検証スピードが向上し、より実効性の高い営業戦略の構築が可能です。

外部リソースの活用

新規事業の営業戦略では、すべてを社内だけで完結させると、リソース不足が課題になる場合があります。
特に、立ち上げ初期の企業や既存事業と並行して新規事業を進めている企業は、戦略設計に十分な時間を割けないケースも少なくありません。

外部の専門家や営業支援会社を活用することで、市場分析や営業プロセス設計、KPI設計などを効率的に進められます。
また、他社事例や成功パターンをもとに、再現性の高い営業戦略の構築が可能です。

結果として、新規事業の立ち上げを加速させ、成功確率を高められます。

営業戦略の外注に興味がある方は、以下をご覧ください。

営業 アウトソース

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まとめ:綿密な営業戦略を立て、新規事業を成功に導こう

新規事業を成功させるためには、場当たり的な営業ではなく、仮説検証を前提とした綿密な営業戦略が欠かせません。
市場調査や自社分析を通じてターゲットと提供価値を明確にし、ビジネスモデルや営業プロセス、KPIを体系的に設計することが重要です。

社内リソースが不足している場合や、戦略設計に不安がある場合は、外注化の検討が有効です。

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投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。