インサイドセールス立ち上げの手順とは?失敗しないポイントも解説

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インサイドセールスを立ち上げたいと思っているものの、どのように行えば良いか悩んでいる企業担当者の方は多いでしょう。

インサイドセールスを導入する企業は多くありますが、立ち上げ時の注意点を把握しておかなければ、せっかくの施策も失敗になりかねません。

本記事では、インサイドセールスの概要から立ち上げる際の手順について詳しく解説します。

最後まで読めば、失敗しないポイントもあわせて解説するので、ぜひ最後まで読んでインサイドセールス立ち上げにお役立てください。

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インサイドセールス立ち上げ前に概要を確認

本章では、インサイドセールス立ち上げ前に概要や従来の営業とは違う点についてご紹介します。

インサイドセールス立ち上げ前に、まずは関係者間で共通認識を持って施策に取り組むことで、失敗するリスクを軽減できます。

一方で、「他社もやっているから」と安易な理由でインサイドセールスを立ち上げても、上手くは行かないでしょう。

まずは本章で、インサイドセールスの概要を把握し、立ち上げ前の準備をしていきましょう。

インサイドセールスとは?

インサイドセールスとは、BtoBにおける営業手法のひとつで顧客を直接訪問せず、電話やメールを使って見込み客に接触を図り案件化をめざす営業活動を指します。

セミナーや展示会、広告、Web施策などのマーケティング活動により収集した見込み客(リード)のうち購入意欲の高い層(MQL: Marketing Qualified Lead)に対してコンタクトするのが一般的とされています。

インサイドセールスの活動範囲は商談案件化するまでで、その後はアウトサイドセールス(フィールドセールスともいう)に引き渡す企業が多くを占めますが、商材によってはすべての営業活動をインサイドセールスのみで行い、成約まで担当する場合もあります。

インサイドセールスと従来の営業手法の違い

インサイドセールスは、テクノロジーを活用して営業活動を効率化した、従来にはない新しい形態の営業手法です。

諸説ありますが、インサイドセールスは、アメリカのテレマーケティングが起源といわれています。国土の広いアメリカで営業活動を行うには、直接訪問は移動コストが高くなるため電話による顧客アプローチが盛んでした。

インターネットの普及に伴い、メールを使った資料の送付が一般的になり、顧客管理システムやWeb広告などの発展によりセールスの仕組みが大きく変わりました。

最新のインサイドセールスはこれらの仕組みを組み合わせ、顧客の課題やニーズをデータから把握し、適切なソリューションを顧客に提示することで高い案件化率を実現しています。

ツールやシステムの発展と同時にインサイドセールスも普及し、立ち上げを検討する企業が増えています。

インサイドセールスと営業アシスタントとの違い

営業アシスタントは、営業を補佐する職種です。従来の外勤型営業(アウトサイドセールス/フィールドセールス)は移動に多くの時間を費やすため、営業アシスタントが不在の間の顧客の電話対応やスケジュール管理、見積書・契約書の作成などを行います。

現在ではモバイル端末や業務システムのクラウド化により、社内にいるのと遜色のない業務ができるようになっています。そのため営業アシスタント業務の総量が減少しており、営業部門内にインサイドセールスチームとして再編成することがよくあります。ただし、業務内容が異なるため、インサイドセールスの設置部門については他の組織との連携や顧客との関係性なども考慮する必要があります。

商材の特性や社風を考慮し、適切にインサイドセールスチームを活動させることが大切です。

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インサイドセールス立ち上げ時の手順

インサイドセールス立ち上げ時の手順は、次のとおりです。

  1. 目的と役割の明確化
  2. インサイドセールス立ち上げ時にKPIを設定する
  3. インサイドセールス立ち上げ時には社内への認知と部門内調整をする
  4. インサイドセールス立ち上げ時には目標設定をする
  5. インサイドセールス立ち上げ時には入力負担の少ないツールを選定する
  6. インサイドセールス立ち上げ時にはマーケティング部と営業部との連携とる

立ち上げ時の手順を把握すれば、活動を行う際にスムーズに取り組めます。

インサイドセールス立ち上げ時の手順を確認して、それぞれのポイントを押さえておきましょう。

手順1.目的と役割の明確化

インサイドセールスを立ち上げる際は、まず目的と役割の明確化が大切です。

目的と役割が不明確な状態でインサイドセールスを立ち上げると、テレアポやメール営業を実施するだけのチームとなってしまい、営業効率が低下します。

下記を参考に、自社の目的と役割を明確化して、インサイドセールス立ち上げに備えましょう。

タイプ新規開拓型顧客育成型一気通貫型
目的新規顧客の獲得受注率・受注数向上受注プロセスの効率化・生産性向上
役割アウトバウンド営業による見込み顧客の創出見込み顧客を育成し、確度の高い案件の創出見込み顧客の創出から育成、クロージング
課題見込み顧客の不足受注率・受注数の不足・営業リソースの不足
・生産性の低下

なお、インサイドセールスの目的・役割を明確化する際は、下記のポイントを押さえましょう。

  • 自社の課題を分析し、インサイドセールスの目的を明確にする
  • 営業プロセス全体を設計し、インサイドセールスの役割を定義する

それぞれのポイントを押さえておけば、自社の課題や目的・役割を明確化して、インサイドセールスの方向性を定められます。

自社の課題を分析し、インサイドセールスの目的を明確にする

インサイドセールスの目的を定める際は、自社の課題を分析することが大切です。

どのような課題があるのか、現状の問題点を把握しておかなければ、達成するべき目的を定められません。

課題を分析すれば、改善するべきポイントが明確になり、目指すべき方向性が定まります。

課題から目的を定めれば、インサイドセールスで取り扱う商材を決められるため、具体的なアプローチ方法を選定しましょう。

営業プロセス全体を設計し、インサイドセールスの役割を定義する

インサイドセールスの目的が定まったら、営業プロセス全体設計を基に、役割を決めましょう。

インサイドセールスの役割を定義すれば、どのような商材・アプローチ方法を採用するべきか検討できます。

基本的に、インサイドセールスはマーケティング部門にフィールドセールスをトスアップする役割があり、受注につながるような商談やコミュニケーションを取ります。

営業プロセス全体を見直すことで、インサイドセールスに求める役割が明確になり、目的や課題に合ったアプローチ方法を検討できるのです。

手順2.インサイドセールス立ち上げ時にKPIを設定する

インサイドセールスの主な業務は見込み客(リード)にメールや電話で接触を図り、商談案件を創出することです。

マネージャはチームメンバーがこのミッションを円滑に実行する環境を整え、目標を達成するための指標(KPI)を設定します。

まず、インサイドセールスの活動に必要な環境とは、見込み客(リード)の個人情報(会社名・部署名・電話番号・メールアドレス)と、行動履歴、インサイドセールスでの活動履歴を入力・管理できるツールです。一般的には顧客管理システム(CRM/SFA)を使います。

CRM/SFAがすでに導入されている場合でもシステムにデータが正しく入力されていないと、電話が通じない、メールが届かない、名前や行動データが間違っていて逆に不審感を抱かせてしまうなどの問題が発生するので、立ち上げ時にはデータをクリーンな状態に整えましょう。

インサイドセールスで活用される主要なKPI指標

インサイドセールスで活用される主なKPI指標は、次のとおりです。

量のKPI質のKPI
アプローチ数リード件数
資料送付数アポイント獲得率
リード数有効商談化率
商談数受注率

自社が扱う商材や業界特性を理解した上で、優先するべきKPIを設定しましょう。

KPIを設定する際に押さえておくべきポイント

最終的な成果だけでなく過程での数値もKPIとして設定することで、具体的な目標を定められます。

例えば、アポイント率を増やしたい場合は、アポイント獲得数だけでなく、架電件数や担当者とのコンタクトもKPIに設定しましょう。

また、KPIは一度設定して終わりではなく、状況に応じて見直すことが大切です。

チームメンバーのスキルや市場のニーズに応じたKPIを設定して、インサイドセールスの目標指標を定めましょう。

手順3.インサイドセールス立ち上げ時には社内への認知と部門内調整をする

環境整備と同時並行になるのが、社内への認知です。

インサイドセールスはマーケティング部門から見込み客(リード)情報を受け取り、案件化したらアウトサイドセールスに引き渡す中継ぎの役目を担います。

そのため、マネージャーはインサイドセールスの守備範囲を明確にし、マーケティング部門と営業部門との連携をしっかり行えるように社内での認知と関連部門とのコミュニケーションを良好に保つ必要があるのです。

部門間の連携がうまくいけば、マーケティング部から渡されたリードが商材のターゲットと少しずれていて案件化率が低いような場合にも、インサイドセールスで得られた情報をマーケティング部門に適切なフィードバックができます。

フィードバックを基に、ターゲットのズレが修正すれば、案件化率の向上を期待できます。

手順4.インサイドセールス立ち上げ時には目標設定をする

インサイドセールスはマーケティングで獲得した見込み客数(リード)に対して案件を発掘することがミッションなので、次のような目標設定が必要です。

母数見込み客数
目標とする指標案件数
目標を達成するための鍵となる指標(KPI)案件化率

営業活動がインサイドセールスのみの場合は、受注数が目標になり案件数および案件化率が目標を達成するための鍵指標(KPI)です。

営業全体のプロセスは、マーケティングでの見込み客獲得から、インサイドセールスで案件化、アウトサイドセールスでの受注、さらには再受注まで続いています。

インサイドセールスが案件化率だけを上げることに盲目になると、次のステップの受注率が下がるなどプロセス全体が機能しなくなるため、適正な目標数の設定が大切です。

手順5.インサイドセールス立ち上げ時には入力負担の少ないツールを選定する

切れ目のない営業プロセスを引き継ぎ、マーケティング、インサイドセールス、アウトサイドセールス間の分業をスムーズにするには、情報の受け渡しが重要です。

SFA/CRMを活用すると、顧客情報を管理し、案件ごとの活動内容を入力できます。
ただし、データ入力が不十分だと、ツールの価値が半減するため、チームメンバーにデータ入力の重要性を周知するとともに、入力負担を軽くする工夫が必要です。

しかし、1日に複数の顧客と何本ものメールや電話対応を行い、その記録をすべて入力する作業は大変です。

入力項目が多すぎたり入力画面が使いにくかったりすると、入力が手薄になり歯抜けデータが多くなるなどミスが発生します。

ツールを選定する際は、メンバーの入力負担を軽減しつつ、重要な項目は必ず入力できるよう工夫しましょう。

インサイドセールスで活用する主なツールは、次のとおりです。

ツールの種類役割
MA(マーケティングオートメーション)リード獲得から育成までを自動化
SFA(セールスフォースオートメーション)営業活動の効率化と可視化を実現
CRM(顧客関係管理)顧客情報を一元管理し、長期的な関係構築を支援

それぞれの違いを確認して、入力負担が少ないツールを導入しましょう。

MA(マーケティングオートメーション):リード獲得から育成までを自動化

MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティング活動を効率化するための機能が備わったツールです。

主にリード獲得や育成、見込み顧客の情報分析を行い、アプローチするターゲット層を選別する機能が備わっています。

また、顧客ごとにパーソナライズしたタイミングや文面でコンテンツを配信し、興味付けから営業担当者への引き渡しまでを自動化します。

SFA(セールスフォースオートメーション):営業活動の効率化と可視化を実現

SFA(セールスフォースオートメーション)は、営業活動を効率化するためのツールです。

商談状況の可視化や共有、成約率や顧客情報など営業活動に関するデータを一元管理して、業務効率を向上させます。

SFAを活用すれば、インサイドセールスにおける業務プロセスを標準化し、生産性向上につなげられます。

CRM(顧客関係管理):顧客情報を一元管理し、長期的な関係構築を支援

CRM(顧客関係管理)は、顧客情報を一元管理し、関係性構築に役立つ機能が備わっています。

新規顧客を獲得しても、継続的な取引につなげるためには、長期的な育成が必要です。

顧客情報や接点履歴を管理し、顧客満足度やロイヤリティの向上、クロスセルやアップセルなどの追加購入を促します。

手順6.インサイドセールス立ち上げ時にはマーケティング部と営業部との連携とる

繰り返しになりますが、インサイドセールスはマーケティング部門と営業部門の間に位置し、各組織が分業する役割が求められます。

そのために、前のステップの指標が次の指標の母数になる考え方を、世界的なCRMソフトウェア企業のセールスフォースが提唱しました。

具体的にはマーケティング部の指標の見込客数が次ステップのインサイドセールスでの案件数を算出するための母数になり、さらにその案件数がアウトサイドセールスでの受注数を算出するための母数になる仕組みです。

出典:5つの短編動画で学ぶ! SaaS ビジネス成功の基礎「The Model」 | セールスフォース・ジャパン

マーケティング部の見込客数が、次ステップのインサイドセールスでの案件数を算出し、その案件数がアウトサイドセールスでの受注数を算出することで、営業プロセスが掛け算でつながります。

インサイドセールスで営業プロセスの成果を高めるには、数値目標とコミュニケーションが連携して、営業実績を向上させること大切です。

インサイドセールス構築で失敗しない9つのポイントとは?

インサイドセールス構築の成功に必要なポイントは、以下の9つです。

  • インサイドセールス構築の目的・目標を明確化
  • インサイドセールスは周囲の協力を得て構築
  • インサイドセールス構築には決裁者・現場の連携が必須
  • インサイドセールス成功の定義を策定
  • インサイドセールス構築前にリソース・KPIを整理
  • インサイドセールスのターゲットを定める
  • インサイドセールスの状況を定期的に評価
  • インサイドセールスのトークスクリプトを作成
  • インサイドセールス立ち上げはスモールスタート

各ポイントを押さえて、インサイドセールス構築で失敗しないよう対策しましょう。

ポイント1.インサイドセールス構築の目的・目標を明確化

インサイドセールスを構築する目的・目標を明確にしておかなければ、ゴールが見えずに、プロジェクトメンバーのパフォーマンスが低下するリスクがあります。

「インサイドセールスを構築するうえで、目的を明確にするのは当然のこと」と感じるかもしれませんが、なんとなくのイメージでしか目的を捉えていない担当者が多いのが実情です。

実際に、インサイドセールス構築に取り組む中で、プロジェクトメンバーのモチベーション維持が課題となるケースもあります。

インサイドセールスは、新規見込み客の獲得と既存顧客へのフォローアップを通じ、確度の高い顧客と接点を持ちフィールドセールスにつなげるのが目的。

目的が明確化していれば「タスク処理に心血を注ぎきり、インサイドセールス導入を導入しただけで満足してしまう」失敗リスクを防止できます。

インサイドセールスを構築し、十分な熱量をもってスタートできるよう、目的や目標を明確化して共有しておきましょう。

ポイント2.インサイドセールスは周囲の協力を得て構築

インサイドセールスは、マーケティングから商談までの幅広い部門に関連する取り組みです。

ゆえに関係者の数が多く、インサイドセールスの構築には周囲の協力が必須。

ただし、周囲の協力を得る際に、それぞれの目指す方向が一致しない場合もあります。

足並みを揃えてインサイドセールスを構築するには、目的・目標のほか、どのような体制で施策を行うのかについて目線を合わせておく必要があります。

「ウチは風通しが良いから大丈夫」と慢心せず、密なコミュニケーションのために必要な環境を構築し、周囲の協力を得やすいように工夫しましょう。

ポイント3.インサイドセールス構築には決裁者・現場の連携が必須

インサイドセールス構築は、決裁者が導入を指示して現場に任せきりにしてはいけません。

決裁者は、定例ミーティングに参加する・プロジェクトの進捗を把握するなど、プロジェクトを遂行する現場に伴走しましょう。

例えば、何らかの原因でプロジェクトの進行が停滞した場合、決裁者がプロジェクトの進捗を把握できていれば、現場と一体となって原因を追究でき、解決へと導けます。

そうした行動が周囲との協力体制の強化にもつながり、インサイドセールスの構築成功につながるのです。

ポイント4.インサイドセールス成功の定義を策定

インサイドセールスの成功条件を定義するのは、フィールドセールスとインサイドセールスの認識のズレ防止に効果的です。

具体的には、インサイドセールスで「ヒヤリングの結果、要件を満たしたため商談設定した」と感じているが、フィールドセールスは「見込みの薄い企業と商談設定だ」といった認識のズレです。

上記のような見解の食い違いは、関係者のしがらみが悪化する原因となり、業績の向上が見込めません。

数字を上げるためには、成果目標の達成基準を定め、インサイドセールス関係者の間で基準を周知・共有できる状態を構築することが大切です。

ポイント5.インサイドセールス構築前にリソース・KPIを整理

KPIは目標達成に向けたプロセスの達成度合いの計測に必須であり、より正確なKPIの設定にはリソースが不可欠です。

特に、インサイドセールス担当者が業務を兼任する場合は、リソースやKPIの重要性が高まります。

担当者が他の業務を兼任すると、多数の顧客と連絡を取り合う必要があり、インサイドセールスに割いている時間的コストを明確にできません。

上記のような状態を防ぐためにリソースを整理し、インサイドセールス担当者の役割や業務範囲を定めておきましょう。

リソースの整理は、インサイドセールス担当者の時間的コストが明確になるだけでなく、より的確なKPIの設定につながります。

的確なKPI設定ができていれば、インサイドセールス導入の目的達成までのスムーズなプロセス進行が可能です。

ポイント6.インサイドセールスのターゲットを定める

自社のサービスにニーズがないターゲットにインサイドセールスを仕掛けるのは合理的ではありません。

当然のことですが、インサイドセールスのターゲットが明確でなければ、十分に起こり得ます。

そして、インサイドセールスの導入に踏み切る企業の中には、ターゲット選定を間違えたまま営業活動を行っているケースもあるため注意が必要です。

インサイドセールスの導入後に、うまく数字が上がらない場合は、ターゲット選定が的確かどうかを確認してみてください。

ターゲット選定の確認には、顧客リストから受注していた企業を洗い出し、取引先の企業にはどういった特徴・課題・要望があったかをデータ化する必要があります。

実際に取引へとつながった企業のデータが揃えば、ターゲッティングが的確かつスムーズになり、業務効率の向上にも期待できます。

ポイント7.インサイドセールスの構築状況を定期的に評価

週に1度・月に1度など、定期的なミーティングでのインサイドセールス構築の進捗確認は、適正な評価とプロジェクトメンバーのモチベーション維持に効果的です。

定期的なミーティングは、決裁者と現場の連携を深める効果にも期待できるため、定点観測の場として準備しておきましょう。

ただし、ミーティングは方法を間違えると主幹業務を圧迫しかねない点に要注意です。

ミーティングは15~30分程度に設定し、議題は前もって周知する・発言する順番を決めておくなど効率的に進行できるように工夫しましょう。

そうしてミーティングを繰り返すうち、インサイドセールスの運用が成熟し、目標達成への貢献度が向上します。

ポイント8.インサイドセールスのトークスクリプトを作成

通常の営業活動と同様に、インサイドセールスでもトークスクリプトは大切です。

社内で実績のある営業パーソンのトークステップをもとにして、インサイドセールスのトークスクリプトを作成しましょう。

トークスクリプトを作成する際は、機械的にならないように注意してください。

機械的にアポイントを獲得するような内容では、インサイドセールスがテレアポ化してしまうリスクがあります。

インサイドセールスの有用性を向上するためにも、必要なトークステップをもとに、適切な内容のトークスクリプトを構築しましょう。

また、初めから満点のトークスクリプトを目指す必要はありません。インサイドセールスを運用する中で、得た知識や経験を随時反映し、少しずつ完成に近づけるイメージで作成しましょう。

ポイント9.インサイドセールス立ち上げはスモールスタート

インサイドセールスの構築は小規模・少人数でスタートさせましょう。

少人数で取り組むと、小さく素早いPDCAサイクルを回せるため、スムーズに立ち上がります。

軌道修正も容易になり、インサイドセールス構築に失敗するリスク軽減も可能です。

そして、インサイドセールス構築を成功に導くには、スタート時のトライ&エラーが大切です。

インサイドセールスは、できるところから少しずつ手を広げるスモールスタートで開始し、実績につながるようになったら規模を広げてください。

インサイドセールスはスモールスタートすることで、低リスクに効果を発揮できます。

インサイドセールス立ち上げ後のよくある失敗事例

インサイドセールス立ち上げ後によくある失敗事例は、次のとおりです。

  • アポイント獲得に偏重し、本来のリード育成機能が弱まっている
  • 稼働率が低く、リードが適切に活用されていない
  • ノウハウの蓄積や共有が十分に機能していない
  • マーケティング部門へのフィードバックが不十分で戦略に活かされていない
  • 営業部門との連携が希薄で、スムーズな情報共有ができていない

それぞれの失敗事例を参考に、インサイドセールスの立ち上げ後に失敗しないよう対策しましょう。

アポイント獲得に偏重し、本来のリード育成機能が弱まっている

アポイント獲得を重視するあまり、本来のリード育成機能が弱まっている場合は、インサイドセールスがテレアポ部隊化してしまいます。

インサイドセールスは、ただアポイントを獲得するだけでなく、顧客と継続的にコミュニケーションを取り、リード育成に努める必要があります。

従来の営業手法であるフィールドセールスだけでなく、新規顧客獲得と既存顧客育成を兼任しにくいため、インサイドセールスで双方を対応しましょう。

すぐ購入につながる顧客だけでなく、未来の顧客を育成して、長期的な収益につなげることが大切です。

稼働率が低く、リードが適切に活用されていない

インサイドセールスは、マーケティング部門が収集したリードを活用して、適切なアプローチをかける流れが一般的です。

しかし、インサイドセールスの稼働率が低く、収集したリードを適切に活用できていない場合は、生産性が低下します。

稼働率が低い場合は、マーケティング部門がリードを獲得するのを待つのではなく、新規顧客に電話やメールでアプローチをかけましょう。

インサイドセールスの稼働率を高めることで、生産性の低下を防げます。

ノウハウの蓄積や共有が十分に機能していない

組織内にノウハウの蓄積や共有が十分にできていない場合、インサイドセールスの成功率が低下します。

インサイドセールスは、主に架電による顧客とのコミュニケーションを通じて、商材の案内や追加購入の促進、関係性構築を行う仕事です。

しかし、インサイドセールスの性質上、担当者が顧客と1対1でコミュニケーションを取るため、上手くいかない場合も自分で対処しなければなりません。

ノウハウが蓄積・共有されていない場合、適切な案内や返答ができずに、機会損失を起こすリスクがあります。

インサイドセールス立ち上げ後も、よくある質問や返答に困る内容、アポイントにつながった会話の要因を分析し、トークスクリプトの作成や研修を実施しましょう。

マーケティング部門へのフィードバックが不十分で戦略に活かされていない

マーケティング部門へのフィードバックが不十分な場合、インサイドセールスで成果を上げられない可能性があります。

実際に顧客と接点を取るのはインサイドセールス部門であり、マーケティング部門は「なぜ問い合わせしてくれたのか」など、直接的に顧客のリアルな声を聴けません。

数値的な要素で良かった点や悪かった点を判断するだけでなく、インサイドセールスから下記の点をフィードバックすれば、マーケティング精度の向上につなげられます。

  • 問い合わせや資料請求に至った理由
  • 顧客がよく口にするキーワード
  • 施策やコンテンツに対する反応
  • 顧客の動向や属性

営業プロセス全体で成果を高めるために、インサイドセールスで得た情報をマーケティング部門にフィードバックしましょう。

営業部門との連携が希薄で、スムーズな情報共有ができていない

インサイドセールスが連携するのは、マーケティング部門だけではありません。
営業部門との連携が希薄で、スムーズに情報共有できていない場合は、インサイドセールスの効果が低下してしまいます。

インサイドセールスでアポイントを獲得しても、商談で成約できていない場合は、アポイントの確度が低い可能性があります。

営業部門と密接に連携して、商談で良かった点や悪かった点のフィードバックをもらいましょう。

営業が商談でどのような会話をしているか把握しておけば、インサイドセールスの確度を向上させられます。

インサイドセールス立ち上げの成功事例

実際にインサイドセールス立ち上げで成功した事例として、次のようなものがあります。

企業名インサイドセールス立ち上げによる成果
株式会社ツクイスタッフアポイント獲得数が2倍以上にアップ
株式会社識学アポイント獲得数が2倍にアップ
株式会社タイミー商談化率1.5倍にアップ
ターゲットメディア株式会社商談数が225%にアップ
株式会社カオナビわずか3名で1カ月100件の有力案件創出

インサイドセールス立ち上げによって、アポイント獲得数や商談数が格段に増えた事例が多いです。

下記の記事で、それぞれの成功事例を解説しているので、あわせてチェックしておきましょう。

インサイドセールスの運用方法|外部委託と自社運用の比較

インサイドセールス立ち上げの際に、自社で運用するリソースが不足していると、外部企業へ委託するべきか悩む方もいるのではないでしょうか。

外部委託と自社運用どちらを選択するべきか悩んだ際は、それぞれのメリット・デメリットを比較しましょう。

外部パートナーにインサイドセールスを依頼するメリット

外部パートナーにインサイドセールスを依頼するメリットは、次のとおりです。

  • 専門知識やスキル、豊富な経験、ノウハウを持つプロが質の高インサイドセールスを実施してくれる
  • インサイドセールスに割くリソースを削減できる
  • 自社にノウハウやリソースが不足している場合でも、すぐにインサイドセールスを実施できる

自社にインサイドセールスを立ち上げるリソースやノウハウが不足している場合は、豊富なノウハウと経験を蓄積している外部パートナーに、インサイドセールスを委託しましょう。

外部パートナーにインサイドセールスを依頼するデメリット

外部パートナーにインサイドセールスを依頼するデメリットは、次のとおりです。

  • 社内にノウハウが蓄積されない
  • 外注コストがかかる
  • 外部パートナーによってサービスの差に違いがある

インサイドセールスを外部パートナーに委託する際は、複数社の実績や口コミ、料金プランを確認して、自社に適したサービスを選びましょう。

自社内でインサイドセールスを運用するメリット

自社内でインサイドセールスを運用するメリットは、次のとおりです。

  • 自社製品・サービスに精通した担当者が訴求できる
  • 社内にノウハウが蓄積される
  • 外注コストがかからない

外部パートナーに委託せず、自社内でインサイドセールスを運用する場合は、製品やサービスを熟知した担当者が顧客対応できるため、魅力を伝えやすいです。

さらにインサイドセールスのノウハウが社内に蓄積されるため、長期的な視点で見ると組織力向上にもつながります。

自社内でインサイドセールスを運用するデメリット

自社内でインサイドセールスを運用するデメリットは、次のとおりです。

  • 採用費・人件費・育成費・設備費などの投資が必要
  • 知識やノウハウがなければ立ち上げに失敗しやすい

自社内でインサイドセールスを運用するには、知識とスキルを持った人材を育成・確保するためのコストがかかります。

知識がない状態でインサイドセールスを立ち上げても失敗するリスクが高いため、社内にリソースやノウハウが不足している場合は、外部パートナーへの委託を検討しましょう。

インサイドセールス立ち上げは適切な方法で慎重に進めよう

本記事では、インサイドセールスの概要から立ち上げ時の手順と失敗しないためのポイントを紹介しました。

インサイドセールスは従来の営業手法とは大きく異なり、安易な理由で導入すると失敗になりかねません。

しかしインサイドセールスは比較的新しい営業手法でもあるため、立ち上げに苦労する企業も多いはずです。

多くの場合社内にノウハウがないほか、インサイドセールスに詳しい人材がいないこともあり、立ち上げをスムーズに行うことが難しいケースもあるでしょう。

立ち上げには少なからず労力や時間がかかるものです。

自社で立ち上げが難しい場合は、インサイドセールスを外注してみてはどうでしょうか。

株式会社soraプロジェクトでは、インサイドセールスの代行サービスを行っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。