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リードナーチャリングとは?意味と手法をおさらいしてインサイドセールスの基本を再確認

画像:リードナーチャリングとは

見込み客に適切なタイミングで接触を図り、質の高いリードに育てるリードナーチャリング。インサイドセールスの基本的な考え方であり手段でもあります。この記事ではリードナーチャリングの基本と手法を概説します。

リードナーチャリングとは?

リードナーチャリング(Lead nurturing )は直訳すると「見込み客の育成」という意味です。自社のプロダクトやサービスに対して、関心を示した見込み客に対して、そのプロダクトやサービスを導入すれば自分たちの課題をリーズナブルに解決できるのではないか?もう少し詳しい仕様や特長を聞いてみようと思ってもらうように購買意欲を育成することです。

育成対象はマーケティング施策で獲得した見込み客(MQL:Marketing Qualified Lead)です。それを引き継ぎインサイドセールス部門のメンバーがメールや電話でリードナーチャリングを実施するのが一般的です。

B to B商材の購買意欲は、購買プロセスが進むに従って上がるので、段階に応じた適切な情報を提供することがインサイドセールスにおけるリードナーチャリングの定番の考え方です。

B to Bマーケティングの全体像とリードナーチャリングの位置付け

画像:リードナーチャリングの位置づけ

B to Bにおける購買プロセスを再確認

B to B 商材の購買プロセスについては、「勘所をしっかり押さえて成果をあげるインサイドセールスの8つのコツ」で紹介しましたが、軽く再確認をしておきます。

消費者向けの製品やサービスとは違い、B to B商材は、衝動的に購入を決めるということはありません。会社の予算を使うのですから、目的は明確ですし、目的をクリアするための機能を持っているのか、費用対効果の最も優れたプロダクトはどれか、といった詳しい調査を組織で行います。下記に見込み客の購買プロセスを箇条書きにしておきます。

  1. 自社課題の認識
  2. 課題解決に必要な機能要件のまとめ
  3. 要件を満たす商材(または候補事業者)の調査・選定
  4. 企業に問い合わせて提案依頼や見積もり請求
  5. 社内で要件との適合性を評価・検討
  6. 社内稟議と意思決定
  7. 発注

購入の確度やマインドはステップに応じて変わる

購買プロセスによって、見込み客が必要とする情報は変わっていきます。1〜3の段階では、課題があることによる弊害や影響範囲を調べますし(課題の把握)、少し知識が深まれば、どういう解決策があるのかを調べます。そしてソリューションを提供する企業や商材を見つける(製品の認知)と、4の段階に進み詳しい仕様や価格といった情報を問い合わせます。このような購買プロセスに基づいた見込み客の一連の思考や感情、行動は「カスタマージャーニー」とも呼ばれています。

購買プロセスの階段を登らせるためのリード育成

3〜4の過程で、製品に対する見込み客の購入マインドは「単なる認知」から「試してみよう」まで大きく変わります。1〜3の調査段階で課題に対する解決策の情報を探している見込み客に接触し、4の段階に押し上げる確率を上げることができればリードナーチャリングの成功といえます。

しかし、3の調査段階で情報を探している見込み客はほとんどWeb上で行動します。2012年に米国のあるアドバイザリーファームが行った調査によると、購買プロセスの前半(調査段階)の67%は営業担当者との接触が行われないうちに終わっているという結果が報告されました。見込み客の行動マインドを押し上げる機会が67%も失われているのです。

そのため、最近はどの企業でも見込み客の個人情報を取得するために資料請求フォームやWebセミナー申し込みフォームを自社のWebサイトに設置しています。調査の早い段階から購買担当者と接触を図りリードナーチャリングを行えるようにしているのです。

リードナーチャリングの戦略

画像:リードナーチャリングの戦略

リードナーチャリングを成功させるには、課題解決のための調査段階で情報を探すという見込み客のWeb上での行動を想定し、そのキーワードで自社ソリューションが検索にヒットするようなコンテンツを用意しておきます。よくあるのが資料ダウンロードページやWebセミナーです。各コンテンツには個人情報を入力するフォームがついています。

コンテンツのポイントは資料やWebセミナーを課題ごとに用意することです。これは、リードナーチャリングを成功させるための戦略的な仕掛けで、見込み客の個人情報と抱えている課題がセットで手に入るようにする作戦です。大まかでも課題がわかれば、それに基づいた営業提案資料を提供できますし、営業トークの中でより詳しい課題を引き出すためのきっかけにもなります。

ダウンロードできる資料が単なる製品紹介カタログだけでは、見込み客がどのような課題をもとにソリューションを探しているのかわからず、購買意欲育成しようにも効率が悪いのです。

基本的な育成シナリオ

課題と個人情報がセットで入手できたらリードナーチャリングの開始です。資料ダウンロードやWebセミナー参加のお礼メールが定番です。お礼メールには購買プロセスの次の段階で知りたくなる情報、例えば具体的なユースケースや成功事例、あるいは他社製品との比較表などがあります。

お礼メールは、文面をテンプレート化しても構いませんが、担当者の名前や署名を入れ、冒頭は見込み客の会社名と氏名を差し込みます。購買プロセスが進んでいるとお礼メールの返信で個別の質問や提案依頼をくれる見込み客もいます。これで案件化ができます。案件化したら個別の営業活動を開始し営業提案を行って成約を目指します。

メールへの返信がない場合は、少し間を空けて送った資料を見てくれたかどうかを尋ねる2通目を送ります。返信があれば案件化、返信がなければ短期的なリード育成は一旦終了。育成は終了してもニュースレターや次のセミナーの開催日程といったマーケティング的なお知らせメールを送ります。その中で反応があれば案件化という育成サイクルを回します。これが最もシンプルなリードナーチャリングのシナリオです。

マーケティング施策の多様化で見込み客のマインドは分散

画像:マインドが分散

Webセミナー、資料請求、製品トライアルなど入り口がたくさん

リードナーチャリングはこのような見込み客の課題別の資料ダウンロードやWebセミナーといったマーケティング施策と連動させた育成シナリオを予め想定することで、効率よく回すことができます。

リードナーチャリングのシナリオを回していくと、見込み客との対話の中で新たな課題の発見もあります。それをキーワードにした資料ダウンロードページやWebセミナー申し込みページ、あるいはトライアル申請ページを作成して、別の入り口にすることで接触機会を増やすことができます。なお、このような入り口のことをランディングページといいます。

最近のマーケティング施策は多様化しているので、社内でランディングページを作成する以外にも他社の製品比較サイトに資料を置いたり、メディア広告にタイアップ記事を掲載したりしてリードを獲得することもできます。

リードが入った入り口を認識して育成する

リード獲得はマーケティング部門が担当するのが一般的ですが、リードナーチャリングを成功させるためには、ランディングページとリード育成シナリオを見込み客の課題ごとに1本の線で繋がるように設計することが望ましいので、マーケティング部門とコミュニケーションを図りながら、育成施策を設計することをおすすめします。

リードナーチャリングの手法

画像:リードナーチャリングの手法

ここからは、リードナーチャリングの手法をいくつか紹介しておきます。

ステップメール

資料をダウンロードした、製品紹介動画を見た、新規アカウント登録したといった見込み客のアクションに応じた、育成シナリオに基づいてあらかじめ用意しておいたメールを、事前にスケジューリングしたタイミングで複数回送信するメールのことをいいます。資料ダウンロード直後、3日後、1週間後、1ヶ月後にそれぞれ有益な情報を提供することで、見込み客の購入マインド熟成を図る方法です。

ステップメールは育成シナリオを回す合理的な方法ですが、資料請求などは毎日、モノによっては1時間に何人もの見込み客が行うためすべて手動で行うのは現実的ではありません。そこで、マーケティングオートメーションツール(MA)を利用して自動化するのが良いと思います。

マーケティングオートメーションには、ランディングページ作成、フォーム作成、HTMLメール作成、シナリオに基づいたメール配信スケジュール、CRM/SFAとの顧客データの自動同期、レポート作成までリードナーチャリングを自動化するための機能がすべて備わっていますので、育成シナリオがしっかり設計できていればこれほど強い味方はありません。

One to Oneメール

見込み客の一人ひとりの行動や属性、状況、興味に合わせて配信するメールのことをいいます。ライセンス体系のページを何度も見ている、特定地域からアクセスしている、サービスの無料プランに登録しているなどの見込み客に対して、適切な情報を提示するメールを送信しリード育成を図る方法です。見込み客のニーズや行動に合わせて、早いタイミングできめ細かい提案を行えるメリットがあります。

Webサイト上の行動を起点とする場合は、見込み客のメールアドレスと行動履歴が紐付いている必要がありますのでやはりマーケティングオートメーションツールが必要になります。

Webセミナー・ウェビナー/展示会

基本的な育成シナリオのところでも説明しましたが、セミナーの参加者に対してフォローメールを送ることで、リードナーチャリングを図る方法です。マーケティングオートメーションがなくても実施できるので、これからリード育成を始めたいと考えている方におすすめです。

SNS

FacebookやTwitter、LINEといったSNSツールで情報発信し、フォロワーを増やすことで商材の認知を増やす方法です。見込み客の課題や購買プロセスのどの段階にいるのかといったことを把握することはできませんが、購買マインドに影響力を与える可能性のあるインフルエンサーの獲得やコンテンツへの集客導線として活用できます。

リターゲティング広告

ランディングページに訪れたことがあるけれども、資料ダウンロードやセミナー申込みといった行動を起こさず離脱してしまった見込み客にWeb広告を掲載して再度Webサイトに来てもらいアクションを促す方法です。メールアドレスを獲得できていない見込み客に対してもリード育成ができる手法です。Google広告やYahoo広告などで実施できます。

リードナーチャリングの成功事例

画像:成功事例

SATORI株式会社

社名と同じ名前の「SATORI」という国産のMAを提供する企業が、自社ソリューションのSATORIを使いリードナーチャリングを含む営業の効率化に成功した事例です。リードナーチャリングについてはセミナー後のフォローメールで見込み客との接触機会を11倍に増やしたとのこと。リード育成だけでなく、実践的なマーケティング施策について詳しく紹介されているとても参考になる成功事例です。

出典:マーケ未経験者が3年間で商談2,000件を創出!SATORIが自社の営業効率化事例を公開―MarkeZine

株式会社リアルマックス

こちらは、リターゲティングでポテンシャルの高いユーザーと接触する機会を増やした成功事例です。リアルマックスが運営するゴルフ用品のECサイト「Atomic Golf」で購入を迷っている段階のユーザーに対する接触方法がなく、リスティング広告などのデジタル施策でも見込み客との接点を持ちづらいという課題を抱えていましたが、ツールの導入によりパーソナライズされたメール(One to Oneメール)を配信することにより成果をあげたそうです。キーワード検索などを行いにくい商材において見込み客との接触機会を増やしたい場合の参考になります。

出典:メールで新規を開拓!?「AdRoll Email」驚異の仕組み:Atomic Golfの成功事例 ーDIGITDAY

リードナーチャリングを取り入れる際の考え方

画像:リードナーチャリングの考え方

長期視点で考える

顧客との付き合いは、受注で終わりではありません。購入後の技術的な相談や使い方の質問を受けたり、納入した商品に不具合が生じたりした場合は対応しなければなりません。購入後のサポートはインサイドセールスの直接の役割ではありませんが、顧客サポートが迅速でていねいな企業の製品やサービスは、信頼感を生み次に繋がります。

顧客との長い付き合いから生まれる価値のことを、ライフタイムバリュー(LTV)といいます。新規の見込み客を育成し受注につなげるよりも、既存顧客から何回も成約を得るほうが営業コストを低く押さえ、長期的には理があるという考え方です。LTVを上げる目的で受注後の顧客との付き合いを営業プロセスに組織的に組み込みこんだのが「カスタマーサクセス」部門です。これもリードナーチャリングの考え方のひとつです。

成果分析をしっかり行う

リードナーチャリングの成果指標は、問い合わせ以前の見込み客に対する、問い合わせの数とするのが一般的ですが、何を持って「問い合わせ」とするかは、育成シナリオによって違いますので、設計時に定義しKPIとして定めてください。

成果分析は定期的に行います。成功要因・失敗要因を考察したら、それをもとにシナリオやメール内容、トークスクリプトを改善します。そしてまた成果分析…。といったようにPDCAを回すことで、適正化されていきます。改善は小さなことでも良いと思います。シナリオをチューニングし続けることが大切です。

カスタマージャーニーに基づいた育成シナリオ設計が成功の鍵

リードナーチャリングの定義から、戦略的な考え方、具体的な手法、成功事例、PDCAまでを解説しました。リードナーチャリングで成果を上げるには、購買プロセスに沿った見込み客の行動(カスタマージャーニー)に基づく育成シナリオを戦略的に設計することが重要です。しっかりした設計ができれば、MAツールの導入により効果も倍増しますので、まずは見込み客がどのように商材を選定し、どういう購買行動をとっているのか、顧客視点で考察してみてください。

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