特にインバウンド型のインサイドセールスにとって、MAツールはもはや必須のITツールだといえます。
MAツールは「マーケティング・オートメーション」という名称から「マーケティング」のイメージが強いですが、もはやインサイドセールスのためにあるようなものです。
インサイドセールス部門でMAツールを導入していないのであれば、今すぐにでも導入検討を開始することをおすすめします。
今回は、MAツールの機能概要を紹介し、インサイドセールスでどのようにMAツールを活用していけば良いのかについて解説していきます。
ぜひ、インサイドセールスを成功させるためにお役立てください。
参考:生産性アップ!導入すべきインサイドセールスツールは8種類
インサイドセールスに必須なMAツールの機能とは?
MAは「マーケティング・オートメーション」の略称で、マーケティングおよびインサイドセールスの効率向上を支援するツールです。
「オートメーション」という言葉から、マーケティングを「自動化」できると考えることもできますが、あくまでも効率化の助けになるツールとなっています。
そのため、マーケティングがすべて自動化されるという認識は誤りです。
ただ一定の条件により、あらかじめ作成したメールの自動配信は可能となっています。
それでは、インサイドセールスでMAツールを活用するにあたって、事前に知っておきたい機能をご紹介いたします。
- リードに関するデータを取得し蓄積する(トラッキング・リード管理)
- リードの行動を点数化して見込み確度を測る(スコアリング)
- シナリオを組んで自動メール配信ができる(ナーチャリング)
リードに関するデータを取得し蓄積する(トラッキング・リード管理)
MAツールでは、リードに関するデータを取得するトラッキング機能と、そのデータを蓄積するリード管理機能があります。
細かい点はMAツールによって異なりますが、例えば次のとおりです。
- トラッキング機能:自社Webサイトのどのページを閲覧したのか、配信したメールがいつ開封されたのかなどのデータを取得する
- リード管理機能:メールアドレスを獲得したリード数の時系列推移や、個別リード情報、リードの検索を行える
なおBtoBにおいては、Webサイトを閲覧する際に判明するIPアドレスに基づき、どの企業が閲覧したのかを知ることもできる法人IPトラッキング機能を活用できます。
このようにMAツールでは、ユーザーのオンライン上での行動データを取得し、管理が可能です。
リードの行動を点数化して見込み確度を測る(スコアリング)
トラッキングによってリードのオンライン上の行動などを取得したら、その行動に基づき、見込み度合いの点数を付けることができます。
これはスコアリング機能と呼ばれているもので、自社に応じて以下のようなスコアリング設定をカスタマイズ可能です。
- 記事閲覧:1ポイント
- メール開封:1ポイント
- Webチャット利用:3ポイント
- 資料ダウンロード:5ポイント
- ウェビナー出席:10ポイント
リードのオンラインにおける行動が一定の基準まで蓄積したら、インサイドセールス担当者にアラート(通知)を出すことができます。
このスコアリング機能は、「商談を持ちかけるべき基準に満たしているか?」など、リードクオリフィケーションにも役立ちます。
シナリオを組んで自動メール配信ができる(ナーチャリング)
マーケティング・オートメーションにおける「オートメーション」を代表する機能が、自動メール配信機能です。
メールアドレスを獲得したリードに対して、設定した条件を満たしたらメールを配信するということができます。
「3日間隔で順序どおりに指定したメールを配信する」というステップメール配信も可能で、メールでのリードナーチャリングを自動化できるのです。
なお開封率やクリック率、遷移率(クリック率)なども自動測定できます。
インサイドセールスにおけるMAツールの活用方法7選
MAツールの機能について紹介してきました。
ここでは、インサイドセールスにおけるMAツールの具体的な活用方法を7点ご紹介いたします。
- ABMアプローチを促進する
- 今すぐ客への即時フォロー
- スコアや属性情報をもとにコールリストの優先順位を付ける
- メルマガ配信でナーチャリングを自動化する
- 既存顧客や休眠顧客にアプローチする
- 受注確度の高いリードを分析して抽出する
- マーケティング施策の効果をフィードバックする
ABMアプローチを促進する
ABMとは、アカウント・ベースド・マーケティングの略称で、自社にとって価値の高い顧客を抽出し、顧客に合わせた最適なアプローチをすることを指します。
なおABMにおけるアカウントとは、人ではなく企業のことです。
具体的には購買力(ポテンシャル)と見込み度合いのマトリックスを作成し、見える化しながら進めます。
当然、購買力が高くて見込み度合いの高いアカウントはホットリードとなり、優先度の高いお客様です。
逆に購買力が低くて見込み度合いも低いアカウントは、優先度が低いといえます。
MAツールを活用すれば、法人IPトラッキングをもとに、アカウント(企業)を特定できます。
また、スコアリング機能をもとに見込み度合いを特定できるのです。
したがって、MAツールを活用すればABMの分析をスムーズに実施でき、ABMアプローチを促進しやすくなります。
今すぐ客への即時フォロー
MAツールには、スコアリングによる点数が一定基準に達したら、インサイドセールス担当者に通知が行くという機能があります。
そこで、「今すぐ客」が自社Webサイトなどで該当する行動をしたとき、担当者がすぐにフォローを行えるのです。
これにより、商談件数の向上が見込めます。
スコアや属性情報をもとにコールリストの優先順位を付ける
「インサイドセールスとテレアポの違い」というワードでよく検索されていることから推測できるとおり、インサイドセールスの業務では電話が大きな位置を占めています。
膨大なコールリストの中から手当たり次第に架電するのは効率が悪く、受注につながりやすい属性を優先することが重要です。
「受注につながりやすい属性」を見つけるためには、MAツールの機能を活用すると良いでしょう。
例えば、スコアが高い傾向にあるのはどのような業種で、どのようなエリアなのかなどです。
前述したABMでの分析結果も考慮して優先順位を決めましょう。
メール配信でナーチャリングを自動化する
マーケティングや営業部門でお客様に送信する社外メールは、企画検討が大変です。
当然、MAツール導入初期もメールやシナリオを作成する必要がありますが、一度設定したあとは自動で送信してくれます。
そのため、じっくりとメール配信の効果を検証する時間を捻出することができるはずです。
一定期間ごとに効果を測定し、改善を行いましょう。
既存顧客や休眠顧客にアプローチする
MAツールは新規顧客だけでなく、例えば以下のような既存顧客や休眠顧客へのアプローチにも活用できます。
- 既存顧客:アップセル提案・クロスセル提案・リピート提案
- 休眠顧客:リテンション
なぜなら、1to1アプローチを継続的に実施することにより、顧客は安心感を持つことができ、アップセルやクロスセルも提案しやすくなるからです。
顧客がどのようなページを閲覧し、どのようなアクションを取ったのかを把握できるのがMAツールですから、1to1アプローチが可能となります。
顧客の行動に基づいて根拠ある提案をすれば、安心感を与えることができるでしょう。
既存顧客の売上単価を向上したり、リピート率を向上したりすれば、LTV(顧客生涯価値)が向上し、企業の売上向上に貢献します。
受注確度の高いリードを分析して抽出する
受注確度の高いリードを分析して抽出することは、インサイドセールスのゴールともいえる重要な役割の1つです。
MAツールを活用すれば、スコアリング機能によって見込み確度の高いホットなリードを容易に抽出できます。
後述する注意点を踏まえ、より精度の高いリードクオリフィケーション(抽出)を行いましょう。
マーケティング施策の効果をフィードバックする
インサイドセールスでMAツールを活用していれば、マーケティング施策の効果を、マーケティング部門へフィードバックすることができます。
例えば、「ある事例資料をダウンロードしたユーザーは案件化率が高くなる傾向にある」といった事実も、MAツールのデータを分析することによって発見できます。
そうであれば、オウンドメディア記事のCTA(アクション提起)として、積極的に事例集のダウンロードフォームへのリンクを置くなど、施策改善を行えます。
データ分析を通じ、より精度の高いマーケティング施策の実行に役立つことでしょう。
MAツール活用における注意点
最後に、MAツールを活用するにあたって、注意すべきポイントをご紹介いたします。
- SFAとの連携が容易なMAツールを選ぶ
- スコアリングやメールシナリオは効果検証しながら改善する
SFAとの連携が容易なMAツールを選ぶ
MAツールはリードの管理に長けていますが、営業案件や営業プロセスを管理することには長けていません。
そのため、営業活動の履歴管理に長けたSFAシステムと、スムーズに連携できることが望まれます。
例えば統合型CRMプラットフォームであるSalesforce(セールスフォース)は、MAツールである「Pardot」や、SFAツールである「Sales Cloud」を内包しており、容易に連携可能です。
参考:SFAにはどのような機能が搭載されているのか?選び方も解説!
スコアリングやメールシナリオは効果検証しながら改善する
MAツールの機能には、スコアリング機能やメール配信機能があると紹介しました。
一度設定すると後は自動で動いてくれますが、その設定が最適であるかはわかりません。
そのため、SFAとデータを連携しながら、改善を重ねていく必要があります。
インサイドセールスではMAツールを活用しましょう
インサイドセールスの実施にあたって、もはやMAツールは必須です。
MAツールは、自社Webサイトに訪れたユーザーなどの行動データを取得したり、行動を点数化することにより見込み度合いを把握できたりします。
また、オートメーション機能として自動メール配信も可能です。
このようにMAツールを活用することで、より効率的に、そして効果的にマーケティング・営業活動を進められます。
ぜひ自社にあったMAツールを選び、活用してみてください。
投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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