顧客データとは?収集方法や活用事例などを紹介

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顧客データを活用すれば、顧客の傾向や行動パターンなどを把握できるため、売上向上につなげることが可能です。
しかし、顧客データの収集方法が分からない方やどう活用すればいいか分からない方もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、顧客データの種類や収集方法、活用事例を紹介します。
顧客データの管理ツールや分析のポイントも解説するので、ぜひ参考にしてください。

なお、株式会社soraプロジェクトでは「SFAの運用が成功した時にやった4つのこと」をまとめた資料を無料で配布していますので併せてチェックしてみてください。

顧客データとは?

顧客データとは、企業が顧客から得た住所や年齢、生年月日、問い合わせ内容などのことです。
顧客データには、定量データと定性データの2種類があります。

ここでは、それぞれを詳しく解説します。

定量データ

定量データとは顧客情報の中でも、数値として表せるデータのことをいいます。
BtoB定量データの例には、以下が挙げられます。

  • 企業名
  • 従業員数
  • 売上高
  • 住所
  • Webサイトへのアクセス数
  • 商品の購入履歴

定性データ

定性データとは、数値化できないデータのことです。
定性データの例には、以下が挙げられます。

  • 問い合わせ・商談内容
  • SNSの口コミ
  • クレーム

顧客データを定量・定性の両面から分析することにより顧客のニーズを把握でき、顧客に合わせた製品やサービスの開発・提供が可能です。
そのため、顧客データはマーケティングに欠かせないといえます。

顧客データの収集方法

顧客データの収集方法は、データの種類によって異なります。
ここでは、定量データ・定性データの収集方法を詳しく解説します。

定量データの場合

定量データを収集する方法には、以下のような例が挙げられます。

  • 紙やWebサイトからの登録・申し込み
  • アンケートの実施
  • 過去の注文履歴・受注履歴からのデータ収集
  • Webサイトへのアクセス解析によるデータ収集

自社でデータを取得する以外にも、「総務省統計局」「日本の広告費」など、無料で公開しているデータを活用する方法もあります。
また、リサーチ会社から統計データを購入することも可能です。

定性データの場合

定性データの収集方法は、以下の通りです。

  • アンケートの実施
  • Webサイト・カスタマーセンターへの問い合わせ内容の収集
  • SNS・ブログ上のコメントの収集

自社に関連する情報以外にも、自社製品やサービスがターゲットとする年齢層のSNSやブログなどをリサーチする方法もあります。

顧客データの活用事例

実際、どのように顧客データを活用すればいいか分からない方もいるでしょう。
ここでは、顧客データの活用事例として、以下の3社を紹介します。

  • 富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
  • ヤクルト
  • 株式会社カイエンシステム開発

顧客データの活用方法をイメージできていない方は、ぜひ参考にしてください。

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社では、「ITオフィスウォッチ」により顧客先に設置しているIT機器の稼働状況ログを収集しています。
ITオフィスウォッチ導入前は、顧客から故障の連絡があってから顧客先に出向き、故障箇所を特定して修理していました。

しかし、「ITオフィスウォッチ」の利用により、パソコンの経年やウイルス検知数、複合機との連携状況などを見える化できるようになりました。
その結果、修理対応のスピードが早くなっただけでなく、故障しやすい部品を特定し改善することにもつながっています。

参照:ITオフィスウォッチ

ヤクルト

ヤクルトのオランダ法人は、顧客の購買データを活用し、オランダでの売上を15~20%伸ばしています
顧客データが社内に分散しており、データの分析がうまくできていませんでしたが、それをまとめて一元管理できるようにしました。

その結果、同じ商品でも、15本パック・7本パックでは客層が異なることを発見できたそうです。
また、ヘビーユーザーの客層・世帯やトレンドを把握できるなど、顧客の購買傾向を認知でき、それをマーケティング施策につなげています。

参照:ヤクルトの売り上げを大幅に伸ばしたデータアナリティクスの秘密

楽天株式会社

楽天株式会社では、ビッグデータの分析により消費行動を理解し、マーケティングに活用するAIエージェントを開発しています。
顧客の消費行動を解析することにより、購買の見込みのあるユーザーの抽出が可能になりました。

ユーザー層の属性データや購買傾向、価格趣向、サービス利用傾向などのデータを分析してスコア化・マッピングすることにより、精度の高い広告配信も可能になりました。

参照:楽天、ビッグデータを分析して消費行動を理解するAIエージェント「Rakuten AIris」を開発

顧客データの管理ツール

顧客データを効率よく管理するためには、ツールを利用するのがおすすめです。
ここでは、顧客データの管理ツールを紹介します。

CRM(顧客管理システム)

CRMとは顧客関係管理のことで、既存顧客のデータを一元管理するツールです。
顧客と継続的に良好な関係を築くために利用します。

CRMツールの利用により、過去の購買履歴やWebサイトの訪問などの情報を把握できるだけでなく、分析機能を活用し、顧客に合ったフォローやサポートの提供が可能です。

CRMを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

MA(マーケティングオートメーション)

MAとは、マーケティング活動を自動化・効率化するツールのことであり、新規顧客の獲得や見込み顧客の育成など、マーケティング活動をサポートするために使われます。
主にリード獲得から商談に至るまでの顧客に利用され、「リード管理機能」「スコアリング機能」「メールの作成・自動送信」「分析・効果測定」など、さまざまな機能があります。

MAを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

SFA(営業支援システム)

SFAとは、営業活動を支援するツールのことであり、顧客情報の管理だけでなく、案件管理、商談の履歴管理などもできます。
案件データの分析により、業務改善や売上予測も可能です。

また、見積書・日報作成機能などもあり、営業活動の効率化が期待できます。

SFAを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

Excel(エクセル)

顧客が少ない場合は、Excel(エクセル)を利用するのもおすすめです。
Excelに企業名や住所など、必要な項目を入力すれば顧客データの管理ができます。

また、関数やマクロを使えば、データの分析も可能です。
顧客の行動分析をしたい場合は、過去の購買履歴や問い合わせ内容などを項目に入れておくことが欠かせません。

Excel以外にも、Googleスプレッドシートを利用する方法もあります。
Excelは、同時編集できない点がデメリットですが、Googleスプレッドシートなら、同時編集・自動更新が可能です。

Excelでリスト作成をする方法が知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

顧客データをツールで管理するメリット

CRMやMAなど、顧客データを管理するツールはさまざまあります。
ここでは、これらのツールを利用し、顧客データを管理するメリットを解説します。

業務効率が向上する

ツールを利用して顧客データを管理すれば、データの入力作業や確認作業も簡単になるため業務効率が上がります。
クラウド型のツールなら、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットからでもデータの確認や更新が可能です。

ただし、Excelでは外部からの確認や入力、同時に編集・共有ができない点に注意しましょう。

顧客データをマーケティングや営業に活かせる

顧客データを分析すれば、顧客の行動を把握できるため、マーケティング施策や営業戦略の立案などに活用できます。
今後、どのような施策が必要か、現在の施策がうまくいっているか、分析することも可能です。

クラウド型ならセキュリティ面も安心できる

自社の力だけでセキュリティ対策をするためにはコストがかかりますが、クラウド型のツールであれば、セキュリティ面の対策もされているため安心して利用できます。
Excelだと、データをUSBメモリに移したりメールに添付したりして社外に持ち出される恐れがあるでしょう。

顧客情報が流出してしまうと企業の信頼を失いかねないため、顧客データを取り扱ううえで、セキュリティ対策は重要です。

顧客データ分析のポイント

顧客データの分析を行ったとしても、マーケティング施策や営業戦略に活かせなければ意味がありません。
ここでは、顧客データ分析のポイントを解説します。

分析する目的の明確化

「分析すること」を目的とせず、分析した結果をどう利用するかを考えることが重要です。
目的が明確化されていなければ、無駄な作業を増やし、効果的な施策や戦略の立案ができません。

「見込み顧客を増やす」「製品やサービスを新たに開発するための情報を得る」など、目的を明確化しましょう。
目的を明確化したらそれに合わせた分析手法を選定します。

適切なツールの選定

顧客データの分析に利用できるツールは、CRMやMA、SFAなどさまざまあります。
それぞれのツールを使用する段階は、以下の図のように異なっています。

どこの段階で使用するのかを判断し、ツールを選びましょう。
また、同じCRMでも、ツールによって機能が異なるため、自社の目的に沿った機能を有しているのかを確認することが大切です。

課題やニーズの掘り下げ

顧客データ分析をする場合、どうしても、数値として表せる「定量データ」のみに注目してしまいがちです。
しかし、顧客がどういう課題やニーズを抱えているのかを知るためには、定性データも欠かせません

データにより分析するのはもちろん、アンケートを取ることにより、顧客の課題やニーズを深掘りできれば、新製品の開発や既存製品の改良なども可能になるでしょう。

顧客データを活用して売上向上につなげよう

顧客データとは、顧客の住所や連絡先、問い合わせ内容などのことであり、数値で表せる定量データと数値化できない定性データの2つに分けられます。
顧客データを収集するツールにはCRMやMA、SFAなどがあり、それらを活用することにより、データ管理が楽になるだけでなく、分析結果をマーケティング施策や営業戦略の立案に活かせます。

顧客データをうまく活用し、売上向上につなげていきましょう。

株式会社soraプロジェクトでは、HubSpot Sales Hubの導入支援、HubSpotを活用したマーケティング支援を展開しております。
マーケティング強化を図りたいと考えている方は、お気軽にお問い合わせください。

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投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。