テレアポで失敗しないための「トークスクリプト」作成方法とは?

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テレアポにおいて、お客様からお決まりの断り文句を言われる場合が多々ありますが、皆さんはそうした断り文句に接した場合、どのような話法で対応しているでしょうか。

今回は、まずトークスクリプトとは何か、どのようなメリットがあるのかなど基礎を解説。その後、失敗例から学ぶトークスクリプトの作り方や、代表的な3つの断り文句への切り返しトークをご紹介いたします。

トークスクリプトを理解し、成功するためのミソ(要点)をまとめていますので、ぜひご活用ください。

テレアポのトークスクリプトとは?

 

テレアポでは基本的に断られることが大半です。

先方からはさまざまなことを言われ、ひたすら断られ続けると精神的に参ることもあるかもしれません。そのような場合に備えて用意しておきたいのが、トークスクリプトです。

トークスクリプトとは、営業トークをする際の台本を指します。テレアポのマニュアルとも考えられます。

具体的には、まず初めに何を話すのか、次には何を話すのか、質問をしたときに切り返されたらどのような反応をするのかなど、その場で考えて話すのではなく、あらかじめ台本に書いておくのです。

<トークスクリプトで決めることの例>

トークスクリプトでは以下の内容をあらかじめ決めておくことが多いです。

  • まず何を話すのか
  • 次に何を話のか
  • 質問に切り替えされたらどう対応するのか
  • その他

テレアポのトークスクリプト作成によって得られるメリットとは?

 

テレアポでは経験が長かったり、アドリブでしゃべることが得意だったりする社員の方が営業チャンスにつながりやすいと言えます。

一方、何を話して良いのか分からない人はなかなかアポイントが取れず、営業成績が上がりません。個人の営業成績は、グループ全体の成績・売上にもつながるため、誰でもある程度のテレアポができるようにすれば、営業成績の底上げにつながるのです。

また、成功したトークスクリプト、失敗したトークスクリプトを記録しておくことで、より成功につながりやすいトークスクリプトに日々アップデートしていくことができます。

以上をまとめると以下のようなメリットになります。それぞれ解説いたします。

  • スムーズにトークができる
  • 属人化を防ぎ、新人でも即戦力になる
  • アポ獲得率が上がる

スムーズにトークができる

テレアポのトークスクリプトは「台本」ですので、台本がないよりもスムーズにトークができます。

また、前述のとおり「成功したトークスクリプト」と「失敗したトークスクリプト」を記録しておけば、より成功につながりやすいトークスクリプト(台本)でトークができるのです。

属人化を防ぎ、新人でも即戦力になる

「属人化」とは、アポ獲得など、営業チャンスにつながりやすい社員へグループ全体が依存してしまっている状態を指します。つまり、自社のトップセールスが退社してしまうと、大きく自社の売上が下がってしまう状態です。

そこで、トップセールスのノウハウなどを反映したトークスクリプトを作れば、新人でもある程度の質を確保できるのです。

アポ獲得率が上がる

上記2点の結果、グループ全体のテレアポ力が向上しアポ獲得率が上がるはずです。

テレアポにおける「良いトークスクリプト」とは?

 

トークスクリプトを用意する際、いくつか気を付けたいことがあります。

相手にメリットを感じさせる内容、そして品の良さを感じさせる文章であること

まずは、相手にメリットを感じさせる内容であること、そして品の良さを感じさせる文章であることです。

テレアポでは、まず電話対応をしている受付の方から担当者や責任者につないでもらうことが第一関門。そのためには、こちらが相手にとって害のない人間で、話くらいは聞いても良いかもしれないと思わせることが大事なのです。

相手の立場を考えたスクリプトであること

また、相手の立場を考えたスクリプトであることも重要なポイントといえます。

自社商品・サービスの魅力を伝えることも大事ですが、いきなり電話がかかってきて長々と知らない商品の話をされても、相手は聞く気にはなってくれません。専門的な知識が必要な内容であればなおさらです。

押しつけがましいスクリプトにはせず、相手の興味・関心を引くだけの材料を少しだけ出して、直接会ってさらに詳しく話を聞いてみたいと思わせるようにしましょう。

テレアポの失敗トーク例から学ぶトークスクリプトの作り方

 

テレアポの失敗トーク例を挙げながら、トークスクリプトの作り方をご紹介いたします。

なお「テレアポトークの流れ」つまり、「トークスクリプトの基本形」は、一般的に次のとおりです。この流れを意識し、自社に合った流れとスクリプトを、フローチャートに沿って組み立てていきます。

  • 挨拶
  • 自己紹介
  • フロントトーク(つかみ)
  • メイントーク
  • クロージングトーク

挨拶

<失敗例>

  • 「突然のお電話、失礼致します」
  • 「お忙しいところ大変恐れ入ります」

このような少し堅めな感じでトークに入ってしまうと、全体トークも堅くなってしまいがちです。お客様の不信感も拭えないことでしょう。

<よい例文>

  • 「おはようございます」
  • 「お世話になっております」

上記のように、可能な限りシンプルで柔らかい印象を持ってもらえるような挨拶にするのが良いと言えます。

自己紹介

<失敗例>

  • 「株式会社◯◯営業部の□□と申します」

上記はよくある例です。失敗とまでは言えませんが、基本的には未接触リストを相手にするテレアポでは不信感は拭えません。

<よい例文>

  • 「◯◯地区で5年以上◯◯を提供している株式会社◯◯です」

上記のように、どのような商材を扱っているのかなどを簡単に交えると、トークがスムーズに行くでしょう。

フロントトーク(つかみ)

<失敗例>

  • 「◯◯についてお話を伺いたいと思っているのですが」
  • 「◯◯についてご案内させていただきたくお電話しているのですが」

これもよくある例ですが、この後に「断り文句」が返されてしまう場合も多いです。

<よい例文>

  • 「◯◯のコストを抑えられる◯◯というサービスのご案内です!御社は現在、月にどのくらいのコストをかけていらっしゃるでしょうか?」

上記が正解というわけではありませんが、少しでもお客様から断れにくく、少しでも関心を持っていただき話をつなげられるトークがポイントです。

テレアポでは最初のつかみが重要で、「最初の10秒が重要」と言われるほどです。なぜなら、お客様は電話を断るかどうかを最初の10秒で判断することが多いからです。そのため、相手が断れる理由を与えてはいけません。

トークスクリプトとしては、最初のつかみでお客様からの興味・関心を引き出さなければなりません。そのため、興味・関心を示すであろうトークをスクリプトに盛り込むべきです。

メイントーク

メイントークについては、企業によって内容が大きく異る部分ですので、ここでの紹介は割愛いたします。

メイントークを含むテレアポのポイントやコツについては、以下の関連記事をぜひご参照ください。

関連記事:【テレアポのコツ10選】事前準備からクロージングまで徹底解説

関連記事:テレアポの成功確率は平均でどれくらい?失敗しないトークのコツ4選

クロージングトーク

<失敗例>

お客様もしくはアポインターによっては、アポインターがトークの主導権を握りすぎてしまうこともあります。

主導権を握りすぎてしまうと、お客様が話したいことも聞けないかもしれません。または、不安感が増大し最後の最後でアポを取れないことだってあります。

<よい例文>

  • 「もちろんご判断は○○様にお任せします。もしまだ事前に聞きたいことなどありましたら、お気軽におっしゃってくださいね」

上記のように、「お客様に判断いただく」「お客様の悩みや課題をうまく引き出す」といった考え方が重要です。

その他、テレアポにおけるクロージングのコツなどは以下の記事をぜひご参照ください。

関連記事:【必勝法】テレアポのクロージング力が飛躍的に上がる3つの法則

テレアポでよくある「断り文句」へ対処するためのトークスクリプト作成方法

 

ここでは、アポインターが特に困っているであろう以下3つの「断り文句」へ対処するためのトークスクリプト作成方法(切り返しトーク)をご紹介いたします。

  • 今忙しんだけど
  • 電話で済ませてよ
  • 必要ない

「今忙しいんだけど」と言われた場合の切り返しトーク

電話口のお客様は、本当は多少の時間的余裕があっても「営業=長引く=面倒だ」といった心理から、「忙しい」と答えている場合が大変多いと言えます。

そこで、この場合の切り返しトークは以下がおすすめです。

「お忙しいところ申し訳ございません。3分で結構ですのでお時間を頂戴できないでしょうか。」

以上のように、お客様が「それぐらいの時間なら」と思える具体的な時間(分数)を伝えることが有効です。

もちろん、時間内で一通りの説明を終える必要がありますが、お客様の気持ちが上向いてきたなら少々のオーバーは許容範囲です。

ただし、3分をまわったら「3分過ぎましたがもう少々よろしいでしょうか」と断る気配りも大切なので心がけましょう。

<切り返しトークのポイント>

  • お客様が「それぐらいの時間なら」と思える具体的な時間(何分か)を伝える
  • 少々のオーバーは許容範囲だが、過ぎる場合は断りを入れる気配りも大切

「電話で済ませてよ」と言われた場合の切り返しトーク

電話でアポイントを取ろうとすると「お会いするのはちょっと・・・電話で説明を済ませてよ」とアポを断られる場合もよくあります。

お客様にとって、電話ならその場で切ることで商談を終了できます。しかし、営業マンと直接会って契約を迫られたら「断りにくくなってしまうのでは」という不安や警戒心から、そうした断り文句となるのです。

この場合は以下の切り返しがおすすめです。

「電話だけで説明が可能でしたら、お客様のご要望どおりにしたいのです。ところが、あいにくわが社の商品は口での説明はご理解頂きにくく、直接ご覧頂くことでご理解いただくことが可能な商品なのです。」

「もしご覧頂いてお気に召さない場合には、無理に契約をお願いすることなどは一切ございませんのでどうかご安心ください。何なら『ご覧頂くだけ』ということで構いませんので、お時間を頂戴できれば幸いです。」

この切り返しトークのミソは「電話で説明したいのはやまやま」とお客様の要望を否定せず一応尊重していることと、来訪によって契約を迫られるのではという警戒心を「ご覧頂くだけ」という切り口で解消している点です。

<切り返しトークのポイント>

  • お客様の要望を否定せずに尊重している
  • 来訪によって契約を迫られる警戒心を「ご覧頂くだけ」という切り口で解消している

つまりお客様の立場に立った切り返しトークと言って良いでしょう。

「必要ない」と言われた場合の切り返しトーク

電話口で一通り説明し、いざアポの約束を取ろうとしたら「必要ない」といった断り文句を切り出されても、決して諦める必要はありません。

そのような場合は、次のような切り返しトークで挽回しましょう。

「お客様のご意見はごもっともです。お客様の現状を考えれば私も不要だと思います。ただ、遠い将来はもちろん、数年先のことまで見通すことはどなたであっても難しいことだと思います。」

「だからこそですが、予測できない将来のことを考慮し柔軟に御判断頂くためにも、説明だけでも聞いて頂くことを強くおすすめ致します。」

このトークのミソは、「ごもっとも」とお客様の意見に対する同調からスタートしている点です。もし反論からスタートしたらどんなに立派な内容でも、お客様の心のシャッターは閉じてしまいます。

次に「将来はだれも予測できない」という反論しようがない事実を提示した上で、考え直すよう提言している点です。このような客観的事実を踏まえた提言なら「そのとおりだな」と耳を傾けてもらいやすくなります。

<切り返しトークのポイント>

  • お客様の意見に対する同調からスタートしている
  • 反論しようがない事実を示した上で考え直すように提言している

テレアポトークを成功させるためのチェックリスト

 

最後になりますが、トークスクリプトの作成前後にぜひ確認していただきたい項目をまとめました。ぜひチェックリストとしてご活用ください。

  • 挨拶は堅くないか
  • 自己紹介で自分は「何者か」伝えられているか
  • フロントトークで営業電話への警戒心はとけているか
  • フロントトークでお客様の関心・興味を引き出せるか
  • 断られやすいポイントはないか
  • 顧客目線に改善できないか
  • お客様の意見を尊重できているか
  • お客様にメリットを感じさせられるか
  • お客様に課題を気づかせているか
  • 数字を使って訴求できているか
  • お客様から情報を引き出せるか
  • ニュアンス(どのような話し方)も含めているか
  • トークスクリプトの改善を繰り返しているか

まとめ:アポ獲得率の高いテレアポトークスクリプトを

テレアポのトークスクリプトとは何か、トークスクリプト作成のコツなどをご紹介して参りました。いかがでしたか?

断り文句に対して切り返す際、全般に言える大切なことは「お客様を否定しない」ことです。

ぜひ本記事の内容を参考にしながら、アポ獲得率の高いトークスクリプトをご作成ください。

また、弊社「sora プロジェクト」では、テレアポ事業で培った経験をまとめた資料をご用意しております。ご興味ありましたらぜひご活用ください。

 

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。