営業におけるアポイントの取り方のコツとは?電話・メールの2種類で解説

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電話やメールでのアポイントは、相手の顔色が見えない分、想像力や臨機応変に対応できるスキルが求められる業務です。
「上手く契約に結びつけられない」「マニュアル通りにやっても他の人と差がつく」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事は、営業におけるアポイントの取り方のコツをご紹介します。
電話とメールの2パターンに分けて、気を付けるべきことを徹底的に解説していきます。

アポイントはちょっとしたコツや意識の持ち方を身につければスキルアップできるので、ぜひチェックしてみてください。

アポイントとは

アポイントとはアポイントメントの略語で、「商談」「面会」などを指す用語です。
一般的には「アポ」と略されることが多く、「アポを取る」という言葉を日常的に使用している方も多いのではないでしょうか。

「アポを取る」とは、「商談の約束をする」「会う約束をする」ことです。
そのアポ取りの手段として電話を使うことが多く、その業務が「テレアポ」です。
また、電話でなくメールでアポイントを取る方法もあり、電話とメールではアポイントを取るときのコツが異なります。

ここからは、電話およびメールでアポイントを取るためのコツをご紹介します。

電話におけるアポイントの取り方のコツ

電話におけるアポイントを取るためのコツや注意点は、シチュエーションによって異なります。

ここからは、電話アポイント前・電話がつながった後・日程調整までの3つのシチュエーションごとに、コツや注意点を解説。
自身や自社のやり方と照らし合わせながらチェックしてみてください。

電話アポイント前のコツ・注意点

電話アポイント前のコツや注意点は4つあります。
アポイントに限らず、あらゆるビジネスシーンにおいて重要なポイントなので、しっかりと理解したうえで実践していきましょう。

相手が迷惑に思わないタイミングで電話を掛ける

電話アポイント、いわゆるテレアポでは、大前提として相手に迷惑をかけないように配慮することが重要です。
一方的に電話をかけることが多いため、相手に嫌悪感を与えてしまっては成果が出にくいので注意しましょう。

テレアポを行う際は、相手に合わせた適切な時間帯やタイミングを把握するのが大切です。
例えば、始業直後はほかの業務や対応に追われていることが考えられ、終業直前は1日の仕事を片付けて帰ろうとしている可能性もあります。
このように忙しい時間帯に電話をすると「余計な仕事が増えた」と感じられてしまい、良い反応が得られない可能性が高いです。

同様に、昼休みや営業時間外に電話をするのも避けましょう。
相手が会社にいて比較的対応しやすい時間を考えると、午前10時~11時、もしくは午後16時~17時頃がテレアポに適した時間帯だと言えます。
ただし、営業時間は企業によって異なるため、事前に調べて参考しましょう。

また、電話をかける時間帯以外にも時期を考慮することも重要です。
例えば、月末は作業が立て込むことが多く余裕がない状況が想像できます。
連休明けや月曜日などは仕事が溜まっていることや、気持ちがまだ仕事モードに切り替わっていない可能性もあります。
職種によっても繁忙期は異なるため、時期にも注意して架電のタイミングを図るのがおすすめです。

テレアポをスムーズに受け入れてもらうためには、先方の基本的な情報を知ることから始めるようにしましょう。
テレアポは、先方の基本的な情報を知ることから始まっているのです。

第一印象を良くする話し方を心掛ける

電話を使ってのアポイントでは、第一印象は声のトーンと話し方で決まります。

相手からすると表情がわからないため、こちらの人柄や印象を判断する材料は声しかありません。
できる限り印象を良くするには、通常よりも声のトーンを上げるのがポイントです。
声のトーンを上げることで、明るい印象や快活な印象を与えられます。

また、トーンだけでなく、話し方も意識しましょう。
相手が聞き取りやすいペースで話す、ハキハキと元気に話すだけでも、相手に「話を聞いてみようかな」と思ってもらえる可能性が高まります。

話し方が一方的になってしまうと相手は嫌悪感や不信感を抱き、早期に離脱してしまうので注意が必要です。
相手の立場に立って、どのような話し方なら聞きたいと思うかを意識してください。

サービスの需要を確認するためのポイントを決めておく

電話でのアポイントでは、サービスの需要を確認するためのポイントを決めて話すことも重要です。

限られた時間の中でとりとめのない話をしてしまうと、見当違いのアポイントを取り付けてしまう可能性もあります。
確度の低いアポイントの獲得は、商談や営業に向かう人の無駄足につながってしまうので注意してください。

サービスの需要は、ほど良いタイミングで確認しておくことが肝心。
アポイントの上手な取り方は、相手が共感を示している際にスマートに行うことです。
回りくどく、遠まわしなものの言い方は無駄なやりとりや勘違いが増えてしまいます。
あらかじめ確認するための質問やポイントをまとめたうえで、アポイントの電話をかけるようにしましょう。

もしサービスの需要がないと判断した場合はすぐに切り上げることも大切。
余計なコストや時間・労力を使いすぎないことも、会社への貢献度アップのために重要なポイントです。
正しく需要を見極めて、確度の高いアポイント獲得を目指しましょう。

相手との過去のコンタクトをリサーチしておく

相手との過去のコンタクト(接触履歴)をリサーチしておくこともポイントです。
これは、相手が迷惑に思わない時期やタイミングを図る上で、相手が自社サービスに需要があるか、ほど良いタイミングで確認するうえでも役立ちます。

また、過去にクレームや要望のあった相手の場合、同じミスを繰り返さないことも重要です。
電話でアポイントを取る前に、必ず過去のコンタクトをチェックしてみてください。

電話がつながった後のコツ・注意点

電話がつながった後のコツや注意点は7つあります。
話を聞いてもらえるかどうかを左右する重要なポイントとなるので、ぜひチェックしてみてください。

警戒心を解いて良い第一印象を与える

始めましての相手から営業電話が来た場合、警戒心を抱く方が非常に多いです。
表情が見えない分、機械的な口調で一方的に営業をかけてしまうと「怖い」「迷惑」という印象を与えてしまい、すぐに切られてしまう懸念があります。

大切なのは第一印象です。
明るく挨拶をして企業名を名乗ることはもちろんですが、その後のトークの切り出し方も重要なポイントです。
最初に要件を簡潔に話さないと、相手は何の電話かわからないことで不信感を抱き、すぐに電話を切ってしまいます。
勢いでいきなり営業を始めるのではなく、自己紹介やアイスブレイクを通じて相手の警戒心を解くことから始めるようにしましょう。

電話をした理由を伝える

近年は電話による詐欺などが増えてきていることから、営業電話は「誰からの電話なのか」「何を目的とした電話なのか」を気にします。
「誰から」の部分は最初の挨拶で伝わりますが、「目的」の部分は相手にわかりやすいように伝えないと、警戒心や不信感につながるので注意が必要です。

電話の目的は営業だとしても、ストレートに「営業をかけるために電話をしました」と伝えてしまっては、話を聞かずに断られてしまう懸念があります。
営業の目的は顧客の課題解決です。
事前リサーチをもとに、どのような課題をどのような方法で解決するのかを簡潔に伝えて、相手の興味を引くのがおすすめ。
人は自分にメリットのある話なら聞く耳を持つケースが多いです。

さまざまな角度から、相手のニーズに適したトークを考えるようにしてみてください。

聞き取りやすいペースで明るくハキハキと話す

電話でアポイントを取るときは、挨拶からクロージングに至るまで、明るくハキハキと聞き取りやすいペースで話しましょう。
対面で話すよりも、電話を通すと声のトーンは低く聞こえてしまいます。

そのため、通常よりも1~2トーン明るく話すのがおすすめです。
また、早口だと相手に必要な内容が伝わらないので注意してください。

ロールプレイングで聞き取りやすいペースを練習し、適切なペースでゆっくり話しましょう。
電話であっても、人を相手にしている意識を持つことが重要です。
企業名と自分の名前を名乗る際には、流れるような単調な話し方よりも、ゆっくりとハッキリと話すほうが落ち着きが出て好印象です。

あわせて、最初からアポイントを取りにいくのではなく、まずは自社商品・サービスの魅力や使い道を簡潔に説明し、相手のニーズを確認してください。
ニーズがないのにだらだらと話し続けると、自分も相手も時間が無駄になり、双方にメリットがありません。
話す順序を意識して、効率的にアポイントを取れるように工夫するのがポイントです。

所要時間を具体的に提示してアポイントを取る

アポイントを取る際は、どのくらいの時間要するのかを伝えるのも大切です。
最初のアポイントでは「短時間で用が済む」ことが伝わると、アポイントの獲得につながります。
伝え方としては「短い時間」という曖昧な表現よりも、「10分」など具体的な所要時間を提示すると効果的です。

「少しお時間いただけますか」と言うのは決まり文句でよく使われますが、相手はどのくらい時間がかかるのか不安になってしまいます。
そこで「10分」などと具体的に提示すると、「10分だけなら話を聞いても良いかな」と思ってもらえる可能性が高まるのです。

これは電話をかける際にも有効です。
「~~~の目的でご連絡したのですが、5分ほどお時間よろしいでしょうか」などと伝えると、見通しが立つので相手の安心感につながります。
相手の時間をいただくときには、所要時間は具体的に提示するようにしてみてください。

一方的に話を進めない

アポイントを取らないと、と焦るあまり一方的に営業をかけてしまうと、押し売り感が出てしまうので注意しましょう。
「電話を切られたくない」「自社商品の魅力を伝えないと」と思うとつい焦ってしまい、一方的に話を進めてしまいがちです。
そうなると相手は押し売りされていると感じ、話を受け入れてもらえなくなってしまいます。

前述した通り、営業は課題解決が目的です。
相手のニーズに合わない営業はただの押し売りになる点に注意してください。
しっかりとニーズをヒアリングしたうえでアポイントを提案できれば、一方的な営業にはなりません。

相手を置いて一方的に話を進めたり、商品説明をしすぎてしまったり、自分都合な会話にしないことが成果につなげるためのポイントです。

話は長くならないようにする

アポイント電話では、相手が望んでいない限り、相手の時間を取りすぎないようにしましょう。
「話が長い」という印象を与えてしまうと、「会うと長時間かかりそう」と思われてアポイントを拒否される可能性もあります。

そのため、事前にトークスクリプトを用意したうえで電話をかけて、要点を簡潔に伝えることが大切です。
また、話をする中で相手の考えていることを察することも重要です。
「急いでいるな」「話をもっと聞きたいと思っているな」など、的確に判断することで、相手のニーズに合わせて話ができます。

相手のリアクションや言葉にアンテナを張り、適切な時間やペースで話を進めるようにしてください。

詳細を伝えすぎない

電話で商品の詳細を伝えすぎてしまうと、わざわざ会ってまで話さなくて良いと思われてしまうので注意しましょう。
電話ではあくまで興味関心を引くためのトークに収めて、「詳しくはお会いしてお話ししたいのですがいかがでしょうか」とつなげるのがおすすめです。

また、電話である程度ニーズをヒアリングできるのであれば、「本日お伺いした内容をもとに、お会いした際に具体的な提案をさせていただきます」と伝えるのも良い方法です。
人によっては電話で済ませようと詳細まで質問してくるケースもあります。
相手のペースに飲み込まれないよう、相手の出方を数パターン想定したトークスクリプトを用意するのもひとつの方法です。

日程調整から最後までのコツ・注意点

電話でアポイントを取る際の日程調整では、成果につなげるためのコツやポイントが3つあります。
アポイントが取れそうな雰囲気に安心して気を抜いてしまうと、最後に失敗してしまう可能性があるので注意しましょう。
また、電話の最後の対応にもコツがあるので、あわせて確認してみてください。

クロージングを忘れずに行う

アポイントを取る際に忘れてはいけないのは、アポイントの日程調整までしっかりと行うことです。

電話でアポイントを取った後には、営業マンが訪問をするという後工程があります。
相手先も営業マンも気持ち良く商談ができるよう、必要な情報の確認と確実な日程調整を行いましょう。

日程を決める方法は、こちらから候補を出して選んでもらう方法と、相手に候補日を挙げてもらう方法があります。
日程調整では、相手の希望日や要望を最優先にすることがポイントです。
一方的に日程調整を行うのではなく、相手のニーズをきちんと汲んだ対応が大切です。

また、電話の段階で商談に必要な情報をできるだけ集めておくようにしましょう。
情報が多ければ多いほど、営業マンが商談の際に必要な資料を揃えることができます。
商談時のアイスブレイクはもちろん、話をスムーズに運ぶことができ、契約につながりやすくなる点が大きなメリットです。

商談に必要な情報を確認する

前述した通り、電話の時点で多くの情報を集めておくことは、商談の成功率に大きな影響を与えます。
担当者の情報はもちろん、決裁者などのキーマンや、会社情報も確認しておきましょう。
また、相手の今の状況や悩み、他社サービスの利用の有無なども確認しておくと、ニーズが把握できてより効果的な提案ができます。
商談の際には、どのような情報があると効果的な提案がしやすいかを考慮しながら、情報収集を行いましょう。

ただし、相手に時間がない場合には注意が必要です。
アポイントの電話で確認する方法以外にも、後日メールなどで確認する方法もあります。
相手の状況に合わせて臨機応変に対応してください。

<商談に必要な情報例>

  • 担当者の名前(フルネーム)・部署名・役職名
  • キーマンの名前(フルネーム)・部署名・役職名
  • 相手の状況や要望(困っていることや望んでいること)
  • 他社サービスの利用有無

最後に必ずお礼をする

相手は貴重な時間を使って電話に対応してくれているので、電話の最後には必ずお礼をしましょう。

満足のいく営業トークができてアポイントが取れると、安心してお礼を忘れてしまうこともあります。
場合によっては、「お礼がないなんて無礼な会社」と最後に悪い印象を与える可能性があるので注意が必要です。
悪い印象はアポイント担当者個人だけでなく、会社全体の印象にもなり、商談に悪影響を及ぼしてしまうケースもあります。

アポイントが取れた時はもちろん、取れなかった場合でも対応していただいたことに感謝してお礼を伝えましょう。

メールにおけるアポイントの取り方のコツ

ここまでは電話におけるアポイントの取り方のコツ・注意点をご紹介してきましたが、なかなか電話がつながらない場合などにはメールを活用することもあります。

電話とメールではコツが異なるので、手段にあわせて対応を決めていきましょう。
ここからは、メールでのアポイントの取り方のコツをご紹介。
メールを使ってアポイントを取る際の参考にしてみてください。

わかりやすい件名をつける

メールを受信したときに最初に目にする件名は、どのような内容のメールであるか伝わる内容にすることが大切です。
メールの件名は、電話における声のトーンや話し方と同様、第一印象を決める要素の一つです。

件名が大切な理由は、忙しいビジネスパーソンの場合、受信トレイでメールの件名を確認し、重要なものから目を通すことが多いからです。
そのため、件名がわかりにくいと後回しにされるうえに、最悪の場合はそもそも読まれないことも珍しくありません。
メールでアポイントを取る際には、わかりやすい件名を心がけましょう。

本文にメールを送った理由を記載する

テレアポで電話をかけた理由を伝えることと同様に、メールを送った理由を記載することは不信感の払拭につながります。

ビジネスシーンでは日々多くのメールが飛び交い、人によっては営業メールも数多く受信するします。
知らない人から営業メールが来たら、「なぜ自分にメールが来たのか」と警戒するのが自然です。
そのため、相手が納得できて、且つわかりやすくメールを送った理由を記載することが重要です。

自分や自社にメリットがないと判断されると返信されなくなってしまいます。
メールは電話と異なり、双方向のコミュニケーションでニーズの確認ができません。
事前に可能な限り相手の情報を集めて、ニーズに合わせて本文を考えるようにしましょう。

アポイントまでの手間がかからないようにする

メールだとアポイント確定までに数回のやりとりが必要なので、相手になるべく手間がかからないようにするのも大切なポイントです。

例えば、相手が自らスケジュールを考えて返信しなければならないと面倒に思われてしまいます。
メールをする際にいくつか日程候補をあげたうえで簡単な表を作って、返信時には本文引用で「◯」をつけてもらうだけにするなどの工夫が必要です。

オンライン商談の体制を整えている場合は、オンライン商談の予約サイトへのリンクを挿入するとより親切です。
なるべく相手の時間を奪わないよう意識しましょう。

顧客ファーストで「もっと説明を聞きたい」という心理をつかもう

対応によって成否が左右されるアポイント。
電話でアポイントを取る際は、相手のニーズの把握やわかりやすい説明がポイントです。
また、メールでは少ないやりとりでアポイントを確定できるような工夫が必要です。
情報を上手に活用し、「もっと説明を聞きたい」と思ってもらえれば、スムーズにアポイントが取れることが期待できます。

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投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。