目次
営業に携わっていると、SFAについて知る機会があるかもしれません。
この記事では、「SFAとはどういう意味?」「何ができるツールなのか?」といった疑問にお答えしていきます。
また、SFAと並べられることの多い「CRM」との違いについても理解を深めましょう。
日々の営業活動をより良くしていくために、SFAで実現できることや、おすすめのツール情報もピックアップしました。
SFAの特徴や活用の方法を知り、セールスを強化するアイデアとして取り入れてみてください。
なお、株式会社soraプロジェクトでは「SFAの運用が成功した時にやった4つのこと」をまとめた資料を無料で配布していますので併せてチェックしてみてください。
SFAとは何か?言葉の意味について
SFAとは営業支援システムのことで、セールス・フォース・オートメーション(Sales Force Automation)」の略語です。
営業をサポートする仕組みを表し、情報の共有や管理をメインとした機能で、効率的なセールスを促進します。
また、戦略のプランニングやマネジメントにも役立てられるものです。
SFAを使ってできること
では、具体的にSFAはどのような機能があるのでしょうか?
SFAを使ってできることは主に以下の3つで、メンバーとマネージャーで異なる使い方も可能です。
それぞれ見ながら、活用のイメージをしてみましょう。
案件の情報やステータスを管理できる
SFAの最大の魅力は、案件の詳しい情報を集約して一元管理できることです。
たとえば、次のような情報を入力できます。
- 案件の担当者は誰か
- 商談先はどのような業界か
- 商談先の企業規模はどのくらいか
- ステータスはどうなのか(「商談中」「稟議中」「失注」など)
- 案件の進捗度合い(%)や見込み確度はどのくらいか
- 受注したときの売上見込みはどのくらいか
動きがあるたびにSFAを更新していれば、リアルタイムで営業の状況がわかります。
また、1社につき商材やサービスごとに複数の案件を設定することも可能です。
営業活動を管理できる
SFAに履歴を残すことで、商談先との営業活動を管理できます。
- 最後に接触があったのはいつか
- どのような内容の商談をしたのか
- 電話やメールはどのくらい交わしており、その内容は何か
- 次にどのようなアクションをする予定か
「いつ」「どのような」活動を「どれくらい」したのか、画面を見れば誰でもすぐに把握ができます。
次に何をすべきかを書き込めるため、営業担当者が行動の計画を立てやすくなるのも利点です。
目標の達成率を俯瞰できる
案件を集計すれば、目標の達成率までもが一目瞭然です。
特に、営業チームのリーダーやマネージャーは俯瞰した情報をもとに、指示や判断がしやすくなります。
(例)
「今期の売上目標に対して、現状の達成率はどのくらいだろう?」
「チームメンバー個々の成績はどの程度だろうか?」
現状を把握すれば、次の戦略や改善策を考えやすくなります。
データで明確な根拠を示せることは、具体的な数字を扱うセールス職には必要不可欠です。
SFAとCRA・MAの違いとは
SFAとよく似た言葉に、「CRM」や「MA」があります。
いずれもクラウド型の管理ツールを指しますが、どのような違いがあるかご存じでしょうか?
3つにはそれぞれ異なる役割があり、活用するフェーズにも違いがあります。
この機会に、SFAとの違いを理解しておきましょう。
SFAとMAの違い
MA(マーケティングオートメーション, marketing Automation)は、SFAを使う前の段階で利用します。
MAは主にマーケティングやインサイドセールス領域のツールで、リードの獲得・育成・分類が主なミッションです。
ホットリードを抽出・創出すれば営業の効率アップに繋がるため、フィールドセールスにとってはありがたい存在と言えるでしょう。
リードに対する営業活動を管理していくのがSFAです。
SFAとCRMの違い
CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント, Customer Relationship Management)は、顧客データを管理し、やり取りの履歴を残せるツールです。
「リレーションシップ」と言うように、関係性の管理に主眼を置き、顧客への適切な対応や、良好な結びつきを維持・促進するための側面があります。
営業の結果、受注に至った商談先は「顧客」となります。
SFAの後はCRMで管理することになり、長期的な取引のキープに役立ちます。
SFAを導入するメリット
SFAを導入するメリットとして、5つ挙げました。
煩雑な手間をなくし、組織力を向上させるためには欠かせないことがわかります。
それぞれ見ていきましょう。
情報を1ヶ所に集約・共有できる
SFAを使えば、営業にまつわるさまざまな情報を1ヶ所に集約できます。
画面を見れば誰でも最新の情報を得られるため、共有のしやすさもメリットです。
集約することが大切なのは、属人化を防げるからです。
特に、営業は個々のセールス担当に依存しやすく、顧客の情報や対応の履歴が見えにくくなりがちです。
SFAはこうした課題を解決し、営業組織の仕組み化を目指します。
案件ごとの詳細を把握しやすい
SFAには入力のフォーマットがあり、案件の情報を簡単に入れ込めます。
更新もしやすく、情報の最新化も容易いものです。
Excelやスプレッドシートでは画面が煩雑になりがちで、入力ミスやデータ破損といったトラブルのリスクもあります。
SFAでは、案件のページを見れば必要な情報がまとまっているため、状況の把握には最適です。
営業チームのマネジメントに便利
営業チームをまとめるマネージャーは、「誰がどの案件を持っているか」「進捗はどうか」「ノルマの達成率はどうか」など、いろいろな情報を得る必要があります。
SFAを使えば、マネジメントにかかる工数も削減できます。
たとえば、チームメンバーの名前で案件を絞り込み、売上額を集計すれば達成度がすぐにわかります。
アクティブな案件を抽出し、活動が新しい順に並べれば、「最終アタックから日が空いているリード」のような情報を得るのも簡単です。
受注・失注要因の分析ができる
案件のデータには、「商談の結果がどうなったのか」「なぜそうなったのか」を記録できます。
過去の商談も一つひとつ、「なぜ、受注または失注したのか?」といったデータを蓄積できるのです。
受注・失注の要因を分析すれば、成功しやすいケース(勝ちパターン)や、商材別の傾向、営業マン別の傾向を可視化できます。
成果を上げていくために、分析や振り返りに役立てられるのもSFAのメリットです。
案件を通して顧客を理解できる
SFAで管理するものは「案件」ですが、案件を通して「顧客」の理解を深められるのも特徴です。
案件のデータを見ると、次のアプローチ戦略を立てられます。
- 契約してからどのくらい経つのか
- フォローアップは必要か
- アップセルやクロスセルの余地はあるか
セールスは受注して終わりではありません。
さらに売上を積み上げ、契約を長く保たせるために、SFAの情報を元にして既存顧客のケアもできるのです。
自社に合うSFAのツールを選ぶポイント3つ
SFAを提供している会社は多く、「どのツールを選んだら良いかわからない」と困ることもあるかもしれません。
基本の機能は共通しているものの、何に特化しているか・どのような独自の特徴があるかは、ツールによってさまざまです。
ここではSFAを選ぶときのポイントを4つ取り上げました。
自社に合うツールを選ぶために、以下の点を参考にしてみましょう。
1.誰でも操作がしやすいか
SFAを使うのは営業担当です。
部内の誰もが使いやすいかどうか、画面のわかりやすさや入力の簡単さを中心に判断しましょう。
営業は外に出る機会も多いため、モバイルで出先からも操作できるのが理想的です。
無料のトライアル期間があれば、一度使ってみて所感を確かめるのも良いでしょう。
2.サポート体制は安心できるか
「SFAを導入しても使いこなせるか不安」「どのように始めたら良いか教えてほしい」と思うならば、サポート体制が充実したサービスがおすすめです。
24時間365日いつでも対応できるヘルプデスクや、相談しやすいコールセンターまたはチャットがあれば、困ったときでも安心です。
中には、専任のコンサルタントが付き、導入や運用支援の支援をしてくれるサービスもあります。
有料の場合もありますが、懸念があれば活用するのも1つの手です。
3.コストは見合っているか
SFAツールは、月額制で利用料が発生するものがほとんどです。
営業メンバーの人数や売上規模、商談数よりもtoo muchなツールを導入すると、費用対効果が見合いません。
コストの回収に不安があるなら、初めは利用ユーザー数を絞ったり、機能を限定したりして見積もり金額を抑える方法もあります。
せっかく導入しても売上でペイできなければ意味がないので、無理のない価格帯のツールを選びましょう。
SFAのおすすめツールを比較!それぞれの特徴を確認しよう
ここからは実際に、おすすめのSFAをいくつかご紹介します。
SFA単体のツールよりも、CRMの機能を持ち合わせたシステムが多いことが特徴的です。
選ぶポイントとしてお伝えした事柄も踏まえて、自社のセールスチームにぴったりのSFAはどれかを見つけてみてください。
Sales Cloud(セールスクラウド)
全世界で使われているCRM「Salesforce(セールスフォース)」に含まれる、SFAとCRMの統合型システムです。
管理画面の編集に留まらず、機能の開発の柔軟性も高いため、できることの幅がとても広くなっています。
中小企業やスタートアップ向けの「Sales Cloud Essentials」もおすすめです。
- CRMもMAも1つのツールで完結できる
- カスタマイズの柔軟性が高い
- 使いこなすための学習コンテンツが充実
提供会社:セールスフォース・ジャパン株式会社
Senses(センシーズ)
入力の自動化やAIによる分析など、効率化にまつわる機能が充実したSFA/CRMです。
GmailやSlackに、MoneyFowardなど、外部ツールとの連携においても優秀です。
- 案件ごとのリスクもAIが自動で分析
- リモートワークでも安心できる、わかりやすい進捗ボード
- ワンクリックでデータを取り込めるモバイルアプリあり
提供会社:株式会社マツリカ
Knowledge Suite(ナレッジスイート)
国産のSFA/CRMツールで、導入社数は7,500社を超えます。
名刺管理や日報機能など、セールスに役立つ機能が満載です。
- 取り込んだ名刺を顧客データとして登録できる
- ユーザー数が無制限でコストを抑えられる
- リモートでもメッセージのやり取りや書類の提出が簡単
提供会社:ナレッジスイート株式会社
Hubspot CRM(ハブスポットCRM)
HubSpotは2005年にアメリカで開発されたツールです。
CRMと名前がついていますが、SFAが搭載されており、売上の達成状況やレポートを簡単に更新できます。
- 無料プランが用意されている
- 営業ダッシュボードが見やすく、直感的に操作できる
- 最大100万件のコンタクト情報を登録でき、ユーザー数とストレージ容量は無制限
提供会社:HubSpot Japan株式会社
SFAを導入する前に準備しておくことは?
SFAの導入を成功させるには、事前の準備が大切です。
営業担当の成績もSFAで管理できるため、評価の基準を定めることも求められます。
次の2点を意識して行いましょう。
KPIを明確にする
営業成果をSFAで管理する上で、KPIの明確化は必須です。
いかに売上を積み、ノルマを達成するかが最大の価値ではありますが、プロセスの評価において何を重視するかは考える必要があります。
保有する案件の数、受注までのスピード、アタックの件数など、会社や組織にフィットしたKPIを定めましょう。
ツールに取り込むデータを用意する
SFAには、今ある商談や顧客の情報を取り込む必要があります。
スムーズに移行できるように、CSVデータの出力や名刺の回収をしておきましょう。
古い顧客の場合、属人化している全体に共有されていないのもよくあることです。
誰もが平等に情報へアクセスできるように、体制づくりをしてみてください。
SFAを最大限に活用するコツとは
「SFAツールを導入して営業を効率化できた」「SFAが強い組織づくりに役立った」などポジティブな結果を得るためには、上層部が主体となった工夫が必要です。
最後に、SFAを最大限に活用するコツをお伝えします。
マネジメント層の社員は、特にしっかりと理解しておきましょう。
リーダーやマネージャーが積極的に使う
営業マネジメントをする立場の人ほど、SFAを積極的に使ってみてください。
SFAで管理していることが伝わると、メンバーの利用や入力も活発になっていきます。
逆に、上長がSFAを見ていないと部下は「使ってもあまり見てもらえない」と感じ、SFAへの入力が疎かになりがちです。
入力された内容や情報を見て、個々のメンバーにフィードバックをするのも良いでしょう。
ツールの利用法と案件の進め方の両軸からアドバイスすれば、営業組織の質はどんどん高まります。
営業マネジメントの方法を改善する
SFAを導入したことで、従来のマネジメント方法を変える必要があるかもしれません。
たとえば、「メールや日報を廃止して、SFAに一本化」などの舵切りをすれば、SFAの活用度合いが大幅にアップします。
やり方を変えるのは時に勇気のいることですが、改革だと思ってメンバーとコミュニケーションを取りつつ実践していきましょう。
SFAとは営業支援ツールのこと!活用して強い営業チームを作ろう
SFAは案件を管理することで、営業の効率アップや組織化を支援するツールです。
案件を通して顧客を知れる側面もあり、CRMの機能を備えたシステムも多くあります。
自社ではどの会社のサービスを導入すべきか、ポイントを押さえながら納得のいく選択をしましょう。
導入前の準備、運用の進め方も、マネージャーを中心に一丸となって取り組んでみてください。
投稿者プロフィール
-
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
最新の投稿
- 2024年8月6日マーケティングウェビナーの集客方法とは?成功させるコツやポータルサイト・ツールを紹介
- 2024年5月9日マーケティングTikTok広告のログイン方法は?広告の種類・メリットを解説
- 2024年4月2日営業代行ファクトファインディングとは|意味や目的、やり方や例文まで徹底解説
- 2023年12月18日テレアポ時価総額1000億円以上の企業は?各種ランキングとリストを紹介