目次
- 「広報とマーケティング、何が違うのか?」
- 「なぜ両者を連携させるのが重要なのか?」
- 「連携とは具体的に何を指すのか?」
上記のような疑問を持っている担当者は多いのではないでしょうか?
広報とマーケティングは、似ているようで全く異なる役割を持っています。そして両者の連携により、企業はブランディングや認知度向上、あるいは製品・サービスの販促で有利なポジションを取れるようになります。
しかし両者の役割や、連携のあり方を理解していなければ実現できません。そこで今回は以下を解説します。
- 広告とマーケティングの仕事内容
- 連携が重要な理由と具体例
- 連携を深めるうえでのポイント
広報とマーケティングの理解、および連携について知りたい担当者はぜひご参考にしてください。
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広報とマーケティングの仕事内容とは
最初に広報とマーケティングの仕事内容が、どう違うのか理解しておきましょう。
- 広報→情報の発信
- マーケティング→売れる仕組みの構築
簡単に言い表すなら、上記のようにまったく違った部分をカバーしています。それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
広報は情報の発信
広報の役割は、企業や製品、サービスに関する情報を発信すること。具体的には以下のようなアクションが該当します。
- プレスリリースを出す
- メディアの問い合わせに対応する
- SNSの企業公式アカウントを運用する
- テレビやラジオに出演して自社製品やサービスをアピールする
- 社内に対して四季報を発行したり、社内イベントを企画したりする
これらの活動が広報に該当すると考えて問題ありません。もっと分かりやすく言えば広報とは、会社の指針や考えを、主に社外へ伝えるスピーカーの役割を担っていると捉えましょう。
これらの活動を通して販促を行ったり、企業ブランドを高めたりするのが、最終的な目標となります。
広報が果たすべき役割は重要です。たとえばメディアの問い合わせひとつ取っても大きな責任が伴います。
情報の伝え方や言葉の選び方、態度や身だしなみひとつで、企業や製品、サービスの印象は大きく変わります。よりよい形で自社をアピールするためにも、広報担当者は相当な工夫や努力が必要だといえるでしょう。
また社外ではなく、社内に対して広報を実施するケースもあります。これも従業員満足度や自社への帰属意識を高める点へ繋がっており、重要な業務だと言えます。
マーケティングは売れる仕組みを作る
マーケティングとは、顧客のニーズを掴み、自社製品やサービスが売れる仕組みを作ることを意味します。要するに「何が売れるか」を追求するのが仕事です。
具体的な業務とした以下が挙げられます
- 市場の状況を調査する
- 他社と自社の違いを調べる
- 顧客が求めている製品やサービスを考える
- 各種調査に基づいて売れる製品やサービスを考える
- 広告を企画する
自社製品やサービスを作り出しても、それが必ず売れるとは限りません。しかしマーケティングを実施すれば、どのようなものを作ればどの程度売れるのか予測できます。
マーケティングは自社の行動に合理性を持たせるうえで重要なステップだと言えます。
なおマーケティングと市場調査同一視されがちですが、両者の意味合いは大きく異なります。
マーケティングは顧客ニーズを掴み、売り上げが発生する点までをカバーします。市場調査はあくまでも「過去のデータを分析する作業」であり、マーケティングを達成する手段のひとつにしかすぎません。
営業活動との違い
広報と営業の違いは、売り上げが発生するまでのフローを考えると理解しやすいでしょう。
まずマーケティングによって商品が企画開発され、その後広報により社外へとアピールされます。
ここからが営業の出番です。問い合わせに応じて提案したり、テレアポで新しいニーズを発掘したりして、具体的な商談をまとめます。契約成立後はクロスセルやアップセルで、さらなる売り上げの向上を目指すことも。
つまり広報が作り出したチャンスを、営業が成約へ導く図式があります。
広報とマーケティングを連携させるのが大切な理由
広報とマーケティングの連携が大切だとされる理由は、大きく分けて4つあります。
- SNSの急速な成長に対応するため
- 両者が共に考えなければいけない場面が増えたため
- リード顧客を供給するため
- メディア発信まで踏まえたマーケティングを実現するため
まずTwitterやInstagramなどの成長が、広報とマーケティングの連携の必要性を大きく高めています。
それらに代表される変化が、両者で協議する場面を増やしていることも重要視すべきです。またリード顧客を営業に回したり、よりよいメディア発信を実現したりするうえでも連携が求められています。
SNSの急速な成長に対応するため
広報とマーケティングの連携が求められる最大の理由として、SNSの急速な成長が挙げられます。
TwitterやInstagramなどの台頭で、以下のような現象が起こるようになりました。
- SNSで自社の製品やサービスに言及される
- 広告出稿が用いられる
- 発信活動によって顧客を獲得できる
つまりSNS上での動きが、企業や製品、サービスに大きな影響を与えるようになっています。
そしてSNSは広報とマーケティング両方に関係したサービスです。SNS上の言及からニーズを掴むのはマーケティング部門の役割ですが、広告出稿や発信活動は本来的には広報の仕事です。
つまりSNSを動かすなら、広告とマーケティングがある程度連携し、協力し合う必要があります。連携ができていれば、広告出稿と発信内容を一貫させるなど、より安定した運用を実現できます。
両者が共に考えなければいけない場面が増えたため
両者が共に考えなければいけない、難しい場面が増えたのも一因です。
インターネットやWeb上のサービスが発展したことにより、消費者はより多くの情報や製品から、自社にフィットしたものを選べるようになりました。
この選択肢の拡大は今のなお広がり、常に新しいアクションが生まれ続けています。こういった未知の顧客行動に対応するには、広報とマーケティングの枠組みにこだわらず協力しあい、多角度的に物事を捉えなければいけません。
簡潔に言えば、「わからないこと」がわかるように、双方が知恵を出し合う必要が出てきて、その答えの1つが連携だったわけです。
リード顧客を供給するため
広報とマーケティングの連携が求められるのは、営業部門にリード顧客を供給するためでもあります。
テレアポや飛び込みを除き、営業は顧客からの問い合わせを受けて商談に動きます。このとき広報とマーケティングから得られる情報が良質であれば、より有利に営業活動を提供できるでしょう。
つまり営業に対してリード顧客がどのような状態にあるか正しく説明するために、広報とマーケティングの連携が求められています。
メディア発信まで踏まえたマーケティングを実現するため
いわゆるオウンドメディアでの発信も踏まえたマーケティングを実現するためにも、広報との連携は欠かせません。
近年ではいわゆるコンテンツマーケティング、つまりインターネット上での情報発信が広く活用されるようになりました。これを達成するためには広報のコンテンツ作成参加はもちろん、顧客が必要とするデータを提供するためのマーケティングの協力も求められます。
SEO上の競争に打ち勝つ必要があるオウンドメディアの発信では、広報の力だけでは足りません。だからこそ顧客や検索ユーザーの動向を掴めるマーケティングとの連携が必要です。
広報とマーケティング連携の具体例
広報とマーケティングが連携する、といっても、抽象的すぎてわからない人も多いでしょう。そこで下記では連携した場合の具体例をいくつか紹介します。
- プレスリリースのタイミングを協議する
- メディアのターゲットを共有する
- マーケティングの分析結果を広報にフィードバックする
- SNSの広告運用を共同で進める
具体例を参考に、どのように連携すべきなのか考えてみましょう。
プレスリリースのタイミングを協議する
プレスリリースのタイミングを協議する行動は、まさに広報とマーケティングの連携がはたらいている好例です。
プレスリリースは内容のみならず、「いつ公開するのか」がむずかしいところ。これを間違えただけで、まったく反響を得られないケースもあります。
ここでマーケティング部門からの協力があれば、市場調査や各種分析に基づき、プレスリリースを出すベストなタイミングを考察できます。同じように何かを社内外へリリースする際、マーケティング視点での助言は大きな味方となるでしょう。
メディアのターゲットを共有する
メディアのターゲットを、広報に共有するだけでも大きな違いが得られます。広報がメディアで何かを発信する際、やはりターゲットが定まっていなければ適切に情報を伝えられません。しかしマーケティングが場面ごとでのターゲットを明らかにすれば、何を伝えるべきなのか推察できます。
たとえばオウンドメディアであれば、記事ごとでどのようなユーザーが検索して閲覧するのか、共有するといった形です。
マーケティングの分析結果を広報にフィードバックする
広報が情報を公開したあと、マーケティング部門がフィードバックするのは重要です。反響を分析して、何がよくて、何が改善だったのか共有すれば、今後の広報活動で役立つヒントが得られます。
広報とマーケティング連携を実現するポイント
「広報とマーケティングを、どのように連携させるべきかわからない」という担当者も多いでしょう。
かなり抽象度の高い取り組みであるため、すぐに具体的なやり方をイメージできないのは当然です。ただし以下3点を理解すれば、双方の連携を深め、よりよい戦略を選べるようになるでしょう。
- 広報は顧客理解を進める
- マーケティングは情報共有を徹底する
- 互いの専門性を理解する努力を続ける
一言で言えば、部門同士が理解し合えるように努力するのがポイントです。
広報は顧客理解を進める
マーケティングと連携する場合、広報は顧客理解を深めるように努力しましょう。
マーケティング部門からは、自社を取り巻く市場と顧客ニーズがどのような状態にあるか、データとしてレポートを受け取ります。それを参考に顧客が何を思うのか、何を訴求するべきなのか考えるのが大切です。
実際に広報媒体で何かを製作するときは、マーケターに参加してもらうとよいでしょう。そうすればマーケティングで得られた情報をどのように活かすべきか、協議しながら進められます。
そうした顧客理解が習慣づけば、広報はより顧客やユーザーに魅力的な情報を発信できるようになります。
マーケティングは情報共有を徹底する
マーケティング部門は、情報共有を徹底しましょう。
マーケティングで起こりがちな問題として、周辺部署に得られたデータを共有できないケースが挙げられます。従来、広報との連携を実施できていないなら、やはり情報共有の不足は懸念されるでしょう。
マーケティング部門が価値を感じていなくても、広報から見てみれば貴重な情報だと見えることもあります。「このデータは使えない」と断定せず、広報部門に共有することを意識しましょう。
互いの専門性を理解する努力を続ける
広報とマーケティングを実施するなら、互いに専門性を理解し合えるように努力しなければいけません。
広報では、「パブリシティ」や「アドバトリアル」といった専門用語が飛び交います。マーケティングでは「ROI」や「クエリ」などの単語が使われるでしょう。
言葉の難しさに表れるように、広報とマーケティングには専門性があり、当人らでなければ話の意味がわからない場面も多々あります。しかしこのままでは双方が連携し、よりよい成果を挙げられるような状態にはなりません。
お互いが専門的な知識やノウハウを学ぶ、あるいは噛み砕いて説明するなどして、相互理解を深める努力を怠らないようにしましょう。
広報とマーケティングの連携でビジネスを加速させよう
本記事では、広報とマーケティングの連携について解説しました。最後に大切なポイントをおさらいしておきましょう。
- 広報とは、社内外へ情報発信する部門
- マーケティングは売れる仕組みを作る
- 両者が連携すればSNSの急速な成長に対応できる
- リード顧客を営業部門に渡すためでもある
- その他、複雑化する顧客行動に対して適切なアクションが取れるようになる
- 広報とマーケティングの連携を進めるには、相互に理解し合うのが重要
- 専門性の高い分野でも、教え合うようにするのがポイント
インターネットがさほど発達していない時代は、広報とマーケティングは別部門として切り分けたほうが合理的でした。しかし現在はSNSの発展などを背景に両者が連携していたほうが有利な場面も多々あります。
ぜひ自社でも広報とマーケティングを連携できないか検討してみましょう。
投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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