SaaS商材とインサイドセールスの相性は?準備から向いている施策まで

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SaaS商材を扱う企業の多くは「リードタイムの長さ」や「開発に注力する傾向にあるため営業活動が鈍化している」などの課題があるようです。

近年ではSaaS商材と相性が良く、受注確度の高い営業手法「インサイドセールス」を導入する傾向にあり、需要が高まっています。

本記事では、SaaS商材とインサイドセールスの相性がよい理由について詳しく解説します。

また、インサイドセールス導入に向けて準備することから、向いている施策についても解説します。

なお、株式会社soraプロジェクトが提供するインサイドセールス代行の「料金とサービス資料」を無料で配布していますので併せてチェックしてみてください。

本記事を読めば、SaaS企業がインサイドセールスを導入するべきかどうかを判断できるはずです。

ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

そもそもインサイドセールスとは?

インサイドセールスとは、対象となる顧客の元に出向くことなく、見込み客に対して非対面で行う営業活動のことです。「内勤営業」や「リモートセールス」と呼ばれることもあります。

商談や営業活動を行う際は、下記のような方法を用いてアプローチします。

  • 電話
  • メール
  • SNS
  • Web会議システム

従来手法とも呼ばれる「フィールドセールス」のように対面で活動を行わないため、コストや労力削減できる方法として近年注目されるようになりました。

また、インサイドセールスは見込み客の育成(ナーチャリング活動)も行えるため、受注確度の高い商談を期待できる特徴もあります。

インサイドセールスとSaaSの相性

結論として、SaaS企業とインサイドセールスの相性は良いといえます。

一般的にSaaS商材は、長期的な利用が必要となるほか、単価が大きい特徴があります。そのため、顧客は慎重にSaaS商材の利用を検討する必要があります。

インサイドセールスを行い、見込み客に定期的に接触し、有益な情報を提供し続ければ、興味関心を惹きつけることが可能です。

適切なアプローチを続ければ、SaaS商材の受注確度向上につながります。

また、SaaS商材は購買に至るまでの時間が長い特徴がありますが、インサイドセールスによって営業にかかる時間やコストの削減が期待できます。

SaaS企業であれば、インサイドセールス導入を検討してみてもいいかもしれません。

SaaS企業がインサイドセールスを導入する背景

SaaS企業がインサイドセールスを導入する背景として、SaaS商材ならではの特徴が挙げられます。

具体的には「顧客が購買に至るまでの時間」と「営業活動に使える時間」があります。

本章で、SaaS企業がインサイドセールスを導入する背景についてチェックしながら読み進めてください。

まずは、自社の課題を明らかにしていきましょう。

リードタイムが長く購買までに時間がかかる

前項の通り、SaaS商材は単価が高かったり中長期的に利用したりするケースが一般的なので、購買までに時間がかかります。

特にBtoB向けの商材は、購入までに慎重に検討を進めるケースがほとんどなので、リードタイムが長くなりがちです。

多くの企業では、下記のようにステップを踏んだ上で商材を利用するかどうかを決めなければなりません。

  • 利用をお検討しているSaaS商材の情報収集
  • 他社との比較検討
  • 会社での稟議
  • 導入後使いこなせるかどうか

上記は一例にすぎませんので、企業によってはより多くのステップを踏むこともあるでしょう。

いち早く顧客の検討フェーズに進めてもらうためには、インサイドセールスで定期的なアプローチが欠かせません。

営業リソースが不足している

SaaS商材を扱っている企業は、営業のリソースが不足しがちです。

特にSaaS商材を扱っているIT系企業は、人材のリソースや予算を開発に注力する背景があります。

そのため、営業の人員不足や営業力に課題を抱える企業が多いでしょう。

また、商品は販売して終わりではなく、その後のサポートも欠かせません。

営業リソースの不足は、新規顧客獲得への行動が鈍化してしまう事態にもなりかねないでしょう。

SaaS商材と相性の良いインサイドセールスの特徴

インサイドセールスは、SaaS企業が抱える課題をカバーできる特徴があります。

前項のSaaS商材ならではの課題は、インサイドセールスによって解決できる可能性があります。

本章で、インサイドセールスの特徴について理解し、課題を解決できるのかどうかを判断していきましょう。

顧客との関係構築ができる

インサイドセールスは、リードナーチャリング(顧客育成)が期待できます。

リードナーチャリングとは、見込み客の購買意欲を高め、商談や受注につなげるマーケティング手法のことを指します。

前述の通り、SaaS商材は購入までの期間が長い特性があるため、インサイドセールスでリードナーチャリングができれば、従来の営業手法よりも関係構築を早く行うことが可能です。

開発に重きをおきがちなSaaS商材を扱う企業が、インサイドセールスを行うことで、営業の質を高められるでしょう。

顧客との関係構築に注力したいものの、できていないというSaaS企業であれば、インサイドセールスは有効です。

営業活動を効率的に進められる

インサイドセールスは、営業フローを細かく分けて対応することが可能なので、営業の効率化が期待できます。

例えばSaaS商材購入者の中には、「検討までの期間が長く、導入することで抱えている課題は解決できるのか」など、さまざまなステップを踏むこともあるでしょう。

インサイドセールスを行うことで、その時々に抱えている顧客の悩みに対して、適切な対応が可能かつスピード感を持ってアプローチができます。

一方で、インサイドセールスを行う以上、リソースを確保する必要があります。

中には「インサイドセールスにリソースを割くのは難しい」と思うかもしれませんが、開発と営業を分業化することで、下記のような効果が見込めます。

  • 商談率の向上
  • 受注率の向上

結果として、利益につながる可能性が高くなるのがインサイドセールスの特徴ともいえます。

また窓口の設置により、顧客の声を拾いやすくなるので、開発にも活かせるでしょう。

SaaS企業がインサイドセールスを始める前に準備すること

インサイドセールスを始める前に、SaaS企業は次の3つを準備しましょう。

  • SaaS商材を導入してくれる企業を明確にするために必要なペルソナ設定
  • カスタマージャーニーの設計
  • コンテンツの拡充

現実的なペルソナを考えながら顧客の行動や心理状態を想像し、フェーズごとに分類・整理しながら施策を練る必要があります。

ペルソナを設定する

自社のSaaS商材を導入してくれる、企業を明確にするためにはペルソナ設定が欠かせません。

ターゲットに響く戦略設計をするために、大前提となるペルソナの設定は最重要です。

ペルソナとは、サービスや商品を利用する具体的なユーザー像を指します。

BtoB・BtoCのどちらにおいても、誰に届けたいかを明確化することが大切です。

(BtoCのペルソナ要素の例)

年代

性別

居住地

職業や趣味

生活習慣

(BtoBのペルソナ要素の例)

企業や部署の規模

業界・業種

業務の内容

今使っているツールや手法

働いている人の年代、ITリテラシー

ペルソナ設定における重要なポイントとして、「理想像に寄せすぎず、現実的なペルソナを考える」「自社商材の最重要顧客をイメージする」といった点に注意すると、施策の失敗や実際に獲得できたリードとのイメージ乖離を避けられます。

カスタマージャーニーを設計する

カスタマージャーニーとは、顧客が商材と出会ってから購入や契約に至るまでに、どのような行動をするかを表すマーケティング用語です。

(例)

顧客がWeb広告を見て商材を知る。

そのサービスについて調べる。

似たような他のサービスと比較する。

比較検討の上、満足感や納得感とともに導入を決断する。

カスタマージャーニーのゴールは1つではなく、「問い合わせをする」「契約をする」「リピート購入をする」など、さまざまな設定ができます。

提供側はスタートからゴールまでの顧客の行動や心理状態を想像し、フェーズごとに分類・整理しながら施策を練る必要があります。

コンテンツを拡充する

ペルソナやカスタマージャーニーに基づいて、関連コンテンツを用意しましょう。

ユーザーが商品・サービスを知る上での接点が増えるため、検討材料として活用できるとともに、顧客体験の質がアップするメリットもあります。

具体的な例は次項でご紹介しますので、参考にしてみてください。

SaaS企業がインサイドセールスを行う際に向いている施策

前述した通り、SaaS企業ではリード獲得までのプロセスが長く、長期的なコミュニケーションが求められます。

見込み客にストレスを感じさせずコミュニケーションを取り続けるためには、フェーズによってアプローチ方法を上手く使い分ける必要があると言えます。

ここからは、SaaS企業に適したアプローチ方法について解説します。

オウンドメディア

自社サイトやブログを運用し、情報の発信力を高めましょう。

オンライン広告を出稿した場合の遷移先としても設定できます。

また、SEOコンテンツを用意して、検索KWからの流入を狙うことも重要です。

オウンドメディアの運用においては、リードが自社商材の強みを理解できる構造になっているかを意識しましょう。

また、問い合わせフォームや資料請求フォーム、メルマガ登録などさらに接点を増やすことも可能です。

デジタル広告

デジタル広告は、潜在顧客に対するアプローチとして有効です。

1回の閲覧ではリード獲得には至らないことが多いため、「リターゲティング広告」を活用して再アプローチをすることも可能です。

どの種類の広告を活用する場合でも、出稿先にアクセスするユーザーが「自社商材やサービスにマッチしているか」を吟味して運用することが重要です。

近年では動画広告など新たな手法への注目も高まっていますので、ペルソナを意識してさまざまな施策を取り入れてみましょう。

メールマガジン

顧客からメールアドレスを取得できたなら、メルマガを使った情報発信も有効です。

オウンドメディアのコンテンツを配信する仕組みを作れば、常に最新情報や有益な情報を届けることも可能になります。

例えば、新規記事を読んでもらう、近い業界の導入事例のインタビュー記事を配信して興味を持ってもらう、などいろいろな活用ができるのです。

1回の送付で成果を上げるのは難しいため、長期的な目線を持って定期配信を行うのがおすすめです。

加えて、リードの検討フェーズが上がるタイミングを見計らってキャンペーン訴求をするなど、戦略的な送付設計でさらに効果を高められます。

SNS

FacebookやInstagram、TwitterなどのSNSアカウントを開設し、フォロワーに対して情報を発信することもリード獲得につながります。

アカウントの内容に一貫性があれば、狙っているターゲットにもフォローされやすく、その後のリード獲得が期待できます。

SNS運用で特に注意すべき点は、商品を直接売り込まないことです。

ユーザーがSNSを利用するとき、購入よりも情報収集を目的としている場合が多くあります。

あくまでも「ユーザーが知りたい情報」を継続的に発信し、関心や購買意欲を高めてもらうことが大切です。

ウェビナー

セミナーはSaaS企業のリード獲得において有効な手段です。

さらに、Webセミナー(ウェビナー)を開催することで、対面で接点を持ちにくい企業にもアプローチが可能です。

場所を問わず全国・全世界からリードを獲得でき、録画した動画をアーカイブとして再利用すれば、コストを抑えてリードを獲得することも可能です。

セミナーのメリットや開催手順については、以下の記事でも解説しています。

インサイドセールスにセミナーを活用するメリット4つ。開催手順も解説

インサイドセールス導入でSaaS商材ならではの課題を改善しよう

本記事では、インサイドセールスとSaaS企業の相性について詳しく解説しました。

SaaS商材は「リードタイムの長さ」や「営業リソースの確保の難しさ」などの課題が挙げられます。

開発に力を入れる背景があるため、どうしても営業活動が停滞しがちです。

一方でインサイドセールスは、顧客との関係構築を強化できるほか、営業活動を効率的に進められるなどの特徴があります。

SaaS商材の負担を減らし、受注確度の高い商談を期待できるでしょう。

受注確度の高い商談を期待するなら、インサイドセールスに特化した企業への外注もおすすめです。

『soraプロジェクト』ではインサイドセールスに特化したアウトソーシングを展開していますので、まずは資料を確認してみてください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。