カスタマーヘルススコアとは?3つのメリットや導入・運用手順を解説

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カスタマーヘルススコアとは?3つのメリットや導入・運用手順を解説

カスタマーヘルススコアとは、顧客のサービス利用状況を数値化した指標であり、顧客に適切なアクションを起こす上で役に立ちます。

顧客のサービス利用状況をリアルタイムで把握することで、効率的な顧客対応を実現できることが利点です。

しかし、カスタマーヘルススコアは適切な方法で活用しなければ、期待していた効果を得られません。

そこで本記事では、カスタマーヘルススコアに関する基礎知識や、導入の手順について詳しく解説します。

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カスタマーヘルススコアとは

カスタマーヘルススコアとは

カスタマーヘルススコアとは、顧客の自社サービス利用状況を数値化した指標です。

活用することで、顧客一人ひとりのサービス利用状況の監視ができます。

具体的には、解約のリスクが高いのか、逆により高い機能を求めアップグレードする準備しているのか判断できるでしょう。

顧客のサービス利用状況を効果的に監視でき、価値のあるサービスを提供できるようになります。

結果として、顧客のサービス利用を長期的に維持できるようになり、企業の利益につながります。

カスタマーヘルススコアを導入する3つのメリット

カスタマーヘルススコアを導入する3つのメリット

ビジネスにおいて、顧客にサービスを利用し続けてもらうことで、企業の利益につながります。

顧客のサービス利用状況を監視し、対策を取ることは極めて重要であるということです。

ここでは、カスタマーヘルススコアを導入する次の3つのメリットを詳しく解説します。

  • カスタマーヘルスに基づいた効率的な顧客対応が行える
  • 解約率の改善につながる
  • 顧客対応しない選択ができる

カスタマーヘルススコアに基づいた効率的な顧客対応が行える

カスタマーヘルススコアにより、サービス利用状況を監視することで、顧客一人ひとりに適切なアプローチが行えます。

具体的には、顧客のサービス利用状況から、企業の利益につながる良いパターンとそうでない悪いパターンの2種類に分類します。

分類したパターンで次のように対応すると効果が期待できるでしょう。

  • 良いパターン:サービスのアップグレードをすすめることで、利益率を高める
  • 悪いパターン:サービスを効果的に利用できるようサポートすることで、利用状況の改善を試みる

このように成功と失敗のパターンを明確にし、適切なマーケティング戦略とアプローチ方法を実施することで、効率的な顧客対応が期待できます。

解約率の改善につながる

顧客のサービス利用状況を数値化し監視することで、顧客の解約リスクに素早く気付くことができ、迅速な対応によって解約の阻止できます

スコアが低い顧客は、サービスを解約する可能性が高いことを示しているため、迅速な対応が必要です。

解約率を改善する施策を用意しておくことで、スピーディーに対応できるでしょう。

これにより、サービスの解約率を大幅に下げることが期待できます。

また、スコアが低い顧客の特徴を分析することで、サービスの改善点を洗い出すこともできるでしょう。

顧客対応しない選択ができる

スコアを見ながらサービスを提供できるようになると、利益につながりにくい低スコアの顧客に多くの時間を割かずに済みます。

解約率改善のためにはスコアが低い顧客に対応すること重要です。
しかし、アップグレードや新サービスの利用促進をする場合は、スコアの高い顧客を対象にアプローチしたほうが効率的に利用してもらえます。

ケースバイケースで、あえてスコアが低い顧客の対応をせずに、利益率を重視することも一つの戦略です。

このように、カスタマーヘルススコアによる監視は、シーンに応じた適切なサービス運用をするためにも重要だと言えます。

カスタマーヘルススコアの導入手順

カスタマーヘルススコアの導入・運用手順

カスタマーヘルススコアは次の手順で導入しましょう。

  1. どのように使用するか定義する
  2. 顧客を分類する
  3. スコアに影響を与える測定基準を特定して数値を割り当てる
  4. スコアが特定の値に達した場合のアクションを決定する

手順1. どのように使用するか定義する

カスタマーヘルススコアは、サービスの継続的な利用や更新、解約など特定の結果が出る可能性を示します。

そのため、数値をどのように活用するのか目的を明確にしておくことが重要です。

カスタマーヘルススコアを導入する目的は、実施しているビジネスやマーケティング戦略で異なるため、自社サービスのニーズに適した目的を定義しましょう。

手順2. 顧客を分類する

さまざまな特徴を持つ顧客がサービスを利用するため、カスタマーヘルススコアを効果的に活用するには、顧客を分類する必要があります。

例えば、「サービスの導入時期や利用期間」「契約しているサービスの価格」などによってカスタマー成熟度を段階で分けることが可能です

顧客がどのようなフェーズにいるかによって、カスタマーヘルススコアとして見るべき数値や解釈は変わってくるでしょう。

手順3. スコアに影響を与える測定基準を特定して数値を割り当てる

スコアに影響を与える測定基準は、数値を計測する目的や顧客の分類により異なります。

測定基準が多ければスコアが正確になるとは限らないため、適切な基準を特定することが重要です。

主に次の要因を考慮し、測定基準を特定するとよいでしょう。

  • サービスの利用状況
  • サービスの利用時間
  • サービスのサポートを利用した回数
  • サービスの満足度
  • アップグレートや新サービスの利用状況

上記の要因を考慮し、特定した各測定基準にスコアを割り当てます。

判断しやすくするためには0~100のわかりやすい数字でスコアリングし、結果ごとに色分けやパーセンテージ、グレードで評価すると一目で確認できるでしょう。

後述するツールを利用すると簡単にスコアリングできます。

手順4. スコアが特定の値に達した場合のアクションを決定する

スコアが特定の値に達した場合のアクションを決定します。

例えば、サービスの満足度のスコアが高い顧客には、アップグレードや新サービスを提供し、企業の利益率を高めます。

各カスタマーヘルススコアで特定の値を設定し、達した場合に行うアクションを慎重に決めましょう。

また、測定期間が長くなるにつれて多くのパターンが出現するため、改善を繰り返すことが重要です。

カスタマーヘルススコアを導入する際の3つのポイント

カスタマーヘルススコアを導入・運用する際の3つのポイント

カスタマーヘルススコアを導入する際のポイントは次の通りです。

  • 目的を明確に決める
  • 測定基準は複数の要素を用意しておく
  • ツールを利用する

目的を明確に決める

カスタマーヘルススコアを実施する目的を明確にすることが重要です。

なぜなら、目的が明確に決まっていない場合とゴールがわからなくなり、顧客データを効果的に集められなくなるからです。

例えば解約率の改善を目的にした場合は、測定基準にサービスの利用状況や利用時間が自ずと含まれます。

このように、目的を明確にするだけで測定基準を定めやすくなり、効果的に実施できます。

測定基準は複数の要素を用意しておく

測定基準には複数の要素を用意しておくと、情報量の多い効果的なカスタマーヘルススコアを算出できます。

ここで注意しなければならないことは、適切な要素を厳選することです。

適切な要素でなければ、無駄な情報量が増えてしまいます。

効果的に実施するためには、目的に合う複数の要素を用意しましょう。

ツールを利用する

専用の測定ツールを利用することで、効果的にカスタマーヘルススコアを実施できます。

カスタマーヘルススコアを人力で行うと、主観的な意思決定が入り込んでしまい、良質な顧客データを集められません。

しかし、ツールを利用することでシステマティックにスコアリングできるため、客観的で良質な顧客データを集められます。

また、必要な測定基準をツール上で設定できるため、迅速かつ効率的なカスタマーヘルススコアを実現できるでしょう。

カスタマーヘルススコアにおすすめのツール5選

カスタマーヘルススコアにおすすめのツール5選

カスタマーヘルススコアにおすすめのツールは次の通りです。

  • coorum
  • CustomerCore
  • commmune
  • HiCustomer
  • pottos

coorum(コーラム)

画像出典:coorum
ツール名 coorum
料金スタンダードプラン:要問い合わせ
プレミアムプラン:要問い合わせ
エンタープライズプラン:要問い合わせ
基本機能ナレッジページ
ユーザーQA
ユーザーグループ
顧客分析・NPS
CRM(ターゲティング)
メール配信
ポップアップ
API配信
導入事例NECソリューションイノベータ株式会社
株式会社アドバンテッジ リスク マネジメント
株式会社エポスカード など

coorumは、あらゆる施策を顧客起点にシフトできるカスタマーサクセスプラットフォームです。

コミュニティを軸にしたカスタマーサクセス」がサービスの特徴であり、ノーコードで洗練されたUI・UXのファンコミュニティを簡単に実装できます。

また、100社以上の実績を持つコンサルタントが継続的なサポートしてくれるため、安心して利用できます。

CustomerCore(カスタマーコア)

ツール名CustomerCore
料金スタンダード:月額利用料100,000円・初期費用500,000円
専用:月額利用料300,000円~・初期費用1,000,000円~
基本機能顧客データ統合管理
データ可視化
アラート通知
課題・タスク管理
コミュニケーション履歴
解約リスク予測(オプション機能)
データ連携
導入事例株式会社リンク

CustomerCoreは、顧客データを可視化することに特化した顧客データ活用プラットフォームです。

CRMやカスタマーサクセス施策の効果を可視化できることが特徴で、顧客ごとの履歴表示・解約リスク予測・データ可視化・課題・タスク管理・アラート通知など機能も豊富に揃っています

また、集めた顧客データからカスタマーヘルススコアを作成することも可能です。

commmune(コミューン)

ツール名 commmune
料金ライト:要問い合わせ
スタンダード:要問い合わせ
プロフェッショナル:要問い合わせ
エンタープライズ:要問い合わせ
基本機能グループ管理
ポイント/バッジ
ナレッジベース/トレーニング
イベント
Q&A
アプリ
分析
24時間365日モニタリング
commmune API / SSO
導入事例MIKAWAYA21株式会社
オーエス・シネブラザーズ株式会社
ライフ&ワークデザイン株式会社 など

commmuneは、カスタマーサクセスに必要な顧客コミュニティをノーコードで構築できるプラットフォームです。

企業と顧客が接点を持てるコミュニティプラットフォームを提供しており、店舗・小売・食品・メディアなど業界・業種のさまざまな事例があります

また、集めたデータを活用してカスタマーヘルススコアを作成し、顧客のサービス利用状況を監視できます。

HiCustomer(ハイカスタマー)

HiCustomer
画像出典:HiCustomer
ツール名 HiCustomer
料金要問い合わせ
基本機能ヘルススコア管理
ライフサイクル管理
カスタムアラート
コミュニケーション管理
サクセスレポート
SFA/CRM連携
導入事例株式会社フレクト
カラクリ株式会社
パーソルイノベーション株式会社 など

HiCustomerは、カスタマーサクセスにより事業成長を考えるSaaS向けのカスタマーサクセス管理ツールです。

クラウド上で顧客のデータ管理や分析を行うことができ、SaaSの定着率を高める上で役に立ちます

また、タイムリーに顧客のサービス利用状況を把握できるため、最適なタイミングで売上最大化のアクションを起こせます。

pottos(ポトス)

pottos
画像出典:pottos
ツール名 pottos
料金月額利用料:98,000円~
初期費用:300,000円~
基本機能顧客のヘルス状況を把握する機能
カスタマーサクセス担当者の業務を管理する機能
顧客に自動的にアプローチする機能
導入事例ドクターメイト株式会社
株式会社シェアウィズ
株式会社ネクストビート など

pottosは、BtoB向けSaaSカスタマーサクセスの業務全般を支援するツールです。

カスタマーヘルススコアの通知機能の他、カスタマージャーニーの共有などカスタマーサクセスをチームで管理する上で役立ちます

また、工数削減や詳細な分析により、効率的なカスタマーサクセス業務を実現します。

効果的にカスタマーヘルススコアを高めよう

ポイントを意識して効果的にカスタマーヘルススコアを高めよう

本記事では、カスタマーヘルススコアの3つのメリットをはじめ、導入の手順について詳しく解説しました。

カスタマーヘルススコアにより、顧客のサービス利用状況をタイムリーに把握でき、適切なタイミングで効果的なアクションを起こせるようになります

顧客ロイヤルティを高めて利益を最大化するために、カスタマーヘルススコアの活用を進めてみましょう。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。