ハウスリストとは?基礎知識や管理方法、活用のポイントを解説

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ハウスリストの作成は、既存リード・既存顧客から新たな商談創出や売り上げ向上を可能にします。
営業には、努力を重ねても新規リードを獲得できない場合もあるでしょう。

しかし、そういった場面でハウスリストを活用できれば、時間を有効に利用しながら商談を創出できるのです。
本記事では、ハウスリストの基礎知識や管理方法に加え、活用する際のポイントを解説します。

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ハウスリストの基礎知識

総務省統計局の「経済センサス-活動調査」によると、日本国内の企業数は減少の一途をたどっています。
そのため、今後はハウスリストを活用した営業活動の必要性のさらなる高まりが予測できます。

必要時にハウスリストを活用できるよう、基礎知識を押さえながら作成してみましょう。

1.ハウスリストとは見込客・顧客情報の一覧のこと

ハウスリストとは、少なくとも1度は接点のある見込み客や顧客の情報をリスト化したものです。
イベント・Webサイト・営業活動などで収集した情報をリストにするのが一般的で、営業リストとして活用可能。

以前はリスト会社からリストを購入したり、住民基本台帳を見たりして顧客情報を収集していましたが、個人情報保護法の施行に伴い、そういった入手方法が困難になりました。
現状では自社で獲得した顧客情報をもとに営業活動を行うしかなくなったことを背景に、ハウスリストの必要性が高まっています。

2.ハウスリスト作成の目的は商談の機会作成

ハウスリストの目的は、既存見込み客や既存顧客への商談創出です。
ハウスリストをもとにした営業活動は、既に接点を得た相手にアプローチするため、比較的容易なのがメリット。

ただし、ハウスリストを活用するには、作成後も更新を繰り返して最新情報を掲載しておかなければなりません。
同時に社内でハウスリストに掲載した内容を共有し、より効果的に活用できるように工夫しましょう。

ハウスリストの作成後は、ダイレクトメール・メールマガジンなどを作成して継続的なコンタクトを獲得します。
なお、ハウスリストの情報源となる名刺の管理は、名刺管理ツールを活用すると効率的です。

3.ハウスリスト・ホワイトリスト・リードは意味が異なる

ハウスリスト・ホワイトリスト・リードの意味を比較してみましょう。

  • ハウスリスト:接点のある見込み顧客の一覧
  • ホワイトリスト:接点の有無を問わず、営業候補先も含めた見込み顧客の一覧
  • リード:見込み顧客そのもの

ホワイトリストには、営業候補の企業情報を追加・管理します。
ハウスリストとホワイトリストは特に混同しがちですが、ハウスリストは接点のあるリード一覧、ホワイトリストは営業候補先一覧として覚えておくといいでしょう。

ハウスリストを作成・管理する3つのメリットとは?

ハウスリストの作成や管理には、人材リソースや手間がかかります。
それでは、ハウスリストに貴重な人材リソースやコストをかけるだけの価値があるのでしょうか。

本章では、ハウスリストを作成・管理するメリットとともに、どれだけの価値があるのかを解説します。

メリット1.コンタクトのタイミングをハウスリストで最適化

ハウスリストは、より効果的なナーチャリングを可能にします。
ハウスリストに含まれるリードの状態・趣味・志向などをもとに、コンタクトのタイミングを最適化でき、より適切なアプローチを探れるためです。

ハウスリストは休眠顧客の掘り起こしにも有効です。
掘り起こしとは、以前はコンタクトがあったものの、現在は何らかの理由でコンタクトがなくなったリードに対するアプローチのこと。

ハウスリストの情報をもとに、休眠状態のリードにダイレクトメールやテレアポを行えば、短時間で売上の確保も可能です。

メリット2.ハウスリスト活用で低コストに新規リード獲得

新規リード獲得には、展示会への出展・テレアポ・ダイレクトメールなど、コストと手間が必要です。
しかし、ハウスリストに掲載されている顧客は、商談や契約などの直接的な営業活動が可能。

新規顧客開拓に必要なコストが大幅に軽減され、より効率的な営業活動が実現するでしょう。
ハウスリストは、インサイドセールスと併用するのも効果的です。

インサイドセールスとは、サブスクリプション型のサービスに適した営業手法のこと。
顧客対応が効率化されるため、新規リード獲得に費やす時間を増やせます。

メリット3.マーケティング×ハウスリストで柔軟性が身に付く

新型コロナウィルスのパンデミックや戦争など、外的な要因は営業活動に大きな影響を与えます。
実際に、オフラインからオンラインへと切り替える必要のあった展示会を活用していた企業は大きな影響を受けました。

同様にWebを活用したマーケティングには、検索アルゴリズムの変化・季節・市況感などが影響を与えるため、安定した成果を上げ続けるのは困難でしょう。

上記で述べたような外的要因を完全に排除するのは非現実的であることから、マーケティングにはより高い柔軟性が大切と言えます。
そして、柔軟性の高さを身に着けるのに必要なのがハウスリストです。

外的要因によって、従来の手法が使えなくなったときも、ハウスリスト活用によって新たなマーケティング手法に可能性が見出せます。
ハウスリストの作成と管理は、企業の収益を安定化させるためにも重要です。

ハウスリストの2つの作成方法とは?

ウスリストには2つの作成方法があります。
本章では、それぞれの作成方法と特徴を解説します。

方法1.全てのリードを対象にハウスリストを作成

1つ目は、マーケティング部門が収集した全てのリードをハウスリストの対象にする方法です。
この方法は、対象範囲が広く、より多くの顧客情報をリソースとして蓄積できるのが特徴。

ただし、確度の低いリードが多く含まれるため、営業活動が非効率的になるリスクが含まれます。

方法2.有効なリードのみのハウスリストを作成

2つ目は、確度の高いターゲットのみを対象にしてハウスリストを作成する方法です。
確度の高いリードのみを対象にした営業活動が可能になるため、効率的に売上を確保できるのが特徴。

しかし、有効なリードのみを対象にする場合は、選定時の定義を定めておく必要があります。
定義があやふやなままでは、確度の高いリードを見逃すリスクが生じるため注意しましょう。

ハウスリストに記載すべき情報はおもに9つ

ハウスリストに記載する、おもなリード情報は以下の9つです。

  • 企業名
  • 業種・業務形態
  • 担当者名・所属部門
  • 担当者の役職
  • 決裁者
  • メールアドレス・電話番号
  • アプローチ歴(アプローチの進捗状況)
  • 悩み・課題・リードの状況
  • 受注確度の高さ

ハウスリストを手入力する場合は、入力ミスに要注意。
詳しくは後述しますが、デジタルツールを活用して入力作業は可能な限り効率化するといいでしょう。

ハウスリストの的確な活用・管理に必要な4つのポイントとは?

ハウスリストを的確に活用・管理するには、目的・目標を明確にした上で、状況に合わせて柔軟に対応する必要があります。
それぞれのポイントを解説します。

ポイント1.ハウスリストの目的・目標を明確化

ハウスリストは、見込み顧客のナーチャリングが目的ですが、それだけでは目標としては不十分です。
ハウスリストを活用した結果、どれだけの成果に期待するのかを具体的な目標値で示す必要があります。

そして、目標値を具体化するには、企業の商品・サービスを購入するユーザーの代表例である「ペルソナ」を明確にしなければなりません。
ペルソナの明確化により、ターゲット層の厚さを算出しやすくなるため、目標値の具体化に役立ちます。

目標値が具体化されていれば、達成に必要なタスクが明らかになる上に、モチベーションの低下防止にもつながるでしょう。

ポイント2.ハウスリストは定期的に更新

ハウスリストが更新されず、情報が古いままでは、不適切なマーケティングの原因になりかねません。
特に、契約済みの顧客や断られた顧客に対して、再度営業をかけてしまうケースに要注意。

誤情報によって今後の営業活動に大きな影響を与えるだけでなく、最悪の場合は契約破棄の原因になるリスクも想定できます。
ハウスリストに掲載する情報は、常に最新の状態にするとともに、定期的に整理しておきましょう。

ポイント3.必要に応じてハウスリストとインバウンドマーケティングを併用

インバウンドマーケティングとは、製品・サービスに興味を持つ顧客に行動を促す手法です。
具体的には、自社サイトでホワイトペーパーや事例ダウンロードができる仕組みの構築を指します。

インバウンドマーケティングで獲得した顧客は、ホワイトペーパーや事例でサービスの情報を既に獲得しているため、効率的なナーチャリングが可能。
確度の高いリードとなり得るほか、長期的なリード獲得につながります。

ポイント4.ツール活用でハウスリストを用いた営業活動・管理を効率化

ハウスリストの作成や管理に必要な手間や負担は大きくなりがちです。
膨大な数の顧客データの打ち込みが必要な上に、最新の情報かどうかを確実にチェックできる体制づくりが必要なためです。

しかし、名刺管理ツールやCRMなどのツールを活用した場合は、ハウスリストの作成・管理にかかる手間を大幅に削減できます。
例えば、名刺管理ツールを活用した場合は、名刺をスマートフォンでスキャンするだけで必要な情報が取り出しとリスト化が完了。

ツールの活用により、ハウスリストの作成が営業業務を圧迫することなく、効率的な作成と管理が可能です。

ハウスリスト作成でお悩みの方へ

本記事では、ハウスリストの必要性やメリットを解説しました。
しかし、営業に必要な人材を確保しながらハウスリストを作成し、管理するのは難しいと感じる企業も多いのではないでしょうか。

当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトは、専門性の高いリスト販売をはじめ、営業代行を中心としたさまざまな事業を展開しております。
営業の人材が不足している・既存の営業手法に限界を感じているなどの悩みを抱えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。