目次

インバウンドマーケティングは、自社に興味を持ってもらうための効果的な営業手法です。
インターネットの普及によりインバウンド需要が増加している現代では、インバウンドマーケティングによる集客が必要です。
HubSpotなどCRM(顧客管理システム)を活用すれば、名刺管理をはじめとした豊富な機能でインバウンドマーケティングを効率化できます。
インバウンドマーケティングを実施する際には、主な施策と成功させるコツを確認しておきましょう。
本記事では、HubSpotを活用したインバウンドマーケティング戦略を詳しく解説します。
インバウンドマーケティングを実施するメリットやデメリット、成功させるコツもあわせて解説するため、ぜひ参考にしてください。
なお、株式会社soraプロジェクトでは「SFAの運用が成功した時にやった4つのこと」をまとめた資料を無料で配布していますので併せてチェックしてみてください。
インバウンドマーケティングの基礎知識
まずはインバウンドマーケティングの基礎を解説します。
言葉の意味や、アウトバウンドマーケティングとの違いなど、新たな戦略に取り組む前に次のポイントを確認しておきましょう。
- インバウンドとはより効果的な営業手法
- インバウンドマーケティングとは自社に興味を持ってもらう手法
- インバウンドマーケティングは「フライホイール」がポイント
- インターネットの普及によりインバウンド需要が増加
1.インバウンドとはより効果的な営業手法
インバウンドとアウトバウンドの持つ意味を比較してみます。
- インバウンド:顧客・見込み顧客に、自社が提供する商品やサービスを見つけてもらうこと
- アウトバウンド:サービス・商品提供者が、顧客・見込み顧客に連絡をとること
アウトバウンドは、顧客・見込み顧客にニーズを自覚してもらうところがスタートなのに対し、インバウンドは顧客・見込み顧客がすでにニーズを確立しています。
つまり、インバウンドはアウトバウンドよりも効率的かつ効果的に、自社サービス・製品の提供につながるということ。
インバウンドは顧客との信頼関係を築きやすく、営業の成果を上げやすい手法といえます。
2.インバウンドマーケティングとは自社に興味を持ってもらう手法
インバウンドマーケティングとは、オウンドメディア・ホワイトペーパー・製品やサービスの動画などをWeb上に公開し、SNSで拡散する戦略です。
SNSで情報が拡散され、見込み顧客は自社サービスや製品に興味を持ちます。
インターネット・スマートフォンが普及する前と比べて、近年では顧客が自身に合ったサービスや製品を自発的に探す行動が増加しました。
消費者の行動が変化したことで、インバウントマーケティングが注目されるようになりました。
インバウンドマーケティングを実施して、消費者に自社の商品やサービスを見つけてもらうことで、見込み顧客の獲得・育成ができます。
しかし、インバウンドマーケティングは、顧客が自社サイトに訪れただけでは真価を発揮しません。
見込み顧客が自社サイトを訪れた際のデータをもとに、分析・戦略構築を行い、顧客へと育てるナーチャリングが必要です。
なお、ナーチャリングは、見込み顧客のニーズに沿ったコンテンツ表示やメルマガ配信などの手法が代表的です。
3.インバウンドマーケティングは「フライホイール」がポイント
HubSpotはインバウンドマーケティングを得意としており、CRMを中心として以下3つの方法を回転する仕組みを提唱しています。
- Attract:顧客に対して有益なコンテンツ提供を通じて見込み顧客を惹きつけ、アドバイザーとしての存在感をアピールする。
- Engage:見込み顧客が抱える課題解決や目標達成に必要な情報・ソリューション提供により、顧客へと育てる。
- Delight:購入した自社製品・サービスで、顧客が課題解決・目標達成ができるよう必要な支援を行う。
上記の段階を踏まえ、顧客とサービス・製品提供者が成功体験を共有することで、CRMを中心とした回転運動が発生。
周囲への情報発信と併用し、回転に勢いが生じさせるとインバウンド手法がフライホイールの基盤となるという考え方です。
なお、3つの手法に関しては後述する「Hubspot活用のインバウンドマーケティング戦略の3ステップとは?」で詳しく解説します。
インターネットの普及によりインバウンド需要が増加
インターネットの普及により、インバウンド需要が増加しました。
近年はパソコンやスマートフォン・タブレットを使って、消費者がほしい情報を積極的に収集するようになりました。
そのため、従来のマスメディアや広告による一方的な情報提供が、敬遠されるようになったのです。
情報収集の方法が変化したことによって、インバウンドマーケティングが注目されました。
従来の一方的に情報を押し付ける情報提供ではなく、消費者にとって有益な情報を発信し、興味関心を引くインバウンドマーケティングが求められます。
消費者が自社の商品・サービスに興味を持った後に、メルマガやSNSなどを通じて顧客を育成するマーケティング手法が効果的です。
一方的な情報提供ではなく、消費者が興味関心のある内容を提供することで、不快な思いをさせず効果的にアプローチできます。
インバウンドマーケティングの主な施策例
インバウンドマーケティングを実施する際は、効果的な施策例を把握しておく必要があります。
インバウンドマーケティングの主な施策例は、次のとおりです。
- SEOマーケティング
- コンテンツマーケティング
- SNSマーケティング
- メールマーケティング
SEOマーケティング
SEOマーケティングは、インバウンドマーケティング戦略において重要な効果を発揮する施策です。
Webサイトやコンテンツを検索エンジンで上位表示させることで、消費者への露出度を増やします。
自然検索からの訪問者を増やせば、商材やサービスの認知度を増加させ、潜在顧客の獲得につなげられます。
SEOマーケティングの主な手法は、次のとおりです。
- キーワード選定
- オンページSEO(内部対策)
- オフページSEO(外部対策)
- テクニカルSEO
キーワード選定やSEO対策を実施し、ユーザーの課題やニーズに沿った記事を提供すれば、認知拡大とブランディングを目指せます。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、消費者にとって有益な情報を発信するためにコンテンツ作成・運用を行うインバウンドマーケティングの手法です。
コンテンツマーケティングは、消費者の興味関心を引き、エンゲージメントを促すことで顧客獲得へつなげます。
コンテンツマーケティングの具体例は、次のとおりです。
- 動画
- インフォグラフィックス
- ホワイトペーパー
- 事例紹介
SEO記事の運用もコンテンツマーケティングの一種ですが、他にSNSの動画制作やインフォグラフィックス・ホワイトペーパー、実際の顧客例や成功事例の紹介などがコンテンツマーケティングとして有効的です。
SNSマーケティング
SNSマーケティングは、FacebookやInstagram、X(旧Twitter)などのSNSメディアを通じて、ブランドや商材の認知度を向上させるインバウンドマーケティングの手法です。
SNSメディアを通じてブランドや商材の認知度を高め、消費者との関係性を構築しながら購買意欲を促進します。
ただSNSメディアに投稿を繰り返すだけでは、マーケティング効果を得られない可能性があるため、消費者にブランドや商材を認知させる施策が必要です。
SNSマーケティングの手法として、次のようなものが効果的です。
- インフルエンサーマーケティング
- 広告キャンペーン
- UGC(ユーザー生成コンテンツ)の促進
業界内で影響力のあるインフルエンサーに、ブランドや商品を宣言してもらえば、認知度を高められます。
また、ターゲット層に合わせてカスタマイズした広告をSNSメディアで発信することで、ブランドの認知度向上や商品の購買促進など特定の目標を達成できます。
ユーザーに自社商品やサービスの投稿を促し、拡散してもらうことで認知度を向上させるUGC(ユーザー生成コンテンツ)の促進もSNSマーケティングの一種です。
メールマーケティング
メールマーケティングは、メルマガ配信など消費者にメールを送信し、ブランドの認知度向上や商品の購買を促進させるインバウンドマーケティングの手法です。
メールマーケティングでは、顧客リストにメールを一斉送信するのではなく、顧客ごとにパーソナライズした情報を提供することでエンゲージメントを向上させられます。
新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客との関係性構築による他商品への誘導や売上増加につなげられます。
インバウンドマーケティングに効果的なメールマーケティングの手法は、次のとおりです。
- ニュースレターの配信
- ウェルカムメールの送信
- セグメンテーションとパーソナライゼーション
- 自動化メールキャンペーン
- アンケートやフィードバックの収集
配信するメールの内容を工夫するだけでなく、顧客ごとにパーソナライズした時間や内容での配信、アンケートやフィードバックを基に方法を改善することが大切です。
インバウンドマーケティングのメリット

インバウンドマーケティングのメリットは、次のとおりです。
- 消費者に受け入れられやすい
- 費用対効果が高い
- PDCAサイクルを回しやすい
インバウンドマーケティングを実施するべきか悩んでいる方は、それぞれのメリットを確認しておきましょう。
消費者に受け入れられやすい
インバウンドマーケティングは、従来のマスメディアや広告による情報提供に比べて、消費者に受け入れられやすいメリットがあります。
インバウンドマーケティングは、消費者が自ら情報収取した際に自社の商品やブランドを見つけ出してもらう戦略なので、押し売りのような不快感を与えません。
興味関心のある商材でも、押し売りされていると感じた場合は、不快感から購買をやめてしまう可能性があります。
質の高いコンテンツで消費者の興味関心を引けば、受注や購買につながるため売上を増加させられます。
また、すぐに受注や購買に至らなくても、見込み顧客を育成できる点もメリットです。
コンテンツマーケティングで興味を持った消費者を、SNSやメルマガで関係性を構築し、受注や購買につなげることが大切です。
既存顧客となった消費者は、継続的に有益な情報を配信して、ファンになるまで育成しましょう。
費用対効果が高い
インバウンドマーケティングは、広告を出稿するのではなくコンテンツを配信するマーケティング戦略になるため、広告費用を抑えられます。
アウトバウンドマーケティングのように、数十万~数百万円の高額な広告費を使わないため、費用対効果が高いマーケティングを実現できます。
コンテンツ制作にかかる費用は1本あたり3万円程度と、アウトバウンドマーケティングに比べて施策に費やすコストが安いです。
自社にSEOマーケティングができるライターや、メールマーケティングやコンテンツマーケティングのノウハウがある人材がいる場合、外注費用を抑えられます。
そのため、マーケティング戦略にかかるコストを抑えて、費用対効果が高い施策を実行できます。
PDCAサイクルを回しやすい
インバウンドマーケティングは、効果測定がしやすいためPDCAサイクルを回しやすいです。
新聞など紙媒体の広告では、どのような属性のユーザーがどの程度広告を閲覧したか、正確な効果を把握できません。
対してインバウンドマーケティングは、オウンドメディアやSNSなどWebメディアを活用するため、具体的な数値を基に効果測定できます。
WebサイトやSNSに発信したコンテンツの表示回数や閲覧時間、クリック回数、訪問者数、コンバージョン数などの数値を分析し、ユーザーの性別や居住地などの属性を測定できます。
受注や購買に至った結果だけでなく、見込み顧客の属性を分析しパーソナライズしたマーケティング施策を実施できるため、コンバージョンに誘導することが可能です。
PDCAサイクルを回して、より効果的な施策を実行できる点が、インバウンドマーケティングのメリットです。
インバウンドマーケティングのデメリット

インバウンドマーケティングにはさまざまなメリットがありますが、デメリットも存在します。
インバウンドマーケティングのデメリットは、次のとおりです。
- コンテンツの質に左右される
- 即効性が見込めない
- 長期的な運用が必要
- 費用対効果を高めるにはノウハウが必要
メリットとデメリットを確認したうえで、インバウンドマーケティングを実施するべきか検討しましょう。
コンテンツの質に左右される
インバウンドマーケティングは、コンテンツの質によって成功する確率が大きく左右されます。
SEOマーケティングでは記事の内容やターゲット層を意識したSEO対策、メールマーケティングではメールの文面や配信するターゲット層・時間帯などによって、成果が大きく変わります。
ペルソナを設定せずに内容の薄いコンテンツを配信しても、ターゲットの購買意欲を促進できず、売上につながりません。
コンテンツの質が低いインバウンドマーケティングを実施しても、人件費や制作時間が無駄になってしまうため注意が必要です。
社内だけで質の高いコンテンツを制作できない場合は、外部のマーケティング会社やコンテンツ制作会社にアウトソーシングしましょう。
即効性が見込めない
インバウンドマーケティングは、自社の商材が消費者に認知されるまで、一定の時間がかかります。
ターゲット層に見つけてもらうまで、有益なコンテンツを配信し続ける必要があるため、即効性が見込めません。
例えば、SNSマーケティングでは検索エンジンの評価を高めて、自社のオウンドメディアを上位表示させなければ消費者に記事を認知してもらえません。
さらにオウンドメディアのアクセス数を増やし、ユーザーに有益な情報を提供することで、ようやく問い合わせや資料請求などコンバージョンにつなげられます。
即効性が求めるなら、成果を出すまでに時間がかかるインバウンドマーケティングより、マスメディアや広告を活用したアウトバウンドマーケティングが効果的です。
長期的な運用が必要
インバウンドマーケティングで見込み顧客を獲得するには、コンテンツを定期的に改善する長期的な運用が必要です。
WebサイトにSEO効果が高い記事を投稿しても、時間が経過すれば検索エンジンの評価が下がり、上位表示はされません。
基本的にインバウンドマーケティングで運用するコンテンツは、時代に合わせてアップデートしなければ、マーケティング効果が低下します。
コンテンツを作成して終わりではなく、定期的に改良を繰り返しましょう。
費用対効果を高めるにはノウハウが必要
インバウンドマーケティングの費用対効果が高めるには、コンテンツ運用のノウハウが必要です。
MAツールやマーケティング支援会社を活用すれば、費用対効果が高いインバウンドマーケティングを実現できます。
MAツールは、マーケティングを効率化する次のような機能が備わっています。
- 消費者データの蓄積
- 消費者の分類
- 消費者ごとパーソナライズした最適なアプローチ
- 効果測定、分析、改善
自社で適切なコンテンツ作成・運用するリソースや、MAツールを活用するノウハウが不足している場合は、マーケティング支援会社へのアウトソーシングを検討しましょう。
資料「SFA運用が成功した時にやった4つのこと」を無料ダウンロードインバウンドマーケティングを成功させる4つのコツ

インバウンドマーケティングを成功させるコツは、次の4つです。
- ATTRACT:興味・関心を引く
- CONVERT:見込み顧客の獲得・育成
- COLSE:商材の案内
- DELIGHT:満足度を高めてファンを作る
それぞれのコツを押さえて、インバウンドマーケティングを成功させましょう。
1. ATTRACT:興味・関心を引く
インバウンドマーケティングを成功させるコツは、消費者の興味関心を引くことです。
商品やブランドを認知していない消費者に対して、課題やニーズを満たすコンテンツを提供すれば、コンバージョンにつなげられます。
具体的には、SNSコンテンツを運用やSNSを活用したプロモーション、オウンドメディアへの誘導などが効果的です。
2. CONVERT:見込み顧客の獲得・育成
消費者の興味関心を引いた後は、見込み顧客の獲得につなげるために、関係性を構築しましょう。
具体的には、メルマガ登録や資料請求など個人情報の取得が該当します。
コンテンツに興味を示してくれても、次のアクションが明確化されていない場合、離脱される可能性があります。
メルマガ登録や資料請求によって顧客の個人情報を取得できれば、メールやメッセージ機能を活用して定期的に有益なコンテンツを配信することが可能です。
見込み顧客を獲得・育成するために、メルマガ登録や資料請求につながるよう問い合わせフォームを最適化しましょう。
3. COLSE:商材の案内
顧客と関係性を構築し、購買意欲が高まった段階で商材を案内してください。
ただ有益な情報を提供するだけでなく、顧客の課題やニーズを満たす商品・サービスを案内して、購買を後押しすることが大切です。
購買意欲が高まるコンテンツを作成し、インサイドセールスや商談を実施して、購買・成約につなげましょう。
4. DELIGHT:満足度を高めてファンを作る
一度商品やサービスを購入してもらうだけでなく、顧客満足度を高めてファンをつくれば、継続的に売上を向上させられます。
顧客をファンへと成長させれば、リピート購入や良い口コミを発信してもらい、売上だけでなくブランドのイメージを向上させられます。
顧客満足度を高めるためには、有益なコンテンツを配信し続け、アフターフォローやアンケートによる定期的な改善が効果的です。
インバウンドマーケティングを実践する際の6ステップ

インバウンドマーケティングを実践する際には、次の6ステップを意識しましょう。
- 目標の明確化
- ターゲットと課題の洗い出し
- マーケティング戦略の立案
- 施策の具体化
- 効果測定
- PDCAサイクルを回す
インバウンドマーケティングを成功させるために、適切な手順をふんで新規開拓・既存拡大を行ってください。
STEP1. 目標の明確化
インバウンドマーケティングを実施する際は、まず目標を明確化する必要があります。
インバウンドマーケティングは、組織単位で施策を実施しなければ、思い通りの成果を得られません。
獲得したい顧客数や成約数など具体的な数値で目標を設定し、組織全体に共有しましょう。
また、目標を達成する期限を定めることで、効率的にマーケティング戦略を進められます。
最終目標であるKGIを達成するまでのKPI(重要業績評価指標)を定め、進捗状況に応じた達成度や課題を確認しましょう。
STEP2. ターゲットと課題の洗い出し
目標を設定した後は、ターゲット層と課題の洗い出しが必要です。
「どのようなターゲット層に向けてインバウンドマーケティングを実施するのか」「消費者がどのような課題を抱いているか」を分析することで、効果的なマーケティング戦略を立案できます。
商材やサービスに適したターゲット層を定めて、顧客へのヒアリングや市場アンケートを実施して課題を明確化することが大切です。
また競合が定めるターゲットや課題を参考にすれば、自社との共通点を見いだせる可能性があります。
市場アンケートや顧客へのヒアリングだけでなく、業界・競合分析を徹底して、商材のターゲット層と課題を可視化しましょう。
STEP3. マーケティング戦略の立案
マーケティング戦略を立案する際は、必要なリソースや人員・予算を決めましょう。
施策を実行・運用する際に発生するタスクを洗い出し、必要な人員体制や予算を見極めてください。
予算を抑えながら生産性の高いマーケティング戦略を立案すれば、費用対効果が高い施策を考案できます。
社内でリソースが不足する場合は、外部企業へのアウトソーシングを検討しましょう。
STEP4. 施策の具体化
マーケティング戦略を立案した後に、実行する具体的な施策を決めましょう。
思いつくすべての施策を実行しては、予算とリソースが不足します。
ターゲットと課題に応じた適切な施策を実行することで、費用対効果の高いマーケティング戦略を実現できます。
STEP3.までに決めた内容を基に、現実的で成果につながる施策を実行しましょう。
STEP5. 効果測定
インバウンドマーケティングを実行した後は、定期的に効果測定することが大切です。
施策の効果が出るまでに一定期間かかるため、数カ月から数年単位での長期的な効果測定が求められます。
オウンドメディアへのアクセス数やコンバージョン率、メルマガの開封率・登録数を測定し、ユーザーの行動やニーズを分析しましょう。
定期的に効果測定しておけば、施策が顧客のニーズを満たせなかった場合に、いち早く改善できるため機会損失を軽減できます。
STEP4.で定めた施策の目標達成度や費用対効果を測定し、実行した施策が適切であるか見極めましょう。
STEP6. PDCAサイクルを回す
効果測定の結果を基に、PDCAサイクルを回してください。
運用当初は成果が出ても、長期的に施策を続けていると効果が弱まってしまいます。
STEP5.の効果測定で改善が必要な場合は、STEP1.で定めた目標を達成できるよう施策を改善してください。
資料「SFA運用が成功した時にやった4つのこと」を無料ダウンロードインバウンドマーケティングに活用できるHubspotの機能

インバウンドマーケティングを効率的に実行したい方は、Hubspotの活用がおすすめです。
Hubspotには、インバウンドマーケティングに活用できる次の機能が備わっています。
- セールス強化向け「Sales Hub」
- マーケティングチーム向け「Marketing Hub」
- カスタマーチーム向け「Service Hub」
- 取引・レポート作成が可能「CRM Hub」
インバウンドマーケティングで新規顧客・既存拡大したい方は、HubSpotの機能を確認しておきましょう。
機能1.セールス強化向け「Sales Hub」
Sales Hubは、営業支援に特化したソフトウェアです。
おもな機能を見てみましょう。
- 営業の業務効率化機能:コール&コールトラッキング・Eメールトラッキング・ミーティング設定
- 顧客・取引などの情報共有機能:ドキュメント・営業向けプレイブック
- 業績向上のための機能:コンタクトプロファイル・コミュニケーションインテリジェンス・Webチャット・パイプライン管理
上記の機能により、煩雑なデータ分析・管理業務をスリム化できる上に、営業活動の属人化やスピーディな情報共有が可能です。
機能2.マーケティングチーム向け「Marketing Hub」
Marketing Hubは、インバウンドマーケティングのオールインワンソフトウェアです。
ランディングページやEメールテンプレートなどを、HTMLをはじめとした専門知識不要で作成できます。
Marketing Hubには、SEOの観点から見た改善点が表示される機能があるのも利点です。
より効果的なランディングページ作成やメディアによる情報発信が可能となるため、Webページに訪れた見込み顧客への、製品・サービス提供につなげるのが容易になります。
自社メディアの運用を外注に頼っている企業の場合、最適なキーワードを含めたコンテンツ制作が自社で可能となり、コスト削減も期待できます。
機能3.カスタマーチーム向け「Service Hub」
Service Hubは、Eメール・Webチャット・Facebook Messengerなどを、共有の受信トレイで一元管理できるソフトウェアです。
CRMと連携すると、見込み顧客・顧客とやり取りした内容管理が簡素化され、大幅な業務効率化が見込めます。
Service Hubはチャットボットを利用できる点も大きな魅力です。
例えば、よくある質問をチャットボットに登録すると、顧客への回答がスピーディーになり顧客満足度の向上に期待できます。
機能4.取引・レポート作成が可能「CRM Hub」
CRM Hubは、各種Hubで利用するデータベースを統合できる、全チームが共通で使用するソフトウェアです。
無料で利用できる機能が豊富な顧客管理ツールとしても知られており、下記のような機能を無料で利用できます。
- 100万件の顧客情報登録
- 容量無制限のストレージ
- ユーザー数無制限
これらが期間制限なしで利用でき、先述した3種のソフトウェアと連携させることで、効果的なインバウンドマーケティングが可能に。
CRM Hubは、HubSpotを用いたインバウンドマーケティングの屋台骨とも言える存在です。
Hubspot活用のインバウンドマーケティング戦略の3ステップとは?

HubSpotを活用したインバウンドマーケティング戦略は、以下の3ステップに分類されます。
- コンテンツを作成・開発「Attract段階」
- 自社の価値を伝える「Engage段階」
- 購入後の顧客支援「Delight段階」
上記フライホイールの図を見ながら、戦略をイメージしてみましょう。
ステップ1.コンテンツを作成・開発「Attract段階」
Attract段階では、インバウンドマーケティングの礎となるコンテンツを開発・作成します。
見込み顧客に対して、価値のあるコンテンツを提供するために、以下のポイントに注意を払いながら作成しましょう。
- SEO(検索エンジン最適化)
- 製品・サービスを提供するペルソナ像の具体化
- 自社が提供する製品・サービスに応じたキーワードやフレーズの絞り込み
自社の製品・サービスを必要とする人は、どのような悩み・課題を抱えているのかや、どのような未来を目指しているのかをリサーチしながらコンテンツを作成します。
同時に、SEO対策を施し、検索エンジンでの上位表示を目指します。
作成したコンテンツが検索エンジンで上位表示されるほど、顧客獲得の可能性が高まります。
ステップ2.自社の価値を伝える「Engage段階」
Engage段階は、作成したコンテンツを経て獲得した見込み顧客を顧客へと育てます。
自社が見込み顧客に対して、価値のある製品・サービスを提供できることを伝えるのです。
Engage段階では、長期的な関係を築けるよう、信頼関係を構築するのも大切なポイント。
製品やサービスを通して、的確なソリューションを提供できることを見込み顧客に伝えながら、より良い関係を築きましょう。
一定以上の成果を出すには、営業のトークスクリプトのようなマニュアルが必要です。
カスタマーサービス担当者を含めて、マニュアルを整備・周知します。
ステップ3.購入後の顧客支援「Delight段階」
Delight段階は、顧客となった相手が、今後も製品・サービスを快適に利用できるように対応します。
アドバイザーや専門家が担当となり、長期に渡って顧客満足度をキープするための段階です。
顧客満足度を高めるには、HubSpotのチャットボット機能を活用する・アンケートによってフィードバックを得るといった手法を用いて、データを収集・分析する必要があります。
データの分析結果は、製品・サービスの向上に活かしましょう。
上記のように、PDCAサイクルを回しながらフライホイールを回転させることで、製品価値と顧客との関係性の向上につながるのです。
Hubspot活用のインバウンドマーケティング成功の2つのポイント

HubSpotを活用したインバウンドマーケティングの成功に必要なポイントを解説します。
HubSpotを導入する際の注意点として参考にしてください。
ポイント1.Hubspotは設定に必要な期間を考慮して導入
HubSpotは、機能が豊富なぶん、設定に時間を要する場合があります。
同様に、使いこなすまでも時間がかかる点を考慮しておきましょう。
インバウンドマーケティングを成功させるために、間違いのないよう、初期設定は丁寧に行うべきです。
ポイント2.Hubspotアカデミーを活用する
HubSpotには、無料でインバウンドマーケティングを学べる「HubSpotアカデミー」があります。
実践を通してインバウンドマーケティングを学習できる上に、HubSpotの操作感にも慣れやすいため、導入前に登録しておきましょう。
Hubspotはインバウンドマーケティングが可能な顧客管理システム

本記事では、HubSpotを活用したインバウンドマーケティング戦略を解説しました。
HubSpotは無料で利用できる機能が豊富で、中小企業も導入しやすい顧客管理システムです。
インバウンドマーケティングは、消費者に受け入れられやすく費用対効果が高い施策になるため、予算を抑えてマーケティング戦略の成果を挙げたい企業におすすめです。
ただし即効性が見込めず、長期的な運用が必要となるため、効果測定を実施しPDCAサイクルを回す必要があります。
自社にMAツールを活用するノウハウやリソースが不足している場合は、外部のマーケティング支援会社にアウトソーシングしましょう。
HubspotなどのMAツールを活用すれば、効果測定から施策の実行・コンテンツ運営をスムーズに行えるため、マーケティング戦略に費やすリソースを軽減できます。
当メディアを運営する「株式会社soraプロジェクト」では、HubSpotを取り扱っております。
インサイドセールス代行も提供しておりますので、より高い営業成果をお求めの際は、ぜひご相談ください。
投稿者プロフィール

-
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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