顧客に最適なアプローチをするために必要不可欠な顧客管理。
顧客名や住所・連絡先だけの表面上の情報を管理するのではなく、アプローチ時の反応や行動履歴・興味関心などの情報管理も重要です。
しかし、顧客管理の重要性は理解していても、どのように管理するのが最も効率的かつ効果的であるか分からない企業も多いのではないでしょうか。
そこで、本記事では営業活動の成功率を高める顧客管理のコツをご紹介。
これから顧客管理を始めていく企業や、顧客管理を見直したい企業は、ぜひチェックしてみてください。
なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。
顧客管理とは?~基本と目的~
顧客管理とは、顧客情報を管理することを指し、営業活動において重要な存在です。
顧客名や連絡先のほか、顧客のニーズなども管理することで、最適なアプローチができて営業活動の成功率を高められます。
BtoB顧客管理の基本として、管理すべき主な項目は以下の通りです。
- 顧客情報(会社名、担当者名、担当者部署名、担当者役職、電話番号、メールアドレス、連絡方法、担当年数など)
- 企業情報(代表者名、業種、所在地、売上高、組織図、決算時期、グループ会社など)
- 商談履歴
- 行動履歴(興味関心、購入履歴、クレームなど)
より細かい情報を適切に管理・分析する主な目的は、顧客との信頼関係構築・ニーズの把握を通じて、売上の拡大につなげることです。
顧客管理を徹底する5つのメリット
顧客管理の重要性や目的をきちんと理解するためには、顧客管理を徹底することで得られるメリットも把握しておきましょう。
ここからは、顧客管理を徹底する5つのメリットをご紹介します。
顧客管理を始めようと思っている企業は、始める前にぜひチェックしてみてください。
1. 営業活動の属人化を防止できる
1つ目は、営業活動において「担当者しか分からない」という状況を防止できることです。
営業活動は担当制で行われることが多く、顧客情報が担当者止まりになってしまうことが多くあります。
そうなると、担当者が急に長期休暇に入る場合や退職する場合など、十分な引き継ぎができないことで顧客に迷惑をかけてしまう可能性もあるでしょう。
また、適切なアプローチができないといった機会損失の恐れもあります。
顧客管理が徹底できていれば、日常的に部署内でリアルタイムの情報共有が可能です。
いざというとき、担当者が不在でも素早く適切な対応ができる点が大きなメリットと言えるでしょう。
2. 顧客ニーズを正しく把握できる
2つ目は、顧客のニーズを把握できることです。
顧客に対して一方的にアプローチをしても、顧客が必要なタイミングでなければお互いに時間の無駄になり、最悪の場合は信頼関係の失墜にもつながります。
そこで重要なのが、「顧客が抱えている課題」「顧客が今欲しているサービスや商品」などを正しく把握すること。
顧客のニーズに合わせてアプローチできれば、効率的に受注獲得できるでしょう。
顧客ニーズを確認した後にきちんと記録していないと、同じことを何度も聞いてしまい、「それ、前にも話しましたけど」と不信感を与えてしまう危険性もあります。
得た情報は顧客情報としてすぐに記録し、適切に管理することが重要です。
3. 適切なタイミングでアプローチできる
3つ目は、アプローチするタイミングを把握できることです。
前述した顧客ニーズを正しく把握できれば、適切なタイミングでアプローチができて「もう少し早ければ……」「今は必要なタイミングではない」ということを防げます。
さらに、「いつも必要なときに、必要な提案をしてくれる」という評価を得られれば、長期的に良い関係性を築けるでしょう。
営業活動において、アプローチするタイミングは重要です。
顧客管理を徹底することで、効率的かつ効果的なアプローチが可能になる点もメリットのひとつです。
4. 営業活動の生産性が向上する
4つ目は、生産性の向上。
営業活動において、数多くアプローチすればいつかは受注できるかもしれませんが、1件の受注に掛かるコストは高くなってしまいます。
結果的に原価率が上がり、利益率が下がってしまうので注意が必要です。
しかし、きちんと顧客管理ができていれば無駄なやりとりやアプローチが少なくなるので、生産性が上がり、売上だけでなく利益率の向上も期待できます。
より効率的に受注することも、適切な顧客管理によるメリットです。
5. 売上拡大につながる
最後のメリットは、売上の拡大につながる点です。
営業部門において「売上の拡大」は非常に大きな目的のひとつ。
長期的に売上を確保するためにも、顧客管理は有効です。
- 顧客獲得コストの減少
- 顧客満足度の向上
- 顧客との信頼関係構築
顧客管理によって上記のような効果を得られることで、結果的に売上拡大につながります。
また、企業の好感度アップができれば、新規顧客はもちろんリピーターの獲得や増加もでき、ビジネスの鉄則である「ファンの獲得」ができるでしょう。
主な顧客管理の方法
顧客管理は重要ですが、時間をかけすぎてしまっては業務効率が下がり、コストが増加してしまいます。
そのため、自社に適した顧客管理の方法を選んで、負担なく管理を行うようにしましょう。
ここからは、主な顧客管理の方法を5つ紹介します。
特徴やメリットもあわせて確認し、自社に適する方法を選んでみてください。
Excel(エクセル)
導入費用を抑えたいなら、Microsoft Officeの「Excel(エクセル)」での管理がおすすめ。
多くの企業で導入されているソフトウェアなので、特別な準備不要で始められるのが魅力です。
【メリット】
- 初期費用は不要となるケースが多い
- 既に使っている場合は特別な教育が不要
- 売上などの管理をExcelで行っている場合は互換性がある
- マクロや関数などで複雑な計算もできる
【デメリット】
- 複数人での同時編集ができない
- 入力ミスや上書き保存、ファイル破損のリスクがある
- 複雑な計算はできる人が限られる(属人化のリスク)
CRM(顧客関係管理)
顧客情報の一元管理ができるCRMツールは、常に顧客情報を共有したい企業におすすめ。
顧客の傾向からアプローチ計画を立てられるので、マーケティング戦略の立案もあわせて行えるのが魅力です。
【メリット】
- 顧客データをグラフやレポートとして出力できる
- リアルタイムで社内共有できる
- 簡単に情報を一元管理できる
【デメリット】
- 導入および運用費用が掛かる
- 種類が多いので導入する製品を選定するのが大変
- 使い方の教育が必要になる
SFA(営業支援システム)
顧客管理だけでなく、営業活動全体の効率化を目指すならSFA(営業支援システム)がおすすめ。
顧客情報のほか、案件や商談進捗、アプローチ履歴なども一元管理できるのが特徴です。
【メリット】
- 営業ノウハウの蓄積や共有もできる
- 業務の自動化による効率アップが期待できる
【デメリット】
- 導入と運用にコストが掛かる
- 顧客管理だけできれば良い企業にとっては機能が複雑
MA(マーケティング・オートメーション)
マーケティング活動を可視化したいなら、MA(マーケティング・オートメーション)の利用が便利です。
例えば、自社のWebサイトへのアクセス解析や問い合わせ管理などもできるので、顧客の行動履歴をより細かく管理できます。
【メリット】
- 潜在顧客の獲得に役立つ
- マーケティング業務を自動化できる
【デメリット】
- 導入や運用にコストと手間が掛かる
- 細やかな顧客管理をしたい場合は他システムとの連携が必要
営業代行会社
顧客管理を代行してくれる営業代行会社を利用するのも便利です。
システムを利用するのと異なり、顧客管理に関する業務はすべてお任せできるのが大きな魅力です。
【メリット】
- 顧客管理の手間が掛からない
- セキュリティ性が高いので情報漏洩のリスクが低い
【デメリット】
- すべて任せると自社にノウハウが蓄積されない
- ツールを活用するよりもコストが掛かる
顧客管理を行う際の注意点
効率よく効果的な顧客管理を行うためには注意すべき点がいくつかあります。
ここでは、顧客管理を行う際の注意点を解説。
実際に顧客管理をする際は、ぜひ気を付けてみてください。
顧客管理に必要な項目を網羅すること
形式的に顧客管理を行うのではなく、目的を理解したうえで管理していくようにしましょう。
そのためには、顧客管理に必要な項目を網羅することが重要です。
せっかく顧客管理を始めても、必要な情報が記録できていなければ意味がありません。
必要な情報は企業によって異なるので、自社の状況を整理したうえで必要な項目を洗い出し、すべて漏れなく管理しましょう。
ただし、全体像が見えないと必要項目が分からないケースもあります。
顧客管理を行う中で「改善点はないか」を見直し、定期的にアップデートしていくのもひとつの方法です。
情報を常に最新に保つこと
「顧客情報を登録すること」が目的になってしまうと、登録することで満足してしまいます。
そうなると、実際使いたいときに「情報が古すぎる」状況を招く可能性があるかもしれません。
顧客情報の中でも、商談履歴や行動履歴は早いスピードで変化します。
接触するたびに情報を更新し、常に新しい状態を保つようにしましょう。
また、担当者が変更になった場合も注意が必要です。
例えば、担当者の役職が変わったことを更新していないと、連絡するときに異なる役職で連絡してしまい、相手に不快感や不信感を与えてしまうので注意しましょう。
十分なセキュリティ対策を行うこと
顧客情報には、機密情報や個人情報が多く含まれるため、取り扱いには十分注意してください。
特に、クラウド型のシステムを使う場合は、セキュリティ対策がされていないと流出リスクが高くなってしまいます。
ツールを選定する際には、十分なセキュリティ対策がされていることを確認しましょう。
また、パソコンやツールにログインする際のパスワード設定や、アクセス権限の設定・管理も必要です。
標準化(マニュアル化)すること
顧客情報は、必要な人がスムーズに登録・共有・確認できる状態にすることが必要です。
そのためには、使い方やルールを標準化(マニュアル化)するようにしましょう。
単にツールの使い方を記載するのではなくて、各機能の目的も記載することで、より効果的な活用ができます。
そのため、一般的なマニュアルだけでなく、自社に合わせたオリジナルのマニュアルを作成するのがおすすめです。
マニュアルがあると教育の時間を削減できるのもメリットのひとつです。
まとめ:顧客管理を徹底して売上拡大を目指そう
顧客管理は、必要な顧客情報を整備することで、売上拡大を目指すのが目的です。
顧客情報を一元管理してリアルタイムで共有することで、マーケティング立案にも非常に役立ちます。
新規顧客の開拓はもちろん、既存顧客との関係維持にも有効なので、顧客満足度を向上させたい企業にもおすすめです。
顧客管理できる方法は複数あるので、自社に合う方法を選定することが重要です。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解したうえで、適したツールを選ぶようにしましょう。
株式会社soraプロジェクトは営業代行やSFA導入支援も行っています。
BtoBの顧客管理を始めたい企業は、ぜひ気軽にお問い合わせください。
投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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