ソーシャルセリングとは?基礎知識や実践する際の3つのポイントを紹介

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「ソーシャルセリング」はSNSを用いた営業手法のことですが、国内ではまだまだ浸透していません。そのため、次のような疑問が出てくるのではないでしょうか。

  • 「ソーシャルセリングでどのような効果が期待できるの?」
  • 「本当にSNSを用いて営業活動ができるの?」
  • 「ソーシャルマーケティングと何が違うの?」

営業戦略として採り入れられる可能性があるかもしれないため、ソーシャルセリングについて詳しく把握しておきたいですよね。

本記事では、ソーシャルセリングの概要をはじめ、期待できる効果や注意点、実践する際のポイントを解説します。

この記事を読み終わるころには、ソーシャルセリングについて深く理解できるはずです。ぜひ最後まで読んで、参考にしてみてください。

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ソーシャルセリングとは何か

ソーシャルセリングとは、SNSを活用した営業手法のことです。具体的には次のようなSNSが挙げられます。

  • Twitter
  • Instagram
  • Facebook
  • YouTube
  • note
  • TikTok
  • LinkedIn

これらのSNSを用いて、「見込み客の獲得や関係構築、購買・契約」につなげる目的があります。

顧客とのつながりを深めることで、その顧客が課題を感じたときに「あの人に相談してみよう」「あの人から購入してみよう」と思い出してもらえる商品・ブランドになるのです。

そのためには、SNSアカウントのプロフィールを充実させ、情報の発信をしたり丁寧なやり取りを行ったりする必要があります。

日頃からSNSで見込み客とのつながりを深めておくと、競合よりもいち早く商品・サービスに対する「問い合わせ」や「受注」につなげられる可能性が高くなるのです。

ソーシャルセリングが注目される背景

新型コロナウイルスの流行を受け、見込み客の情報収集の方法が変化したため、ソーシャルセリングに注目が集まっています。

従来は足を運んでイベント会場に出向くのが一般的でしたが、イベントの縮小に伴い、Web・SNSを通じて情報収集する顧客が増えました。

また、GoogleやYahoo!JAPANを活用した「ネット検索」に加え、SNSの「ハッシュタグ検索」を利用する人が増えています。ソーシャルセリングは今の時代に最適な営業手法として注目が集まっているのです。

ソーシャルセリングは海外では主流

ソーシャルセリングは海外では普及しており、SNSが不可欠なツールとして用いられています。

How B2B Sales Can Benefit from Social Selling」の記事によると、BtoB購買担当者の53%がSNSを利用していると回答しています。また、82%がSNSのコンテンツが意思決定に影響を与えたと回答もしています。

海外ではSNSの利用率が高いことから、ソーシャルセリングは主流となっている営業手法として普及していると考えられます。さらにビジネスSNSのLinkedIn(リンクトイン)が海外で主流となっているのも、理由の一つでしょう。

ソーシャルセリングとソーシャルマーケティングの違い

ソーシャルセリングとソーシャルマーケティングの違いは、対象としている見込み客が異なります。

名称違い
ソーシャルセリング見込み客をターゲットにしている
ソーシャルマーケティング幅広い顧客をターゲットにしている

「ソーシャルマーケティング」はSNSの拡散を主目的としており、ブランディングにつなげ、幅広い顧客をターゲットにしています。

一方、「ソーシャルセリング」は、見込み客や既存顧客に重きをおいた営業手法となり、担当者は1体1のコミュニケーションを行い意思決定や購買意欲につなげる狙いがあるのです。

ソーシャルセリングの効果

ソーシャルセリングは対面での営業活動とは異なり、ターゲットの属性やアプローチ方法を把握してから商談を行えます。

そのため、商談からのリードタイムを短縮できる特徴もあるのです。では、ソーシャルセリングがもたらす効果について確認していきましょう。

見込み客へ効率的なアプローチができる

ソーシャルセリングはSNSで営業活動を行うため、見込み客や潜在顧客にターゲットを絞りアプローチできます。

そのため、効率的なアプローチができるのです。

対面での営業活動では、商談を行うまでにアポイントを取る必要がありますが、ソーシャルセリングでは日時を問わずアクションを起こせます。

営業活動のヒントを得られる

見込み客のSNSアカウントのプロフィールには、名前や仕事、趣味などの情報が記載されています。

相手の興味や属性、ニーズを把握するきっかけとなるため、最適なアプローチへのヒントを得られるでしょう。

また、予めSNS上で交流している場合、より深い信頼関係を構築することが期待できます。

商談から受注までのスピードが速い

ソーシャルセリングは対面での営業活動とは異なり、信頼関係を構築した上で商談を始められるため、商談から受注までのスピードが速いという特徴があります。

見込み客は、営業担当者のSNSのプロフィールを通して会社の商品・サービスに関しての情報を商談前に取得できます。

そのため、買い手と売り手の理解ができている状態からの商談スタートとなるため、クロージングまでのリードタイムを縮められるのです。

ソーシャルセリングを行う際の3つの注意点

ソーシャルセリングは、手軽に情報発信をしたりコミュニケーションを図れたりできる特徴があります。しかし、利用方法によっては信頼関係の構築どころか、見込み客に不快な思いをさせてしまうかもしれません。

また、企業イメージの低下にもなる可能性もあるため、利用する際は十分に気をつける必要があります。ソーシャルセリングを行う際の、3つの注意点について確認していきましょう。

1.強引に営業活動をし過ぎない

ソーシャルセリングはターゲットにしている、顧客と信頼関係を構築するのが目的です。強引な営業活動をしてしまうとかえって逆効果となってしまいます。

SNSでコミュニケーションを図る際は、ダイレクトメッセージ(DM)を送りますが、毎日のように送っていては相手に不快感を与えかねません。

コミュニケーションを取る際は、価値提供を忘れずに適度な頻度でのやり取りが求められるでしょう。

ソーシャルセリングは効果がすぐに期待できるものではありません。まずは、顧客との信頼関係の構築に注力する必要があります。

2.ターゲットを絞り情報を発信する

ソーシャルセリングは、ターゲットとしている見込み客がいるSNSを選択して、アプローチする必要があります。なぜなら、見込み客がいないネットワークで営業活動をしても成果を望めないためです。

例えば、Facebookのメインユーザーは30〜40代のビジネスパーソンが多いため、その層を狙って商品・サービスのアピールをするのに向いています。

また、直接関わったことのある人とつながることも効果的でしょう。ソーシャルセリングを行う際は、ターゲットと相性の良いSNSを選択し、興味を引く情報を提供することが大切です。

3.炎上する危険性がある

SNSでの発信は思わぬところで炎上する危険性があります。SNSの特徴でもある拡散性があだとなることもあるのです。

1度炎上してしまうと、企業・ブランドのイメージ低下や売上の減少など、さまざまな不利益がもたらされます。あらかじめ、炎上しないための「マニュアル」を作っておく必要があります。

運用マニュアルを作り込んだり、投稿前には複数人で確認したりと未然に防ぐための対策をする必要があるでしょう。ソーシャルセリングを行う際は、運用ルールを定めてから実行しましょう。

ソーシャルセリングを実践する際の3つのポイント

ソーシャルセリングを行う際は、ただ情報の発信をしても信頼関係を構築するのは難しく、プロフィールの充実や定期的なアクションが欠かせません。

ここで、ソーシャルセリングを実践する際の3つのポイントを抑えてから、信頼関係の構築に向けて動き出しましょう。

1.プロフィールを整える

SNSユーザーとの関係構築を図るためには、担当者のプロフィールを提示する必要があり、きちんと記載します。

なぜなら、相手がどのような人物であるのかを調べる際に、プロフィールを確認するためです。プロフィールに記載する情報としては下記の通りです。

  • 企業の名前
  • 企業の概要(業種・分野)
  • 担当者の名前
  • 担当者の経歴・保有資格・趣味

プロフィールを整えておくことで、信頼関係を築きやすくなります。また、プロフィール写真を顔写真にすることで、安心感を得やすくなるといった効果も期待できます。

2.見込み客と接触する

ソーシャルセリングで信頼関係を構築するには、情報を発信するだけでなく、定期的なアクションが欠かせません。

例えば、「いいね」や「リプライ」をして、興味を持ってもらえるでしょう。また、継続的にアクションを重ねることで「単純接触効果」が期待できます。

見込み客との適度な接触は、好意的な印象を与えることができるため、信頼関係の構築を図れるのです。

3.定期的に投稿する

見込み客に興味を持ってもらうには、定期的なコンテンツ投稿が大切です。なぜなら、見込み客に興味を持ってもらう機会を増やせるためです。

投稿内容としては、「価値あるノウハウの提供」や「自社サービスについて」などが挙げられます。また、営業担当者のプライベートに関する投稿もポイントで、相手に親近感を持ってもらいやすくなるでしょう。

投稿する際は完全にプライベートなことでなく、「一日の業務内容」や「イベントに参加した際の様子」などが適切です。ソーシャルセリングを行う際は、価値提供と自社にまつわる情報の発信をしましょう。

ソーシャルセリングを実践して営業活動の幅を広げよう|まとめ

本記事では、ソーシャルセリングの概要や期待できる効果などについて詳しく解説しました。信頼関係を構築して、購買・契約につなげることがソーシャルセリングの目的です。

日本では一般的な営業手法ではありませんが、積極的に実践していけば大きな効果が期待できるでしょう。まずは、SNSのプロフィールを最適化して、見込み客の獲得に向けて動き出してみてください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。