営業の生産性向上に有効な4つの取り組みとは?基礎知識やメリットも解説

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営業活動の生産性向上は、業務効率化ができなければ達成が困難です。
なぜなら、多様化するニーズやサブスクリプション型のサービス増加に伴い、より少ない人数でより多くの業務をこなす必要があるためです。

それでは、営業の生産性向上にはどのような取り組みが必要なのでしょうか?
本記事では、営業活動の生産性向上に有効な取り組みを解説します。

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営業の生産性とは、どの程度の売上を生み出したかの指標

そもそも生産性とは、設備・人材・コストなどの投入量に対して、どれだけの価値を生み出せたのかを測る指標です。
生産性を算出するための式は以下の通り。

  • 生産性=(売上-費用)÷労働投入量(労働人員数・労働時間)

費用には材料費・外注費などが含まれ、営業の場合は人件費も含まれます。

近年では政府が「働き方改革」を打ち出しており、ワークライフバランスを適正化する必要性が叫ばれています。
一方で、人材不足が慢性化する中でニーズが多様化を続けており、営業活動に充てる人材数が限定されているのが現状。

これらの背景をもとに、営業活動においても生産性の高さが重要視されているのです。

日本の労働生産性は世界的に低いのが現状

上記表の通り、日本の労働生産性は低水準を推移しているのが分かります。
日本の労働生産性は、OECD(経済協力開発機構)の加盟国で比較すると27位。

最近では原料・燃料価格の高騰にともなった物価上昇が続く中、生産性は労働者が得る報酬にも大きな影響を与えるため、向上させるための取り組みが急務であると言えます。

営業の生産性を高める3つのメリットとは?

営業の生産性を高めるメリットは、下記の3つです。

  • ワークライフバランスの向上
  • 営業活動の省力化と利益増大が両立
  • 人材確保が容易

さっそく詳細を見てみましょう。

メリット1.ワークライフバランスの向上

営業の生産性向上を実現するには、業務の効率化が必須です。
そして、業務効率化は残業時間の減少に直結し、従業員が育児・介護・趣味などにあてがう時間を増大させます。

つまり、営業の生産性向上は従業員のワークライフバランスの最適化に有効であるということ。
ワークライフバランスが整えば、心身のストレスが減少し、ケアレスミスをはじめとしたヒューマンエラーの減少にも期待できるでしょう。

さらに、従業員の時間にゆとりがあった場合、自身のスキルアップに必要な時間も確保可能です。
営業の生産性向上は、従業員と企業の両方にメリットがある取り組みです。

メリット2.営業活動の省力化と利益増大が両立

近年ではサブスクリプション型のサービスが増加し、営業担当者はより多くの顧客対応が必要になる場面が増えています。
しかし、営業担当者の増員は困難なのが現状です。

少ない人員数で多くの顧客対応をこなし、売上を伸ばすためには生産性向上が必須。
生産性向上によって営業担当者の業務プロセスが省力化でき、より少ない人員数での顧客対応が可能になるためです。

営業の生産性向上は、人的リソースの有効活用にもつながるでしょう。

メリット3.人材確保が容易

人材確保には、新規従業員の確保だけでなく、雇用中の従業員の離職防止も大切です。
厚生労働省が発表した「令和3年雇用動向調査結果の概況」によると、入職者数は約720万人なのに対して、離職者数は約717万人でした。

同資料によると、離職理由として多いのは「労働条件、休日などの条件が悪かった」や「給料の収入が少なかった」など。
したがって、必要数の人材確保には、ライフワークバランスの最適化や所得強化が必要です。

営業の生産性向上は、労働時間削減・増益による報酬向上や待遇改善などに期待できるため、雇用中の人材確保に有効と言えるでしょう。

営業の生産性向上に有効な4つの取り組みとは?

営業の生産性向上を図りたいと感じても「どこから手を付けていいのかわからない」と感じる人も多いのではないでしょうか。
本章では、営業の生産性向上に有効な下記4つの取り組みを解説します。

  • 生産性向上の基本「営業業務の見える化」
  • 営業力の底上げ「業務プロセスの標準化」
  • 成果を高める「営業担当者のスキルアップ」
  • 効率化による営業活動支援「ツール活用・自動化」

取り組み1.生産性向上の基本「営業業務の見える化」

営業業務の見える化は、一連の営業活動のどこに課題があるかを明らかにするために必要な取り組みです。
やみくもな営業業務の改善は効果が薄く、取り組みにかかる人材リソースがムダになり、十分な費用対効果も得られません。

人材不足が慢性化する中で、生産性向上には一定以上の人員と時間が必要となるため、可能な限り有効活用すべきでしょう。

営業業務の見える化は、改善点と対策が明確になるのもメリットのひとつ。
課題解決がスピーディになれば、より効率的に生産性向上を目指せます。

取り組み2.営業力の底上げ「業務プロセスの標準化」

営業担当者のモチベーション維持のために、ノルマ制度を取り入れている企業は少なくありません。
競争の概念を利用するのは効果的ですし、ノルマ制度は成果が分かりやすいというのもメリットです。

一方で、ノルマ制度は営業手法が属人化しやすい点に注意が必要です。
順位に固執するあまりに、営業成績上位者の営業手法が明らかにされず、俯瞰して考えると非効率的な状態に陥っているのです。

営業成績上位者の手法を部門内で共有・標準化すると、全営業担当者が高い成果を獲得できる可能性が高まります。
トークスクリプトを活用しながら、営業プロセスの標準化に取り組むのは、生産性向上につながるでしょう。

取り組み3.成果を高める「営業担当者のスキルアップ」

営業活動では、会話の流れだけでなく、顧客の声色、表情などから最適な対応を取捨選択して実行する必要があります。

例えば、ナーチャリングが必要な相手に対して、メールを活用して製品やサービスに興味を抱かせるのは有効でしょう。
しかし、製品やサービスの購入を直接的に促しては、かえって悪印象を与える原因にもなり得ます。

的確なタイミングで最適な対応をするためには、営業担当者のスキルアップが必須です。
定期的なミーティングや勉強会を実施して、営業担当者のスキルアップを図りましょう。

取り組み4.効率化による営業活動支援「ツール活用・自動化」

近年では、様々なシーンでIT・デジタル化が求められており、営業活動もツールの活用で解決できる業務課題が多々あります。
ツール活用で解決可能な営業課題は、おもに下記の4つです。

  • 営業担当者間の連携不足
  • 手作業でのタスク管理
  • メール作成に必要な業務負担
  • 顧客情報管理

ツール活用で、上記のような課題を解決できれば、営業のコア業務である顧客対応に割く時間が増大。
営業担当者の業務負担を軽減するとともに、生産性向上を目指せます。

なお、営業の生産性向上に有効なツールは、次章で解説します。

営業の生産性向上に有効な2種のツールとは?

近年では、営業支援を目的とした様々なツールがリリースされています。
中には使い方が簡単で、テレビのリモコンのように、直感的に操作できるツールも。

本章では、営業の生産性向上に有効な下記2つのツールを解説します。

  • 営業プロセスを可視化「SFA(営業支援システム)」
  • 営業活動の分析・改善も可能「CRM(顧客管理システム)」

ツール1.営業プロセスを可視化「SFA(営業支援システム)」

SFAとは、営業活動のプロセス・情報を一元管理し、データの収集・蓄積・分析を自動化できるツールです。

例えば、商談の進捗状況を営業担当者が個人で管理していた場合では、コア業務以外の負担を抱える必要がありました。
同時に、営業担当者が病気やケガなどで対応できなければ、商談が進まず機会損失につながるリスクもあるでしょう。

しかし、SFAで全体の状況が共有できていれば、業務負担の減少と機会損失防止が可能です。
SFAは、営業組織全体の動きをスムーズにして、生産性の向上に期待できるツールです。

ツール2.営業活動の分析・改善も可能「CRM(顧客管理システム)」

CRMとは、顧客・業務プロセスなどの情報管理をはじめ、売上予測や営業パフォーマンス分析・改善が可能なツールです。
顧客の購買目的・ニーズ・志向性などの情報管理も可能で、顧客との関係性の維持・強化には必要不可欠。

CRMは営業の生産性向上にも大きく貢献可能です。
営業担当者の営業プロセスを見える化でき、属人化した業務の明確化や改善につながります。

CRMは、無料で利用できるツールがあるのもメリット。
お試し感覚で導入でき、効果を実感しながら本格的な導入へと発展させられます。

部門間連携・営業の生産性向上の両方を実現可能「HubSpot」とは?

HubSpotとは、営業・マーケティング・コンテンツマネジメント・カスタマーサービスなどの支援を目的とした統合型CRMです。
1種類のコードをベースに自社開発しており、操作性が一貫していて使用感が良いのが特徴。

HubSpotは5つのツールから構成されており、併用することで部門間の連携強化を図りながらの業務効率化が可能です。
HubSpotを構成する5つのツールは以下の通り。

  • Marketing Hub:インバウンドマーケティングを得意とするツール。ナーチャリングも可能なオールインワンソフトウェア。
  • Sales Hub:営業活動の業務効率化、及び生産性向上を目的としたツール。自動化による無機質な印象を顧客に与えない、高機能さが特徴。
  • Service Hub:カスタマーサービス向けツール。充実したサポート体制構築が可能で、顧客関係の強化と顧客満足度向上に期待可能。
  • CMS Hub:自社のWebサイトを構築可能なツール。専門知識が不要で、マーケティング担当者は簡単にWebサイトの構築・更新・最適化ができる。
  • Poeration Hub:業務オペレーション支援を目的としたツール。アプリ接続・顧客データ同期と整理・プロセス自動化などにより、高次元な顧客体験を可能にする。

HubSpotの詳細は「HubSpotとSalesforceの違いとは?連携もできる両ツールを比較!」で解説していますので、興味のある方はご覧ください。

営業の生産性に課題を感じる方へ

本記事では、営業に生産性向上が必要な理由と、生産性向上に有効な取り組みを解説しました。

パンデミックや戦争など、目まぐるしい変化を遂げる環境下では、営業の生産性向上を目指した取り組みの重要度がさらに高まるでしょう。
営業の生産性が向上し、業務の省力化に成功していれば、対応力や柔軟性をも手にすることにつながるためです。

当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトでは、HubSpotを使用した営業支援を行っています。
営業の生産性向上やHubSpotに興味をお持ちの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。