目次
「営業戦略を立てたいが、どのように立てていけば良いかわからず困っている」
このようにお考えではないでしょうか。
そこで活用したいのが、フレームワークです。
本記事では、営業戦略を立てるときに役立つフレームワーク7選をご紹介いたします。
フレームワークをうまく活用することで、限られたリソースで最大限の成果を出す営業戦略を立てられることでしょう。
ぜひ本記事を参考に、フレームワークを活用した営業戦略を立ててみてください。
営業戦略を立てる前に!そもそも営業戦略とは何か理解しよう
営業戦略を立てるときに役立つフレームワークは多数あります。
しかし、そもそも営業戦略がどのようなものかご存知でしょうか。
営業戦略とは、営業部門における人・時間・費用などの有限リソースを効率よく活用しながら売上目標を達成するシナリオです。
例えば、営業部門で獲得する年間売上高の目標が5,000万円であれば、5,000万円の売上高を獲得するためにどのようなことをやっていくか。
このシナリオが営業戦略となります。
ただし、営業パーソンの人数や活動時間、予算は有限です。
「目標を達成するために人や予算を増やす」ようなシナリオは営業戦略とは呼べません。
ちなみに、営業戦略とマーケティング戦略は異なるものです。
どちらも目標達成に向けたシナリオという点では変わりませんが、あくまでも営業活動における戦略が営業戦略であり、マーケティング活動における戦略がマーケティング戦略なのです。
営業活動は、おもにお客様と接触し商談から売上を獲得します。
そのため、多くは売上向上のための戦略となります。
一方でマーケティング活動は、営業活動よりもさらに広い範囲における戦略となるのが一般的です。
営業戦略についてもっと詳しく知りたい方は、下記をご参照ください。
営業戦略とは?営業部門のマネージャーが知っておくべき基礎知識
営業戦略を立てるときに役立つフレームワークとは?
フレームワークとは何か説明できるでしょうか。
以降では、フレームワークとは何か、フレームワークを活用するメリットをご紹介いたします。
フレームワークとは成功するための要素をまとめた型
フレームワークは、成功するための要素をまとめた型(枠組み)です。
例えば経営層から「自社を取り巻く環境を分析してくれ」と言われたらどのように考えるでしょうか。
このように言われても、おそらくフレームワークを知らなければ次のように感じることでしょう。
- 「環境」とは、具体的に何を分析すれば良いのか
- どのような切り口で考えていけば良いのか
これを解決するのがフレームワークです。
具体的には3C分析やSWOT分析によって、あらかじめ重要となる要素と切り口を使いながら、企業活動(営業活動)の環境を分析できます。
もちろんこれ以外にもフレームワークは多数あり、どれも何らかの課題を解決(成功)するための要素をまとめた型(枠組み)となっています。
フレームワークのメリット:時間をかけず効率的に戦略を立てられる
先ほどの例のように、何も切り口がない状態から分析を始めるより、フレームワークを活用すれば、時間をかけず効率的に結果を出せるのです。
これがフレームワークのメリットであり、営業戦略を立てるうえで活用すべき理由でもあります。
営業戦略の策定で使えるフレームワーク7選
それでは、営業戦略の策定で使えるフレームワークを7選紹介いたします。
ぜひご活用ください。
3C分析:自社の営業活動における環境を知る
3C分析は、おもに企業活動における環境を知るためのフレームワークです。
一般的にはマーケティングフレームワークとして知られており、営業活動というより、企業活動など広い範囲を対象にするマクロ環境分析に用いられます。
とは言え、営業活動における環境を知るためにも3C分析は有効です。
3C分析は、次のような3つのC(環境を定義する要素)を切り口として、後述するSWOT分析で用いる項目を抽出します。
- Customer:市場・顧客
- Company:自社
- Competitor:競合
企業活動は、市場に参入し競合とともに顧客(シェア)を獲得するものだと言えます。
そのため、このような要素で自社を取り巻く環境を把握できるのです。
簡単な例ですが、イメージ把握のために3C分析の例をご紹介いたします。
市場・顧客 |
|
---|---|
自社 | 自社は競合他社と比べ展開店舗数は少ないが、A市においては競合他社をしのぐ店舗数を誇っている |
競合 |
|
SWOT分析:自社の営業活動における環境を分析する
SWOT分析は3C分析などで抽出した内容をもとに、以下4つの切り口で課題や市場機会を見つけられるフレームワークです。
- Strength:強み
- Weakness:弱み
- Opportunity:機会
- Threat:脅威
SWOT分析もマーケティングフレームワークの一種として広く知られていますが、営業戦略の策定にも役立ちます。
3C分析とも通じますが、一般的には次のような経営・営業リソースをもとにして考えます。
- 商品・サービス
- 営業パーソンのスキル(営業力)
- 技術力
なおSWOT分析のT(脅威)については、別のフレームワーク「5フォース分析」を活用すると良いでしょう。
STP分析:競合に勝つための基本戦略を決める
STP分析は、競合に勝つための基本戦略を決めるフレームワークであり、戦略策定の核(コア)となるものです。
3C分析やSWOT分析によって課題や市場機会を見つけられても、それだけでは営業戦略を立てられません。
これら環境分析のフレームワークは、言わば事前準備・事前調査のためであり、STP分析によって営業戦略を具体的に絞っていくのです。
STP分析は端的に言うと、「自社の強みを活かし、どの市場(顧客)に対してどのようにアプローチしていくのか」を決めます。
例えば、経営リソースに乏しい小規模の企業が、大企業と同じ市場・顧客でシェア競争するのは非効率的です。
そこでターゲットとする顧客を選択し、限りある経営リソースを集中的に投下する必要があります。
そんなSTP分析は、以下の3ステップで実施します。
- セグメンテーション:市場の細分化
- ターゲティング:狙う市場(顧客)の決定
- ポジショニング:自社の立ち位置を決定
セグメンテーション
セグメンテーションは、その名のとおり市場をセグメントごとに分ける作業です。
実際にはもっと具体的に行いますが、例えば以下のようなイメージです。
- セグメントA:月々の支出を最低限に抑えたく、機能も最低限で良いと考える顧客層
- セグメントB:魅力的な機能があれば高額でも導入したいと考える顧客層
この例では一部のみを紹介していますが、一般的には次のような「変数(切り口)」で考えます。
- 地理的変数:地域/文化/習慣など
- 人口統計的変数:年齢/性別/年収/職業など
- 心理的変数:価値観/ライフスタイルなど
- 行動変数:買い換え頻度など
これらは、可能な限り実際の調査にもとづいて考えていくのがポイントです。
必要であれば顧客にアンケートを取ると良いでしょう。
ターゲティング
ターゲティングは、いわゆる「ペルソナ」を設定する作業です。
セグメンテーションで分けた顧客層のうち、理想的な特定の1人を考えます。
ペルソナ設定は、ペルソナの生活や性格、顔をイメージできるほど作り上げるのがポイントです。
ペルソナを明確に設定できなければ、後述する4P/4C分析がうまくいかないこともあるので慎重に行いましょう。
ポジショニング
ターゲットが決まったら、そのターゲットが競合よりも自社を選ぶような立ち位置を決定します。
一般的にはセグメンテーションにおける変数(切り口)で2軸を作り、競合他社と自社をプロットして可視化します。(ポジショニングマップ)
SWOT分析で得た自社の強みを活かして作成しましょう。
4P/4C分析:具体的な施策・武器を決める
4P分析は企業視点のフレームワークで、4C分析は顧客視点のフレームワークです。
マーケティングミックスとも呼ばれます。
次のような4つの切り口で営業戦略を具体施策に落とし込みます。(左が企業視点で右が顧客視点)
- 製品/顧客価値
- 価格/顧客にとっての経費
- 流通/顧客利便性
- 販促/コミュニケーション
5W1H:営業戦略・戦術(施策)を具体計画へ落とし込む
5W1Hはビジネスシーンにおけるコミュニケーションの基本でもある重要なフレームワークです。
そのため、すでにご存知の方も多いでしょう。
営業戦略においては、4P/4C分析で決定した具体施策や戦略を具体計画に落とし込む際に活用できます。
5W1Hによって、より具体的でもれのない計画に落とし込めます。
- Who:担当者/担当チーム/対象顧客
- When:期限/頻度/タイミング
- Where:場面/営業ルート
- What:問題/製品/サービス/価値
- Why:目的/原因
- How:方法/段取り/テクニック
PDCAサイクル:営業戦略・戦術(施策)を継続的に改善する
計画を立てて戦略・戦術を実行していきますが、現状を評価し改善がなければ効率的な目的達成は不可能です。
極端に言えば、「やっただけ」にしないためにPDCAサイクルが必要なのです。
実際、最初に立てた目標がそのまま順調に進むことはめったにありません。
PDCAサイクルは、次のようなステップです。
- Plan:計画
- Do:実行
- Check:評価
- Action:改善
ロジックツリー:営業活動の課題を洗い出す
「論理の木」とも呼ばれるロジックツリーは、営業活動の課題を洗い出すために活用できます。
先ほどPDCAサイクルをご紹介いたしましたが、そのなかの「Check(評価)」にも活用できるのです。
例えば施策がうまくいかなかったとき、なぜそうなってしまったのか真因や解決策を導きます。
ロジックツリーはさまざまな種類があり、状況に応じて使い分けます。
- 要素分解ツリー:営業目標を達成するためにはどのような要素が必要かをツリー状に展開して全体的な課題を把握する
- 原因追求ツリー(なぜなぜ分析):なぜ受注が取れなかったのかを展開して真因を求める
- KPIツリー:重要な目標達成指標(KGI)と、それを達成するための中間目標(KPI)をツリー状にして指標を管理する
まとめ:営業戦略を理解したうえでフレームワークの活用を
営業戦略とは、限られたリソース(営業パーソンや予算など)を効率的に活用し売上目標を達成するシナリオです。
フレームワークを活用すれば、効率的かつポイントを押さえた営業戦略を立てることができます。
フレームワークを実際に自社の営業活動へ当てはめるときは、おそらく「これで良いのだろうか」と不安になるかと思います。
しかし、フレームワークはあくまでも1つの枠組みに過ぎません。
積極的に活用するのはよいですが、とらわれすぎてしまうと弊害がでてきます。
また、一度フレームワークで営業戦略を立てたらそれで終わりにせず、何度も見直してみましょう。
営業環境は常に変化していますし、時間が経てばまた違った切り口でものを見られるかもしれません。
ぜひ本記事を自社の営業戦略策定にお役立てください。
投稿者プロフィール
-
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
最新の投稿
- 2024年10月1日マーケティングミラーリング効果とは?マーケティングに活用するテクニックを解説
- 2024年10月1日マーケティングウィンザー効果とは?マーケティングの活用方法を詳しく解説
- 2024年10月1日マーケティング顧客満足度を上げるピークエンドの法則とは?意味やビジネス活用例を紹介
- 2024年10月1日マーケティングマーケティングに重要な心理傾向「認知バイアス」とは?一覧から活用例まで詳しく紹介