目次
商談の成否を左右する「クロージング」。
営業をしている人の中には、「クロージングが苦手」「クロージングでいつも失敗する」という人もいるのではないでしょうか。
商談の成約率を高めるためには、クロージングの目的やコツを理解して正しくクロージングすることが重要です。
そこで今回は、クロージングの重要性やコツ、役立つ手法を解説します。
よくあるお悩みと対策も紹介するので、自身のクロージングと照らし合わせて確認してみてください。
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商談におけるクロージングの重要性とは
商談では、契約につなげるために、ヒアリングによる課題把握から提案を行い、最後に契約の意思を確認する「クロージング」を行います。
クロージングは、相手先に「契約する」と決断してもらう重要なプロセスです。
クロージングをしないと、ビジネスチャンスを逃してしまうことになり、これまで準備してきたことや商談の時間まですべてを無駄にしてしまいます。
万が一契約につながらなかったとしても、クロージングすることで失敗要因の確認が可能です。
契約につながるのが一番理想ですが、今後の改善活動に活かすためにも、クロージングは重要だと言えるでしょう。
商談で成果を上げるためには、クロージング技術を高めることがポイント。
クロージングのコツや手法を学び、成果につながる営業を行いましょう。
よくあるクロージングのお悩みと対策
商談においてクロージングは非常に重要ですが、営業経験が長くてもクロージングが苦手という人も少なくありません。
しかし、苦手な要因を掘り下げたうえで、自身に必要な対策を理解できれば、十分克服できます。
ここでは、よくあるクロージングのお悩みと対策を紹介するので、自分に当てはまるものがないか考えながら読んでみてください。
お悩み①:クロージングをするのが怖い
社会人になりたてだったり、営業部へ異動したばかりだったり、営業経験が少ない人に多いのが「クロージングへの恐怖心」です。
クロージングをするのが怖い人は、なぜ怖いのかを深掘りして考えてみましょう。
- 断られるのが怖い
- 押し売りになってしまうのではないかと不安
- 顧客に嫌われるのが怖い
など、人によって根本にあるものはさまざまです。
しかし、これらは商談やクロージングのコツを掴むことで解決できます。
たとえば、「商材を売る」「ノルマを達成する」ことばかりを気にしてしまうと、相手のことを考えない押し売り営業になってしまいます。
しかし、顧客の課題解決を第一に考えて提案をすれば顧客との信頼関係を築くことができ、提案を「有益な情報提供」として捉えてもらえる可能性が高まります。
また、クロージングでは、「契約してください!」と売り込むのではなく、あくまで契約の意思確認をすることを意識しましょう。
押し売りにならず、顧客ファーストのクロージングになります。
トークが不安な人は、営業トークに力を入れるのもひとつの方法です。
トークスクリプトを用意して、上司や先輩社員とロールプレイングを行い、トーク力を磨いていくとよいでしょう。
お悩み②:クロージングのタイミングが分からない
商談の前半はうまくいくものの、クロージングのタイミングに悩む人も多いものです。
特に話が盛り上がっていると、「話を切ったら悪いかな……」と、自分のペースに戻せないこともあります。
タイミングが分からない人は、あらかじめタイムスケジュールを決めておくのがおすすめです。
事前に当日の議事次第を用意して、項目ごとに時間設定をするのもよいでしょう。
当日は「議事次第に沿って進行します」とすれば、お互いにどのタイミングで何をするかが明確になり、ペースの乱れを回避できます。
また、どうしてもクロージングに入るのが難しい場合は、商談で話したことの確認から入るとスムーズです。
顧客の抱えている課題や求めていること、提案内容などを順番に確認したうえで、契約の意思を確認すると自然な流れでクロージングできます。
お悩み③:非対面でのクロージングに苦戦する
商談は、訪問以外にも、メールや電話、オンラインなどで行うこともあります。
訪問だと直接顔を見ながら話せるので、相手の反応や空気感をキャッチしやすく、比較的スムーズにクロージングしやすいでしょう。
しかし、文字のみのメール、音声のみの電話、温度感が掴みにくいオンラインのクロージングは、訪問と比べると難しいのが特徴です。
以下が、営業手段別の主な対策方法です。
【メール】
- 1通で済ませるのではなく、複数回に分けてじっくりクロージングする。
- 選択肢を提示するなど、相手のアクションを促してクロージングする。
【電話】
- 一方的に話すのではなく、質問をするなど、双方向でのコミュニケーションを意識する。
- 話の途中で、不明点や疑問点を都度確認しながらクロージングまで進める。
【オンライン】
- 結論ファーストを意識して、端的に分かりやすく話す。
- 状況に応じて、クロージングはあえて訪問して行う。
近年は新型コロナウイルス感染症の影響で、非対面の商談が浸透してきています。
顧客の理解を得られるのであれば、クロージングは訪問して行うことでインパクトが大きくなり、成果につながる可能性もあります。
営業手段や状況に合わせて、さまざまな工夫をしてみましょう。
成約率を高めるクロージングのコツ
クロージング技術を上げるには、コツを押さえてトレーニングを重ねることが重要です。
成果につながるには時間が掛かることもありますが、PDCAを回しながら繰り返すことで、技術向上につながります。
ここでは、商談前・商談中・商談後に分けて、クロージングのコツを紹介します。
ぜひ、自身のクロージングに活かしてみてください。
【商談前】業界や企業情報を入念にリサーチする
顧客との信頼関係を築き、顧客ニーズに合わせた提案をすることで、クロージングの質が高まります。
そのために重要なのが、商談前の入念なリサーチです。
業界動向や企業情報を理解せずに商談を始めると、顧客の課題の本質を十分に理解できず、筋違いな提案になる可能性があるので注意しましょう。
また、商談は相手の貴重な時間を使って行うので、短時間で有益な提案をすることが重要。
事前に調べれば分かることを質問することで、余計な時間を使わないよう配慮することも大切です。
業界の動向や、業界に影響を与える環境変化、会社の基本情報などを、会社ホームページやメディア、中期経営計画・有価証券報告書・IRレポートなどから収集しておきましょう。
【商談中】決断できない理由を排除する
クロージングの成功率を高める一番のポイントは、相手が決断できる状況をこちらから作りに行くことです。
決断できない理由には、主に以下のようなものが挙げられます。
- もっと安いものはないか
- 同じ価格で、より優れたものはないか
- 担当者を信じてよいのか
価格が高ければ高いほど、商材を比較して検討するケースが多くなります。
ここで重要なのが、「課題の本質を捉えているか」「他社との差別化ができているか」の2点です。
他社の情報も提示して信頼感を与えたうえで、課題の根本的な解決を提案できれば、決断できない理由を排除でき、成約につながりやすくなります。
【商談中】選択肢を提示する
顧客に自分で選んでもらうことで、より納得感を持たせるのもコツのひとつです。
たとえば、同じ商材で複数のプランを提示して、「商材を契約するかどうか」ではなく、「どのプランを選ぶか」に意識を向けます。
そうすることで、納得感を持って契約を進めてもらえる可能性が高まります。
選択肢を与えるためには、顧客の課題に合わせて複数の提案を用意することがポイント。
入念に事前リサーチや準備を行い、スムーズなクロージングにつなげましょう。
【商談後】お礼の連絡をする
契約につながった場合はもちろん、残念ながら契約に至らなかった場合でも、商談後にはお礼の連絡を入れましょう。
契約した場合は、今後の流れや進め方の説明を入れると相手に安心感を与えられます。
契約できなかった場合は、商談の不明点や疑問点などを確認することで、次回の商談に活かせるのでおすすめです。
商談の成功は、顧客との信頼関係が非常に重要なカギです。
一度の商談で成果が出なかったとしても、次回につなげられるよう、しっかりとフォローを行いましょう。
商談で役立つクロージング手法5選
クロージングまでのプロセスはもちろん重要ですが、クロージングのテクニックを理解して実践することも重要です。
ここからは、商談で役立つクロージング手法を5つ紹介します。
ぜひクロージングのテクニックを磨いて、成果につながる営業を目指しましょう。
手法①:テストクロージング
テストクロージングとは、商談の途中で契約の意思があるかどうかを確認すること。
商談の最後に行う通常のクロージングと異なり、商談中に行うことがポイントです。
もし契約の意思が低ければ、早めに商談を切り上げることで、お互いに余計な時間を使わずに済みます。
ほかにも、途中で確認することで顧客の懸念事項や不安点などを確認でき、解消することで契約の可能性を高めることも可能です。
実際どのようにテストクロージングを行うべきか、具体的なトーク例を3つ紹介します。
- ここまで商材について説明してきましたが、分かりにくい点はありませんか?
- 弊社の商材を使用することで、課題解決における心配事項はありますか?
- 今のところどのプランがよいなどの希望はありますか?
決断できない理由を排除するためにも、なるべく相手の不安解消につなげる質問を投げかけることが重要です。
手法②:Foot in the Door
Foot in the Door(フット イン ザ ドア)は、心理学における「一貫性の法則」を利用した手法で、要求レベルを徐々に上げていき、最終的に大きな要求を通す方法です。
たとえば、テレアポから契約まで4ステップを踏む方法があります。
STEP1:電話で商材の簡易的な説明を聞いてもらう
STEP2:短時間でいいので直接説明する機会をもらう
STEP3:実際に商材を試用してもらう
STEP4:選択肢を与えて契約につなげる
このように、最初から契約を促すのではなく、STEP1~4のように小さな承諾を複数得ることで、最終的に大きな契約につなげていきます。
手法③:Door in the Face
Door in the Face(ドア イン ザ フェイス)は譲歩的依頼法とも呼ばれており、最初に大きな要求を提示したあと、徐々に要求の水準を落とし、最終的に希望する要求を通す方法です。
たとえば、すべての要素を盛り込んだ大きなプランを提案した後に、予算よりも少し上のプランを提案する方法です。
STEP1:商材に関する希望や予算を確認する。
STEP2:予算は超えているが、希望を叶える大きなプランAを提案する。併せて、希望を叶えたい場合、相場だと予算を超えてしまうことを説明する。
STEP3:最初に提案したものよりも安いが、予算より少し上のプランBを提案する。
STEP4:どちらがよいか考えてもらい、プランBの契約につなげる
ここで注意したいのが、予算を大幅に超えたプランAのみを提案してしまうと、「高いからやめます」となり兼ねないことです。
むやみに高いプランを提案するのではなく、「だったらこっちがよい」と、ポジティブに決断してもらえるよう、プランAとプランBに関連性を持たせましょう。
手法④:YES BUT法/YES AND法
YES BUT(イエス バッド)法とは、応酬話法のひとつとされており、顧客の意見を肯定した後に、「しかし」とこちらの意見を述べる手法です。
大切なのは、まずは相手の意見を受け入れることです。
「おっしゃる通りですね」などと意見を受け入れることで、相手の承認欲求を満たせるため、その後のこちらの意見を受け入れやすい雰囲気を作れます。
たとえば、提案したプランについて「価格が高い」と言われた場合、以下のようにYES BUT法を活用します。
顧客:プランAは魅力的だけど、高いし予算を大幅に超えているからな……
営業:たしかにそうですね。しかし、御社の課題である○○を解決するために有効な○○が含まれており、他社の商材と比べて○○なメリットもあります。今なら、○○も特典としてつくので、お得にご契約いただけます。
この手法を使用するときの注意点は、否定感が強くならないようにすることです。
特に、気持ちのこもっていない軽い肯定のあとに、「しかし」というインパクトの強い逆説を使うと、押し売りをされている印象を与えるので注意しましょう。
YES BUT法の「しかし」を、「そして」「では」「それなら」「実は」などに変えることで否定的な印象を与えないようにするのが、YES AND(イエス アンド)法です。
最終的に伝える内容は同じでも、否定語を使わないのでソフトな印象を与えます。
たとえば、顧客に提案した商品を「高い」と言われてしまった場合、YES BUT法とYES AND法では以下のように対応します。
【YES BUT法】おっしゃる通りです。しかし、性能はとてもよいのでおすすめです。
【YES AND法】おっしゃる通りです。実は、性能がとてもよいので値段が高めなのです。
状況や相手に応じて、使いやすい手法を活用してみてください。
手法⑤:営業支援・顧客管理ツール
クロージングテクニックとは異なりますが、クロージングの質を高めるには、営業支援システムや顧客管理ツールを活用するのも有効です。
営業支援システムは、SFA(Sales Force Automation)と呼ばれており、顧客情報管理や案件管理、行動管理、商談管理などが基本的な機能です。
営業支援システムを活用することで、営業活動のプロセスや進捗状況、結果が可視化できるので、たとえ引き継ぎをした後でも、状況に適したクロージングができます。
顧客管理ツールは、CRM(Customer Relationship Management)と呼ばれており、顧客データベース管理やプロモーション機能、セキュリティ機能などが含まれています。
企業規模や担当者名などの情報だけでなく、顧客ニーズなどの顧客属性も記録できるので、適切なタイミングで商談・クロージングが可能です。
クロージングの質を高めるには、テクニックや流れだけでなく、情報管理も重要なポイントです。
まとめ:商談の成果を上げたいならsoraプロジェクトへご相談を
商談におけるクロージングは、契約の可否を左右する重要な工程。
コツや手法を理解して実践することで、成約率を高められるのがポイントです。
すぐに商談の成果を上げたい場合や、人的リソースが不足している場合は、営業代行サービスを行っている「soraプロジェクト」にお任せください。
テレアポ代行、インサイドセールス、ウェブマーケティングなど、業歴14年の豊富な実績を有しています。
気になる方は、ぜひ一度soraプロジェクトへご相談ください。
投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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