営業基盤の強化をするには?準備と具体的な方法を解説

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人材不足や顧客のニーズの多様化を背景に、「営業基盤を強化するにはどうすればよいか」という課題を抱えている企業は多いでしょう。

営業基盤が強靭であれば、担当者のパフォーマンスが高まり、営業成績の安定にもつながると予想されます。

しかし「そもそも営業基盤とは何か」「具体的にどのような施策が強化に該当するのか」を考える機会はそう多くありません。

そこで本記事では営業基盤に関する基礎知識や、具体的な強化方法を解説します。
「営業基盤」というテーマに向き合っている担当者はぜひ参考にしてください。

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営業基盤に関する基礎知識

まず、営業基盤に関する基礎知識を理解しましょう。

そのうえで、なぜ基盤が不安定になるのか、安定しているとはどういう状態なのかも理解しておくとよいでしょう。

そもそも営業基盤とは?

営業基盤とは、「営業活動を下支えする基本的な仕組み」を意味します。
つまり、組織、営業プロセス、ツール、教育体制、顧客管理などを総合したものと考えるとよいでしょう。

これらが過不足なくそろっている状態では、営業基盤は安定します。

一方で上記に挙げた営業の仕組み(流れ)が不透明になってしまうと、何かしらの課題が生ずるでしょう。

このような状態が、まさしく営業基盤が不安定になっている状態だといえます。

営業基盤が不安定になる原因

多くの方は「なぜ営業基盤が不安定になるのか」という疑問を抱えているでしょう。
その原因として、以下の5点が挙げられます。

  • 営業プロセスが管理されていない
  • 担当者がパフォーマンスを発揮できない環境になっている
  • 十分な教育がなされていない
  • 十分なデータ管理ができていない
  • 必要なツールが導入できていない

要するに管理や教育が行き届いていないと、営業基盤が不安定になります。

例えば、必要なツールが導入されていないと非効率な作業が増えてしまいます。
そのうえ、不正確な顧客分析やデータにつながりかねません。

このようにして営業基盤が不安定になるケースは非常に多いものです。

営業基盤が安定している企業の特徴

一方で営業基盤が常に安定して、成績も右肩上がりの企業もあります
その特徴として以下が挙げられます。

  • 明確な営業戦略とプロセスが立案されている
  • 十分なデータ管理がおこなわれ、必要なツールが導入されている
  • 教育体制や顧客管理が適正化されている

まず、明確な営業戦略とプロセスを持っている点は、営業基盤を安定させるうえで必須となる要素です。
また十分なデータ管理やツール導入なども、営業効率を上げていくために必要な下地です。

そして長期的なプランに基づく教育体制や、的確な顧客管理などがなされていれば、おのずと営業基盤は安定していきます。

営業基盤を強化する具体的な方法

では、どのようにして営業基盤を強化するのか」と考える人は多いでしょう。
以下の7つの方法が取り入れやすい手段として挙げられるでしょう。

  • 営業戦略の明確化
  • 営業プロセスの標準化
  • 営業担当者のスキル向上
  • 組織の連携を強化
  • 営業担当者の働く動機付け実施
  • 失敗を許容する文化の醸成
  • 成功体験の積み重ね

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

営業戦略の明確化

先ほども触れたとおり、営業戦略を明確化するのは、営業基盤を築くうえで欠かせません

ここでいう営業戦略とは、目標数値の設定や具体的な営業施策、教育方針などを総合したものです。

基本中の基本ですが、そもそもこれを設定していない、もしくは設定しても逐次管理できていないケースがあります。

そうすると、営業部署全体が目標に向かって動きにくくなるでしょう。

これ避けるためには、やはり営業戦略を明確にするのが大切です。
数値でいくらなのか、どのようにアプローチするのか、どのような方針で教育するのか、きちんと明文化しなければいけません。

営業プロセスの標準化

営業活動のプロセスの標準化も、営業基盤の強化に役立ちます。
なぜなら営業の属人化を防げるからです。

例えば、営業プロセスが担当者任せだとします。
そうすると、その担当者が離脱した場合、同様のパフォーマンスを発揮できなくなるわけです。

もし担当者が異動したり、転職したりすると売上が落ちてしまう状態は、営業基盤が不安定だといえるでしょう。

しかし営業活動のプロセスが標準化され、「誰がやっても同等の成果が出る」という状態にしておけば、営業基盤が安定しているといえます。

よって、営業プロセスをきちんと見つめ直し、標準的なやり方を定めておきましょう。

営業担当者のスキル向上

営業基盤を強化する方法として、営業担当者のスキルを向上させる方法もあります。
「営業基盤」というと、設備や予算、顧客リストなどを想像しがちです。

しかし営業担当者のスキルもまた、営業基盤をつくる目に見えない構成のひとつです。

ツール導入や人材確保など環境面を整えても営業部門のパフォーマンスが期待しているものと乖離があるようであれば、営業担当者のスキルが不足し、活用できていないのかもしれません。

そのように感じたのなら、設備や予算のみならず、教育に注力しましょう。

例えば、研修を受けさせるなどの方法が考えられます。
またフィードバックの機会を増やしたり、課題図書を与えて読ませたりする手段もあるでしょう。

このようにして営業担当者のスキルを向上させることも、営業基盤を強化する方法のひとつです。

ただしこのように教育するのは、簡単ではありません。

教育する側も、どのようにすればこちらの意図が伝わり、業務内容に反映されるのか創意工夫する必要があるでしょう。

組織の連携を強化

組織の連携を強化することも、営業基盤の強化につながります。 
特にマーケティング部門とのつながりは重要になるでしょう。

旧来的な営業は、「熱量で押し切って商品を売る」という側面を持っていました。

つまり、「押し売り」的なセールスが成立してしまっていた部分があります。

しかし現代では、不況やコンプライアンス遵守に関する意識の高まりにより、無理に売り上げるのがむずかしい側面もあります。

ここで役に立つのが、マーケターとしての思考です。
「顧客が何を求めているか」「商品は誰をターゲットにしているか」を考えることにより、論理だった営業ができるようになります。

マーケターとしての思考を身につけるなら、特にマーケティング部門とのつながりが重要でしょう。
彼らとコミュニケーションを取ることによって、「どう営業を展開すれば売れるのか」が見えてくるはずです。

営業担当者の働く動機付け実施

営業担当者の働く動機付けを実施するのも重要です。
動機付けがない状態では営業担当者のパフォーマンスが高まらないからです。

自身の営業活動が会社に対してどういう意味をもたらしているのか理解できていなかったり、あるいはそれに対してリターンがなかったりすると、心身の負担が大きい営業の業務に注力するのはむずかしいでしょう。

しかし「営業活動の重要性」を説いたり、適切なインセンティブを用意したりすれば、業務に打ち込む動機を設定できます。

「士気を高める」「結束を強める」といったことは重要視されますが、これはまさしく「営業担当者のモチベーションを引き出して営業基盤を強化する」という意味になるでしょう。

だから、営業担当者に対して精力的に働く動機付けが重要になるわけです。

失敗を許容する文化の醸成

これは企業体質や売上目標などにも左右されますが、失敗を許容する文化を醸成するのも重要です。
なぜなら、失敗を許さない風潮の営業部門では、営業担当者はパフォーマンスを落とすケースがあるからです。

例えば、商談に失敗したり、成績が悪かったりして、厳しく叱責されるような環境があるとしましょう。
たしかにこの方法なら、「契約を取らないと叱られる」などの動機から、営業成績を高めるために努力するはずです。

一方で失敗を許容しないと、新しい方法を試そうと思ったり、会議でアイデアを出そうとしたりするケースが少なくなるでしょう。
「変なことを言うと怒られる」と考えるからです。

そうすると、すばらしいアイデアを共有できず、営業部門の成長が妨げられます。

よって失敗を許容することで、新しいアイデアを受け取り、営業基盤を強化することが可能です。

そもそも「失敗を許容できず、調子の悪い営業担当者を詰める」状態は、商品や営業プロセスなどに問題があると考えられます。
営業基盤が不十分だから、そのひずみが営業担当者に対する態度に出るわけです。

その点を考えれば、「失敗を許容できるようにする」ことは、営業基盤のあらゆる部分を見直して抜本的に改善するチャンスとも捉えられます。

成功体験の積み重ね

営業担当者に成功体験を提供し、それを積み重ねるのも重要です。

営業担当者は成功体験を繰り返すことで、前向きな気持ちで業務に取り組めるようになります。
また繰り返された体験を再現し続けて、継続的に契約を獲得することが可能です。

さらにうまくいったやり方を社内に共有することで、部門全体の営業力を高められます。
そうすれば、営業基盤を構成する要素のひとつである営業担当者のスキルやナレッジが強化されるでしょう。

なお成功体験を共有する方法として、ナレッジツールやSFAなどが使われることがあります。
これらに電子的に蓄積されたナレッジやノウハウもまた、営業基盤のひとつとなります。

このようなものを使っていない場合は、導入を検討してもよいでしょう。

まとめ:営業組織にとって営業基盤は欠かせない

本記事では、営業基盤に関して解説しました。
最後に重要な部分をおさらいしましょう。

  • 営業基盤とは、組織体制や営業プロセス、ツールや教育体制などを総合したもの
  • 営業基盤を構成する要素すべてが明瞭かつ不足のない状態で営業基盤は安定する
  • 顧客やデータの管理、教育が不足していると、営業基盤は不安定になる
  • 営業基盤が安定している企業は、営業基盤の構成要素をどう管理するか明確にしている
  • 営業基盤を強化するには、営業戦略の明確化をはじめ、あらゆるアプローチがある

組織として営業を考えるとき、強固な基盤を形成するのは欠かせないことです。

むろん、個人のスキルや商品力でなんとかなる場面もあります。
しかし長期的なスパンで考えれば、営業基盤を固めておかないと、どこかで無理が生じるでしょう。

だからこそ組織的な営業においては、営業基盤を固めるのが大切だといえます。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。