目次
- 失注メールが届いたら、どのように返信すべきなのか?
- 状況ごとで文面はどのように変えれば良いか?
- 失注の理由を聞き出せないか?
上記の疑問を持っている担当者は多いです。
失注メールに対する返信は、自社の印象を左右する重要な要素です。
今後の発注があるかどうか、ここで左右されます。
しかし失注メールに対する適切な返信を知らず、損をしている担当者と企業は多いもの。そこで本記事では以下の点を解説します。
なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。
- 失注した場合の返信例(テンプレート)
- 失注したメールに返信する場合の注意点
本記事を読めば、第一に失注メールに対する適切な返信方法がわかります。さらに今後の発注の可能性を多少なりとも高められます。ぜひご参考にしてください。
失注メールとは
失注メールとは商談や見積もりの段階で成約へとつながらず、先方から送信されるキャンセルメールを指します。
失注メールは成果へとつながらないメールですが、先方へ返信することで今後も良好な関係性を築けます。
失注メールを通じて新たに成約へとつながることもあるため、失注メールは放置せずに返信することが大切です。
失注メールの返信はビジネスマナーとしてだけではなく、今後のビジネスチャンスにつながる重要な役割があるのです。
失注メールに返信するべき3つの理由
失注メールに返信するべき理由として、以下の3点が挙げられます。
- 良好な関係を継続できる
- 顧客に好印象を持ってもらえる
- 次回の契約につなげられる
それでは順番に説明します。
1.良好な関係を継続できる
失注メールに返信することで、顧客と良好な関係を継続できます。
成約につながらなかったからといって失注メールに返信しなければ、顧客からは「自社の売上だけが目的だった」と思われる可能性も高いです。
営業パーソンは少しでも成果を上げるために新規顧客の注目しがちですが、失注後も顧客と連絡を続けていれば新しい商談につながりやすいです。
また、失注理由を聞くことで、自社商品・サービスの改善にもつながります。
そのため顧客と良好な関係を継続できる点は、失注メールに返信する大きなメリットといえます。
2.顧客に好印象を持ってもらえる
失注メールに対して丁寧な返信をすれば、顧客から好印象を持ってもらえます。
定型文ではなく、顧客一人ひとりに合わせた丁寧な文面を送ることで自社のイメージアップを期待できます。
また、失注メールの返信に自社商品・サービスの情報を提供すれば、新たな商材に興味を持ってもらうことが可能です。
有益な情報を提供してくれる企業として興味・関心を持ってもらえれば、継続的に関係を維持できます。
顧客に好印象を持ってもらえる点は、お互いにとってメリットです。
3.次回の契約につなげられる
失注メールの返信は、次回の契約につなげられます。
今回は成約につながらなかっとしても、丁寧に返信することで顧客に好印象を残せます。
結果として顧客と定期的なコミュニケーションを取れるようになり、新たなビジネスチャンスを得ることが可能です。
そのため次回の契約につなげられる点は、失注メールに返信するメリットの1つといえます。
失注メールの返信例一覧
まずは失注メールの返信例を解説します。今回は新規取引・ビジネス提案・注文や接待など、あらゆる場面を想定して多種多様なテンプレートを用意しました。
自社の置かれた状況に合わせたテンプレートを使いましょう。
※文面の最後部にある自社側の連絡先などの記載は割愛しています。
新規取引を断られた
⚪︎⚪︎商事
営業部 △△さま
お世話になっております。
ご連絡をいただきまして、感謝申し上げます。
貴社のご状況につき、承知いたしました。この度は状況に応じたご提案ができず、大変失礼いたしました。また弊社とのお取引をご検討いただき、誠にありがとうございます。
また別の形で貴社に貢献できるよう、今後も尽力いたします。
ご縁がございましたら、何卒よろしくお願い申し上げます。
見積もりを断られた
⚪︎⚪︎商事
営業部 △△さま
お世話になっております。
見積りにつきましてご返信いただきまして、ありがとうございます。
この度の見積りに際し、見送られるとのこと承知いたしました。貴社がご希望される条件をご用意できず、申し訳ございません。弊社製品のご利用をご検討いただきまして、誠にありがとうございました。
今後も貴社のお力になれるようなサービスやプロダクトをご提供できるよう、弊社一丸となって日々努力してまいります。その際は何卒、ご検討いただけますと幸いです。
引き続き、よろしくお願いいたします。
ビジネス提案を断られた
⚪︎⚪︎商事
営業部 △△さま
お世話になっております。
ご連絡をいただきまして、感謝申し上げます。
先日お伝えしましたご提案につき、見送られるとのこと、承知いたしました。
貴社のご期待に沿えなかったこと、お詫び申し上げます。
また弊社の提案についてご検討いただけたことに、改めて感謝申し上げます。
この度はこのような結果となってしまいましたが、今後も貴社のお力になれるように、社員一同尽力して参ります。
何卒お付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
注文がキャンセルされた
⚪︎⚪︎商事
営業部 △△さま
お世話になっております。
ご多用のところご返信をいただき、ありがとうございます。
以下の商品に関しまして、注文を取り消される旨、確かに承りました。
商品名:
数量:
金額
今後とも何卒ご愛顧いただけますよう、引き続きよろしくお願いいたします。
値引きを要請したものの断られた
⚪︎⚪︎商事
営業部 △△さま
いつもお世話になっております。
この度はご返信をいただき、誠にありがとうございます。
お値引きが難しいこと、承知いたしました。弊社の都合でご無理を申し上げてしまい、大変申し訳ございませんでした。
一度上長に相談したうえで、再度ご連絡させていただきます。
今回はお値引きに関して特別なご検討をいただき、誠にありがとうございます。
引き続きお付き合いいただけますよう、よろしくお願いいたします。
商談の場を断られた
⚪︎⚪︎商事
営業部 △△さま
お世話になっております。
ご多用のところご返信をいただき、ありがとうございます。
今回は打ち合わせの時間を設けるのが難しいとのこと、承知いたしました。貴社のご状況を理解せず、ご無理な相談をしてしまい、大変申し訳ございませんでした。
またお忙しい中スケジュールをご検討いただき、誠にありがとうございます。
今後もし弊社のサービスが必要となった場合は、いつでもお声掛けくださいませ。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
接待などを断られた
⚪︎⚪︎商事
営業部 △△さま
お世話になっております。
ご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
さて、先日ご連絡いたしました接待の件、お時間が合わないとのことで承知しました。
ご多用の中、ご無理を申し上げてしまい大変失礼いたしました。
またお忙しいところスケジュールを検討いただき、誠にありがとうございます。
またご都合が合いましたら、会食の中で今後について打ち合わせをさせていただければと存じます。
その際は何卒、よろしくお願い申し上げます。
参考|返信しつつ失注理由を聞き出す方法は?
⚪︎⚪︎商事
営業部 △△さま
お世話になっております。
ご連絡をいただき、誠にありがとうございます。
今回は商品の購入を見送られるとのこと、承知いたしました。貴社のお力になれなかったことを、お詫び申し上げます。
また弊社商品の購入をご検討いただけたこと、誠にありがとうございます。
私個人といたしましては、⚪︎⚪︎様とご一緒させていただき、貴社の新規ビジネス戦略の立案を後押ししたいと思っておりましたので、自身の力不足を大いに反省しております。
差し支えないようであれば、今回商品の購入をお見送りされた理由、もしくはそのヒントなどお教えいただけないでしょうか?
重ね重ねお手数をおかけして申し訳ございませんが、何卒ご教示いただければ幸いでございます。
失注メールに対して返信するタイミングは、自社製品や自身のセールスに関して直接的なフィードバックを取り入れる絶好のチャンス。可能であれば上記のように失注理由を聞き出しましょう。
ただし失注理由はメールで聞いても、本音が返ってこないケースも多々あります。「なぜあなたにそれを教えなければいけないのか」と思われやすいからです。
もし本音を聞き出したいならメールではなく、面会や電話連絡時に話の流れを組み立ててから聞くようにしましょう。これであれば「せっかく熱心に聞いてくれているのだから」といった具合で本当の理由を聞き出せるはずです。
失注メールを返信する際の注意点
上記が失注メールに返信する場合のテンプレートです。参考にしていれ概ね問題はありません。
ただし丸のままコピーして使うと、状況に合致しない場合もあります。以下のような注意点をおさえて、失礼のないメールを返信するようにしましょう。
- 検討に対するお礼
- 断りを受け入れた旨を表明
- 状況に応じたお詫び
- 次につながる言葉での締めくくり
それぞれ詳しく解説するのでご参考にしてください。
検討に対するお礼を述べる
まず、検討に対するお礼を述べるのが大切です。
今回たしかに失注こそしたものの、取引先はその点に関して多少なりとも検討はしています。
つまり自社に対して時間を使っているわけです。
中には検討に検討を重ねて、やっとの思いで決断したケースも存在します。
ビジネスでは「お時間を頂戴する」という言い回しがよく使われます。
つまり取引先が検討した時点で、自身もしくは自社は時間をいただいており、これにお礼を伝えるのが自然です。
すでに例文にも記載はありますが、これは削除せず、あるいは必要に応じて適宜編集して検討に対する適切なお礼を述べましょう。
断りを受け入れた旨を表明する
失注メールでは断りを受け入れた旨をはっきりと表明しましょう。ここが曖昧だと相手に不安を与えかねません。
断りを受け入れた旨は、冒頭の挨拶が終わった直下に記載しましょう。
はっきりと表明しなかった場合、「まだ何か売り込もうとしているのか」とあらぬ疑いをかけられます。
そうなると、実際には相手の言い分を受け入れているにもかかわらず自社の印象が悪くなるため注意が必要です。
なお断りに関しては、よほどのことがない限り受け入れるのが基本です。それ以上深追いはしないようにしましょう。
状況に応じてお詫びする
状況に応じてお詫びするのも大切のも大切です。特に接待の機会や値引きを求めるのは、相手型に相当な負担がかかります。この点に対してはお詫びの文面を残しましょう。
また、たとえお願いした内容が無理ではないと感じても、相手方からすれば慎重な検討が必要だった恐れがあります。
自身の価値観で判断せず、迷ったらお詫びの文面を残すのが基本です。
とにかく失礼がないように基本的にはリスクがないほうを選びましょう。
次につながるような言葉で締めくくる
次につながるような言葉で締めくくるのも、失注メールに対する返信では重要です。
すでに例文には記載していますが、「今回は失注という結果に終わったものの、今後とも何かあれば」というのが基本的な締め方です。
ただしこれだけだとテンプレートにすぎないので、先ほど触れたように失注理由を聞き出したり、あるいはその状況に応じた一文を添えたりすれば、次の取引につながる可能性がわずかながらでも高まります。
ただし注意したいのは、メールの文面で次につなげるにも限界があること。実際に新しい商談へつなげるには、電話連絡や直接対面するなかでのコミュニケーションが重要である点は忘れてはいけません。
診断コンテンツで改善策を見つける
診断コンテンツとは、ユーザーが複数の質問に回答した分析結果を表示させるコンテンツです。
失注メールの返信時に診断コンテンツを追加させることで、顧客の課題や商材の問題について回答してもらえます。
顧客からの回答を分析し、最適な提案を行うことによって成約率向上へとつなげられます。
インターネットには診断コンテンツのテンプレートが豊富にあるため、改善策を見つけるためにも失注メールの返信に反映してみましょう。
失注メールの理由を聞き出す方法
失注メールを受け取り、次回の改善策に活かすには顧客から理由を聞き出すことが大切です。
しかし、失注メールの理由を聞くことは相手に不快感を与える恐れがある場合も少なくありません。
例えば失注メールの理由を聞くときは、返信メールに「次回の改善に役立てたいと考えているため、もしよろしければヒントをお伺いできないでしょうか。」といった内容を記載することをおすすめします。
ただし、失注メールの理由を返信メールから聞く場合、本当の理由を答えてもらうことは難しいです。
どうしても失注メールの理由を聞きたいのであれば、少し時間を空けたタイミングで商談とは関係ない電話連絡などから質問してみましょう。
失注メールを防止するコツ
失注メールを防止するには、以下のようなコツがあります。
- 長期的な戦略設計を立てる
- 顧客に有益な情報を届ける
- PDCAを回す
それでは詳しく解説します。
長期的な戦略設計を立てる
メールマーケティングを実施するには、長期的な戦略設計を立てることが大切です。
先を考えずに運用を進めると、顧客に届けるコンテンツがネタ切れになる恐れがあります。
年間単位でイベントのスケジュールを作成し、どのような内容を顧客に提供できるのかを把握することでネタ切れを防止可能です。
また、担当者だけが戦略設計を立てるのではなく、部署のメンバーが協力することでヒントを見つけられます。
結果として顧客からの失注メールを防ぎ、求める成果へとつなげられます。
顧客に有益な情報を届ける
メールマーケティングでは、ターゲット顧客に向けて有益な情報を届ける必要があります。
顧客にとって不要な情報を届けたとしても、迷惑メールとして認識されてしまいます。
ターゲット顧客の抱える悩みや課題、ニーズなどを調査し、問題を解決できる内容を見つけることで有益な情報を提供可能です。
顧客に有益な情報を届けることで、失注メールを防ぐことにつながります。
PDCAを回す
メールマーケティングは、運用をしながら定期的な改善が必要です。
そのためにはPDCAを回しながら、メールの品質を向上させていく必要があります。
PDCAとはPlan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の4つの要素を回し、マネジメントの品質を高める概念です。
メールは配信して終わりではなく、顧客からの反応をデータ化しながら分析・改善をしていきます。
反応率の良かったメール内容を参考にすることで、コンテンツの質が向上して顧客から興味・関心を引けます。
失注メールを防止することにもつながるため、メールマーケティングを実施するときはPDCAを回すようにしましょう。
自社から失注メールを書くときのポイント
自社から失注メールを書くときは、以下のようなポイントをチェックしてください。
- クッション言葉を活用する
- 断る理由を明確に伝える
- 今後につなげるフォローを入れる
顧客と良好な関係を築くためにも、ぜひ試してみましょう。
クッション言葉を活用する
失注メールの内容を柔らかく表現するためにも、クッション言葉を活用しましょう。
「大変申し訳ございませんが」や「失礼ながら」、「ご期待に沿えず申し訳ございませんが」などのクッション言葉をメールに入れることで、相手を気遣っている意思を伝えられます。
相手との関係性や断る状況に合わせてクッション言葉を使うことで、今後も良好な関係を築けます。
断る理由を明確に伝える
失注メールを相手に送るときは、断る理由を明確に伝えることが大切です。
断る表現が曖昧になってしまうと、相手がどちらなのか判断できません。
例えば「検討しております」といった表現は、相手によっては正しく伝わりづらいです。
こちらが意図していない意味に捉えられた場合、あとでトラブルが発生する原因の1つです。
そのため失注メールを送るときは、曖昧にせずはっきりと伝えることで相手の理解を得られます。
今後につなげるフォローを入れる
失注メールを送るときは、今後につなげるフォローを入れることも重要です。
相手に次回の機会があることを伝えれば、今後も継続的な関係を築けます。
例えば「またの機会がございましたら、ぜひ宜しくお願いいたします」という文言を最後に入れることで、別の機会を設けることをアピールできます。
相手に好印象を残すためにも、失注メールでは今後につなげるフォローを入れておきましょう。
失注メールを新たなビジネスチャンスにつなげましょう
本記事では失注メールに対する返信例を解説しました。テンプレートを使えば問題ないコミュニケーションが取れます。ただしあくまでもテンプレートであるため、場面ごとで使い分けるのが重要です。
また今後のお付き合いや新しい発注につながるように、少しでも文面を工夫できないか常に考えるようにしましょう。
投稿者プロフィール
-
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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