
自社の営業が営業パーソン頼りにはなっていませんか?
効率的・組織的な営業になっていない場合には、営業プロセスが可視化できていない、または適正な管理ができていないかもしれません。
しかし、営業プロセスを適正に管理するには、どのような知識が必要なのでしょうか?
本記事では、営業プロセス管理の基礎知識やマネジメントの必要性を解説します。
営業プロセスのマネジメントに必要な5つのステップや注意点も、あわせてご覧ください。
なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。
【基礎知識】営業プロセスとは?

営業プロセスの管理には「営業プロセスとは何なのか」についての理解が必須です。
しかし、中には営業プロセスを誤解していたり、マネジメントの必要性の理解が不足していたりといったケースも。
本章では、営業プロセスの基礎知識を解説します。
1.マーケティングも営業プロセスのひとつ
営業プロセスは、大きく「集客・リードのフォロー・商談・リピーター獲得」の4つの枠組みから形成されます。
それでは、4つの枠組みの詳細を見てみましょう。
- 集客:ターゲティング・ランク分け・リスト化などを踏まえてリードを獲得
- リードのフォロー:リードを商談につなげるためのナーチャリング(メルマガ・セミナー・営業パーソンの対応)
- 商談:確度が高いリードの選定および商談の実施
- リピーター獲得:成約した顧客へのフォローを実施、アップセル・クロスセルにつなげてLTV(顧客生涯価値)を高める
4つの枠組みのうち、集客やリードのフォローはマーケティング分野であり、商談やリピーター獲得はセールス分野です。
しかし、マーケティング分野とセールス分野が密接に関連している点を考慮すると、営業プロセスは上記のような広い視野を持って管理する必要があります。
2.管理には営業プロセスの細分化が重要
効果的かつ高効率に成約に結びつけるには、営業プロセスを細分化して管理する必要があります。
例えば、商談プロセスにおいては、顧客に対して「準備・アプローチ・ヒアリング・プレゼン・クロージング」といった活動が必要です。
企業によって商談プロセスが異なるものの、営業活動の効果性や効率の良さを改善するには、工程ごとの分析に基づいた目標設定が必須。
よって、営業プロセスの管理には、営業プロセスを細分化することが重要です。
また、営業プロセスの細分化は、営業パーソンのスキルアップにも期待できます。
3.売上向上にはマネジメントが必須
売上向上を目指して、成果を注視するのは営業組織として間違ってはいません。
しかし、より大きな成果につなげるには、営業プロセスのマネジメントにも注意を払うべきです。
例えば、成約できなかった案件のプロセスを分析すれば、どこの段階にネックポイントがあるのかが見えてきます。
営業組織全体で結果を共有すると営業活動の改善につながる可能性があります。
このように、営業プロセスをマネジメントすることで、営業組織全体の強化につながるわけです。
近年では、市場競争の激化・購買行動の変化などを背景に、新規リードの獲得が困難になりつつあるのが現状です。
上記の状況の中で、売上向上を目指すには、営業プロセスをマネジメントする必要性が高まっています。
営業プロセスマネジメントに取り組む4つのメリット

営業プロセスのマネジメントには、プロセスの細分化や可視化によって得られるメリットがあります。
それでは、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
本章では、営業プロセスマネジメントに取り組むことの4つのメリットを解説します。
メリット1.目標が明確になる
営業プロセスにマーケティング分野・セールス分野と横断的な面がある以上は、共通目標を策定してチームとして行動しなければなりません。
しかし、分野が異なるため、目標に対する向き合い方はそれぞれで異なります。
そのため、共通目標を打ち立てるだけでは達成するのは困難でしょう。
そこで大切なのは、細分化したプロセスごとの短期目標です。
細分化したプロセスごとの短期目標の達成を積み重ね、着実に共通目標を達成できるよう促すのです。
このように、営業プロセスマネジメントではプロセスごとの短期目標を策定・明確化できるため、より大きな成果に期待できます。
メリット2.営業活動の改善につながる
営業プロセスを細分化することで、どの工程にどれだけの時間・人的リソースが必要かが把握できるため、ボトルネックの発見につながります。
例えば、マーケティング分野で10人のホットリードに絞り込んだ場合に、対応できる営業パーソンが不足した場合です。
この場合は、マーケティング分野の業務効率に対して、セールス分野の業務効率が追い付いていない状態を示します。
よって、営業分野のプロセスを見直しによる業務効率化に取り組むべきである、と判断できます。
横断的な視点から物事を捉えることで、営業組織全体の業務改善が可能です。
メリット3.業績が安定
営業プロセスマネジメントは、市場や商材の変化に左右されない営業組織の構築と、業績の安定化を図るのに有効です。
なぜなら、マーケティングからセールスまでの状況を一貫して把握することで、売上予測の精度が向上するためです。
営業プロセスマネジメントは、属人化の防止に有効なのもメリットのひとつ。
マネジメントする中で、プロセスが細分化されて可視化できるため、手法を標準化できます。
適切な営業プロセスマネジメントにより、売上予測の精度向上や手法の標準化が実現できれば、環境の変化にとらわれない柔軟さと強靭さをあわせ持つ営業組織を構築できます。
メリット4.効果的な人材育成を実現
営業プロセスを細分化・可視化する際に、好成績の営業担当者の行動を落とし込むことで、効果的な人材育成が可能です。
未経験者が配属された場合でも、洗練された手法や行動を学ぶことで、スムーズに人材を育成できます。
営業成果の効果測定には、KPI(重要業績評価指数)を活用するのがポイントです。
KPIは短期目標として設定できるほか、営業担当者の成果だけでなく、質の高さも測定できます。
営業プロセスマネジメントでは、KPIを活用することで、既存社員と新人社員の効果的な人材育成が可能です。
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営業プロセスマネジメントの構築は、自社オリジナルのものでなければなりません。
その理由は、最適な営業プロセスマネジメントは、企業規模・商材・ターゲットなどの要素によって異なるためです。
本章では、自社に最適な営業プロセスマネジメントを構築するための5つのステップを解説します。
ステップ1.戦略的なシナリオ立案
営業プロセスマネジメントにおいて、最初に取り組むべきは、ペルソナをもとにした戦略的なシナリオの立案です。
顧客となるであろう相手と目指すべきゴールを想定し、ゴールから逆算して最適な道筋を仮設立案します。
ステップ1で重要なのは、ペルソナをいかにして具体化するかです。
これまでの顧客情報を参考にしながら、抱えていた課題や成約につながった背景などの情報を落とし込みましょう。
ステップ1は、いわば自社オリジナルの営業プロセスマネジメントの設計図における基礎の部分です。
基礎を固めるために、丁寧に取り組むことが大切です。
ステップ2.購買プロセスの可視化
顧客が購買に至るまでのプロセスの例とそれに伴う心境の変化や要求を見てみましょう。
- 潜在的課題:問題があるのは認識しているが、何から手を付けていいのかがわからない
- 課題明確化:取り組みの方向性が定まっているが、自分だけでは解決は困難に感じている
- 情報収集:課題解決の最適な方法を選びたい
- 比較:導入のメリット・デメリット・コストなどを比較し、納得できるものを探す
- 検討:より詳細な情報をもとに購買を検討
- 導入:導入後のフォローを求める
上記のように、顧客の購買プロセスを、段階ごとの顧客の心情を含めて設計します。
商材の成約につなげるには、顧客が抱える心配事や期待をひとつずつ解消する必要があるでしょう。
そのため、段階ごとの顧客の心情は、顧客目線でリアルに描けるように議論することが大切です。
ステップ3.営業プロセスをステージごとに分類
続いて、顧客の購買プロセスに応じた営業プロセスを設計します。
購買プロセスに応じた設計例を見てみましょう。
- 潜在的課題:アプローチ(顧客に自社商材をアピールし、興味を抱いてもらう)
- 課題明確化:案件化(顧客のBANT条件・ニーズを把握し、ゴールを明確化)
- 情報収集:提案(顧客ニーズの解決策を提示)
- 比較・検討:交渉(見積もり書を提示し、キーマンの前向きな検討の合意を得る)
- 導入:受注(正式な契約を結ぶ)
営業プロセスを分類し、設計する際は、段階ごとの定義やゴールを明確にするのがポイントです。
仮に定義やゴールが不明確な状態を想定した場合、担当者の認識にズレが生じてしまうリスクが生じます。
したがって、段階ごとの案件保有量を管理するのが困難になり、売上見込みの算出にも影響します。
段階ごとの定義・ゴールの設定後は、営業プロセスの運用ルールを策定します。
実際に運用を開始したときの「どう判断すべきか」といった状況に対する拠り所となる基準を作るのです。
もちろん、全てが運用ルール通りに進行するわけではありません。
想定外の事態には、マネージャーと営業担当者が一体となって対応することで、メンバーのセルフマネジメント育成につながります。
ステップ4.プロセスごとのステージ移行率を想定
生産性の高い営業プロセスマネジメントには、ステージ移行率を把握して、段階ごとに不足するであろう案件量を補完する施策が必要です。
ステージ移行率とは、営業プロセスの段階が進んだ際に、案件量がどれだけ減ったかを示す値のこと。
まずはステージ移行率を、過去の実績をもとにして数値化し、目標から逆算して必要な案件数を割り出します。
その上で不足している場合は、原因分析と解決策を議論しましょう。
ステップ5.方程式を活用して指標を明確化する
営業プロセスマネジメントの最終ステップは、売上目標に対するギャップの計算です。
具体的には、売上目標達成に必要な要素を分解し、「量」と「質」に分けます。
- 量=集客数、見込み客数、メルマガ購読数、問い合わせ数など
- 質=商談成立数、初回面談数、リピーター数、案件単価など
上記の項目を用いて「量×質=目標(KPI:重要業績評価指標)」という方程式を組み立てます。
「質」の部分は、過去から現在までの実績を参考にしながら数値化してみましょう。
例えば、ステージ移行率や案件平均単価などが指標となるため、明確にしておくと良いでしょう。
これらの数値を掛け合わせたKPIが算出されることで、目標に対して不足している部分や強化すべきプロセスの把握が可能となります。
営業プロセスマネジメント効率化にはSFAが効果的

本記事では、営業プロセスの管理に関する基礎知識と構築方法を解説しました。
営業プロセスの管理は業務効率化・生産性向上に有効な反面、構築に必要なデータ収集に労力を割かれ、非効率的な作業に追われるシーンもあるでしょう。
営業プロセスの構築には、SFA(Sales Force Automation:セールス・フォース・オートメーション)の活用が有効です。
SFAは、営業メンバーの行動管理・案件管理などができ、必要なデータも即座に取り出せます。
当メディアを運営するsoraプロジェクトでは、SFAを活用した営業代行サービスを提供しております。
業務効率化・人材不足などでお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。
投稿者プロフィール

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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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