ザイオンス効果を営業で活用できるシーンとは?注意点や手段も解説

この記事を読むのに要する時間:約 2

ザイオンス効果は、効率的かつ効果的な営業活動を実施するのに必要な技術です。
ザイオンス効果を活用すると、顧客とコミュニケーションを図る上で信頼関係の構築が容易になります。

本記事では、ザイオンス効果の基礎知識をはじめ、営業活動で活用する方法を解説します。
ザイオンス効果を活用するときの注意点も、あわせてご覧ください。

なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。

ザイオンス効果とは相手の高感度を向上する手法

ザイオンス効果(単純接触効果)とは、接触した回数の増加にともなって、接触相手の警戒心が薄れて好感度や評価が上がる効果です。
たとえ最初は興味がなく警戒心が高くても、接触を繰り返した結果、無意識に警戒が薄れて身近に感じてしまう心理作用のこと。

なおザイオンス効果で重要視されるのは、接触した時間ではなく、接触した回数です。
一度の接触で長時間話し込むのではなく、ターゲットとなる相手の目にとまる頻度が高いほうが効果的だということを覚えておきましょう。

身近なところにもザイオンス効果があふれている

身近なザイオンス効果として、過去にアクセスした商品やサービスの広告が、繰り返し配信されるのが代表的です。
商品やサービスのページにアクセスしたということは、興味のあらわれとなるため、配信の繰り返しによって親近感を持たせようとしているのです。

同様に、テレビのCMも繰り返し配信して、ユーザーに親近感を与えています。

例えばパソコンを購入する際に、テレビCMでよく見るCPUが使われていれば、該当の商品が購入される確度は高まるでしょう。
テレビでCMが繰り返し放送された結果、ユーザーは「このCPUは大丈夫」と警戒心が薄れて、購入へと結びつきます。

上記のように、ザイオンス効果は身近な場面でも多様されている手法です。

ザイオンス効果を活用できる5つの営業シーンとは?

ザイオンス効果は、日常的に繰り返す営業活動の中でも活用できます。
本章では、ザイオンス効果を活用できる具体的な営業シーンを解説

営業活動の中で、ザイオンス効果がどのように活用できるのかを知り、意識的に実践してみましょう。

営業シーン1.アポイント前にザイオンス効果を活用

顧客と商談をする前に、資料送付や確認事項のチェックを実施するのは、当日の商談をスムーズに進めるだけが目的ではありません。
商談までに顧客との接触を繰り返しておくことで、相手が抱いている警戒心を薄れさせる効果を期待するためです。

アポイント前のザイオンス効果を狙ったアクションで、顧客はリラックスした状態で商談にのぞみやすくなるでしょう。
結果的に、商品・サービスに関する質問や意見などを話しやすくなり、より確度の高い商談へと進展できます。

営業シーン2.ザイオンス効果を定例会で活用

中長期的に取り組む必要のあるプロジェクトでは、定期的なミーティングの開催を提案しましょう。
プロジェクトにかかる期間にもよりますが、週1回・月1回といったように、定期的に顔を合わせる機会を作り出します。

定例会では、案件の進捗確認を中心に進行して、顧客からの要望や意見をこまめに聞き取ります。
定例会を繰り返すうちに、顧客からの信頼を得やすくなり、よりスムーズなプロジェクト遂行が可能です。

ただし、定例会のみに依存しすぎてはいけません。
日頃からメールや電話を使い、活発にコミュニケーションをとるように心がけておけば、顧客との信頼関係がより強固なものになります。

営業シーン3.ルート営業でザイオンス効果を高める

ルート営業は、一度の接触に時間をかけず、接触する回数を増やすべきです。

接触する時間が短ければ、顧客にしつこい印象を与えにくく、回数のみを増やしやすいです。
接触回数が増えると、ザイオンス効果の発揮に期待できるため、より効果的な営業活動を実現できます。

一度の接触で不足した補足情報は、接触後のメールや電話で補いましょう。
ひとつひとつの丁寧な対応により、顧客の印象アップにつながる上に、次の接触機会にもつながります。

営業シーン4.ザイオンス効果はメルマガでも効果的

メルマガは、顧客の時間を束縛せずに営業活動ができ、ザイオンス効果にも期待できる手法です。
メルマガは対面営業とは異なり、顧客が手の空いたタイミングで確認できる点と、繰り返し配信される2点でザイオンス効果を強く発揮します。

定期的にメルマガを配信する際は、MA・SFA・CRMなどを活用すると、より効果的です。
ITツールで顧客のニーズを細分化できていれば、メルマガのパーソナライズが可能となり、困ったときに「相談してみよう」と考えやすくなるでしょう。

営業シーン5.チャットツールでザイオンス効果を活かす

Chatwork・Microsoft Teams・LINE WORKSなど、ビジネスチャットツールはザイオンス効果の発揮に適しています。
なぜなら近年では、ビジネスシーン以外でもチャットツールを使用するのが日常的となっている人が多く、メールと比較して気軽なやり取りができるためです。

顧客は質問や要望の発信が容易になり、ビジネスチャット上でコミュニケーションを繰り返すうちに、ザイオンス効果を生み出します。

ビジネスチャットツールは、ときにフランクな内容でやり取りできることも魅力。
フランクな内容のやり取りは、顧客と営業パーソンの距離を縮めやすくなり、確度の高い商談へとつながる可能性が高まります。

ザイオンス効果を活用できる営業手段とは?

効率的にザイオンス効果を生み出して、かつ有効活用するには、アプローチの方法が大切なポイントです。
本章では、ザイオンス効果を生み出せる営業手段を3つ解説します。

営業手段1.フィールドセールス

顧客と直接対面できるフィールドセールスは、会話の雰囲気や温度感を把握できるため、ザイオンス効果を得やすいのが特徴です。
電話ではできない重要性の高い話題が生まれることもあり、新たな営業機会の創出にも効果的。

会話の内容や雰囲気から、ザイオンス効果を発揮できているかを確認しながら、効果的な営業活動に努めましょう。

営業手段2.テレアポ

近年では、営業を効率化するためにテレアポを導入する企業が増えており、繰り返して実施することでザイオンス効果を発揮します。
新規顧客を獲得したいときは、テレアポ1件にかける時間が長くなりすぎないように注意しながら、回数をこなすと効果的です。

既存の顧客に対して電話でザイオンス効果を生み出すには、メールだけでは伝わりにくい内容を伝えるときや、内容を確認したいときに活用します。
電話で丁寧に対応すると、顧客からの好感度が上昇しやすく、ザイオンス効果が高まります。

営業手段3.メールナーチャリング

サブスクリプション型の商品・サービスを扱う業種のように、一人の営業パーソンが多数の顧客を抱えている場合は、メールナーチャリングでのザイオンス効果を狙うのが効果的です。
メールでのナーチャリングは、メルマガ・ステップメールなどが代表的ですが、いずれも繰り返して配信するためザイオンス効果に期待できます。

メールナーチャリングは、メールの送付相手が多いことが前提となるため、リスト作成や属性に応じた分類などによる効率化が必要です。
名刺管理ツールのようなITツールを活用しながら、効率的に進めましょう。

ザイオンス効果を営業に活用するときの3つの注意点

ザイオンス効果は、顧客との信頼関係構築に有効な手法である一方で、顧客との信頼関係を崩壊させてしまうリスクがあります。
本章では、ザイオンス効果を営業で活用するときの注意点を解説

ザイオンス効果を活用した営業活動を、成功させるためのポイントとしてお役立てください。

注意点1.相手の関係性・相性をチェック

当然ながら、営業パーソンに対して悪印象を抱いている相手には、接触を繰り返す行為は逆効果です。
したがって、ザイオンス効果を狙った営業活動を実施する場合は、相手との関係性や相性のチェックが必須。

悪印象を抱いている相手や相性の悪い相手には、接触回数を増やすよりも、マイナスイメージの払拭が最優先です。
ザイオンス効果を高めるためにも、関係性を改善してから接触回数の増加を検討しましょう。

注意点2.接触するタイミングを最適化

就業後すぐ・お昼休憩・夕方以降の時間帯は、接触を避けるべきです。
一日の業務開始・終了時刻に近い時間帯は業務が集中しがちですし、お昼休憩は貴重な休み時間を削ることになるため、顧客からすると迷惑に感じてしまうでしょう。

接触するタイミングを最適化することは、営業パーソンのモチベーションにも大きな影響を与えます。

相手の都合を考えずに接触した結果、提案を断られた上に悪印象を持たれたのでは、営業パーソンの士気は低下。
その後の営業活動に対するモチベーションの低迷にもつながるリスクが想定できます。

接触するタイミングの最適化は、ザイオンス効果の高まりと営業パーソンのストレス管理に有効です。

注意点3.接触回数は10回まで

日本認知科学会が発表した「単純接触効果に及ぼす刺激呈示の回数と時間の影響」では、接触回数が5または10回のときに効果が最大化する可能性が示唆されています。
そのため、営業でザイオンス効果を活用するときは、接触回数の目安を多くても10回としておきましょう。

11回を超える接触は、顧客に印象に与える好影響がほとんどないばかりでなく、鬱陶しい印象を与えてしまいかねません。
回数過多の接触は営業活動の非効率化にもつながるため、10回を目安に注意しながら実施しましょう。

営業活動でザイオンス効果を活用したい方へ

本記事では、ザイオンス効果の基礎知識や活用できるシーンなどを解説しました。
ザイオンス効果は効果的な営業活動に有効ですが、人材不足という課題を抱えていては、顧客との接触回数を増やすのは難しいケースも。

当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトでは、豊富なノウハウを活かした営業代行を提供しております。
インサイドセールス代行・テレアポ代行なども提供しており、柔軟な提案で新規開拓を総合的にサポート可能。

人材不足でお悩みの際は、お気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。