営業計画とは?立て方や作り方をご紹介!営業活動を効率化しよう

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営業目標を立てる企業は多いですが、その目標を達成するために手あたり次第に営業をかける社員も多いようです。
しかし、闇雲な営業は顧客に迷惑をかけるだけであり、期待どおりの成果も得られません。
営業目標を達成するためには、綿密な営業計画が必要です。計画を細かく数値化することで効率よく活動でき、大きな成果につながります。
そこで今回は、営業活動を効率化できる営業計画の立て方・作り方について解説します。

営業計画とは

営業活動により得られる売上や利益の目標を数値化し、ターゲットの絞り込みや営業戦略、営業活動についてまとめたものを営業計画と呼びます。
営業計画によっては、スタッフの教育や新規採用などの人員計画も含まれます。

自社の「強みと弱み」となる内部要因と、「機会と脅威」の外部要因を照らし合わせて分析する「SWOT分析」を活用したり、マーケティング計画と併せてプランニングしたりして、ターゲットに対してどのようなアプローチを行うか、綿密な計画を立てなくてはなりません。

営業計画は目標から逆算する

営業計画を立てる際は、営業目標を逆算して日々の数値目標を設定します。
目標となる受注金額や件数を数値化することで、1日・1週間・1カ月ごとに必要な行動量を算出できます。

たとえば、販売予定の商材が100万円で年間目標が1200万円の場合、毎月1件の受注が必要です。

成約率が10%であれば、月に10件の商談をセッティングできたら1件は成約まで進める可能性があるため、最低でも毎月10件の商談を目標にしなくてはなりません。

また、商談まで進むテレアポ率が10%の場合、毎月10件の商談を獲得するためには毎月100件のテレアポが必要になります。

営業計画に必要な項目

営業計画を立てる場合、どのように目標を達成していくのか内容を細分化し、具体的な項目を挙げて作成します。
営業計画に必要な項目は、主に以下のとおりです。

  • ミッション
  • メンバー
  • ターゲット
  • ツール
  • ポジショニング
  • マーケティング計画
  • 新規顧客獲得戦略
  • 営業目標
  • 予算

営業計画の立て方・作り方

ここからは、営業計画に必要な項目を用いた、計画の立て方や作り方について紹介します。以下の内容を検討しながら作成しましょう。

  • ミッションを作成する
  • メンバーを構成する
  • ターゲットを絞る
  • ツールを決める
  • ポジショニングを設定する
  • マーケティングを計画する
  • 新規顧客獲得戦略を決める
  • 営業目標を立てる
  • 予算を決める

ミッションを作成する

自社の理念やビジョンをまとめたものがミッションで、その部門が果たすべき使命や存在意義を表しており、営業活動で何を重視すべきかを記載します。

顧客ニーズに応えられるミッションを策定するだけでなく、営業がミッションに対して責任を持って深く関われるよう、環境を整えることも必要です。

ミッションを作成することにより、営業社員の目標に対する意識付けが可能になります。

メンバーを構成する

営業目標を立てるうえで必要となるメンバーを選出し、チームを構成します。

チームごとの役割とメンバーそれぞれの役目を割り当て、どのような営業活動を行うか明確にします。

たとえば、チームリーダー1名に対して営業スタッフが5名、セールスオペレーターが10名といったように、チームを構成して役割を分担します。

新たなチームで人員補充が必要となる場合は、別途採用計画を立てる必要があります。

ターゲットを絞る

ペルソナを具体的に設定することで、より細かくターゲットを絞れます。

顧客層が法人であれば、社員数や資本金などの企業規模や業種などで、個人であれば性別や年代、収入などでペルソナを設定します。

たとえば法人の場合、IT企業で社員数100名以上、資本金1000万円以上といったように、ペルソナを設定します。
さらにターゲット企業の担当者の役職を課長以上にするなど、細かく設定することも可能です。

個人の場合は、30代から40代前半の男性、年収500万円以上などと設定することで、ターゲット像がイメージしやすくなります。

ツールを決める

営業計画では、営業活動に使用する営業ツールなどのリソースも含めなくてはなりません。
営業ツールにはさまざまな種類がありますが、一般的に利用される主なツールは以下のとおりです。

CRM

CRMとは顧客管理ツールのことで、「Customer Relationship Management」を略した言葉です。

名前や住所などの個人情報はもちろん、これまでのやり取りなどを記録できるため、顧客情報を一元化して統合管理することが可能です。

これまで部署ごとで管理していた顧客データを共有できることから、業務の効率化が図れます。

また、CRMを利用すれば簡単に情報を抽出して閲覧できるため、顧客ごとの特性や事情などを確認できます。

外出先から顧客情報を確認できるので、顧客からの問い合わせに対しても素早く対応できます。

SFA

SFAとは「Sales Force Automation」の略語で、営業活動を支援するツールを意味します。

営業部全体の情報管理、業務の自動化、データ分析による効率化やボトルネックの発見などが可能で、営業活動の生産性を向上させる目的で利用されます。

日々の営業活動を入力すると、次に起こすべきアクションや訪問予定を教えてくれたり、自動的に報告書を作成したりすることが可能です。

営業計画に必要なデータが蓄積されているため、営業計画を立てる際に欠かせないツールのひとつといえます。

参考:SFAにはどのような機能が搭載されているのか?選び方も解説!

ポジショニングを設定する

競合企業との差別化を図るため、自社製品の魅力や独創性をターゲットに示すことをポジショニングと呼びます。

競合企業をリストアップして自社製品と競合企業製品を比較し、それぞれの価格設定や優れている点、競合状況などを記載してポジショニングを設定します。

ポジショニングを設定する場合、競合企業との競争ばかりに目を向けるのではなく、自社製品に備わっている魅力をターゲットに伝え、競合企業と争わずに優位性を確保することを意識しなくてはなりません。

自社製品のみに備わっている機能やサービスをアピールし、顧客に価値あるものとして認識してもらうことを重視しましょう。

マーケティングを計画する

マーケティングとは、業界の課題やトレンドなどをリサーチし、市場のニーズを理解したうえで新しい価値を作り出し、利益を上げることを指します。

顧客のニーズを深く理解することで、どのような製品をどのような価格でどのように提供するかを計画できます。

営業計画のマーケティング計画では、市場を分析し、製品の価格設定やプロモーション、販路や販売方法などについて計画を立てます

新規顧客獲得戦略を決める

新規に顧客を獲得するため、以下の手法を用いて戦略を立てます。

リードジェネレーション

営業計画におけるリードとは見込み客のことで、契約に至っていないが将来的に取引相手となり得る可能性のある顧客を意味します。

リードジェネレーションとは、そのリードを獲得する活動のことを指します。

たとえば展示会やセミナー、イベントの参加、Webサイトからの資料請求やキャンペーンへの申込み、アンケート入力などがリードジェネレーションに該当します。

リードジェネレーションでは、顧客の連絡先などの浅い情報しか得られておらず、信頼関係を構築するまでには至っていません。

リードナーチャリング

リードジェネレーションで獲得したリードを、より有望なリードへと育成する活動をリードナーチャリングと呼びます。

リードナーチャリングで段階的にアプローチして良質な情報を提供し、顧客の購入意欲を高めるとともに信頼関係を構築します。

リードクオリフィケーション

リードナーチャリングにより育成したリードの中から、購入意識の高いリードを絞り込むことを、リードクオリフィケーションといいます。

自社製品に興味を抱いている顧客を選別するため、アプローチをかけやすい状態にあります。

リードジェネレーションでリードを獲得し、リードナーチャリングでリードを育成、そしてリードクオリフィケーションによりリードを選別するまでの流れが、新規顧客獲得戦略となります。

営業目標を立てる

営業目標の立て方は収益ベース、もしくは営業活動指標などをベースに設定できるため、企業ごとで異なります。

一般的には収益をベースに営業目標を立てる企業が多いようですが、経常利益や営業利益をベースに目標を設定をするとこともあるようです。

営業目標を立てる場合、現実的に可能な数値を設定しなければなりません。

また、営業目標の達成状況を確認するために、重要業績評価指数といわれる「KPI(Key Performance Indicator)」を定めておいたほうが良いでしょう。

参考:フレームワークを使った営業戦略の立て方とステップを解説

予算を決める

売上目標に対し、必要となる予算を決定します。

給与やコミッションなどの人件費、営業ツールなどのリソース費、社員育成費用や接待交際費、設備投資や販促費などの項目をあげ、予算を細かく設定します。

また、実際の売上や経費に対し、達成率を評価して予算を増減させる予実管理も必要です。

まとめ:営業計画の精度が高いほど成果につながる!

営業計画は数値化することで精度が上がり、成果をあげやすくなります。

普段から営業活動や売上状況を蓄積してデータ化し、さまざまな角度から分析することで、将来の売上へとつなげられます。

営業計画の精度が高いほど営業活動を効率化できるため、営業ツールなどを積極的に活用してみてはいかがでしょうか。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。