アウトバウンドのマーケティング手法とは?インバウンドとの違いも解説

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  • アウトバウンドマーケティングとは何か?
  • 対してインバウンドマーケティングは何か?

営業活動を進めるにあたって、上記について考えたことはありませんか?

アウトバウンドマーケティングは、ビジネスを運営していくうえで重要な概念です。セールスの基本中の基本であり、知識として持っておく必要があります。

そこで本記事では以下の点について解説します。

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  • アウトバウンドマーケティングの定義や現状
  • アウトバウンドマーケティングのメリット
  • アウトバウンドマーケティングで利用される手法の種類
  • 成果を出すためのポイント
  • インバウンドマーケティングとの違い

本記事を読めばアウトバウンドはもちろん、関連するマーケティング手法についてすべて理解することが可能です。ぜひご参考ください。

アウトバウンドマーケティングとは?

アウトバウンドマーケティングとは企業から顧客へ直接的に発信するスタイルの手法です。商品やサービスについて潜在的な顧客層へ訴えかけて成約へと導きます。

テレビのCMやダイレクトメールなど、企業側から発信している施策がアウトバウンドマーケティングに該当します。商品やサービスを押す(推す)ことになぞらえて「プッシュ型」と呼ばれることもある手法です。

また、展示会やイベントなどの対面式手法の一部もアウトバウンドマーケティングとして活用されています。

アウトバウンドマーケティングを取り巻く現状

アウトバウンドマーケティングは衰退したと指摘されることもありますが、それはなぜでしょうか。
最大の理由として挙げられるのはインターネットの登場です。

従来はインターネットがさほど普及しておらず、テレビCMや新聞などでの企業発信がメインでした。

情報源が少なく競合しづらいため、アウトバウンドマーケティングは威力を発揮しやすかったのです。

しかし、インターネットが現れたことでユーザーは能動的に情報を取得できるようになりました。今までよりずっと多くの企業が広告を出稿し、ユーザーはあらゆるサービスや商品を比較検討できる環境になっています。

アウトバウンドマーケティングで顧客獲得しても、常に上位互換になりうる商品が広告されており、乗り換えられるパターンも数多くあります。

インターネットの普及はたしかに企業に大きな成長をもたらしました。その一方で広告市場を大きく拡大し、アウトバウンドマーケティングだけでは足りない状態をも作り出しています。

とはいえ、アウトバウンドマーケティングが未だすべての企業において必要な戦略であることは変わりません。

アウトバウンドマーケティングを実施するメリットとして以下3点が挙げられます。

  • 顕在顧客に対して効果が早期に得られる
  • インパクトのある訴求を実施できる
  • あらゆる層にアピールできる

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

メリット1. 顕在顧客に対して効果が早期に得られる

アウトバウンドマーケティングを実施する最大のメリットは顕在顧客に対して効果が早期に得られること。

アウトバウンドマーケティングでは「企業が顧客へアプローチをかける」という手法です。そして顕在化している顧客にターゲティングできていれば、早い段階で商談や成約に到達できます。

たとえばYouTubeのパーソナライズド広告という手法について考えてみましょう。これはYouTube上で、ユーザーの興味関心をアルゴリズムが判定し、それに沿った内容の広告を選んで掲載するというもの。

たとえばコスメに興味があるなら、まさにコスメのパーソナライズド広告が掲載されるわけです。

つまり最初から興味関心が高いので、アウトバウンドマーケティングで獲得した顧客は顕在的でビジネス上での効果が早期に得られると言えます。

メリット2. インパクトのある訴求を実施できる

アウトバウンドマーケティングではインパクトのある訴求を実施できるのもポイント。

たとえばCMについて考えてみましょう。この場合は演出・カメラワーク・音楽、そしてナレーションや出演者などを吟味し、強烈なメッセージを発することが可能です。

これはアイウェアメーカー、「JINS」によるCM。

格安のアイウェアを取り扱っているとは思えないような高級感あふれる背景と世界観を演出しています。

さらに近年注目されているお笑いコンビやアイドルをキャスティングしたことで、ぐっと目を惹きつけるCMに仕上がり、インパクトがしっかりと発揮されています。

CMのみならず他の手法でも工夫を重ねることで、より強力なインパクトを伝えることが可能です。

メリット3. 不特定多数に対してアプローチできる

アウトバウンドマーケティングのメリットとして不特定多数にアプローチできる点も挙げられます。CMでもWeb広告でも、多くの消費者・ユーザーが視聴するからです。

つまり新しい商材・サービスの新規展開などでは、知名度を高めるうえでたいへん役立つでしょう。

そこから商談・成約を導く場合は、リードナーチャリングを具体的に計画立てることが大切です。このように準備しておけば不特定多数から現れた見込み顧客をキャッチして、取りこぼしなく売上まで持っていきやすくなります。

アウトバウンドマーケティングのデメリット

一方でアウトバウンドマーケティングは、近年デメリットのほうも注目されるようになりました。

  • コストが膨らみやすい
  • 記録されないので露出期間のみにしか効果がない
  • 消費者に忌避感を持たれるケースが多い
  • コンテンツ作成に時間がかかる
  • ROIの予測幅が大きい

アウトバウンドマーケティングそのものがすべての役割を終えたわけではありません。

CMもダイレクトメールも、まだ運用する必要があるでしょう。しかしこういったデメリットがあり、場合によっては他の手法が適切なことはいくらでもある点に注意しましょう。

アウトバウンドマーケティングで利用される手法の種類

アウトバウンドマーケティングで利用される手法の一例として以下が挙げられます。

  • CM
  • メールマガジン
  • 展覧会などのイベント
  • テレアポ
  • リスティング広告
  • 新聞や雑誌の広告
  • 飛び込み営業

こちらか積極的にアクションするなら、おおむねアウトバウンドマーケティングに分類できます。比較的実施しやすいメールマガジン、リスティング広告のほか、CMや展覧会などコストがかかるものまでさまざま。

また対面式では飛び込み営業による新規開拓営業もアウトバウンドマーケティングとなります。

アウトバウンドマーケティングで成果を出す方法

アウトバウンドマーケティングで成果を出すには以下4つのポイントを実践することが重要です。

  • ペルソナをよく研究する
  • 適切な手段を選ぶ
  • インバウンドとの融和性を意識する
  • パフォーマンスを分析して改善へとつなげる

アウトバウンドマーケティングは簡単な手法ではありませんが、きちんと設計すれば高い効果を得られます。4つのポイントについて詳しく解説します。

ペルソナをよく研究する

アウトバウンドマーケティングを成功させるうえでもっとも重要なのはペルソナをよく研究すること。ペルソナが正確であればあるほど、マーケティングに対する反響が大きくなります。

たとえばWEB CMを公開するとして、商材が若い女性向けのコスメだったとしましょう。そうするとペルソナは、20代前後の女性となります。

また商材が高価な路線であれば、ある程度経済力があるOLなどに絞られてきます。また美容意識が高いことも伺えるでしょう。

このように、商材から逆算するかのようにしてペルソナを導き出してよく検討することが重要です。狙いが定まらないとコストを投じても反響がほとんど得られない可能性もあるので注意しましょう。

適切な手段を選ぶ

アウトバウンドマーケティングを実施するうえでは適切な手段を選ぶことが重要です。手法が適切かどうかで、その成果が大きく変わります。

たとえば新しい商品を宣伝するならまずは認知度を高めたいところです。そうすると飛び込み営業やテレアポは、あまり効果がないとわかります。

しかしCMや新聞への折り込みであれば、不特定多数にアプローチでき、認知度アップが期待できます。

このようにして、常に自社の状況や商品の特性にフィットした手段を選ぶようにしましょう。

インバウンドとの融和性を意識する

インバウンドとの融和性を意識することも重要です。

多くの場合企業ではアウトバウンドとインバウンド、両方の手法を用います。たとえばCMを打ち、同時にオウンドメディアも展開する、といったことです。

そうするとCMを打った段階で、オウンドメディアへアクセスが集まるような文言を入れておきたいところです。たとえば「公式サイトから応募して抽選で景品が当たる」といった導線を作りましょう。

このようにしてインバウンドとアウトバウンドの融和性を高めることで、より合理的なマーケティングが実施できます。

パフォーマンスを分析して改善へとつなげる

アウトバウンドマーケティングを実施するならパフォーマンスを分析することも重要です。

近年ではマーケティング・営業の支援ツールにて、あらゆる部分をデータとして集計することが可能です。よい数字と改善が必要な数字を認知できるようにしましょう。

そして改善策を打ち出し、またアウトバウンドマーケティングの実施へと戻ります。この繰り返し(PDCAサイクル)によって、アウトバウンドマーケティングの精度を少しずつ高めることが可能です。

アウトバウンドと対照的なインバウンドマーケティングとは

アウトバウンドの対となる概念としてインバウンドマーケティングが挙げられます。この機会にその定義とメリットも理解しておきましょう。

インバウンドマーケティングとは、顧客に発見されるのを待つスタイルを指します。企業が何らかのコンテンツを提供し、確度が高い顧客を集めるのが基本。

そして最終的には見込み顧客から問い合わせや申し込みを獲得する、という手段です。たとえばSEO対策、SNSでの発信、動画マーケティングなどが具体的な施策として挙げられるでしょう。

インバウンドマーケティングのメリット

近年注目されているインバウンドマーケティングですが、具体的には以下のようなメリットがあります。

  • コストを抑えやすい
  • IT・Web全盛の時代にフィットする
  • コンテンツの資産化

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

メリット1. コストを抑えやすい

インバウンドマーケティングにおける最大のメリットはコストを抑えやすいこと。具体的な手法としてSEOやSNSマーケティングなどが挙げられますが、これらは少なくとも新規営業やTVCMの出向と比較してコストはかかりません。

内製化も実現しやすく、アウトバウンドマーケティングと比較して経済合理的なやり方だといえるでしょう。

メリット2. IT・Web全盛の時代にフィットする

IT・WEB全盛の時代にフィットするのも、インバウンドマーケティングのメリット。

近年では誰しもがインターネットで調べ物をする時代になりました。スマートフォンもすでに普及しており、検索される機会は数知れません。

そんな中多くのユーザーが存在するインターネットにおいて情報発信し、なおかつ運用さえ適切であれば顧客の方からコンタクトを得られます。

特に現代はInstagramやTwitterをはじめとしたSNSにおいて、いくらでも有効に広告出稿できる時代です。うまく媒体や広告形態を活用すれば、多くのコンバージョンが獲得できるでしょう。

メリット3. コンテンツを資産化できる

コンテンツを資産化できるのもメリットです。一度公開した情報は、基本的にWeb上で存在し続けます。

たとえば企業がYouTubeチャンネルを配信していた場合、それはアーカイブとして残り続けるわけです。残された動画が永続的に集客したり、あるいは広告収益を発生させ続けたりすることもあります。

コンテンツを資産化できるのはインバウンドマーケティングにおける強烈なメリットだといえるでしょう。

アウトバウンドマーケティングでよくあるQ&A

本記事ではアウトバウンドマーケティングについて解説しました。最後によくある、あるいは混同されがちな点についてQ&Aの形式で解説します。

  • インサイドセールスとは何が違う?
  • ダイレクト・コンテンツセールスとの違いは?

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

アウトバウンドマーケティングはインサイドセールスとは何が違う?

インサイドセールスとは、自社内オフィスからテレアポやDM、あるいは既存顧客へのセルアップを実施すること。つまり「セールスする場所」によって区分けされた言葉です。対義語はアウトサイドセールスで、いわゆる外回り営業などを示します。

アウトバウンドマーケティングは企業から顧客へ積極的に発信する「方向性」を示すもの。

つまりそれぞれまったく違う切り口で、ビジネスを区分けしています。

関連記事:インサイドセールスとは?他社での劇的成功事例5選

ダイレクトセールスやコンテンツセールスとの違いは?

ダイレクトセールスとは、BtoCビジネスにおいて、商品・サービスメーカーが卸をはさまず直接小売することを意味します。

この場合はDMやテレアポ・SNS・SEOが広く活用され、ダイレクトセールスはアウトバウンドマーケティングに内包されていると言えるでしょう。

まとめ:アウトバウンドのマーケティング手法を理解して活用しよう!

本記事ではアウトバウンドマーケティングの定義やメリット、インバウンドとの違いなどについて解説しました。最後に重要なポイントをおさらいしておきましょう。

  • アウトバウンドマーケティングとは、企業側から顧客へ広告などでアプローチする手法
  • 現在はインターネットの登場で衰退していると言われるものの、依然として強力な手段
  • 効果が早期に得られやすく、不特定多数にアピールできるなどのメリットがある
  • 一方で近年は「ハイコスト」「ROI予測幅が大きい」などのデメリットも目立っている
  • 対義語はインバウンドで、「顧客からの連絡や問い合わせを待つ」スタイルを指す
  • インバウンドマーケティングのほうが合理的なケースも多いため、併用が大切

企業がマーケティングを考えるとき、数多くある手法から何をチョイスするかは重要です。

その中で、アウトバウンドマーケティング手法の各種は、顧客に直接的なアプローチができる点からあらゆる業種・業界で使われています

アウトバウンドマーケティングの注意点やデメリットも理解しつつ、合理的に活用しましょう。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。