営業の属人化はいけないこと?ダメな理由や解消方法を解説

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営業組織の中で、「人によって売上に差がある」「クレーム対応がうまくできていない」「教育に時間がかかっている」といった問題が起きてはいないでしょうか。
このような問題は、「営業の属人化」が原因となって生じています。

営業の属人化をそのままにしていると、組織力が低下しパフォーマンスが悪化してしまいます。
しかし、マネージャーを中心に少しの工夫をすることで改善できる問題です。

この記事では営業の属人化が起きてしまう理由や、解消するための方法について解説します。

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営業の属人化とは?解消しなければならない理由

「属人化」とは、特定の社員が行っている業務が、その人にしか分からなくなってしまっている状態です。
営業が属人化してしまうと、業務だけでなく成果も特定の社員に依存してしまいます。

現在では働き方の多様化に伴い、リモート営業が推進されたことで属人化が深刻化している現状もあります。
株式会社コミクスの「営業マン成果の属人化に関する実態調査」では、リモート営業化が進む中で「営業マンの成果がより属人化している」と感じている人が75%いました。

では、営業が属人化するとどのような問題が起こるのでしょうか。
ここでは主な課題を4つ解説します。

営業マンの対応が自己流になってしまう

営業の属人化が進むと、顧客への対応が自己流になってしまいます。
自己流だったとしても、その人が成績トップであれば問題ありません。

しかし、新入社員が自己流になってしまったらどうでしょう。
また、成果に伸び悩んでいる人が自己流の営業を続けていくことを考えてみてください。

間違ったやり方で営業を続けていた場合、売上は一向に上がらないでしょう。
人はどうしても、自分のやりやすい方法で仕事をしてしまいがちです。

営業は組織やチームで行うものでもあり、各々が自己流の営業を続けていると組織の成果も出にくくなるでしょう。

新人教育や引き継ぎに時間がかかる

営業が属人化していると、新人教育や引継ぎに時間がかかってしまいます。
新人教育では商品知識や営業の手法など、さまざまなスキルを教えなければなりません。

属人化してしまうとノウハウが確立されないため、どのように教育すればいいのかと、教える側も混乱してしまうでしょう。

また、特定の社員が異動や退職になった場合は引き継ぎをしなければなりません。
営業スキルが属人化していると引き継ぎに時間がかかるだけでなく、顧客とのやり取りがうまく共有できない場合があります。

担当者がいなくなってしまった後に「顧客に同じ内容を説明する」「内容の漏れがあるまま契約が進む」ことになり、結果的に顧客が離れてしまう可能性もあるでしょう。

営業ノウハウが残らなくなる

営業ノウハウが残らなくなる点も、起こる問題のひとつです。
セールストップの営業マンがいたとしても、そのノウハウがまとめられていなければ他の担当者がスキルを得ることはできません。

結果的に、自己流の営業方法で仕事をするしかなくなってしまいます。
ノウハウが見える形で残っていなければ、組織やチーム全体の成長も難しくなるでしょう。

クレーム対応が困難になる

クレームは適切な対応が必要ですが、営業が属人化していると対応が困難になってしまいます。
なぜなら、営業の属人化により顧客情報が共有されていないために、顧客の状況をすぐに把握できなくなっているからです。

クレーム対応をする場合、顧客の持つ不満や求めていること、どのように対応すべきかの把握が大切になります。
顧客の状況を即座に把握できなければ適切な対応ができず、顧客をさらに怒らせてしまう場合もあるでしょう。

最悪の場合、顧客が離れてしまう可能性もあります。
クレーム対応を適切に行うためにも、また、機会損失を防ぐためにも、情報の共有により属人化を解消する必要があるのです。

営業の属人化はなぜ起こるのか

営業の属人化が起こってしまう理由は、人の心理や業務の忙しさなどが関係しています。
ここでは主な理由を詳しく解説します。

自分の立場を守りたいから

営業のノウハウを共有してしまうと他の人も仕事がうまくいくようになり、自分の評価が下がってしまうかもしれません。
それを恐れて情報やノウハウを共有しないために、属人化が起こっているケースもあります。

自分の立場を守るために、営業のノウハウや知識を教えたくないと考えてしまうのは自然なことではないでしょうか。
営業職は、実績により給与や賞与を決めているケースもあります。

このような場合は特に、自分の立場を守りたいという意識が働く傾向が高くなるでしょう。

ミスの発覚を防ぎたいから

営業の属人化を防ぐためには情報の共有が必要です。
その場合、成果だけでなくミスも共有しなければなりません

ミスを共有すればそこから課題を見つけ、解決法の検討ができます。
つまり、その後のミスを防ぐことにもつながるのです。

営業に関わらず、ミスをしてしまうことは誰にでもあるでしょう。
しかし、ミスはできるだけ隠したいと思ってしまうのが人の心理でもあります。

このような心理から情報の共有が行われず、営業の属人化が起きているケースもあります。

業務が忙しいから

業務が忙しすぎて情報共有ができない場合もあります。
営業の仕事には、新規顧客開拓から資料作り、顧客との連絡などさまざまな業務があるものです。

このように、単純に仕事が忙しすぎて情報共有ができず、営業の属人化が起きているケースもあります
忙しすぎて伝えるべき重要な情報が共有できなければ、トラブルにつながる可能性もあるため注意が必要です。

属人化を防ぐ仕組み作りがされていないから

そもそも、営業の属人化を防ぐ仕組み作りがされていないケースもあります
担当者が営業の属人化に問題を感じていなかったり、忙しいからと後回しにしていたりする場合もあるでしょう。

営業の属人化を防ぐ仕組みづくりがされないと、組織全体の成果を上げられないだけでなくスムーズな引き継ぎができないなど、今ある課題は解消できません。
課題解決のためにも、属人化の解消は会社にとって必要なことなのです。

営業の属人化を解消する方法

営業の属人化を解消すれば、担当者がいなくてもスムーズに業務が進み、新人教育もしやすくなるでしょう。
属人化を解消する方法には、以下の4つが挙げられます。

  • 情報共有の場を作る
  • 営業マニュアルを作る
  • ツールを導入して情報の共有・管理をする
  • 継続的な評価・改善

ここではそれぞれの詳細を解説します。

情報共有の場を作る

営業の属人化を防ぐためにできることとして、情報共有の場を作る方法があります。
定期的に会議を行う、ランチミーティングをするなど、積極的に情報共有をしていきましょう。

情報共有の場では、成功事例や営業ノウハウ、うまくいった事例などを伝えます。
必要な情報を共有し、チーム全体の成果を上げていきましょう。

会議などで実際に会わなかったとしても、CRMなどのツール導入により簡単に情報共有はできます。
ツールについては後述するため、参考にしてみてください。

ツールを導入して情報の共有・管理をする

営業の属人化を防ぐ方法として、ツールを導入するのも一つの方法です。
定期的に会議をすることは必要ではありますが、時間がかかってしまったり全員が集まれなかったりするケースもあるでしょう。

そんな場合は、CRMやSFAといったツールを利用すればより簡単に情報共有ができます。
CRMとは「顧客関係管理」と呼ばれ、顧客情報を管理できるツールです。

SFAは「営業活動自動化」と呼ばれ営業活動を効率化するツールで、案件情報や商談情報などの共有ができます。

CRMやSFAについて詳しく知りたい方は、以下を参考にしてみてください。

営業マニュアルを作る

営業マニュアルを作るのもおすすめです。マニュアルを作っておけば、営業水準の担保ができるようになります。新入社員が入った時も、教育に多くの時間を使わなくて済むため便利です。

つまり、余計な時間や人件費の削減が可能になります。
トップ営業マンの行動分析をしてマニュアルを作れば、チーム全体の成果も上げられるようになるでしょう。

営業マニュアルの作り方については、以下を参考にしてみてください。

継続的な評価・改善

属人化解消のための活動ができたら終わりではありません。
継続的な評価・改善をしていきましょう。

営業マニュアルに使いづらさを感じたら、使いやすいよう作り直す必要があります。
また、より効率的な営業方法が見つかった場合、新しい情報として記載したほうがその後に役立ちます。

標準化ができた後も継続的に評価を行い、必要であれば改善も行いましょう。

営業の属人化解消のためには時間を作る必要がある

営業の属人化解消のためには、そのための時間を作らなければなりません
先に挙げたように、情報共有の場を作ったりマニュアルを作ったりしなければならず、業務以外にやることができてしまいます。

また、ツールを導入すれば慣れるまでが大変です。
しかし、解消のための行動をすれば以下のメリットが得られます。

  • 業務効率化につながる
  • ノウハウの蓄積ができる
  • 業務のフォローが可能
  • 教育や引き継ぎがやりやすくなる
  • コスト削減

時間はかかりますが、先を見据えて積極的にマニュアル作りや情報共有の時間を作っていきましょう。
しかし、業務が忙しすぎるとそこまで手が回らない場合もあります。

もし時間の確保が難しいなら、soraプロジェクトの営業代行を利用するのも一つの方法です。
soraプロジェクトでは、営業代行・支援を行っています。

外部リソースを活用しながら、社内の体制をよりよくしていくことも検討してみましょう。

営業の属人化を解消し円滑な業務の実現を目指そう

営業の属人化により、業務がスムーズに運ばなかったり、社員の教育に時間がかかったりしてしまいます。
属人化を解消するためには、一度時間を取り、解消のためにできることを話し合うことが必要です。

営業の属人化を解消するための仕組み作りができてしまえば、チーム全体の成果向上も見込めます。

営業の属人化を解消し、円滑な業務の実現を目指していきましょう。

もし、属人化解消のための時間が取れない場合は、外部リソースもうまく活用しましょう。
soraプロジェクトでは営業代行を行いますので、詳しく知りたい方は資料請求をして検討してみるのも一つの方法です。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。