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「社員によって営業のやり方が異なる」「新人の教育に時間がかかってしまう」
このような課題を抱えている企業は多いのではないでしょうか。
営業マニュアルには営業プロセスごとの最適な方法や商品知識などが盛り込まれているため、業務の質を安定化させ、教育にかかる時間を短縮できるなどのメリットがあります。
本記事では営業マニュアルの作り方や作成時のポイント、必要な項目を詳しく解説します。
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営業マニュアルが必要な理由
営業マニュアルがなくても業務は可能ですが、あった方が営業活動をスムーズに進められるようになります。
では、なぜ営業マニュアルが必要なのでしょうか。
業務効率化のため
営業マニュアルを作ることにより、業務効率化が叶います。
手引きがあれば業務の手順がすぐに確認できるため、「これはどうしたら良いんだろう?」と迷う時間の削減が可能です。
また、営業マニュアルは教育や引き継ぎにも役立ちます。
営業マニュアルがあればスムーズに教育や引き継ぎができるため時間短縮が可能になり、業務効率化に繋がります。
営業の質を安定させるため
営業マニュアルがあれば、社員の知識やスキルを均一にすることが可能です。
営業マニュアルがないと自分なりの営業の型やプロセスができてしまい、人によってレベルにばらつきが出てしまいます。
マニュアルで社員の知識を均一化できれば、チーム全体でノウハウ共有も簡単にでき、営業の質を安定化させられます。
属人化を防止するため
営業マニュアルは業務の属人化防止にも役立ちます。
決まったルールがない状態では一人ひとりが独自のやり方で進めてしまうため、特定の社員にしか分からないことが出てきてしまいます。
その社員がいない場合、他の社員が対応できなくなる可能性があるでしょう。
しかし、営業マニュアルがあれば他の社員も同じ作業が可能になります。
マニュアルがあることにより業務方法が共有でき、属人化の防止が可能です。
新人の早期成長のため
営業マニュアルを作成すれば、新人の早期成長が期待できます。
新人は、業務に必要な作業やマナーについて何も知らない状態です。
マニュアルがないと分からないことは先輩に聞いたり自分で調べたりしなければならず、時間がかかってしまいます。
営業マニュアルがあれば、疑問点を自分で調べることが可能です。
マニュアルを活用することで業務内容をスムーズに掴めるようになり、早期戦力化に繋がります。
営業担当が気持ちよく働ける環境を作るため
営業マニュアルがあることで、セールス担当の安心感にも繋がります。
マニュアルがないと人から人へ口頭で仕事内容を指導しなければならないため、時間がかかりますし教育の質にもばらつきが出てしまうでしょう。
また、「マニュアルがない」という状況は不安感を生み、社員の離職リスクを高める懸念もあります。
マニュアルがあれば自分が何をしたらよいかがわかるため、営業担当が安心して仕事に取り組めます。
「教える人によって言っていることが違う」といったトラブルも減少し、社員がマニュアルを元に積極的なキャッチアップをしていくことも期待できるでしょう。
営業マニュアルを作る手順
営業マニュアルを作ろうと思っても、手順が分からなければマニュアルを完成させることが難しくなってしまうでしょう。
ここでは実際の作り方を解説します。
1. マニュアル作成の目的を明確化する
まずはマニュアル作成の目的を明確化しましょう。
目的がないまま作成してしまうと、必要な項目が抜けてしまったり、情報が薄くなったりしてしまい、役立たなくなってしまう可能性があります。
目的の例としては「業務の無駄やムラをなくす」「教育をしやすくする」などがあります。
また、マニュアルの想定使用者の明確化も必要です。
誰が使うかによって、マニュアルの内容や見せ方が変わってくるからです。
例えば、新人への教育が目的なら手順を丁寧に記載しなければなりませんし、既存社員が使っている用語の解説も必要になります。
2. マニュアルの形式を決定する
次にマニュアルの形式を決定します。
営業マニュアルを使うシチュエーションを想像しながら、社員が使いやすいアウトプットを選ぶとよいでしょう。
主なマニュアルの形式をご紹介します。
- GoogleドキュメントやWordなどを使った文書形式
- PowerPointのようなスライド形式
- 動画形式
- 社員限定公開のWebページ形式
マニュアルの形式を決定するとともに、保管場所について話し合うことも大切です。
冊子であれば取り出しやすい場所、データであればアクセスしやすい場所など、利用者が分かりやすい場所に保管すれば必要なときにすぐ確認できます。
3. マニュアルの構成を組む
次にマニュアルの構成を組んでいきます。
構成ができていないと、使いにくいマニュアルになってしまう可能性があります。
構成を組む場合、一人で行うと主観が入ってしまう可能性があるため、複数人で作業することが大切です。
構成はマニュアルの仕上がりに影響してくるため、時間をかけて考えていきましょう。
4. 項目を時系列で整理する
作業内容などの項目を時系列で整理していきます。
項目を時系列で整理すれば、マニュアル作成自体も進めやすくなりますし、使用者が分かりやすいマニュアルを作ることが可能になります。
自社の業務フロー通りにマニュアルを作りましょう。
また、作成時には画像や動画を利用することで、より分かりやすいマニュアルを作ることが可能です。
5. マニュアルの確認・改善を行う
マニュアルは完成したら終わりではありません。
その後、確認や改善が必要です。
完成したマニュアルに必要な情報が記載されているか、作業手順が合っているか、誤字脱字がないかなどをチェックしましょう。
マニュアルの内容に誤りがあった場合、業務に支障が出る可能性があります。
そのため、マニュアルの確認をする際は複数の社員でチェックすることが大切です。
また、作成後は定期的な見直しも必要です。
マニュアル通りに作業を行っていて改善点や誤りを見つけた場合は、速やかに改善を行いましょう。
営業マニュアル作成時に必要なこと
営業マニュアル作成時に必要なことがあります。
この点を押さえて作成することで、分かりやすく長く使えるマニュアルになるでしょう。
ここでは営業マニュアル作成時に必要なことを詳しく解説します。
専門用語には説明を付ける
営業マニュアルに出てくる専門用語には説明を付けましょう。
既存社員は当たり前に使っている言葉でも、新人には分からない場合があります。
専門用語の説明がないと、そのたび既存社員に確認をしなければなりません。
営業マニュアルの理解向上のため、時間短縮のためにも、専門用語を使う場合は必ず説明を付けましょう。
しかし、既存社員にとって当たり前の用語だと、説明が必要なのかも分からない場合があります。
作成後に質問があった用語に関しては、その都度解説を付けるなど、改善をすることが大切です。
分かりやすい表現を用いる
営業マニュアルを作る際は、分かりやすい表現を用いましょう。
特に新入社員が利用する営業マニュアルを作る際は、専門用語の説明以外にも、言葉が少なく分かりにくくなっていないかを確認しながら作ることが大切です。
誰が読んでも分かりやすい表現を用いて営業マニュアルを作成しましょう。
図やフローチャートなどを用いて分かりやすくする
営業マニュアルを作る際は、図やフローチャートなどを用いるのもおすすめです。
全て言葉で書かれていると、読むのが大変ですし分かりにくくなる場合があります。
図やフローチャートを用いることで作業手順が分かりやすくなりますし、言葉だけでは分かりにくい部分の理解もしやすくなります。
また、データでマニュアルを作るなら、動画を載せるのも一つの方法です。
フォーマットを統一する
営業マニュアルを作る場合は、フォーマットの統一も大切です。
マニュアルを作成する場合、項目ごとに社員で手分けして作るケースもあるでしょう。その場合、人によってフォーマットが異なってしまう可能性があります。
フォーマットが統一されていないと読みにくく、使いづらさを感じてしまいます。
手分けしてマニュアルを作成した場合は、最後にフォーマットの統一をしてきれいに整えましょう。
営業工程に分けてマニュアル化する
営業作業は準備段階からアプローチ、サービスの説明など多くの工程があります。
営業工程に分けてマニュアル化することで、全体の把握も簡単にできるようになりますし、工程ごとにチェックが可能になります。
また、営業マニュアルを工程ごとに作成する場合は、工程で起こり得る事例なども交えて作成するのもおすすめです。
実際の事例があることで新人が事前にどのようなことがあるのかが把握できるため、安心して業務ができるでしょう。
営業マニュアル作成後に必要な3つのこと
営業マニュアルは、作成したら終わりではありません。
作成したら長年使っていくものでもあるため、以下の3つが必要になります。
- 実際の運用
- 定期的な改善
- 効果測定
ここではそれぞれの詳細を説明していきます。
1. 実際の運用
営業マニュアル作成後は、実際の運用をしていきましょう。
運用の前には、メンバーへの周知も必要です。
営業マニュアルが必要な人に周知、もしくは冊子を配り、実際に運用してもらいます。
作成した営業マニュアルは、使ってもらわなければ意味がありません。
完成後は速やかに周知・配布し、実際に使いながら業務をしてもらいましょう。
2. 定期的な改善
営業マニュアルは1度作ったら終わりではありません。
より分かりやすく、使いやすくするために定期的な改善が必要です。
例えば、マニュアルを利用している社員にアンケートを取る、日々の業務の中で改善点や分かりにくい点のフィードバックを受けるなどの方法があります。
マニュアルは始めから完璧なものが作れるわけではありませんし、むしろ完璧に作ろうとすることでマニュアル作成に時間がかかってしまい、実際の運用が遅れてしまう可能性があります。
初めから完璧に作ろうとはせず、定期的な改善によって使いやすいものに作り上げていくことが大切です。
3. 効果測定
営業マニュアルを作ったことでどのように業務が改善されたか、効果測定をすることも大切です。
見るべきポイントとしては、「業務にかかる時間の変化」「新人の成長速度」「社員のモチベーションや知識量」などが挙げられます。
ここでは、マニュアル作成の最初に想定した「営業マニュアルを作る目的」に照らし合わせて考えると良いでしょう。
改善点が見つかった場合は、必要に応じてマニュアルの内容や運用方法を修正しましょう。
商品やサービスのアップデート、組織の体制変更によって効果の表れに変化が生じることもあるため、効果測定は時期を決めて定期的に行うのがおすすめです。
営業マニュアルに盛り込むべき項目事例
最後に、営業マニュアルに盛り込むとよい項目例を解説します。
マニュアル作成時の参考にしてみてください。
顧客へのアプローチ方法
顧客へのアプローチの仕方をマニュアルに入れて作成しましょう。
会社によって、新規開拓営業や既存フォロー営業のやり方はそれぞれ異なるものです。
また、状況によって「電話」「メール」「対面」など、アプローチ方法も変わってきます。
自社で行っている方法を元に、マニュアルへ落とし込んでいきましょう。
商談のマナー
商談のマナーも重要な項目の一つです。
顧客に悪い印象を持たれてしまったら、商品やサービスを購入してもらうことが難しくなってしまいます。
服装や言葉遣い、また自社のマナーなどがあるならそれも記載しましょう。
商品やサービスの情報
自社商品やサービスの情報は重要な項目です。
特に新人は、商品やサービスの理解が不十分かもしれません。
新人が商品やサービスが理解できるように、マニュアルで情報の共有をする必要があります。
また、商品やサービスの情報と共に、顧客が抱える課題に合った商品の勧め方を記載するのもおすすめです。
顧客の管理方法
顧客の管理方法の記載も必要です。
クライアントの情報や対応履歴を管理する方法は会社によって異なり、CRMやSFAなどのツールを使っている場合もあるでしょう。
顧客のデータをどのように管理するのかを明確に記載しましょう。
ツールを導入しているなら活用・入力の仕方を標準化することも大切です。
クレームへの対処方法
営業マニュアルにはクレームへの対処方法も盛り込みましょう。
特に新人だと、クレームや顧客トラブルが発生した場合に何をすればいいのか分からず間違った対応をしてしまう可能性があります。
パターンごとにどのような対応をすればいいのかを記載しておけば、イレギュラー対応にも備えられるでしょう。
また、誰に・どのように相談しながら対応するかといった社内ルールを記載しておくことも大切です。
トークスクリプト
電話や商談で役に立つトークスクリプトの情報も盛り込みましょう。
トークスクリプトがあれば、何から話せばいいのか分からない新人でも、提案でどのように話を展開すればいいのかが分かります。
結果的に新人の早期成長に繋がり、営業の質を確保することも可能になります。
営業マニュアルの作成で営業力の向上を目指そう
営業マニュアルを作成することで、教育への時間短縮や営業の質が安定化するなどさまざまなメリットが見込めます。
営業マニュアルを作る際は、始めから完璧なものを作ろうとせず、改善しながら良いものを作っていくことが大切です。
誰が読んでも分かりやすい営業マニュアルを作成し、社員全体の営業力向上を目指していきましょう。
投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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