営業におけるBDRとは|意味や導入のポイントを分かりやすく解説

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ビジネスシーンで耳にする機会の多い「BDR」。
BDRとは、営業成果を高めるために有効な営業手法のひとつです。

しかし、意味や注目されている理由など、BDRについて正しく理解できていない方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、BDRの意味や導入のポイントを初心者にも分かりやすく解説。
成功させるためのコツも併せて解説するので、営業成果を高めたいと考えている方はぜひチェックしてみてください。

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BDRとは

BDRとは「Business Development Representative」の略語で、新規顧客を獲得するために他社へのアプローチを行うインサイドセールス手法です。

インサイドセールスはオフィス内から営業活動を行う方法のことで、電話やメール、オンライン会議システムを用いた営業などが挙げられます。

BDRは、このインサイドセールス手法のひとつです。
BDRでは、商談成立を目指すための新規顧客の開拓や見込み客の育成が重要な役割となります。

BDRを含むインサイドセールスが注目されている背景として大きいのが、インターネットの普及です。
総務省「令和3年度 情報通信白書」によると、2020年の個人のインターネット利用率は83.4%で、13~59歳の各年齢層で90%を上回る結果でした。

BDRを含むインサイドセールスは直接訪問せずに行う営業手法なので、マーケティング施策によって多くの新規顧客開拓につなげられるのが特徴です。
そのことから、近年BDRは多くの企業に注目される営業手法となっています。

BDRとSDRの違い

インサイドセールス手法にはBDRのほかに、SDRと呼ばれるものもあります。
SDRとは、「Sales Development Representative」の略語で、自社が発信した情報に対して能動的なアクションを行った顧客に対して営業活動を行うインサイドセールス手法です。

BDRとSDRの大きな違いは、アプローチ手法。
BDRは自社から能動的にアプローチを仕掛ける手法で、SDRは見込み客からのアクションを待つ受動的なアプローチ手法です。

BDRSDR
種類新規開拓型反響型
アプローチ手法自社からアプローチ
(アウトバウンド営業)
反響があったらアプローチ
(インバウンド営業)
具体的な方法電話、メール、手紙などオウンドメディア、SNS、Web広告など

BDRのメリットとデメリット

新規顧客開拓のために自社から積極的にアプローチを行うBDRでは、メリットを最大限に活かし、デメリットは対策を講じたうえで導入を検討するのがおすすめです。

ここでは、BDRのメリットを2つ、デメリットを1つ紹介します。

BDRのメリット:アプローチ先を選べる

BDRの大きなメリットは、アプローチ先を選んで営業できることです。

SDRは反響のあった顧客へアプローチする手法ですが、BDRは作成した顧客リストをもとにアプローチしていきます。
そのため、「ここの会社と関係性を築きたい」など、ピンポイントでアプローチできるのがメリットです。

さらに、早い段階でキーパーソンとの接触を目指せるのもBDRの特徴です。
契約するかどうかを判断できるキーパーソンに直接情報提供や提案ができれば、スムーズに意思決定が進む可能性が高くなります。
キーパーソンは誰なのか、どのような情報を欲しているのかを事前に把握できれば、効率的に商談や契約へつなげられるでしょう。

BDRのメリット:休眠や既存の未契約部門へアプローチできる

次に、休眠顧客や既存の未契約部門へのアプローチができるのもBDRのメリットです。

休眠顧客や既存顧客の未契約部門の情報をまとめておくことで、BDRで活用できる顧客リストとして活用できます。
一度も接点のない企業よりも、ニーズや課題などの情報がある企業のほうがスムーズにアプローチできるのもメリットです。

休眠顧客においては、契約に至らなかった理由や契約解除理由のヒアリングが重要です。
既存顧客の未契約部門に関しては、契約部門の担当者からのヒアリングや、場合によっては担当者を紹介してもらうと、精度の高い顧客リストが作成できます。

BDRは、見込みの高い顧客へ確実にアプローチするための重要な役割を果たす営業手法と言えるでしょう。

BDRのデメリット:アプローチまでに時間が掛かる

BDRのデメリットは、アプローチまでの調査やターゲットリスト作成に時間が掛かることです。

営業成果を高めるためには、アプローチ先の情報収集が重要。
本当に自社商材の対象であるか、ニーズと商材がマッチしているかなど、業界の動向や企業ホームページなどを調査してからアプローチを行います。

このような調査を行わずにアプローチしてしまうと、相手のニーズに合わない一方的なアプローチとなってしまい、効果につながらない可能性があるので注意が必要です。
もし相手から「むやみやたらにアプローチしている」という印象を持たれてしまった場合、今後のアプローチに悪影響を及ぼすので十分注意しましょう。

しかし、1社ずつ調査して顧客リストを精査するのには膨大な時間を要します。
アプローチまでの準備に時間が掛かるため、十分な人的リソースを用意しておくとよいでしょう。

 BDRの主な営業アプローチ方法

自社から積極的にアプローチを行うBDRでは、さまざまな方法で接触を図ります。
アプローチ方法によって特徴やメリットが異なるので、自社の方針や相手のニーズに合わせた方法を選ぶようにしましょう。

ここでは、BDRの主なアプローチ方法を3つ解説します。
自社のリソースやアプローチ先の状況を考慮しながら、導入できそうな方法を検討してみてください。

電話

最も一般的な手法が「電話」です。
顧客リストを用いたテレアポがここに当てはまります。

テレアポのメリットは、その場ですぐに相手の反応を確認できることです。
タイミングが良ければ、キーパーソンにつないでもらえる可能性もあります。

「営業電話をするだけ」と思われがちですが、テレアポは事前準備が非常に重要。
また、1人あたりが架電できる数には限りがあるため、リスト数に合わせて十分な人員配置が必要です。

【事前準備の例】
・目的やゴールの明確化
・架電先リストの作成、企業調査
・つないでもらう担当者のリサーチ
・話す内容や想定質問の整理

テレアポは相手先の営業時間内に行うのが原則です。
しかし、営業時間内は相手先も忙しく、ゆっくりと話ができない可能性もあります。
さまざまな状況を想定して、結論ファーストで端的に話すことが大切です。

そのためには、上記のような事前準備が必要不可欠。
もし「今は時間がない」「検討する」と言われたときには、クロージングで次回の約束をするようにしましょう。

メール

メールもポピュラーなアプローチ手法のひとつです。
相手先のメールアドレスが分かる場合には、相手が都合のよい時間に確認してもらえるメールがよいでしょう。

メリットは、相手に不快感を与えにくいことです。
忙しい時間に営業電話がくることを嫌がる方もいるため、相手先の業態やニーズによっては、電話よりメールのほうが効果的な場合もあります。

また、相手先が社内で情報共有しやすい点もメリットです。
メールは文章や資料などを用いて送信するため、受け取った担当者が社内で共有しやすいのが特徴。
もしそのままキーパーソンに共有されれば、スムーズに商談につながる可能性もあります。

ただし、相手に響く文章や構成が非常に重要です。
相手の目に留まらなければ、開封すらされずに埋もれてしまうこともあります。
確実に読んでもらえるよう、ニーズに合った端的な文章を心がけましょう。

また、メール開封や資料ダウンロードの有無を確認できるシステムも登場しているので、効果測定や分析がしやすいのも魅力のひとつです。

手紙(CXOレター)

CXOレターとは「Chief Executive Officer」の略語で、大手企業を対象としたBDRで活用される手法のひとつです。

大手企業のキーパーソンの場合、電話やメールなど通常の方法では取り次いでもらえないことも多いものです。
そのような時、事前に手紙を送付しておくと、その後の電話などで詳しく話を聞いてもらえる可能性が高まります。

CXOレターを送るときの注意点は、送付先企業のリサーチを行ってから送付することと、フォーマットを使用せず個別で作成することです。
手紙送付の背景や提案内容、次のアクションなど、アプローチに対する熱意がしっかりと伝わるような工夫をしましょう。

送付後は、必ず架電でフォローを行います。
忙しいキーパーソンにつないでもらうために、相手先にとってどのようなメリットがあるかを端的に説明できるよう、事前にスクリプトを用意するとよいでしょう。

BDRで重要な4つのポイント

BDRはポイントを押さえて行うことで、高い効果が見込めます。

ここでは、精度の高い営業活動を行うために重要な4つのポイントを解説。
BDRだけでなく営業活動全般で活かせる内容なので、ぜひ参考にしてみてください。

1.目的や目標の明確化

まずはBDRを行う目的や目標を整理し、社内で共有するようにしましょう。

BDRを用いて営業することは「目的」ではなく、契約成立を目指すための「手段」のひとつ。
営業活動で満足することのないよう、目的や目標を明確にし、全員が同じ方向に向かって足並みを揃えられるようにすることが重要です。

BDRはインサイドセールス手法のひとつなので、最終的な商談~契約はフィールドセールスが行うことが一般的です。
「契約」という形での成果は見えにくい業務ですが、引き継ぐまでのプロセスで目標を設定し、BDRの成果が見えるようにしましょう。

また、目標の達成度合いや評価指標を明確にすることで、社員一人ひとりのモチベーション向上につながるというメリットもあります。

2.KPIの策定

前述した内容にもつながりますが、達成度合いを正しく把握するための「KPI」策定も重要なポイントです。

KPIとは「Key Performance Indicator」の略語で、重要業績評価指標のことを指します。
営業活動としての最終目標(KGI)達成までのプロセスで設定する目標で、現在の達成度合いや、達成まであとどのくらいかを示すために重要な指標です。

たとえば、最終目標(KGI)が契約成立の場合、ターゲット企業数やアプローチ件数、アポイント件数などがKPIとなります。

ただし、アプローチ件数やアポイント件数をKPIとして設定すると、見込みの低い顧客を無理矢理フィールドセールスにつなげてしまう可能性も出てきます。
場合によっては、アポイントメントから契約につながった数や金額をKPIとするなど、受注を見越したKPIを設定するとよいでしょう。

3.ターゲット選定・調査

営業成果を高めるためには、ターゲット企業の選定や調査は非常に重要です。
見込みのない企業へのアプローチや準備に時間を掛けてしまうと、費用対効果が下がるので注意しましょう。

【ターゲット選定のポイント】
・自社の商材で解決できる悩みや問題を洗い出す
・企業規模や業界など、ターゲットの条件を整理する
・条件に合致した企業をリストアップする
・キーパーソンを見定める

【具体的な調査方法】
・3C分析
・業界の動向
・企業ホームページ
・関係者からのヒアリング など

公開されている情報だけでなく、過去の取引情報や現場担当者によるヒアリング情報なども参考に、調査を行うようにしましょう。

4.効果測定・改善

実際にアプローチを行ったら、効果測定を行って改善活動につなげることが重要です。

成果につながった場合は成功要因の分析をし、今後のアプローチに活かしましょう。
残念ながら成果につながらなかった場合も、失敗要因を分析することで、同じミスを繰り返さないよう改善につながります。

PDCAサイクルを素早く回すことで、短期間で成果につなげられる可能性が高まるのでおすすめです。
「BDRを行って終わり」とならないよう、次の成果につなげるためのアクションを行いましょう。

BDRを成功させるためのコツ

BDRは時間の掛かる営業手法ですが、コツを押さえて準備やアプローチを行うことで、効率的に成果につなげられるのが特徴です。

ここでは、BDRを成功させるためのコツを3つ紹介します。
BDR導入時に併せて検討してみてください。

見込み顧客の創出・育成をする

新規顧客を開拓して商談につなげるために重要な役割が、見込み顧客の創出と育成です。

BDRではオフィス内から他社へアプローチをして、商談につなげるのが主な仕事。
見込みのない状態で商談につなげても契約につながりにくいので、BDRを通じていかに見込み度合いを高めるかが大切なポイントです。

そのためには、顧客セグメントと興味喚起がキーポイント。
ターゲット選定時に、商材と相性のよい業種や企業、継続契約の可能性、利益幅などを細かく分析して、顧客の優先順位をつけましょう。

アプローチをして反応がよければ、さらに細かいニーズをヒアリングします。
相手先のニーズに合わせたメリットを提示し、興味関心を高めてからアポイントメントにつなげることが、BDRを成功させるためのコツです。

営業ツールを活用する

アプローチまでに労力を要するBDRを効率的に進めるには、営業ツールの活用がおすすめです。

最も重要なのがMAツールの活用。
MAツールとは「Marketing Automation」の略語で、顧客管理をサポートするツールです。
MAツールの主な機能は以下の通りです。

  • 見込み顧客情報の一元管理
  • メール配信
  • アクセス解析
  • スコアリング など

ターゲット選定や顧客セグメントが重要なBDR。
MAツールを用いて顧客の行動解析を行い、見込み度合いを判別することで、成果向上が期待できます。

また、営業活動支援のためのSFA(Sales Force Automation)や、優良顧客育成のためのCRM(Customer Relationship Management)も併せて活用することで、生産性や業務効率の向上に役立ちます。

営業のプロへ代行を依頼する

BDRに割く人的リソースを確保できない場合や、ノウハウが十分ではない場合には、営業代行への依頼がおすすめです。

営業代行は、企業の営業活動を代理で行うサービスのことを指します。
代表的な支援はテレアポ代行。
BDRで重要なアポイント獲得を代行するのが特徴です。

実績が豊富な営業代行会社へ顧客リスト作成からアポイント獲得までを依頼し、その後の商談を自社の社員が行うことで、効率的に成果を高められるのが魅力です。

ほかにも、インサイドセールス代行やマーケティング支援を行っている営業代行会社もあるので、ぜひチェックしてみてください。

まとめ:BDRとはインサイドセールス手法の1つ!コツを押さえて営業力を高めよう

BDRとは、見込みの高い商談を設定するために重要なインサイドセールス手法です
商談から受注までをスムーズに進めるためには、質の高いBDRが重要なポイント。
アプローチまでに時間が掛かることから、営業ツールやアウトソーシングも利用しながら効率的に行うのがおすすめです。

「soraプロジェクト」は、業歴14年の営業代行会社です。
テレアポ代行、インサイドセールス代行、Webマーケティング支援を行っているので、BDR全般をサポートできます。

これまでのテレアポ・インサイドセールスで獲得した総見込み客数は142,430万件、国内への総コール数は100業種250万件。
14年間の実績とノウハウを最大限に活用し、BDRを含む営業支援を行います。

すぐに営業成果を高めたい方は、ぜひ一度soraプロジェクトへお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。