目次
ベンチャー企業が安定した利益を生み出すために力を入れているエンタープライズ営業。
エンタープライズ営業は中小企業に対して行う営業とは異なる部分が多く、契約をとるためにはその特徴を理解しておくことが大切です。
そこで、本記事ではエンタープライズ営業と他の営業との違い、必要なスキル、営業を成功させるための秘訣について解説をします。
読み終わった後には、エンタープライズ営業についての基本を理解できるようになるので、ぜひ最後まで読んでください。
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エンタープライズ営業とは?
エンタープライズとは大企業や政府機関のような大きな法人を指し、エンタープライズ営業とは大企業に向けた営業のことです。
大企業との契約は大きな利益が見込めるため、数多くのベンチャー企業がエンタープライズ営業に力を入れています。
大企業とは、一般的には以下のような企業のことを指します。
- 資本金3億円以上かつ従業員数300人以上の製造業、建設業、運輸業、その他業種
- 資本金1億円以上かつ従業員数100人以上の卸売業
- 資本金5,000万円以上かつ従業員数100人以上のサービス業
- 資本金5,000万円以上かつ従業員数50人以上の小売業
国内の中小企業が約419.8万社あるのに対し、上記の基準を満たす大企業は約1.2万社しかありません。
大企業の数が限られて競合が必然的に多くなることから、ターゲットを絞って戦略を立てていくことが求められるのです。
エンタープライズ営業の3つの特徴
エンタープライズ営業には以下の3つの特徴があります。
- 売上が大きく解約率が低い
- 複数の部署で導入の可能性がある
- ライバル企業が多い
売上が大きく解約率が低い
エンタープライズ営業では、1つの契約を取ることができれば大きな売上が期待できるのが特徴です。大企業ではサービスを利用する社員の数が多いからです。
また、契約した商品やサービスが社内で使われるようになると、解約される可能性が極めて低くなります。なぜなら、一度導入したサービスを新しく入れ替えると、また1から使い方を学ばなければならないからです。
社員数が多い企業では解約に労力がかかるため、サービスの選定には慎重な姿勢を持っています。よって、サービスの導入までがエンタープライズ営業では重要なのです。
複数の部署で導入の可能性がある
エンタープライズ営業に成功し、特定の部署と契約に成功すると、他の部署にも同じサービスが導入される可能性があります。
サービスによっては他の部署も同じように合わせなければ、仕事が円滑に進まなくなってしまう可能性があるからです。
たとえ企業が部署ごとに別々のサービスを使っていて問題がなかったとしても、サービスを統一することで円滑に業務が進むことをアピールすることができれば、他の部署にも導入してもらえる可能性が高まります。
このように、エンタープライズ営業が成功すれば、1つの部署ではなく、複数の部署で導入してもらえ、大きな利益を得ることができるのです。
ライバル企業が多い
同じように営業活動をしているライバル企業が多い傾向にあるのもエンタープライズ営業の特徴です。大企業はサービスを導入するにあたって、複数の企業を比較して決めることがほとんどでしょう。
大企業が質の悪いサービスを導入してしまうと、多くの社員の業務に影響が出てしまいます。
ライバル企業に勝つために様々な工夫をして戦っていかなければなりません。大変な仕事ですが、ライバルを押し退けて契約を勝ち取ったときには大きな達成感を得られる仕事です。
エンタープライズ営業の難しさ
エンタープライズ営業では、大企業の特性から営業に関しては独特の難しさがあります。
ここではエンタープライズ営業が難しいと感じる3つのポイントを紹介します。
- 意思決定関与者の数が多い
- 検討期間が長い
- 柔軟なカスタマイズが必要
それぞれの難しさについて解説していきます。
意思決定関与者の数が多い
中小企業の営業であれば、社長などの経営者が1人でサービスの導入を決めますが、多くの大企業では意思決定に5〜6人、場合によってはそれ以上の人がかかわります。
大企業という組織の構造が、何かを決めるときに1人では決められないようになっており、意思決定に複数の部署が関係したり、経理部や法務部などの部署の承認を得たりする必要もあります。
意思決定に関わる人が多ければ多いほど、サービス導入に対する厳しい意見が出やすくなり、営業が難しくなります。
そのため、意思決定をする人全員に納得してもらえるようなサービスを提案することが求められます。
検討期間が長い
大企業では、中小企業よりも1つのサービスを導入するのに長い検討期間を必要とします。
検討期間が長くなってしまう理由には、意思決定に関わる人が多いことに加え、多くの場合に予算が事前に決まっていることが関係します。
多くの大企業では予算を前年に設定しているため、サービス導入にかかる金額が大きい場合は年度内に契約が取れない可能性があります。
早めに企業に訪問し、来年度の予算に自社サービスの金額を組み込ませてもらえるようにアプローチをする必要があります。
エンタープライズ営業は長期にわたって交渉をしていくため、営業担当者の負担が大きくなる傾向があるのです。
柔軟なカスタマイズが必要
大企業では、サービス導入後にそれを利用するユーザーが多いため、カスタマイズの要求が多いという傾向があります。
中小企業であれば、サービスのカスタマイズを要求されたとしても、他の企業に営業に行くことで対応を免れることができますが、大企業に至ってはそのようにはいきません。
関係者の多い大企業では、1つのサービスのために業務上のルールを全て変更するわけにはいかないのです。
エンタープライズ営業では、カスタマイズの要望があれば対応しなければ契約に結びつかない難しさがあるのです。
資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料ダウンロードエンタープライズ営業に必要なスキルとは?
エンタープライズ営業を成功させるために必要なスキルが4つあります。
- 情報収集力
- 計画立案力
- 交渉力
- コミュニケーション力
どの能力も必要とされているので、意識して身につけていきましょう。
情報収集力
エンタープライズ営業では、ライバル企業に勝つために、ターゲットとしている企業のことを多角的に理解するための情報収集力が必要です。
舞台的には企業のニーズや経営状況、どのような構造の組織になっているかなどの情報を正確に収集していくことが求められます。
例えば、以下のような情報を得た上でアプローチをすると効果的な営業ができます。
- その企業がどのような商品を、どのような対象に向けて売っているか
- その企業にはどれくらいの資産があるのか
- その企業の方針や抱えている課題
- 自社サービスの決裁に携わる人や導入までのプロセス
エンタープライズ営業では契約までのプロセスで信頼関係を築いていくことが大事です。
そのためには、企業の社員と同じくらいその企業について熟知していることが求められるため、情報収集には力を入れましょう。
計画立案力
エンタープライズ営業では、一般的な営業よりも綿密に計画を立てる必要があります。
一度の営業で契約が決まることは稀で、何度も企業に訪問することになります。綿密に営業計画を立てた上で行動をしなければ、信頼関係を失ってしまうことになりかねません。
具体的には、導入に向けての工程に関する日程をまとめたり、企業ごとに関係を構築するための活動計画や商談に力を入れるタイミングの計画を立てたりすることが求められます。
交渉力
ライバル企業に勝つためには交渉力が重要な鍵になります。
ライバルよりも先に商談を進めるための交渉力や、企業に合わせて交渉することができる力がなければ、契約を勝ち取ることはできません。
また、ターゲットとしている企業の言いなりになってしまうと、要望が多すぎて対応ができなくなってしまうため、相手の要望を聞きつつも提案していく必要があります。
交渉力が高ければ有利に進めることができるため、エンタープライズ営業をするのであれば意識して身につけていきたい力です。
コミュニケーション力
エンタープライズ営業では、信頼関係を築いていくためのコミュニケーション力が必要なスキルになります。
営業マンにコミュニケーション力がなければ、たとえ魅力的なサービスを提案していたとしても導入してもらえない可能性があります。
エンタープライズ営業では様々な人と関わり、話を進めていかなければなりません。場合によっては人によって話し方や話す内容を変えていく必要があります。
どのような人でも会話を円滑に進められるコミュニケーション力が求められるのです。
エンタープライズ営業を成功させるポイント
エンタープライズ営業を成功させるために必要なポイントが3つあります。
- 接点を作る
- 接点を強化して協力関係を築く
- ライバル企業との差別化
営業を成功させるためのヒントになるので、ぜひ参考にしてください。
接点を作る
エンタープライズ営業では、もともと数の少ない大企業をターゲットにしているため、まずは企業と接点を作ることから始めましょう。
接点を作ろうと思ってもなかなか作ることができないため、とにかくどのような手法でも試していく姿勢が大切です。
例えば、以下のような方法で接点を作ってみるとよいでしょう。
- 飛び込み営業
- テレアポ
- DM
- 手紙
- SNS
- イベントやセミナー
- 知人からの紹介
- 他のクライアントからの紹介
最初から企業の決裁者にアプローチする必要はなく、まずはターゲットとしている企業に勤める誰かと接点を持つことが大切です。
その接点をもとに、情報や人脈を入手することができれば、エンタープライズ営業が一歩進んだと考えてよいでしょう。
接点を強化して協力関係を築く
接点を作ることに成功した後は、キーマンとの接点を作って協力関係を作っていくと効果的です。
キーマンとは、以下のような人のことを言います。
- そのサービスを求めている人
- 意思決定者が信用している人
- サービスを利用して効果が出ると喜ぶ人
上記に当てはまるキーマンを企業内で見つけて、協力関係を築きましょう。協力関係を築くことができると、キーマンが営業担当者の代わりに社内で営業活動を行ってくれます。
キーマンが適切に動くことで契約が取れやすくなるため、キーマンとの協力関係がエンタープライズ営業の鍵と言っても過言ではありません。
ライバル企業との差別化
大企業には多くの営業マンが様々なサービスの導入を提案しに訪問しているため、同じようなものを紹介しても魅力を感じてもらえないでしょう。
競合他社との差別化を意識し、その大企業が抱えている問題を特定して、解決する方法とそれに有用なサービスを提案することで成功しやすくなります。
まとめ:エンタープライズ営業に挑戦しよう
エンタープライズ営業は成功すると売上が大きく、解約率が低いといったメリットがある反面、意思決定者の数が多くて検討時間がかかり、ライバル企業が多いというデメリットがあります。
ターゲットとしている企業の情報収集に力を入れ、キーマンとの接点を作って関係協力を築くことができれば成功しやすくなります。
エンタープライズ営業を始める第一歩として、まずは気になる企業がどのような商品を販売していて、どのような課題があるかを調べてみてはいかがでしょうか。
資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料ダウンロード投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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