ツァイガルニック効果とは?マーケティングに活用する方法や具体的な事例を紹介

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ツァイガルニック効果とは、中途半端・未完成のもののほうが完成したものよりも記憶に残りやすいという心理効果のことです。
マーケティングではよく活用されている方法で、CMやSNSなどさまざまなシーンで使われています。

しかし、具体的な活用方法を知らない方もいるでしょう。
そこで本記事では、ツァイガルニック効果の意味やマーケティングに活用する方法、事例などを解説します。

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ツァイガルニック効果の意味と由来とは

ツァイガルニック効果とは、完成させたものよりも未完性のものの方が記憶に残りやすいという心理的な現象のことで、ゼイガルニック効果とも呼ばれます。
ツァイガルニック効果は、心理学者のクルト・レヴィンとブルーマ・ツァイガルニクによって提唱されました。

マーケティングではよく活用されており、「続きはWebで」といったフレーズはツァイガルニック効果を利用した例の一つです。
ツァイガルニック効果はマーケティングだけでなく、営業や仕事・勉強のやり方、恋愛にも活用できます。

ツァイガルニック効果をマーケティングに活用する方法

ツァイガルニック効果をマーケティングに活用するにはどうすればいいのでしょうか。
ここでは、その方法を解説します。

すべてを見せない

ツァイガルニック効果は、未完全であることによって顧客に興味を抱かせる手法であるため、顧客に情報を開示する際には「すべてを見せない」ことが重要です。
魅力的な情報を見せつつも、知りたいと思うような部分を隠すことにより、顧客は自主的に商品やサービスページを調べようとします。

例えば、キャッチコピーを虫食い・質問形式にする方法です。
虫食いや質問形式により商品やサービスへの興味を引き付けられるため、マーケティングではよく利用されています。

一部分だけ利用できるようにする

一部分だけ利用できるようにする・情報を見られるようにするのも有効な方法です。
途中まで利用できる・見られる状態だと、その先を知りたくなります。

また、一部分を無料で利用できると、顧客が自分に必要な商品やサービスなのかを判断しやすいため、納得した状態で有料へ移行してくれる可能性が高いといえるでしょう。

段階的に情報を提供する

商品やサービスの情報を段階的に見せていくのもツァイガルニック効果を活用したマーケティング方法です。
例えば、メルマガを送る場合、すべての情報を1通のメールで記載せず、段階的に知らせていくと、商品やサービスの発売・開始まで興味を持続してもらえるでしょう。

ツァイガルニック効果をマーケティングに活用した事例

ツァイガルニック効果をマーケティングに活用した事例を8つご紹介します。

オウンドメディア記事

オウンドメディア記事では、タイトルに虫食い・質問形式のツァイガルニック効果が活用されていることが多い傾向です。
例えば、「その秘密は〇〇にある!」「売上を2倍にした3つの方法とは?」のようなタイトルがあげられます。

このように、タイトルに虫食いや質問形式であることで、読み手に記事を読みたいと思ってもらえるでしょう。

メールマガジン

メールマガジンでは、タイトルに虫食い・質問形式のツァイガルニック効果を活用する以外に、段階的に情報を開示する方法も利用されます。
例えば、顧客の知りたい情報が1つあったとしても、それを一度に開示せず、内容を分割して伝えます。

文章の最後に、「〇〇については、次回のメルマガで解説します」と締めれば、次のメールも読んでもらえる確率が高まるでしょう。
メールマガジンは自社以外にも多く受け取っている人もいるため、埋もれないようタイトルや導入部分に「引き」を作ることが重要です。

SNS

SNSでもツァイガルニック効果は利用されています。
Instagramであれば、写真に虫食いや質問形式の文字を入れることで、フォローしていない人に対しても「先が気になって商品ページをクリックしたくなる」投稿ができるでしょう。

また、X(旧Twitter)のような言葉ありきのSNSでは、魅力的な情報を入れつつ、顧客が気になりそうな情報を伏せて発信する方法が用いられることもあります。
その場合、言葉の後に製品やサービスのURLを載せ、商品ページに誘導します。

テレビCM

テレビCMでは情報をある程度まで提示しつつ、顧客が知りたそうな情報は見せずに「続きはWebへ」と誘導する方法でツァイガルニック効果が利用されています。
CMの続きが気になる人は自分から商品検索をするため、そこから購入につながる可能性もあるでしょう。

CMからそのまま購入への誘導をスムーズにしたいなら、顧客が訪れるサイトから購入できる作りにしておくことが大切です。

広告

広告であれば商品の内容を部分的に載せ、顧客が気になる情報は残して掲載する方法が用いられています。
商品に興味を持った顧客は、商品やサービスのサイトを自分から調べてくれます。

もちろん、虫食いや質問形式を利用した広告もあります。

セミナー

セミナーでは、「引っかかり」「未完」を使う手法が用いられます。
例えば、セミナーの冒頭部分で「重要な話は、後ほど詳しく説明します」と話すことで、聞いている相手に引っかかりや未完を感じさせられます

「重要な話はいつするのだろう」という気持ちになり、集中力を持って話を聞いてもらえるでしょう。

また、完璧なセミナーを目指さないのも効果的です。
これは、不完全さが記憶に残りやすいというツァイガルニック効果を利用しています。
流ちょうな説明よりも、ぎこちなさのある説明の方が記憶に残りやすい傾向にあります。

セミナーでは完璧さよりも熱意の方が重要です。
話すのが苦手であっても、熱意をもってセミナーをすれば、相手に強い印象を残せるでしょう。

サブスクリプションサービス

サブスクリプションサービスでは、一部のみを無料、もしくは格安で利用する方法が用いられています。
無料・または格安なため、顧客に手軽に利用してもらえます。

サービスがよければ有料、上位プランへと切り替えてくれるでしょう。
はじめから高額を払って利用するよりも有料会員、上位プランへのスムーズな動線を作れるため、サブスクリプションサービスではよく利用されています

パートワーク雑誌

パートワーク雑誌とは、週刊・隔週刊に分けて刊行され、毎号購入してコレクションを集められる雑誌のことです。
まさに、未完の状態がスタートであり、雑誌を集めることで完成に近づきます

これは、「未完」が顧客を刺激するツァイガルニック効果以外にも、すでに使った費用に対し「もったいない」と思ってしまう「サンクコスト効果」も働いています。

ツァイガルニック効果の注意点

ツァイガルニック効果を使いすぎると逆効果になる場合があるため、注意が必要です。
「続きはCMのあと」というような引きを使ったテレビ番組はよくありますが、多用されると視聴者は飽きてしまいます。

最悪の場合はストレスを感じ、テレビ番組を見なくなってしまうかもしれません。
ツァイガルニック効果を活用する場合は、顧客がストレスを感じない程度で取り入れることが重要です。

また、CMやメールマガジン、広告などでツァイガルニック効果を使う場合は、さまざまな商品を混合しないことも大切です。
あれこれと詰め込んでしまうと情報過多になり、顧客を混乱させる恐れがあります。

ツァイガルニック効果をマーケティングに活用する場合は、「多用しない」「情報を多く詰め込まない」を意識しましょう

ツァイガルニック効果以外にマーケティングに活用できる心理学

ツァイガルニック効果以外にも、マーケティングに活用できる心理学はあります。
ここでは4つの心理学をご紹介します。

スノッブ効果

スノッブ効果とは、多くの人が持っているものに対して購買意欲が減少する心理のことです。
地域限定や期間限定など、希少性や限定性のあるものに魅力を感じます。

マーケティングでは「限定」という表現を使い希少価値を高め、顧客の購買意欲を促進します

スノッブ効果を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。

バーナム効果

バーナム効果とは、「自分のことをいわれているようだ」と感じる心理のことです。
例えば、「あなたは最近、疲れやすいと感じていませんか」という文言があげられるでしょう。

この言葉は多くの人に当てはまるような曖昧な表現であるにもかかわらず、自分のことを言われているように感じてしまいます。
マーケティングでは、広告やオウンドメディア記事・メルマガのタイトルなどに利用できます。

アンカリング効果

アンカリング効果とは先に与えられた情報により、その後の意思決定が左右される心理のことです。
例えば、「メーカー販売価格10,000円のところ、30%引きの7,000円で販売」と表示させる方法があげられます。

もとの価格が高いと知ることでお得に感じてしまうのです。
マーケティングでは、値引きの方法以外に複数のプランやメニューを用意する方法もあります。

一番売りたいプランよりも高いプランを用意するとお得感が生まれ、売りたいものが売れやすくなるでしょう。

ザイオンス効果

ザイオンス効果とは、特定の人に何度も繰り返し接触することで好感度や評価が高まる心理のことです。
テレビCMで一定期間、同じCMを流せば認知度と興味を向上でき、購買につながる可能性を高められます。

ザイオンス効果はWeb広告、SNSやブログの更新、メルマガの定期配信など、多くの媒体で活用されています。

ツァイガルニック効果をマーケティングに活用しよう!

ツァイガルニック効果とは、完成していないものの方が完成したものよりも記憶に残る心理効果です。
マーケティングでは、メールマガジンやSNS、CMの中で「虫食い・質問形式」「一部を利用できるようにする」といった方法で活用されています。

ツァイガルニック効果はマーケティングに有効な方法ですが、根本的なペルソナ設定やナーチャリングができていないと成果に結びつかない可能性があります。

soraプロジェクトではマーケティング支援を行っています。
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投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。