AIで解決できる営業課題とは?協働が求められる理由も解説

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AIの開発が進む中で、営業活動に活用する企業が増加しています。
SFA・CRMなどの営業支援ツールにもAIが搭載され、利便性は高まるばかりです。

本記事では、AIで解決できる営業課題を解説します。
AIが浸透しても、営業がなくならない理由もあわせてご覧ください。

なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。

営業課題はAI活用で解決可能

AIの活用シーンが広まった要因のひとつが「ディープラーニング」です。
ディープラーニングとは、AIが規則性や法則を自ら導き出せる機械学習技術のこと。

ディープラーニングによる恩恵は、人間が規則性を指定せずに済む利便性の高さと、予測精度の高さです。
ディープラーニングのAIは、蓄積したデータ量が多いほど予測精度が向上し、より確度の高い営業活動が実現します。

近年では、SaaS市場の拡大にともなう顧客数の増大に加えて、顧客ごとのニーズが多様化しています。
そのため顧客情報が煩雑化し、人間では扱い切れないのが現状です。

しかし、AIはデータ量が多いほど予測精度が高まり、成功パターンへと導けます。
SFA・CRMにAIが搭載されるのは、顧客情報を収集できるツールと、より多くのデータが欲しいAIとの相性が良いためです。

AIは、人間では手の届かない予測性能をはじめとした、様々な可能性を秘めています。

AIで解決できる7つの営業課題

営業組織の規模・業種・商材によって異なるものの、企業が抱える営業課題は、下記の2つに大別されます。

  • 営業の効率化
  • より確度の高い営業活動による生産性向上

本章では、7つのプロセスに分けて、AIがどのように課題を解決できるのかを解説します。

課題1.適切なアプローチ先の選定

人的リソースが限られる中で、効率的なアプローチを実現するためには、予測精度の高いAIが不可欠です。
AIに過去のデータを学習させることで、アプローチ先の選定をより適切なものにつなげます。

アプローチ先の選定にAIを活用するメリットは、誰が操作しても同じ精度の結果が出ること。
営業未経験者であっても、経験豊富なトップ営業と同じように、高精度なターゲティングが可能です。

AIは、休眠顧客の掘り起こしや既存顧客のアップセル・クロスセルのターゲティングができるのもポイントです。
どの顧客にアプローチすべきかをAIが導き出し、営業の機会損失防止につながります。

課題2.正確な商談の議事録作成

商談中は顧客対応に集中する必要があるため、議事録の作成がおろそかになり、重要な情報を書き損じてしまうケースがあります。
商談中の音声を録音する方法もあるものの、商談後に文字起こしをするのは手間がかかる上に、きちんと録音されない場合もあるでしょう。

音声を認識できるAIを活用した場合は、音声を録音するだけで、AIが自動で文字起こしを実施してくれます。
つまり、AIを活用すると、正確な議事録を効率的に作成できるということ。

SFA・CEMなどのツールとAIの連携は、より効果的な商談パターンが分かるのもメリットです。
どのような顧客に対して、どのような営業トークが効果的だったかが分析・記録され、より確度の高い商談につながります。

課題3.効率的な営業進捗管理

営業案件の進捗管理は、トラブルや失注を防ぎ、効率的かつ効果的な営業活動の実施に効果を発揮します。
しかし、属人化している営業組織では案件の進捗を把握できず、営業担当者の混乱や管理者の対応遅れの原因になっているのが実情です。

AIを搭載したCRM・SFAは、営業の進捗状況を見える化し、案件ごとの受注確度を予測できます。
AIが過去のデータをもとに分析を進め、進行形の案件を解析するのです。

営業担当者と管理者のほかに、AIという第三者的な意見があれば、案件に対して客観的に話し合えます。
結果的に、効果的なアプローチの打ち出しが容易になり、確度の高い営業活動を可能にします

課題4.煩雑な顧客情報入力

営業活動は、膨大な顧客情報を取り扱います。
中でも、営業パーソンにとっては、交換した名刺に記載されている内容を手で入力するのは大きな負担です。

入力項目が多い・入力ルールが細かい場合は、さらに負担が増大します。
また、手作業によるミスを引き起こす場合もあるでしょう。

そこで便利なのが、名刺をスキャンするだけで情報を読み取る名刺スキャナーです。
データ化された名刺情報は、AIが規則性に従って自動で分類し、作業効率化と確実なデータ収集を両立させます。

課題5.提案書作成の手間

提案書作成は、多くの時間と手間がかかり、営業業務を非効率化しているケースもあります。
特に、提案書に情報収集・構成設計などが必要な場合は、作成の負担が大きくなりがちです。

そのため、他の営業パーソンが作成した提案書を活用するケースもあります。
ただし他の営業パーソンが作成した提案書をベースにするのは、作業時間の短縮に有効な反面、探すのに手間がかかることがネックです。

SFA・CRMの情報一元管理機能とAIを活用すると、上記のような手間の大幅な削減が可能です。
なぜなら、一元管理されている提案書の中から、AIがキーワードに沿った内容の提案書をピックアップしてくれるからです。

AIによっては、顧客情報・商談状況などに応じて、提案書をレコメンドしてくれる場合もあります。
AIを提案書作成に活用することで、顧客対応にあてがう時間の増大が見込めます。

課題6.データ管理の属人化

顧客情報を入力するファイルが営業パーソンごとに存在し、管理が属人化している場合があります。
上記のような状況では、案件の進捗管理がままならない・アプローチが重複する、といったリスクが考えられます。

顧客の役職が変更となり、顧客情報が重複して入力されている場合もあるでしょう。
いずれの場合も、データの一元管理ができず、適正に管理できていないことが原因です。

SFA・CRMは、顧客・案件情報を一元管理でき、データベースとして管理するのに最適なツールです。
さらに、AIを活用することで、より適切に管理できます。

AIが重複したデータをチェックし、過去のデータをもとに新たな見込み顧客のリストを作成。
営業に必要なデータ管理が適正化され、実用性の高いデータ管理が可能です。

課題7.案件の分析・戦略立案

確度の高いアプローチ・商談の実現には、案件の分析と戦略立案が重要度の高い要素です。
しかし、多くの営業パーソンは、業務の忙しさから分析や戦略立案ができていないのが現状です。

AIは、蓄積された商談データの中から類似した案件を抽出し、受注につながるCVポイントを分析します。
AIから得たデータを参考にすることで、アプローチのタイミングや手法が容易に把握でき、生産性向上につながります。

AI活用で営業はなくならない、3つの理由とは?

「AIが進化を続けると、営業の仕事がなくなるのでは」と不安がる声が聞かれます。
しかし、営業は人間を相手にする仕事だからこそ、AIでは不足する部分もあります。

本章では、AIを活用しても営業の仕事がなくならない3つの理由を解説します。

理由1.コミュニケーション力

相手の立場や状況に配慮しながら話を聞き、きちんと回答する能力においては、AIよりも人間が勝っています。
なぜなら、AIには人間のような感情が備わっていないためです。

単純な商品説明であれば、AIでも十分に対応できるかもしれません。
しかし、顧客とのコミュニケーションには、感情をはじめとした「人間らしさ」が必要です。

よって、営業には人間のコミュニケーション能力が今後も求められます。

理由2.洞察・推理力

AIはデータの分析が得意な反面、社内環境・人間関係などの背景を含めた提案やヒアリングはできません。
複数の視点をもとにした洞察・推理力は、人間だからこそ実現できているのです。

しかし、洞察・推理には、AIが導き出したデータが役に立つのも事実。
商談の際は、これまでの情報にAIから得たデータを加えることで、より効果的にアプローチできます。

AIには、人間のような複数の視点から物事を考え、洞察・推理する力が不足していることから、営業に人間は欠かせないと言えます。

理由3.柔軟性

AIは、入力したデータをもとにした論理的な仕事が得意です。
しかし、論理的なだけでは成り立たないシーンもあります。

仮に、AIが立案したスケジュールを例にして考えてみましょう。
AIが計算した仕事量に基づいたスケジュールは、効率性に優れており、一見すると最善策のように思われます。

しかし、顧客対応が長引く・電車が遅れる、といった可能性を考慮すると遂行できない場合もあります。
想定外の事態に対応しながら業務を遂行するのは、人間の柔軟性があってこそ。

営業活動に想定外の事態という要素が含まれる以上は、人間の柔軟性が必要です。

営業の効率化にはAIと人の協働が必要

人間とAIは、互いに不足している部分があるため、協働することが大切です。
人間とAIが協働する必要性は、欧州における産業革命のコンセプトであるインダストリー4.0とインダストリー5.0を比較すると分かります。

インダストリー4.0インダストリー5.0
特徴人間の介入を抑え、プロセスの自動化を優先する。人が中心となり、機械との協働を目指す。
課題カスタマイズ・パーソナライズの困難さが課題。利便性の向上、多様化するニーズに対応可能。

インダストリー5.0では、人と機械が手を取り合うことで、さらなる生産性向上ができるとしています。
営業パーソンとAIの関係性においても、インダストリー5.0で提唱されているように、互いに手を取り合って協働すべきです。

人間とAIが互いを補い、協働することで営業活動の効率・生産性の向上に期待できます。
なお、日本版インダストリー5.0である「Society 5.0」は、内閣府の「Society 5.0」のページをご覧ください。

営業活動にAI・デジタルツール活用をご検討中の方へ

本記事では、AIが解決できる営業課題を解説しました。
AIの活用法は幅広く、今後はさらなる進化を遂げることが予測されます。

しかし、AIをより効果的に活用するには、ITリテラシーの高い人材の確保も必要です。
当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトでは、CRMの「HubSpot」を活用した営業代行やWebマーケティング支援を提供しております。

AIやデジタルツールの活用を検討されている方は、ぜひ当社にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。