営業活動をRPA活用で効率化する方法とは?事例や運用のポイントも

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営業の生産性向上において、煩雑さをともなう事務作業の効率化が課題のひとつです。
そのような中、事務作業を自動化できるRPAを営業に活用するケースも。

本記事では、RPAの基礎知識や活用事例を解説します。
活用できる営業プロセス例や活用時のポイントも、あわせてご覧ください。

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【基礎知識】RPAとは?

RPA(Robotic Process Automation)は、AIや機械学習などを活用して、事務作業の負担を軽減できるソフトウェア・ツールです。
近年では、国内の金融機関での導入が拡大しており、事務作業の効率化を促進しています。

また営業活動の効率化につながるグループウェアの解説も行っていますので合わせてご確認ください。

本章では、RPAの基礎知識を解説します。

1.RPAとは事務作業を自動化するツール

RPAとは、登録した処理手順に従って、人間が実行するのと同じように事務作業を実施するツールです。
処理手順の登録完了後は、複数のシステムやアプリケーションを自動で操作でき、さまざまなプロセスを自動化します。

RPAのメリットは、ITリテラシーが低い人でも操作できる点です。
多くのRPAソリューションは、ドラッグ・アンド・ドロップで操作でき、プログラミング未経験者でも直感的に設定できます。

RPAのデメリットは、処理手順が変更された際に、登録し直さなければならない点です。
そのため、RPAは複数のシステムをまたいで行う単純な作業の自動化に向いているとされています。

2.営業の事務作業はRPAで効率化可能

営業業務には、顧客管理・情報整理・資料作成・日報作成などの事務作業が含まれます。
上記のような作業の中には、同じ処理手順で実行されているものもあるため、RPAで自動化が可能です。

従来であれば、煩雑な事務作業に時間を取られて、顧客対応という基幹業務にあてる時間を確保できない場合もありました。
しかし、RPAで自動化を進めると、業務負担を大幅に削減できます。

慢性化する人材不足やニーズの多様化が進み、顧客対応の充実化が求められる中で、RPAによる作業効率向上が期待されているのです。

営業活動における6つのRPA活用事例

RPAを営業で活用するメリットは、業務効率化だけではありません。
RPAは、登録した手順を正確に実行するため、ヒューマンエラーの防止にも有効です。

本章では、営業活動でRPAの活用例を解説します。

活用事例1.データ反映

RPAは、受発注に関連したデータ取得と基幹システムに取り込むファイルの自動作成・反映が可能です。
必要な作業は、RPAの処理手順にデータの取得先・変換方法・反映先を登録するのみです。

受発注のデータ反映は重要性の高い業務である一方で、さまざまな業務に忙殺されて忘れてしまうケースがありました。
しかし、RPAでデータ取得から反映までが自動化されればミスや漏れを防止できます。

活用事例2.在庫管理

在庫切れや過剰在庫など、在庫管理にはさまざまな課題が潜んでいます。
それらの課題を解決するために、リアルタイムでチェックできる方法を模索する企業も多いのではないでしょうか。

RPAは、指定した時間に安全在庫数・出荷予定数・製造依頼などの情報を収集し、営業担当者にメールで送信できます。
これまで多くの時間を費やしてきた在庫チェックは、通信環境さえあれば場所を問わずに確認可能。

在庫切れによる機会損失や、過剰在庫によるキャッシュフローの悪化を抑止できます。

活用事例3.顧客データ登録

RPAは、セミナー・ウェビナーに申し込みのあった顧客データ登録を自動化できます。
Webサイトから申し込みがあった際に、RPAが顧客データを抽出し、SFA・CRMに登録する仕組みです。

同様に、セミナー・ウェビナー参加者のデータ登録も自動化が可能です。
RPAを顧客データ登録に活用した場合は、多くのデータを一括で登録できるため、営業担当者は参加者の分析に集中できます。

活用事例4.見積書の作成・発行

RPAは、商談スケジュールが近くなった際に見積書を自動作成するよう登録できます。
見積書のメール送信も自動化できるため、営業担当者は見積書に間違いがないか確認するのみ。

「商談の間際になって見積書の作成忘れに気付き、挙句に内容が間違っていた」という事態を回避でき、顧客満足度の向上につながります。

活用事例5.契約書作成

RPAにフォーマットを登録し、契約内容をまとめたファイルを読み込ませることで、契約書を自動作成できます。

元来、契約書の作成は大きな手間であり、営業担当者にとって大きなストレスを与える要因にもなっていました。
しかし、契約書を自動で作成できれば、契約時の質問対策ができて効率的です。

RPAは、契約書作成の工数削減と顧客対応の充実化を同時に実現できます。

活用事例6.メール作成・送信

顧客対応業務の中でも、メール作成・送信はRPAで自動化できます。

例えば、顧客からの在庫確認メールが多い場合は、受信メールの内容確認からメール作成、取引先への送信までを自動化できます。
RPAが受信メールの内容に沿ったデータを収集し、必要な情報をメールに記載して送信するという訳です。

RPAによるメール作成・送信の自動化は、スピーディな対応を実現できるのもポイントです。
営業担当者を経由せず、機械的に対応できるため、顧客からの問い合わせに即座に対応できます。

RPAで効率化できる3つの営業プロセス例

RPAによる作業の自動化は、営業力強化という観点からも有効です。
なぜなら、RPAは営業プロセスの補助を担えるため。

本章では、RPAで効率化・強化できる営業プロセスを解説します。

例1.商談の事前準備

商談は、取引先のデータを収集したり、スケジュールを確認したりといった事前準備が必要です。
RPAは、インターネットから取引先のデータを検索・取得できる上に、営業担当者のスケジュールを抽出し、一覧を作成できます。

したがって、RPAは商談の事前準備を効率化でき、営業力の強化に有効と言えます。

例2.競合企業の情報収集

競合企業の情報は、自社商材の独自性を確認する作業に欠かせません。
しかし、インターネット上のニュースを調べてまとめる作業は多大な時間と労力を要します。

RPAは、競合企業の情報収集や、まとめる作業を自動化できます。
まとめたデータを営業担当者にメールで届けることもでき、情報収集を効率化できます。

例3.営業報告書作成

RPAは、登録した顧客データをもとにした売上実績・見込み金額の算出から、営業報告書作成までを自動化できます。
作成した営業報告書は、必要な形式に変換する作業もできるため、営業報告書を分析する作業もスムーズになるでしょう。

データの分析力がアップすることで、営業の生産性向上にもつながります。

営業活動にRPAを活用するときの3つのポイント

RPAの導入後は「既存ツールとの連携がうまくいかない」「活用しきれていない」などの課題が生じる場合もあります。
RPAの導入を成功させて、業務効率化という目的を達成するための3つのポイントを解説します。

ポイント1.既存ツールと連携できるRPAを選択

営業部門が導入しているシステムは、SFA・CRM・MAなどが想定されます。
さらに、営業担当者がアプリやツールを個人的に使用しているケースもあるかもしれません。

しかし、導入するRPAによっては、既存のシステム・ツールと連携できない場合も。
SFA・CRM・MAなどとRPAが連携できない事態を避けるためにも、既存のシステム・ツールに対応しているかを事前に確認しましょう。

また、連携できても思わぬエラーが発生するリスクもあります。
発生しうるエラーを洗い出し、あらかじめトラブルシューティングを確立させておくと安心です。

ポイント2.RPAは現場主体で活用

導入するRPAの選定は、情報システム部門をはじめとしたITリテラシーに長けるメンバーが主導するのが一般的です。
しかし、実際にRPAを運用するのは営業部門です。

よって、現場が主体となってRPAを運用する体制を構築することが重要。
ITリテラシーが少ない現場を想定した、RPA選びのポイントは以下の2つです。

  • UI・UXに優れて、使い勝手に優れたRPA
  • 導入後のサポート体制が整ったベンダーが取り扱っているRPA

IT分野のUI・UXは年々進化を遂げており、シンプルで使いやすいRPAも多くリリースされています。
そのため、上記の2点のうち、ベンダーのサポート体制は特に重要性が高いと言えるでしょう。

RPAを運用する中で警戒すべき事柄は、ソフトウェアのバージョンアップが影響したトラブルです。
「RPAありき」の業務体制が構築されていると、RPAが正常に動作しなくなったときのリスクは計り知れません。

RPAを導入する際は、ソフトウェアだけでなく、ベンダーのサポート体制にも気を付けてください。

ポイント3.属人化の進行に注意

RPAは利便性が高い反面、未経験者からは敬遠されがちなのが現状です。
そして、RPAを使用する営業担当者が限定的であった場合に発生するのが、業務の属人化です。

RPAに関連した業務の属人化が進行すると、担当者の退職や異動によってシステムのレガシー化やトラブルの要因になることも。
したがって、RPAを導入する際は、多くの社員がRPAを積極的に活用できるように支援すべきです。

RPAの推進支援としては、動画による基本操作の共有や、定期的なワークショップの実施などが考えられます。
同時に、新入社員の研修にもRPAに関する内容を加えて、初期の段階から意識づけるのも忘れてはいけません。

RPAの浸透には時間がかかるかもしれませんが、得られるメリットは大きいため、積極的に関わりましょう。

RPA・営業ツールを活用した業務効率化に興味のある方へ

本記事では、RPAの活用事例・効率化可能な営業プロセスを解説しました。
営業の業務効率化にはRPAが有効なものの、新たな取り組みを実施するには、人材の確保も必要です。

当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトでは、営業代行やテレアポ代行などを提供しています。
「新たな取り組みを導入したいが、新規顧客の開拓やナーチャリングは継続したい」という場合にも対応可能です。

営業の人材不足でお悩みの方は、お気軽に当社までお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。