営業で使える応酬話法とは?|応酬話法の種類からトレーニング方法まで解説

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「営業トークが苦手で、商談をスムーズに進められずに成約につながらない」
と悩んでいる営業担当者も多いのではないでしょうか。

苦手意識をなくすために、身に着けたいのが応酬話法というテクニックです。このテクニックを取り入れることで、これまで苦戦していた切り返しをスムーズに行えるようになるでしょう。

応酬話法を活用できるようになるとお客さまとの会話を続けることができるうえ、さらには話題を展開できるようになります。
結果として会話の中で顧客の課題を発見し、顧客の抱えている課題を解決するための提案をすることができるようになります。そして商談の成約率向上につながっていくのです。

本記事では、商談で活用できる9つの話法と、応酬話法のトレーニング方法について解説していきます。

なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。

応酬話法とは?

応酬話法とは、顧客の反応に対してうまく切り返しをしていく話法です。

顧客がネガティブな発言をしたときでも、応酬話法を身につけておくだけで話を継続していくことができます。また、応酬話法にはスムーズにトークを進められて話の流れを作れるというメリットがあります。

応酬話法が使えるようになれば、以下のメリットが考えられます。

  • 押し問答が減る
  • 商談時間が短縮されて成約率が上がる
  • 顧客の本当のニーズが分かる
  • よりよい提案ができてよい取引関係が築ける など

すぐに使える応酬話法9選

この記事では、以下9つの応酬話法を取り上げます。

パターンを覚えておくだけですぐに活かせますので、ここで確認しておきましょう。

質問話法

質問話法は、その名の通り、顧客に質問を投げかけながらニーズを探っていく方法です。

営業においては、アイスブレイクやヒアリングでよく使われます。

質問をうまく使うと、顧客自身が気づいていないニーズを発見できます。ニーズに合った商品の提案は、契約成立において重要なポイントです。顧客に断られたときにも、理由を質問することで商談に持ち込めます。

相手の意見の真意を引き出すために、すぐに答えず質問で切り返します。

  • 〇〇についてどう思われますか?
  • そう考える原因はありますか?
  • どのような課題があると思われますか?

などの質問が良いでしょう。広い質問から初めて段々条件を絞っていくのが重要です。

不満に対する原因を仮定し、追求するための質問へと移行していきましょう。

一緒に考えたりよりよい状態に改善したりして、顧客のために手伝いがしたいという姿勢を示すことが大切です。

段階を踏むことで、相手の抱える課題が見えて潜在的なニーズが把握できます。

結果、提案できる商品やサービスの幅が増えて成約率がアップします。

寄り添い法

共感を示して寄り添い、お客さまの発言や断りの言葉を前向きに受け止めて、質問をしながら商談を進めることでお客さまの好感や信頼を勝ち取れる応酬話法です。

「もし〇〇であれば・・・いかがでしょうか」

「具体的に教えていただけますか」

「AとBでしたら、どちらがベストでしょうか?」

などのように展開します。

そして、いくつかの質問を使って掘り下げて、お客様が断る本当の原因を明らかにしていきましょう。お客さまのためだという姿勢を示した上で、ニーズを深堀します。

お客さまの望む成果や喜びは何なのかをしっかり聞き、共感を示し、寄り添って疑問や不安を解消するためにどうしたらよいか考える姿勢を示します。

すると、「そこまで考えてくれるのであれば……」という気持ちが生まれ、本当のことを話してくれるようになります。

ブーメラン法

ブーメラン話法とは、顧客の否定的な主張に対してプラスに転換する話法です。

「だからこそ」のようなワードが使えます。例えば、商品の金額に対して否定的であれば、「金額に見合った品質である」と切り返すことが可能です。

Yes but法

お客さまの発言や断りの言葉を受け止めて、お客様の言葉に反するこちらの主張を述べ、抵抗感を和らげる応酬話法の一つです。反対意見でも、まずは受け止めてから反対意見を述べる手法です。

例えば、価格が高いことを理由に断れた場合は

「おっしゃる通り、価格は高めの設定とさせていただいております。そのため、他社にはない〇〇が備わっているほか、サポートサービスも充実しており、価格に十分見合うだけの価値があります」

というように反発が生まれにくい接続詞を挟んで、顧客にとってのメリットを提案します。安心感を与えたうえで意見を述べることで意見が受け入れてもらいやすくなります。

しっかり受け止める上で反論に転じていくため、心理的抵抗感が少なくなり、会話を続けられます。

肯定した後に異論を述べるため、全否定するような言い方にならないようにする点は注意点です。相手の表情をよく観察しながら使いましょう。

Yes and法

お客さまの発言や断りの言葉をそのまま受け止めて、お客さまの言葉に反するこちらの主張を述べていく手法です。述べるときの言葉を順接「そうですね」「おっしゃる通り」などの言葉でつなぐことで、お客さまに冷静に聞いてもらいやすくなる応酬話法です。

「おっしゃる通りです。それであれば……」

というように展開します。

相手の意見を受け止めた上で「それであれば」「では」「したがって」「一方で」といった、反発が生まれにくい言葉でつないで、お客様にとってのメリットを提案します。

Yes but法よりも柔らかい印象となり、お客さまの中に肯定的な気持ちが生まれ、前向きなやりとりを行いやすくなります。

否定法

お客さまに理解不足や疑問がありそうなときに、お客さまの発言や断りをきっぱりと否定して、正しく理解して安心してもらう応酬話法の一つです。

「そんなことはございません」

「そのようなご心配は必要ありません」

といった言葉で、相手の意見を否定して会話を展開します。

商談がある程度すすみ、お客さまの理解不足や誤解があると感じ、疑問や不安を解消したいときに使用可能です。

この時柔らかい印象にするため「ご安心ください」「大丈夫です」といった言葉も添えると良いでしょう。お客様の意識が「安心していい」「大丈夫なんだ」と思う方向に向き、「自分のための話だ」と受け入れられやすくなります。

例え話法

より具体で商品やサービスについて伝えたり、顧客の購買意欲を高めたりする際に有効なのが例話法です。

特に、営業トークの終盤に活用すると成約率を高められます。

例えば「ご同業の企業様にはAプランをご利用いただいております。」など、具体例を挙げて説明すると説得力や安心感が増します。

顧客との共通点が多い実例を挙げることがポイントです。

「実は今年の春ごろ同業の企業様が同じ不安を持っていらしたのですが、このサービスを導入されたのです。結果、半年以上変わらずご利用していただいております」

などと実例を交えて話すことで、競争心が煽られ成約の流れが期待できます。事例に加え、体験談や計数、事実、データなどを盛り込むのも有効です。ただし、個人情報の保護や守秘義務遵守は意識する必要があります。

競争心に火をつけ、弊社でも導入しようという流れに持っていくことも期待できます。

注意点として、守秘義務の遵守や個人情報の保護などに留意しましょう。

資料転換法

口頭の説明だけではお客さまが理解してなさそうだと感じたときや、会話が行き詰まったときなどに、資料やデータなどを見せます。資料やデータなどを見せることで、お客さまの納得を得やすくなる応酬話法です。

「ちょっとこちらを見ていただけますか」

「この資料のこちらをご覧ください」

などの言葉を使い、展開します。

初めて説明を聞いたお客さまにとって、目で追える資料があることで情報が頭に入りやすくなります。資料転換法を使用して、判断根拠をお客さまに提供できます。

聞き流し法

黙殺法ともいわれ、相手のネガティブな言葉を聞き流し、話題を切り替える方法です。

話題を切り替える接続詞を挟み、顧客にとってのメリットや全く別の話題について話せば、相手のプライドが傷つかずに済みます。「なるほど。ところで先ほどの話ですが」などの言葉が良いでしょう。

ただし、多用しすぎると話を聞いてくれないと不誠実な印象をもたれる可能性があります。お客さまの、すげない断りの言葉を軽く聞き流し話題を切り換えることで、お客さまとの会話を続けられる応酬話法です。

「ところで……」

「そういえば……」

などの言葉を折り込み、展開します。

ただし以下の点で注意が必要です。

1.多用しない

黙殺法を多用すると、お客さまから「私の話を聞いてくれない」と不満が募ったり、話が平板に推移したり、不誠実な印象を与えてしまったり、心証が悪くなる場合があります。

2.無意識に黙殺しない

お客さまの話すことを無意識に黙殺するケースは意外と多いものです。

「お客さまの言うことをはぐらかす」ようなトークをして、商談がうまくいかないと、「黙殺法」を繰り出していないか振り返ってみましょう。

応酬話法のトレーニング方法は?

応酬話法のトレーニングは、実践的なものがよいでしょう。

体感的に習得していくのが効果的です。

ロールプレイングを行う

顧客と対話する場面を想定したロールプレイングに取り組みましょう。

ロールプレイングの方法もさまざまです。実際に起きた事例をもとにしたり、特定の場面を想定したり、役割を入れ替えたりするなどが考えられます。

ロールプレイングを行うことで、応酬話法における自分の課題に気付くことができます。

また、実際に話していくうちに、応酬話法を場面に応じて選択し自然に使えるようになるメリットもあります。

先輩や売上のよい同僚のロールプレイングを見て自分との差を理解すれば、営業のコツを掴むことにもつながるはずです。

マニュアルやトークスクリプトを作成する

対話のパターンを知るために、応酬話法についてのマニュアルを作成し社内で共有・配布するとよいでしょう。

マニュアルを基に、ロールプレイングを行ったり実践を振り返ったりするのがおすすめです。

企業や取り扱う商品・サービスによって対応の仕方は異なってきます。営業チームでオリジナルのマニュアルを作成し活用することが大切です。

顧客の質問や意見にはさまざまなパターンがあり、そのパターンに応じたマニュアルをパターンごとに作成しておきましょう。また、顧客の発言に対する切り返しトークなども準備しておくことで、商談がより進めやすくなります。

事前に準備したシナリオ通りに商談を進められれば、成約率の向上につながります。そのためにも、さまざまなパターンに対応できるマニュアルやスクリプトの作成を心がけましょう。

上長が商談に同行してフィードバックする

いくらロールプレイングで上手くいったりマニュアルを作ったりしても、重要なのは実践の場で上手くいかなければ意味がありません。

実際に顧客との商談の場に立ち合うことで、上司としても部下や後輩がどの程度応酬話法を習得しているかを見極められます。

客観的な視点からフィードバックがもらえれば、具体的に成果と課題を把握することができるでしょう。

応酬話法を使いこなして営業成果をあげる

応酬話法とは「お客さまとの商談で話す発言のすべて」のことです。

顧客の言葉にキーワードをプラスして切り返しのトークを行い、さらに商品購入を勧める説得力のある理由や根拠を述べてクロージングの成功をもたらす話し方。ここまでが応酬話法と言えます。

また、「自分が商談で発する言動すべてが顧客へ影響を与える」ということを意識することが重要です。

すぐに応酬話法を使いこなしたい方は、トークスクリプトに応酬話法を入れ込むとよいでしょう。トークスクリプトを実際の営業に活用して、試行錯誤してみてください。

トークスクリプトの作成、応酬話法の導入が面倒な場合は営業代行を利用して営業のプロに営業を委託するのも良いでしょう。

弊社soraプロジェクトは代行業務15年の経験をもとに、営業代行を行っております。

導入資料も無料でダウンロードいただけますので、そちらも参考にしてみてください。

さらにsoraプロジェクトは、営業代行に関するお問い合わせを受け付けております。

営業代行に関してお悩み等ございましたら、ぜひご相談ください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。