営業の自動化とは?効率化できる業務や成功のポイントとツールを解説

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営業の自動化は、労働人口減少にともなって必要性が高まっています。定型化した自動化によって業務の効率化が実現でき、営業の高質化につながるためです。

本記事では、営業の自動化の基礎知識を解説します。営業の自動化に役立つツールや成功に必要なポイントも、あわせてご覧ください。

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【基礎知識】営業の自動化とは?

営業の自動化に取り組む際には、基礎知識が必須です。しかし、あらためて「営業の自動化とは?」と質問されると、具体的な返答に困ることも。

本章では、営業の自動化の基礎知識を解説します。

1.営業の定型化した業務を自動化すること

営業の自動化とは、定型化した業務や重複する業務をITツールで自動化して、業務プロセスを効率化する取り組みです。海外では「セールスオートメーション」とも呼ばれ、すでに広く浸透している取り組みでもあります。

営業活動を自動化する必要性が高まったのは、加速化する労働人口の減少が背景。厚生労働省の調査(図表1-3-3 労働力人口・就業者数の推移)によると、1989年からの20年間で、労働人口は約2,000万人減少しています。

営業の自動化は、限られた人員数で高効率かつ生産性の高い営業活動を行うための手段として、取り組む企業が増加する傾向にあります。

2.自動化の目的は営業の質を高めること

営業の自動化は、営業パーソンのコア業務である顧客とのコミュニケーションやアプローチの高質化が目的です。

これまでは、ルーチンワーク化したさまざまな日常業務や雑務に追われ、顧客との関係構築に割く時間が限られるケースが多いのが実情でした。定型化した業務の繰り返しが不要になれば、コア業務に割く時間が増加し、より質の高い営業活動の実現につながります。

繰り返し業務の自動化は、労働環境の改善にも効果的です。業務効率化により、残業時間数や休日出勤などが減少し、営業パーソンの業務負担軽減に期待できるでしょう。

自動化可能な5つの営業業務とは?

自動化可能な営業業務は、おもに以下の5つです。

  • 営業アプローチの自動化
  • スケジュール調整を自動化
  • 営業メール送信を自動化
  • 情報の部門間共有を自動化
  • 報告作業を自動化

順に解説します。

業務1.営業アプローチの自動化

ITツールを活用すると、確度の高い顧客リストの作成が可能です。ITツールは、営業パーソンが獲得した顧客情報を自動で集約・分析し、確度の高い顧客リスト作成が自動化されて効率化できるという訳です。

テレアポ・営業メール・展示会・飛び込み営業など、移動や手間がかかる作業が不要となり、確度の高い顧客に対して優先的に可能に。効率的なアプローチにつながるため、結果的に効率的な営業活動が実現します。

業務2.スケジュール調整を自動化

ITツールの日程調整機能では、以下のようなことが可能です。

  • 営業パーソンの空き時間確認
  • 顧客が都合の良い日時を選択
  • 顧客が選択した日時を営業パーソンのカレンダーに自動追加

従来の顧客と営業パーソンの日程調整は、メールを何度も往復させ、それぞれの空き時間を調整する必要がありました。しかしITツールを活用すると、日程調整にかかる手間が大幅に軽減されます。

営業パーソンは、社内ミーティングをはじめとしたスケジュールをカレンダーに入力しておくのみ。日程調整にあてていた時間は、顧客対応に回せて生産性向上につながります。

業務3.営業メール送信を自動化

営業メールのテンプレートを作成し、ITツールに保存しておけば、営業メール関連の作業時間の削減が可能です。たとえば問い合わせメールの返信業務に、ITツールを活用すると1次対応が自動化されて、業務効率化が実現します。

メールの自動送信機能は、メールマガジンをはじめとした定期的に送信するメールに応用するのも効果的です。送信内容・送信相手・送信日時などの情報をITツールに登録する必要があるものの、送信ミスや送信忘れなどのヒューマンエラー防止にも有効です。

業務4.情報の部門間共有を自動化

営業活動で手に入った情報を、ITツールに入力すると、情報の整理や部門間の共有が容易です。

名刺情報を読み取ってデータベース化する「名刺管理ソフト」は、顧客データの情報を共有できるITツールの代表例。名刺管理や情報共有に必要な手間が不要になり、マーケティング部門との連携強化を図れます。

ITツールによっては、情報が時系列にそって蓄積される場合も。時系列で情報が整理されていれば、市場の動きが把握しやすくなり、より効果的な営業活動に応用できます。

業務5.報告作業を自動化

ITツールは、営業日報や成果報告などの負担が大きい作業の自動化が可能です。日々の営業データ入力が必要になるものの、業務の合間にできる内容が多いため、負担が軽減される仕組みです。

蓄積された営業データをもとにしたグラフ作成が可能なITツールもあり、ミーティングの資料作成や報告などの業務効率化を実現できます。

営業の自動化が可能な3種のツールとは?

営業活動を支援するITツールは、おもに以下の3つが一般的です。

  • 営業のデータ管理を自動化「SFA」
  • 顧客データ管理を自動化「CRM」
  • 営業アプローチプロセスを自動化「MA」

ツールに備わっている機能や導入目的などに応じて選んでみましょう。
なお、自動化ツールを新規開拓に活用する方法は以下の記事で解説しています。

ツール1.営業のデータ管理を自動化「SFA」

SFA(Sales Force Automation)とは、営業部門のデータ管理や業務プロセスを自動化し、蓄積したデータの分析が可能なITツールです。蓄積したデータから、営業活動の見える化や効率化、営業手法の属人化防止などが可能。

効率化が可能な業務の洗い出しや営業パーソンのスキルアップなど、営業部門の体制改善につながるのが大きなメリット。SFAは、営業部門を中心に生産性を強化したい場合にぴったりです。

ツール2.顧客データ管理を自動化「CRM」

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客の様々な情報を蓄積・管理して、より効果的なマーケティングやサポートを可能にするITツールです。蓄積・管理できるおもな情報は以下の通り。

  • 氏名
  • 年齢
  • 属性
  • 購買履歴
  • 志向

顧客のニーズを押さえた製品・サービスの提案が可能になり、顧客との関係性向上にも期待できます。SFAは営業プロセスの見える化が可能ですが、CRMはいわば「顧客の見える化」ができるITツールです。

CRMは、顧客へ的確かつ迅速なアプローチをしたい場合や機会損失を防止したい場合などに活用できます。

ツール3.営業アプローチプロセスを自動化「MA」

MA(Marketing Automation)とは、見込み顧客のナーチャリングから商談までのプロセスをサポートするITツールです。顧客情報を活用する点はCRMと同様ですが、MAはスコアリングを通して営業パーソンをフォローする点が異なります。

CRMとMAは、顧客情報を活用する点で共通しているものの、それぞれのメリットを最大限に活かすために連携させるケースも。システムの連携に必要な費用なども含めてツールを検討する必要があります。

ただし、近年では「統合型CRM」と呼ばれるツールも登場しています。
統合型CRMはMAやSFAの機能を網羅しており、連携コストの削減が可能なため、必要に応じて検討するとよいでしょう。

営業の自動化を成功させる3つのポイントとは?

営業の自動化に向けて取り組むときは、以下3つのポイントが大切です。

  • ツールに依存しすぎずに営業の質を高める
  • 営業の自動化ツールを導入可能か確認
  • 部分的な営業自動化からスタート

各ポイントを解説します。

ポイント1.ツールに依存しすぎずに営業の質を高める

営業の自動化は、ツールで業務効率化させることでなく、効率化によってコア業務の質を高めることが目的です。
ツールで単調作業を自動化できても、顧客とのコミュニケーションが減ってしまっては本末転倒。

顧客とオンラインでコミュニケーションを図る場面が増えている一方で、面と向かったコミュニケーションが必要なケースもあるでしょう。
ツールに依存しないためには、自動化は営業の高質化が目的であり、顧客とのコミュニケーションがいかに重要かの2点を大切にすることです。

ポイント2.営業の自動化ツールを導入可能か確認

自社に適した自動化ツールは、導入しているシステムの種類や規模などによって異なります。
特に自動化ツールを他システムと連携させる予定がある場合は、専門的な知識が必要となるため要注意。

適した自動化ツールを見極めるには、会社の規模に応じて数名のプロジェクトチームを結成し、シミュレーションを繰り返しながら検討するといいでしょう。
同時に気を付けるべきは、自動化ツール導入後にシステムの変更・アップデートなどで、使えなくなってしまうケースです。

システム変更・アップデートは、上層部のみの判断で実施されるケースもあるため、自動化ツールを導入することをきちんと共有してください。

ポイント3.部分的な営業自動化からスタート

営業の自動化は、部分的な自動化ツールの導入から開始しましょう。
部分的な自動化ツール導入から取り組みを開始した場合は、予定していた効果が出なかったときに、修正が容易なためです。

新たな取り組みを開始するときは、何度も修正と分析を繰り返し、細かなPDCAサイクルを回して完成形に近づけるもの。
全体的な導入は、取り組みが軌道に乗って、ある程度の効果を実感できるようになってからでも遅くありません。

なお、営業の自動化が軌道に乗っているのかは、事前にKPIを設定しておけば判断が可能です。

営業の自動化を検討中の方へ

本記事では、営業自動化の基礎知識のほか、以下3つのポイントをお伝えしました。

  • 営業の自動化に必要なツールは3種類
  • 自動化はツールで業務を効率化して、営業の質を高めることが目的
  • 営業自動化を成功するには適切なツールを選べるかどうかが大きなカギ

営業の自動化に取り組む際は、複数のツール連携が必要になる場合もあります。

しかし、そうなるとツール管理が煩雑化してしまうこともあるでしょう。

当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトでは、MA・SFAなどの機能も利用できる統合型CRM「HubSpot」を使った営業支援を行っております。
管理するツールを一本化できるため、営業の自動化をスムーズかつ効率的に推進することが可能です。

営業の自動化を検討される際は、ぜひ当社へご相談ください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。