「SDR」とは?4つの導入前ポイントやビジネスへの影響・メリット

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インサイドセールスにおけるSDRとは?詳細やBDRとの違いを解説

働き方は変化しつつある現代では、インサイドセールスの導入を進めている企業も増えています。

インサイドセールスの領域には「SDR」と「BDR」という組織がありますが、聞き馴染みがない方にとっては理解が難しいのではないでしょうか。

そこで今回は、インサイドセールスの詳細からSDRとBDRの違い、注目されている理由、導入前に意識すべきポイントなどを解説します。

記事後半ではSDRとBDRの最適化におすすめのITツールも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。

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反響型のインサイドセールス「SDR(Sales Development Representative)」とは何か

インサイドセールスとは

SDR(Sales Development Representative)とは、顧客からの問い合わせや資料請求などの反響や反応を受けて対応する組織のことです。

インバウンド(外から中に入ってくる・内向的な顧客)が主体のため「反響型」とも呼ばれています。
主な役割は、マーケティング部門から引き継いだリードを商談化してフィールドセールス(提案、クロージング活動)へ引き継ぐことです。

商談獲得率を上げる重要な中継ぎポイントであるため、流入から初回アプローチまでのスピードが肝となるポジションといえるでしょう。

SDRはBDRとどのように違うか

SDRとBDRの違い

遠隔で顧客とコミュニケーションを取る営業活動(インサイドセールス)には主に2つの営業手法が存在します。

  • SDR「反響型」
  • BDR「新規開拓型」

しかし「SDRとBDRの違いがよくわからない」という悩みを持つ方も多いのではないでしょうか。

本章では、SDRとBDRの詳細から違いについて詳しく解説していきます。
それぞれの役割や特徴について説明するので、ぜひ参考にご覧ください。

SDRとは

SDRとは、顧客から問い合わせを受けて対応する組織のことです。

下記にSDRとBDRの違いについて記載します。

SDRBDR
反響型新規開拓型
インバウンド主体アウトバウンド主体
リードの商談化とクロージングへ引き継ぐことが目的新しい顧客を開拓することが目的

次章では「BDR」について解説します。

BDRとは

BDR(Business Development Representative)とは、既存ではなく新しい顧客を開拓するための組織です。

「新規開拓型」ともいわれており、自社ターゲットとなる企業に対してアポやメールを送ってアプローチをかけていきます。

新規顧客との接点を作ることによって売上へとつなげることが特徴です。
積極的なアプローチをかけていくので、受注へとつなげられると大きな成果を出せます。

BDRは中堅企業から大手企業を対象とすることが多いため、戦略的なアプローチをする必要があります。

SDRとBDRを成功させるコツ

SDRとBDRを成功させるコツは「顧客ニーズを把握すること」です。

顧客が求めているものは何かを考えて、価値のある商品やサービスをタイミングよく提供しなければいけません。そのため営業利益や目標だけに注目することは要注意です。

またインサイドセールスを実施するには、営業担当者がクロージングまでの作業を完結させられるスキルが求められます。

顧客1人ひとりと真剣に向き合いながら対応できる人材を育成することがインサイドセールスを成功させる鍵です。

SDRが注目されている理由

SDRとBDRが注目されている理由

なぜSDRといった組織が注目されるようになったかというと、対面でコミュニケーションを取る機会が減っているからです。

新型コロナウイルスの影響はもちろんインターネットの普及から、顧客と対面せずにやり取りすることが一般的になりました。また顧客もインターネットから簡単に情報収集ができるため、自分の目で商品やサービスの良さを判断できます。

そのため従来のようなフィールドセールスよりもインサイドセールスに注力したほうが営業の成約率も高くなっています。

インサイドセールスであれば、インターネットから短時間のうちに多くの顧客と接触可能です。
営業活動のあり方が変化している現代において、SDRの組織は必要不可欠な存在となっているのです。

SDRの導入前に意識すべき4つのポイント

SDRの導入前に意識すべきポイント

SDRを導入する前には、以下の4つのポイントを意識しましょう。

  • 目的を明確化する
  • KPIを設定する
  • 人材を配置する
  • ツール・システムを活用する

それでは順番に説明していきます。

目的を明確化する

まずは何のためにSDRを導入するのか目的を明確化しましょう。
目的が曖昧な状態で導入を進めてしまうと、結果的にうまく機能しない原因となってしまいます。

  • 見込み顧客の囲い込みを徹底したい
  • リードを逃さずに営業に活用したい
  • リード獲得から実績につなげたい

そのためSDRを導入するときは、見込み顧客をどれくらい確保したいのかを目的にするようにしましょう。

KPIを設定する

2つめはKPIを設定しましょう。
KPIとは、目標達成の度合いを評価するための指標です。

特にSDRに特化したKPIを設定することが重要です。
例えば下記のような項目をもうけるとよいでしょう。

  • 商談化率:商談のアポイントを獲得できた数のこと
  • 有効商談数:見込みがあると認定できた商談の数
  • 無効商談数:受注につながらなかった商談の数

その他にも、「マーケティング部門と有効リードの定義・条件について合意できているか?」「商談化率を割り出すときの母数は対応済みリードになっているか?」などにも注意してKPIを設定しましょう。

SDR向きの人材を配置する

自社にSDRの組織を作るときは、最適な人材を見極めて配置しなければいけません。
下記にSDRに向いている人材の特徴を紹介します。

  • 新しいことへ挑戦できる人
  • 広告営業やブライダル業界経験者
  • フィールドセールス経験者

広告営業の経験者は、売上目標を達成するために必要な商談数や効率の良い営業手法を知っていることが多く、目標達成に向かって自走できる方が多いことを強みとします。

一方、ブライダルは高額商材のため商談期間が長く、踏み込んだヒアリング力が必要なため、顧客のニーズに合わせて提案する力がSDRでも能力を活かせるでしょう。

ツール・システムを活用する

効率良くSDRを進めるには、ITツールやシステムの活用がおすすめです。

最近では営業活動に便利なITツールが幅広く展開しており、名刺管理や顧客情報管理などを簡単にできます。しかし営業チーム全体で導入するときは、取り入れやすさも事前にチェックしておく必要があります。

まずはテストとして営業チーム全体に使いやすさや機能を実感してもらい、浸透して長く使えるものを導入するようにしましょう。

SDRがビジネスに与える影響やメリット

SDRがビジネスに与える影響やメリットは数多くあります。
特に下記の3つが大きなメリットです。

  • ホットリードを獲得できる
  • 商談をスムーズに進められる
  • ウォームリードの維持や発展が容易

それぞれ解説します。

ホットリードを獲得できる

1つめのメリットは、ホットリードを獲得できる点です。
ホットリードとは、リードの中でも熱いもの、案件化する可能性が高い見込み客のことを指します。

確度が高い顧客であれば、商談成立に至りやすく企業利益に直結する可能性が高いといえます。
そのため、ホットリードを効率的に獲得できる点は大きなメリットといえるでしょう。

商談をスムーズに進められる

2つめのメリットは、スムーズな商談が可能な点です。
SDRはインバウンド型の組織のため、顧客の多くは確度が高く、温度感の高いことが特徴です。

商談がスムーズに進めば、顧客側は「対応が素晴らしい」と感じ、より企業への信頼度もアップするでしょう。

一方、企業側では「短期の商談でコンバージョンにつながる」ため、生産性が高まり効率的な営業活動を行えます。

リードの維持や発展が容易

最後のメリットは、各リードの維持や発展が容易にできる点です。

下記は株式会社マイナビTECH+の調査結果です。
調査結果によると、初めから確度が高いホットリードは「16%」しかいません。

出典:株式会社マイナビ「TECH+ blog

そのため、8割を占めるコールドリードとウォームリードを維持し、ホットリードへ展開する力が必要だといえるのです。

SDRを強化すれば、確度の低い顧客の維持や温度感の向上が見込めるでしょう。

SDRを成功させるために必要なスキル

SDRを成功させるためには下記の3つのスキルが重要です。

  • コミュニケーション能力
  • ライティング能力
  • 精査能力

それぞれ解説します。

コミュニケーション能力

特にSDRが大事とするスキルは、コミュニケーション能力である「情報収集能力」です。

確度の高いリードはすぐにフィールドセールスにパスするためにも、精査時にリードの「温度感の見極め」が重要です。

顧客とのコミュニケーションを通じて、適切な温度感や情報を集めてフィールドセールスへとつなぐことが大切です。

ライティング能力

2つめに必要なスキルは「ライティング能力」です。
SDRは、顧客とのコミュニケーションやヒアリングを通して、MAツールやCRMツールへの情報の書き込みを行います。

情報をデータベースへ書き込む際に、曖昧な書き方や間違った情報が含まれていると、せっかくの成約チャンスが失われてしまいます。

そのため、端的にまとめて文章化するライティングスキルが必要です。

精査能力

最後の必要スキルは、精査能力です。

見込み度合い別で精査を行うためには、過去の営業活動履歴やコール履歴、顧客情報から分析して、正しく振り分ける緻密な精査能力が重要です。

的確なリードへアプローチするためにも、瞬時に判断できる精査能力が必要でしょう。

SDRを理解して見込み客の獲得を目指しましょう

SDRを理解して見込み客の獲得を目指しましょう

SDRとは顧客からの問い合わせや資料請求などの反響や反応を受けて対応する組織のことです。
スピーディーな顧客対応をすることで、ホットリードの獲得を向上させ、その他のリードも逃さない営業活動を可能にします。

また、営業組織にSDRを導入する際は、正しいKPIの設定やSDRに適した人材の配置がかかせません。

もしインサイドセールスの導入に不安を感じているときは、外部からの協力を得ることも1つの手段です。

soraプロジェクトではインサイドセールスに強みのある専門集団が、企業様のセールス活動を支援しています。インサイドセールスの代行もできますので、まずは資料請求からお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。