リードとは?見込み客をプロセスごとに分類し管理する方法を解説

この記事を読むのに要する時間:約 2

営業やマーケティング活動を実施する中で「リード」という単語は頻繁に使用されます。
しかし、その意味をしっかりと定義せず、あいまいなまま使われるケースも少なくありません。

リードの意味があいまいになっていると、部署間で業務を引き継ぐ際に誤解を招き、機会損失につながるリスクが想定されます。

本記事では、リードという言葉が持つ意味をさまざまな観点から解説します。
リードの効果的な獲得方法も、あわせてご覧ください。

なお、株式会社soraプロジェクトでは「SFAの運用が成功した時にやった4つのこと」をまとめた資料を無料で配布していますので併せてチェックしてみてください。

リード(見込み客)とは

リード(見込み客)とは、営業活動で生み出した見込み客を意味するマーケティング用語です。
リード(lead)という英単語は「手がかり」「きっかけ」と訳され、契約に結びつく可能性がある顧客を連想できることから、見込み客を指すのに用いられています。

一般的な「客」の中でも「見込み客」は、「まだ商品やサービスを購入していないが、将来的に購入の可能性があると見込まれる潜在的な顧客」を指す言葉です。
マーケティングや営業活動を通じて見込み客を引き寄せ、顧客に変換することが目標となります。

「セールスリード」という言葉もありますが、リードと同義語と考えて構いません。
いずれの言葉も、購入・契約はしておらず、将来的に顧客になりえる集団を意味します。

リード(見込み客)の定義

リードは「将来的に顧客になりえる集団」と定義されるものの、部門が違えば捉え方が異なります。

リードの定義が異なるのは、営業部門とマーケティング部門の例が代表的です。
下記のように、営業部門とマーケティング部門では、リードとして捉える顧客の範囲が異なります。

  • 営業部門のリード:商談の可能性がある見込み客(成約につながる確率が高い)
  • マーケティング部門のリード:メルマガ・SNS・セミナーなどで獲得した見込み客(成約の可能性は不明)

部門による意味の違いが生じるのは、それぞれの部門が担う営業プロセスが異なることが要因のひとつです。

営業部門は商談から成約、成約後のサポートまでを担っており、確度の高い相手をリードと呼ぶ傾向にあります。
その一方で、マーケティング部門はリード獲得から育成までを担当するため、リードと呼ぶ相手は広範囲に及びます。

リードの意味や範囲が違っていては、互いに不便を感じる場面もあるでしょう。
よりスムーズな引き継ぎには、リードの定義を見直して、認識を共有する取り組みが大切です。

リード(見込み客)の2つの分類方法

リードを分類するメリットは、部門間で生じる認識のズレ予防と、アプローチの適正化につながることです。

例えば、営業プロセスに応じて分類すると、どの段階で営業部門に引き継ぐべきかが明確になります。
購買意欲で分類した場合には、意欲の高さに応じたアプローチの検討が容易です。

リードの分類方法を把握して、営業成果の向上につなげましょう。

プロセスによる分類

リードをプロセスごとに分類すると、おもに以下4つのプロセスに分類されます。

  • Inquiry:問い合わせ段階のリード。何らかのきっかけで自社に関心を持っており、ホームページ訪問・資料ダウンロードに期待できる。氏名・会社・メールアドレスなどの情報が入手可能。
  • MQL(Marketing Qualification Lead):マーケティング施策で生まれたリード。MA・CRMなどのほか、WebコンテンツやWeb広告を介して獲得したリード。Inquiryと同様の情報が入手可能。
  • SQL:商談段階のリード。営業担当者が直接的なアプローチを実施し、顧客のさらなる情報を獲得。契約につなげるステップとする。
  • Close:商談を終えて契約段階にあるリード。

InquiryとMQLは、ほとんど同じレベルのリードです。
違うのは、マーケティング部門の施策を介して獲得したかどうかのみであるため、入手できる情報にほとんど差異がありません。

しかし、リードがSQLになった段階で、InquiryとMQLは下記のように分類されます。

  • SAL(Sales Accepted Lead):マーケティング部門のアプローチで獲得したリード(Inquiry)
  • SGL(Sales Generated Lead):営業パーソンのアプローチで獲得したリード(MQL)

SALとSGLは、商談の前に営業パーソンとの面識があるかないかが異なるため、アプローチ方法も異なります。
それぞれのプロセスを踏まえたアプローチを実践し、契約段階へとつなげましょう。

購買意欲による分類

リードは、購買意欲に応じて以下のように分類されます。

  • ホットリード……数ヶ月以内の商談や購入に期待できる見込み客
  • ウォームリード……約1年以内に商談や購入に至る可能性のある見込み客
  • コールドリード……時期は未定だが将来的に顧客になるかもしれないリード

購買意欲に応じた分類が多用されるのは、InquiryとMQLのリードです。
リードの購買意欲に対する効果的なアプローチを検討し、ナーチャリング(育成)につなげるのです。

リード管理の3つの段階|見込み客をフォロー

獲得したリードを育成して、契約を勝ち取るためのポイントは、段階に応じて対応を工夫することです。
リードの段階に応じた対応は、営業効果を高めるほかにも、業務の効率化にもつながります。

リードを適正に管理するには、段階ごとの適切なカスタマージャーニーを把握することが大切です。
本章では、リードの段階に応じた対応方法を解説します。

なお、全てのリードに対して同じ手法が有効であるとは限りません。
本章で解説する内容は基本として押さえておき、応用力を身に着けるための知識として活用しましょう。

段階1.リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、潜在顧客にアプローチしてリードを獲得する段階です。
すでに自社に関心を示している見込み客へのアプローチはもちろん、潜在的なニーズを持つ顧客にも広く働きかけます。

リードジェネレーションで重要視すべきなのは、いかにして質の高いリード情報を獲得するかです。
商談に活用できる情報が多いほど受注確度が高まる効果があるほか、クロージングまでのリードタイム短縮による効率化も期待できます。

リードジェネレーションは、企業として売上を立てるための基盤になるプロセスです。

リードジェネレーションの詳細なフローは以下の記事で解説しています。

段階2.リードナーチャリング

リードナーチャリングは、リードが顧客につながるよう育てる段階です。
メルマガ・セミナー・Web上での情報発信などを活用し、見込み客の興味関心を高めます。

近年では、リードナーチャリングのひとつとしてインサイドセールスが注目を集めています。
インサイドセールスが注目を集めている理由は、慢性化した人材不足の解消と生産性向上を両立させられるためです。

インサイドセールスでは、Webトラッキング(Web上のアクション分析ツール)によって、より高質なリード情報を獲得。
さらに、一連の業務を社内で完結することで、業務全体の効率化にもつながります。

インサイドセールス以外の手法も含めた詳しい内容は、以下の記事で解説しています。

段階3.リードクオリフィケーション

リードクオリフィケーションは、リードを選別する段階です。
他部門へリードを引き渡す際に、契約の可能性が高い見込み客を選別し、効率的な営業活動を支援します。

例えば、マーケティング部門から営業部門へ引き渡すとき、受注確度の低い顧客を含めたデータを渡しては非効率的です。
逆に、事前に引き渡すリードを絞っておいた場合は、営業パーソンは受注確度の高い顧客に専念できて効率的でしょう。

リードクオリフィケーションでリードを選別するときに多用される手法はスコアリングです。
スコアリングとは、顧客の行動を点数化して、受注確度の高さを見える化できる定量的な観測方法のこと。

スコアリングはMA・CRMなどのツールに機能として備わっているケースも多いため、有効に活用しましょう。

リードジェネレーションで見込み客を獲得する6つの方法

リードジェネレーションで見込み客を効率的に獲得するには、より多くの方法を把握しておくことが大切です。
より多くの獲得法を把握すると、状況に応じた活用がしやすくなり、対応の幅が広がります。

本章では、リードジェネレーションで見込み客を獲得する6つの方法を解説します。

方法1.展示会・イベントで獲得

展示会・イベントは、一度に多くのリードを獲得する方法として代表的です。
自社のブースに興味を抱いた人と名刺を交換し、製品・サービスの魅力を直接伝えます。

展示会やイベントは、相手が抱く興味関心の強さや、具体的なニーズをヒアリングできるのがメリットのひとつ。
対面で接することで親近感を抱きやすく、コミュニケーションスキルを活かした対応が可能です。

ジャンル・テーマを絞った展示会では、より高質なリードを獲得できるチャンスもあります。
なぜなら、ジャンル・テーマが絞られていることで、ニーズが顕在化しやすいためです。

展示会・イベントの開催には多大なコストが必要なものの、近年ではオンライン展示会向けプラットフォームも充実しています。
より多くのリード獲得の可能性を秘めた取り組みのひとつとして、あわせて検討してみましょう。

方法2.セミナー・ウェビナーで獲得

セミナー・ウェビナーは、自社の製品・サービスに興味のある人を集める方法として有効です。
セミナーでは名刺交換で、ウェビナーではフォーム入力から、リード情報を獲得できます。

セミナーとウェビナーのどちらにすべきか迷ったときは、獲得したいリードの質をもとに検討しましょう。

セミナーは、会場に足を運んでくれる熱意のある人を集めやすく、ウェビナーは気軽さから多数の参加を促進できます。
それぞれのメリットを考慮しながら、状況に合う選択ができるよう、検討を重ねてください。

なお、セミナーの集客方法や成功のポイントは以下の記事を参考にしてください。

方法3.DMで獲得

DM(ダイレクトメール)は、郵便もしくはメールで顧客に広告や資料を送付する方法です。
DMは掲載できる情報量が多いため、高い効果に期待できます。

しかし、開封されない場合があるのも事実。
タイトルや封筒に工夫を加えて、興味関心を持てるようにしましょう。

DMを工夫する方法のひとつとして「CXOレター」が注目されています。
CXOレターとは、個別の相手に対して、手書きのオリジナル手紙を送付する方法です。

手書きは温かみがあるため、差別化という観点からも有効です。
なお、CXOレターについては以下の記事で解説しています。

方法4.Web広告で獲得

リード獲得に活用できるWeb広告は、おもに下記の3種類です。

  • リスティング広告:検索エンジン上で、検索結果と並んで表示される広告。広告から自社サイトに誘導してリード獲得を狙える。検索ワードに関連する広告が表示され、自社の製品・サービスに興味を持つリード獲得につながりやすい。
  • SNS広告:X(旧Twitter)・Facebook・Instagramなど、SNSに表示される広告。居住地域・年齢・性別など、条件を絞って表示できるため、効率的なリード獲得につながる。
  • バナー広告:Webメディアの広告枠に表示させる広告。バナー広告から自社サイトへ誘導し、リード獲得を狙う。

Web広告のネックとなるのはコストパフォーマンスです。
例えば、リスティング広告は、月に20~50万円ほどを見込んで取り組むのが一般的です。

さらに、Web広告の効果を最大化するには、目につきやすく、わかりやすい広告にする工夫も必要でしょう。
Web広告は、売上・CV数などの目標を明確にして、コストをどの程度回収できるかを考慮しながら検討してください。

方法5.コンテンツマーケティングで獲得

コンテンツマーケティングとは、さまざまなコンテンツで情報を発信して、見込み客との定期的なコミュニケーションを実現する取り組みです。
情報を発信する方法は、おもに下記の3つ。

  • オウンドメディア(Webサイト・ブログ・メルマガなど)による発信
  • SNSによる発信
  • 広告による発信

コンテンツマーケティングは、新規顧客と既存顧客の両方に対して効果を見込めることがメリットです。
作成したコンテンツを通じたコミュニケーションは、顧客に対して親近感を与え、効果的なマーケティングが可能です。

方法6.テレマーケティング

電話やFAXを活用するテレマーケティングは、リード獲得の方法として、以前から使われています。
社内に蓄積した顧客データをもとに、リードへのアプローチを実施して、マーケティングやプロモーションにつなげる方法です。

テレマーケティング戦略において、重要視されるのが人件費と企業リスト。
その理由は、電話やFAXの担当者や適正な企業リストがなければ、十分な効果を期待できないためです。

しかし、近年では人的リソースの確保が困難になりつつあり「テレマーケティングを活用したいが実現できない」という企業が増加しているのが現状です。
そのため、テレアポ代行や企業リスト販売といった、外部サービスを活用する企業が増加しています。

外部サービスを利用した場合は、人件費削減に加えて、人材育成にかかる時間と手間を削減できるでしょう。
したがって、テレアポ・企業リスト販売などの外部サービスの利用は、効率性と経済性を兼ね備えた手段と言えます。

リード・見込み客の獲得は株式会社soraプロジェクトにご相談ください

リードジェネレーションは、見込み客を分類して、それぞれに応じた適切なアプローチと管理がカギです。
さらに、適切なアプローチと管理には、社内でリードの定義を一致させる取り組みも重要でしょう。

しかし、リードジェネレーションが重要だとわかっていても、そこにかけるリソースが社内にないという場合もあるでしょう。

当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトは、BtoB特化のテレアポ代行サービスを提供しています。
リード獲得の一助となりますので、テレアポをご検討の際はぜひお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。