営業管理とは?6つのマネジメント項目やメリットを解説

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「営業管理を実施しているつもりだが、もっと効率的に管理できないか知りたい」

このような悩みを持つ営業チームのマネージャーは少なくありません。実際、変化のスピードが速く、競争が激しい昨今では、営業活動は個人の単独プレーではなく組織として成果につなげる必要があります。

そこで重要となるのが、営業管理です。効果的に営業管理を実施すれば、営業ナレッジが蓄積され、目標が明確になり達成しやすくなるというメリットが得られるでしょう。

今回の記事では、営業管理でカバーする具体的なマネジメント項目や、営業管理を行うコツ、方法を解説するので、ぜひ参考にしてください。

営業管理とは

営業管理とは、売上の目標を設定し、達成に向けた計画を改善しながら案件全体をマネジメントすることです。

営業管理を担うのは主にマネージャー職にある人で、それぞれの個人やチーム全体の進捗状況を管理し、目標に達していなければ個別ミーティングを行うなどフォローアップを入れます。そして、必要であれば行動改善を促し、目標に近づけるよう、営業プロセスを細かく管理します。

営業管理が必要となった背景

これまでも営業管理はマネージャーにとって必須の業務でしたが、情報社会となった昨今では、より一層必要とされています。

その理由として、顧客が自らインターネットで導入したい製品やサービスを検索するようになり、自社が直接営業するより前に多くの知識を身につけるようになった点が挙げられるでしょう。

自社が顧客にアプローチする段階では、競合他社や業界に関する調査が終わっているため、顧客側でさらなる解決策や知識の提示を求められるなど、要求が厳しくなっています。そこで、徹底した営業管理を実施することで、顧客の課題やニーズ、アクションなどを正確に把握して共有し、チームで営業目標を達成する重要性が増しています。

また、従来の営業スタイルは個人の営業力が重視され、案件が属人化する傾向にありました。しかしそれでは、担当者が退職したときに顧客の情報や営業スキルも一緒に流出してしまい、企業に何も蓄積されないという問題があります。

そこで、営業管理の一環として、担当者が案件ごとに得られた知識や情報を整備すれば、たとえ退職者が出ても貴重なアセットとして営業関連の情報を保存できるようになるでしょう。

このような背景から、営業管理は今、注目を集めています。

営業管理の具体的な項目

営業管理では、プロセスに応じた数値を設定し、分析して課題を特定し、改善に取り込むことが重要です。しかし、プロセスを細分化してすべての行動を数値化するのは現実的ではありません。

そこでここでは、営業管理でよく使われる管理項目を6つに絞って紹介します。

目標管理(ギャップ管理)

まずは、目標管理です。目標値と現在の状況を比較して、その差を埋めるアクションを取ることから、ギャップ管理とも呼ばれています。

具体的には、チーム全体の合計売上額、平均単価、受注件数、新規アポ獲得数といったKPIを決めます。経営目標と照らし合わせたうえで、営業チーム全体の目標を決定すると良いでしょう。

そして、営業担当者それぞれの売り上げ目標を、月々だけでなく週毎に設定します。その際、達成するためのアクションプランを立てることが大切です。

目標管理で決定したKPIをチーム全体で共有し、「自分たちはどこに向かっているか」を明示すれば、チームメンバーのモチベーション維持にもつながります。チーム目標を達成するために個人の目標が設定されている、という根拠がわかれば、個人とチームの成長に向けて納得した上で取り組めるようになるでしょう。

なお、目標設定の仕方をKPIやKGIといった用語を含めて、こちらの記事で解説しています。

KPI・KGIとは?その違いは?目標設定の仕方をわかりやすく解説

案件管理

案件管理では、案件の優先順位をつけたり、案件ごとに進捗状況を確認して交渉のタイミングを担当者に促したりします。

営業担当者への案件の割り振りや、最初のアプローチから受注までのリードタイム管理、受注確度の検討やアフターフォローも含まれます。

効果的に案件管理を行うことで、顧客へのアプローチ漏れや契約のタイミングを逃すことなく、受注へと結びつけられるでしょう。

行動管理

行動管理は、営業担当者それぞれの行動をリアルタイム管理する業務です。行動管理はチームメンバーの評価につながるため、重要な項目の1つです。営業担当者の成熟度によって行動内容や目標数値は異なるため、それぞれ正しく管理する必要があるでしょう。

具体的には、案件ごとの現在の行動や、実際に売上に結びついた案件数、新規アポ獲得数、コンタクト数、平均単価、成約率などを把握します。

行動管理を細かく行うと、1件にかかる時間やアプローチ数が標準より多いアクションが見つかるかもしれません。改善ポイントの発見につながるので、営業マネージャーにとって、チームメンバーの行動管理は欠かせないといえるでしょう。

モチベーション管理

チームメンバーのモチベーション管理も、マネージャーの重要な仕事の1つです。モチベーションが下がったメンバーがチーム内にいると、ほかのメンバーに影響を及ぼしたり、顧客にも悪い印象を与えたりしてしまいかねません。

営業活動は数字で評価されやすく、調子が良いときは問題なくても、数字が下がればメンタルまで落ち込んでしまうこともあるでしょう。

メンバーのやる気が下がっていると見受けられたら、声をかけて話を聞き、業務負担の軽減やアドバイスなど必要なアクションを取る必要があります。

また、普段から社内チャットで士気を高めるような言葉をかけたり、1on1ミーティングを定期的に開催したりするなど、モチベーション管理に気を配りましょう。

人材育成管理

人材育成も管理すべき項目の1つです。営業担当者それぞれのスキルや経験を把握し、ステップアップのために少し難しい案件を与えたり、先輩とペアにして行動させたり、現場の様子に応じて管理しましょう。

もし可能なら、人事部とも相談してステップごとの研修を取り入れるのも効果的です。英語でのプレゼン方法、ITツールの使い方、見やすい資料の作り方など、個人の成長をうながしチームに貢献するような施策を計画しましょう。

チーム管理

チーム管理は、部門間に渡った案件引き渡しを管理する業務です。

例えば、インサイドセールスからフィールドセールスへ、契約後はカスタマーサクセスに引き渡し作業が発生します。その際、正しく案件を引き継げるよう管理する必要があります。

また、効率的に引継ぎできるよう支援するのもチーム管理業務の1つです。

営業管理を実施するメリット

次に、営業管理を実施して得られるメリットを5点解説します。

営業ナレッジが蓄積される

営業管理を適切に行うということは、管理する営業活動をデータ化するということです。

これまで肌感覚で取り組んでいた営業プロセスがデータとして蓄積されれば、それは貴重な企業資産となるでしょう。営業活動の属人化予防につながり、どのメンバーが担当になっても均一的な対応が実現します。

さらに、営業ナレッジは人材育成にも活用でき、チーム力の底上げが期待できます。

目標が明確になる

営業管理で目標を明確に設定すると、営業チームの現在地を理解した上で、取り組むべき業務がわかりやすくなります。

「目標を達成するために今日は何をすればいいか」と逆算して考えやすくなり、営業管理が洗練されていくでしょう。また、目標を共有することでチームメンバーのモチベーション向上にも役立ちます。

業務が効率化される

過去の営業データを閲覧できるよう環境を整えれば、営業活動の成功パターンや失敗パターンを共有できます。現在のアクションへのヒントとなるので、成約率が向上するでしょう。

さらに、プレゼン資料や提案書、見積書なども管理しておくと、ゼロから作る必要がなくなります。過去のデータをブラッシュアップしながら新しい書類が作成でき、効率化につながるのがメリットです。

属人化を回避できる

上記でもお伝えしたように、営業活動の課題として属人化がありました。これまでは担当者の勘や経験に依存して営業活動を行い、担当者が退職するとフォローが難しくなるという状況が発生していたのです。

そこで属人化を回避するために、営業管理を徹底して行い、すべての案件の進捗状況や成功パターンをデータ化する必要性が増しているといえるでしょう。

営業分析ができる

営業管理を実施すると、プロセスが数値化され分析しやすくなるというメリットもあります。前月比で低くなっているKPIがあれば、すぐに発見でき改善策を練りやすくなります。

つまり、PDCAサイクルを回しやすくなるため、目標達成に向けて邁進できるでしょう。

営業管理をするときのコツ

営業管理を効果的に行うためのコツを3点解説します。

タスクや進捗状況を見える化する

営業管理で必須となるのが、タスクや進捗状況の見える化です。状況が可視化されれば、正確な判断ができるようになります。

営業プロセスは数多くあり、現在はどこまで進んでいるのか案件ごとに把握するには可視化が欠かせません。担当者に管理を任せず、共通の管理ツールを使って全体の状況を把握できる環境づくりが大切です。

情報を共有する

営業管理を適切に行うと、情報の共有化が促進されます。まずは共有すべき価値のある情報の特定から始め、共有化する仕組みづくりが重要です。

特に、前述した6つの営業管理の具体的な項目は、チーム全体、または特定のメンバーと共有すると組織力の底上げにつながります。

全体の最適化を念頭に行う

営業管理では、営業チームだけでなく、顧客、マーケティング、カスタマーサクセス、そして経営層を含めた全ステークホルダーの最適化を念頭に実行することが重要です。

営業活動は、関わるステークホルダーが多いのが特徴です。従って、社内外の状況も鑑みながら、全体を最適化する視点で見るようにしましょう。

営業管理を行う方法

最後に、営業管理を行う方法を2点解説します。

エクセルやスプレッドシートを使う

まずは、エクセルやスプレッドシートで全員が閲覧や編集できるよう準備しましょう。

エクセルなら共有設定をしてネットワーク上にアップロードします。スプレッドシートの場合は、クラウド上で複数のユーザーが編集しても問題ありません。

どちらも自社の営業プロセスに応じて表計算や枠組みを作成し、使いやすいよう構築します。

SFAやCRMを導入する

営業プロセスが煩雑であったり、案件数が増加したりする場合は、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)の使用が便利です。

どちらも顧客情報や案件を管理できるITツールで、営業活動が詳細に可視化されます。自動入力される項目もあり、日々のタスク負担が軽減されるでしょう。

SFAやCRMについては、こちらの記事にまとめているので参考にしてください。

今さら聞けない!SFAとCRMの基礎知識と選び方

営業管理の目標達成ならsoraプロジェクトにお任せください

営業管理を効率的に行うと、属人化を防ぎナレッジを蓄積できるなど、さまざまなメリットがあります。

目標管理などさまざまな項目を管理する中で、例えば新規営業やインサイドセールスなど、自社のマンパワーだけではカバーできない課題も出てくるかもしれません。

私たちsoraプロジェクトでは、インサイドセールス代行やテレアポ業務代行を承っています。目標達成に向けてプロ集団が支援いたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。