インサイドセールスで管理すべき4つのKPIとは?効果的な測定のためのポイントも解説

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インサイドセールスの成功の鍵を握るともいわれているのが「KPI」です。しかし、指標として設定すべき項目や、具体的な管理方法が分からない方も多いかもしれません。

KPIを正しく設定すれば、組織の方向性が明確になったり担当者のモチベーションが向上したりして、事業を大きく前進させられます。ここでは、インサイドセールスでのKPI設定方法や管理方法、効果的な測定ポイントについてご紹介します。

インサイドセールスの業務と必要なKPI

インサイドセールスの業務については、以下の4つが挙げられます。

  • リードナーチャリング
  • 休眠顧客の掘り起こし
  • リードジェネレーション
  • アップセル・クロスセル

ここではインサイドセールスの業務を解説するだけでなく、それぞれで必要なKPIを解説します。インサイドセールス業務をしている企業、これから取り入れようと考えている方は参考にしてみてください。

リードナーチャリング

インサイドセールスにおいて重要な役割の一つが「リードナーチャリング(見込み顧客育成)」です。見込み顧客に対しリードナーチャリングを行い、サービスを利用したいと思ってもらえれば受注につなげられるからです。

具体的には、「Web会議システム」「ダイレクトメール」「電話」などを使って、継続的に顧客へアプローチします。顧客が現在抱えている課題をヒアリングしたり、顧客のニーズに合わせて情報提供をしましょう。

顧客の興味関心が高まり、商談へ持ち込めると判断したら、フィールドセールスへ見込み顧客を引き渡します。リードナーチャリングがうまくいけばスムーズにフィールドセールスへ引き渡せ、受注の可能性を高めることが可能です。

リードナーチャリングで必要なKPIには、「アポイントを獲得した数」や「商談へと結びつけた数」が挙げられます。

休眠顧客の掘り起こし

失注あるいは保留になっている休眠顧客を掘り起こす業務もインサイドセールスには欠かせません。なぜなら、休眠顧客は新規顧客と比べてコストもかからず、すでにリストがあるため効率よくアプローチが可能だからです。

たとえば、以前の商談において、提案内容が顧客のニーズとマッチせずに流れてしまったとします。製品の改良やサービス内容の変更により、顧客ニーズに応えられる体制ができあがっていれば、休眠顧客へ再度アプローチすることで、確度の高い見込み顧客を生み出せる可能性があるでしょう。

休眠期間が長くなればなるほど取引再開は難しくなる可能性があるため、適度なタイミングで再アプローチするのがおすすめです。

休眠顧客の掘り起こしで必要なKPIには、「見込み顧客へと引き上げることのできた数や割合」が挙げられます。

リードジェネレーション

リードジェネレーションとは、見込み顧客を獲得するための活動をいいます。見込み顧客がいなければ見込み顧客の育成はできません。そのため、リードジェネレーションも、インサイドセールスにおいて重要な業務の一つです。

インサイドセールスで行うリードジェネレーションには「テレマーケティング」が挙げられます。市場調査やPR活動などの根幹的な部分はマーケティング部門が担いますが、見込み顧客の創出に直接つながる「テレマーケティング」は、インサイドセールス部門で担当することが多い傾向があります。

リードジェネレーションで多くの顧客が獲得できれば、結果的に商談・受注の数も増えるでしょう。

テレマーケティングによるリードジェネレーションのKPIには、「どれだけアプローチできたか」「どれだけ見込み顧客を創出できたか」といった指標が挙げられます。

アップセル・クロスセル

アップセルやクロスセルも、インサイドセールスが担う重要な業務の一つです。(企業によってはカスタマーサクセス部門が担う場合もあります)アップセルやクロスセルは既存の顧客に対して行うため、大きなコストはかかりません。顧客が自社サービスに満足していれば、スムーズにアップセル・クロスセルにつなげられるでしょう。

アップセル:既存顧客の購買単価を向上させること

クロスセル:既存顧客に別の商品・サービスを購入してもらうこと

たとえば、顧客が自社製品を利用して成果を出している場合、もしくは顧客が上位プランページを閲覧した際にアップセルやクロスセルを提案すれば、契約につながる可能性が高くなります。

アップセルやクロスセルのKPIには、「顧客の定着率」や「顧客単価」「満足度」といった指標が使われます。

アップセルやクロスセルについて詳しく知りたい方は、以下のサイトを参考にしてみてください。

インサイドセールスで管理すべき重要なKPI

インサイドセールスで用いるKPIは、目的や種類によって多種多様です。ここでは営業プロセスを4つに分けて、各フェーズで用いる代表的なKPIをご紹介いたします。

アプローチ数とレスポンス率

アプローチ数は、インサイドセールス担当者がどれだけ多くの業務をこなしたのかを図る指標です。レスポンス率は、ユーザーから反応があった割合をいいます。

顧客へアプローチしなければ何もアクションが返ってこないため、できるだけ多くをこなす必要があります。また、アプローチ数による「量」の計測だけでなく、「質」を同時に追求することも重要です。相手からどれだけ多くの反応を得られたのかを測定すれば、短期的な成果を判断できます。

アプローチ数やレスポンス率の具体的なKPIとして挙げられるのは、以下です。

アプローチ数

コール件数、コンタクト件数

メール送信件数

資料送付件数

レスポンス率

ヒアリング数・ヒアリング率

メール開封数・メール開封率

問い合わせ件数・問い合わせ率

アポイント獲得数・商談発生件数

インサイドセールスのリードナーチャリングにおいて、短期的なゴールとして設定しやすいのが「アポイント獲得件数」です。今までコミュニケーションを行ってきた見込み顧客の内、どれくらいの数がフィールドセールスへ渡されたのかを測定します。

アポイント獲得件数のほかにも、何回目のコンタクトで獲得に至ったのかを示す「平均コンタクト数」も測定するのが望ましいでしょう。

インサイドセールスの成果を図る際は、「アポイント獲得件数」だけでなく、「商談発生件数」も同時にKPIとして設定するのがポイントです。アポイント獲得件数だけがKPIとして設定されると、質の低いリードまでが引き渡される可能性が出てくるからです。

インサイドセールスにも商談発生件数をKPIとして設定すれば、担当者がリードや商談に対しても責任が持てるようになります。

有効商談率

有効商談率とは、発生した商談件数の内、どれくらいの割合が見込みのある商談へと結びついたのかを表す指標です。有効商談率を測定すれば、どれだけ確度の高いリードであったかを間接的に測定できます。

たとえば、「とりあえず話を聞いてほしい」という理由だけでフィールドセールスへとリードが引き渡されたとします。その場合はアポイントを獲得できる上、商談も発生しますが、受注につながらない可能性が高くなるでしょう。

有効商談率をKPIとして設定すれば、インサイドセールスの質をグンと引き上げられます。

受注率・金額

インサイドセールスのKPIとして、受注率や受注金額を設定している企業も存在します。直接的な成果は測定できませんが、企業の最終目的である利益にどれだけ貢献できたのかを測る意味で有効です。

受注率は引き渡したリードの内、受注につながった件数の割合で求めます。受注金額は、インサイドセールスが携わった受注合計金額をもとに算出します。

受注率や受注金額をKPIにする際は、あくまでも「アポイント獲得件数」や「商談発生件数」をメインのKPIとし、リードの質を測る目的で設定するのが望ましいでしょう。

インサイドセールスのKPIを設定する手順

ここでは、インサイドセールスのKPIを初めて設定する方に向けて、具体的な手順を2ステップで解説します。

インサイドセールスの目的と種類を考える

インサイドセールスにおいてKPIを設定する際は、まず自社におけるインサイドセールスの目的や種類を明確にしましょう。目的や種類を言語化していくことで初めて、設定すべきKPIが明確になります。

インサイドセールスの目的には、「商談につながるアポイントを獲得すること」が挙げられます。そのような目的においては、コール件数や獲得したリード数などは必要ありません。

また、インサイドセールスには「休眠顧客の掘り起こし」や「アップセル・クロスセル」など、さまざまな種類の役割があります。複数の役割を兼務する場合は、それぞれの目的を明確にすることが重要です。

数字に落とし込む

インサイドセールスの目的や種類を考えた後は、実際の数字に落とし込む作業を行いましょう。数字が明確になれば、設定した指標をどれだけ達成する必要があるのかが明らかになります。

たとえば、目的が「大量のアポイントを獲得すること」だとしましょう。その場合は、「アポイントの獲得数」をKPIとして設定します。

1ヵ月に必要な商談件数が20件で、アポイントから商談につながる割合が5割だとすれば、最低限必要なアポイント件数は40件となります。

中には具体的に数値として落とし込むのが難しいKPIもありますが、可能な範囲で目標数値を明確にしましょう。

インサイドセールスのKPIを効果的に測定するためのポイント

インサイドセールスのKPIを効果的に測定するためのポイントは、以下の3つが挙げられます。

  • 計測した期間を考慮する
  • 定期的にKPIの見直しを行う
  • ツールの活用を検討する

ここではそれぞれの詳細を解説していきます。

計測した期間を考慮する

インサイドセールスにおいてKPIを管理する際は、長期的・短期的な視点の両方を考慮することが大切です。1日ごとのKPIを設定すれば日々のモチベーションアップに、1〜3ヶ月ごとのKPIを設定すれば、期間目標の達成の管理がしやすくなります。

具体的には、「コール件数」や「資料送付件数」をチーム内で毎日追い求めるKPIとします。1か月単位では「アポイント獲得件数」や「商談発生件数」を、半年や1年単位では「有効商談率」や「受注率」などを主要なKPIとして設定するのです。

一方で、需要が増加しているため受注に結びつきやすい期間などは、「アポイント獲得件数」が中期的なKPIとなることもあります。企業の状況や従業員のモチベーションなども考慮して、長期・短期でみて適切なKPIを設定しましょう。

定期的にKPIの見直しを行う

インサイドセールスのKPIを設定した後は、企業環境や社内の状況に合わせて、定期的に見直しを行うことが必要です。

とくに、初めてインサイドセールスを立ち上げた場合は、設定したKPIが適切な数値なのかどうかが定かではありません。目標が容易すぎてしまったり、逆に厳しすぎてしまったりする可能性があるからです。

「アポイント件数」を主要なKPIとして設定してしまったために、無効商談が大量に発生した場合は、ただちに質への転換を図ることが求められます。顧客の需要度が大きく変化したときも、KPI見直しのタイミングです。

「インサイドセールスマネジャー」「営業マン」「フィールドセールスマネジャー」などが協力し合い、最低でも3か月間のタームで見直しを行いましょう。

ツールの活用を検討する

インサイドセールスのKPIを効果的に測定するためには、データとして全員に共有し、営業マンが日々入力していく仕組み作りが大切です。その際は、入力や管理が簡単にできる表計算ソフトや各種ITシステムを活用するといいでしょう。

たとえば、Google スプレッドシートに主要KPIのデータをすべてまとめていれば、インサイドセールス担当者がパソコンからアクセスして、データを素早く入力したり進捗状況を瞬時に把握したりできます。

SFAなどのITシステムを導入していれば、KPIの管理をさらにスムーズに行えます。SFAとは「営業支援システム」のことで、担当者ごとの売上金額や進捗状況などの一元管理が可能です。

インサイドセールスを少人数チームで行うのであれば、表計算ソフトでも十分に対応できますが、チーム人数が多い場合やよりスムーズに管理したいときは、SFAの活用も検討するのがおすすめです。

SFAについて詳しく知りたい方は、以下サイトを参考にしてみてください。

インサイドセールスにおいて適切なKPIを設定しよう

インサイドセールスにおいてKPIを設定する際は、目的や種類、期間などを総合的に勘案して設定するのがポイントです。状況は刻一刻と変わるため、数か月単位での見直しも必要です。

KPIを設定すればチームの目標や会社としての方向性が明確になります。はじめは手探り状態かもしれませんが、今回の記事を参考にKPIを設定してみてください。そして、定期的な見直しにより自社製品に適切なKPIを見つけていきましょう。

インサイドセールスの立ち上げや活用をご検討の方は、ぜひ「soraプロジェクト」にご相談ください。
soraプロジェクトは、BtoBに特化したインサイドセールス代行を行っています。

15年の経験を活かし、会社に合った手法を提案いたします。
興味のある方はぜひ、soraプロジェクトの利用をご検討ください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。