ABMの成功にインサイドセールスが必要な理由|実施する手順を紹介

この記事を読むのに要する時間:約 2

「ABMの成功にはインサイドセールスが必要って本当?」と気になってはいませんか。

一般的な営業手法とは異なり、企業へアプローチをおこなうABM。実施したいものの、手順がわかない方もいるでしょう。

そこで、本記事ではインサイドセールスでABMを実施する手順を解説します。

また、ABMを実施するメリットも説明するため、検討している方はぜひ参考にしてください。

なお、株式会社soraプロジェクトが提供するインサイドセールス代行の「料金とサービス資料」を無料で配布していますので併せてチェックしてみてください。

ABMとは

ABM(アカウントベースドマーケティング)は、企業に対しておこなうマーケティング手法です。一人ずつを相手にするわけではなく、企業全体をアカウントと捉えることで、意思決定権を持つあらゆる人がアプローチ対象となります。

一般的な営業手法ではリードと呼ばれる個人を対象にしており、ABMとはアプローチする対象が異なっています。

また、業務範囲も異なる点の一つです。一般的な営業手法では営業部門はマーケテイング部門から受け取ったリードにアプローチします。それに対し、ABMでは営業部門がターゲットとなる企業を決めるところから始まるのです。

ABMが注目されている理由

ABMは特段新しい営業手法でありません。しかし、MAが普及したことで再度注目されるようになりました。

MA(マーケティングオートメーション)とは、マーケティング活動を自動化するツールです。メール配信などマーケティング活動の業務をツールに任せることで、手動でおこなう業務の手間や時間を削減できます。

そんなMAは顧客の行動をトラッキング・セグメントして施策を立てられるため、ABMを実施しやすい環境になっているのです。

ABMを実施するメリット

この章では、ABMを実施するメリットを説明します。紹介するメリットは、以下の3つです。

  • 営業リソースを集中できる
  • 効果測定がしやすい
  • 営業とマーケティングの連携をスムーズにおこなえる

これより順番に説明していきます。

営業リソースを集中できる

ABMは、ターゲットとなる企業を決めてからアプローチをおこないます。明確にターゲットを絞り込んだ状態からアプローチをおこなうため、最適なマーケティングが可能となり、営業リソースを集中できるのです。

一般的な営業手法では幅広いリードに対してアプローチをおこない、確度を高めていきます。それに対し、ABMでは確度の高い企業にのみアプローチできるため、無駄となる施策を減らすことが可能です。

効果測定がしやすい

ABMには効果測定がしやすいというメリットがあります。ABMではアプローチする対象は限られており、どの企業がどのような行動をとったのかが追いやすいからです。

ターゲットの行動を追って効果測定ができると、今後のマーケティング施策に活かせるデータが手に入ります。特にメールなどのキャンペーン時は効果測定がしやすく、迅速にPDCAを回せるため、より効果的なマーケティング施策が可能となるのです。

営業とマーケティングの連携をスムーズにおこなえる

ABMを導入すると、営業とマーケティングの連携をスムーズにおこなえます。ABMは各部門が独立している状態では実施しづらいからです。

ABMを実施する場合、顧客志向をベースにして活動をおこなわなければならず、営業とマーケティングの情報共有が必須となります。

それまで独立していたとしても、ABMの実施を機に連携するようになり、成果が出やすくなるなんてことも考えられます。

関連記事:営業とマーケティングの主な違い3つ|連携のメリットやコツを解説

ABMの成功に必要なインサイドセールスとは

ABMの成功にはインサイドセールスが必須といわれています。そこで、この章ではインサイドセールスとはどういったものか理解を深めましょう。

インサイドセールスとは、見込み顧客に対して電話やメール・オンライン会議ツールを使用してアプローチする営業手法です。実際に顧客のもとを訪問しなくても営業活動をおこなえる点で、従来の営業手法と大きく異なっています。

企業によってインサイドセールスがおこなう業務範囲は異なります。インサイドセールスでアポイントまで担当する企業もあれば、インサイドセールスから営業に顧客を引き渡したりする企業もあるのです。

ABMの成功にインサイドセールスが必要な理由

この章では、ABMの成功にインサイドセールスが必要と言われている理由を説明します。

ABMを実施する場合、「BANTC」と呼ばれる情報が必要となります。BANTCは、以下の情報の頭文字を取ったものです。

  • Budget(予算)
  • Authority(決裁者)
  • Needs(何を求めているか)
  • Timeframe(購入する可能性がある時期)
  • Competitor(競合)

これらの情報を集める場合、顧客との商談の中でわかってくることが一般的です。

しかし、インサイドセールスでは商談前からこれらの情報を集めることができ、商談に至らなくてもABMの実施に必要な情報を集められます。他の企業へアプローチする際の戦略も立てやすくなるのです。

そのため、商談に至らなくてもABMに必要な情報を手に入れられて、手に入れた情報で戦略を立てられるインサイドセールスはABMと相性が良いのです。

インサイドセールスでABMを実施する手順

この章では、インサイドセールスでABMを実施する手順を説明します。手順は、以下の通りです。

  1. 戦略を設計する
  2. ターゲットリストを作成する
  3. トークスクリプトを作成する
  4. ターゲットにアプローチする
  5. アポイントを獲得する

これより順に説明していきます。

戦略を設計する

インサイドセールスでABMを実施する場合、まずは戦略を設計します。

既存顧客との取引履歴などから自社サービスの受注状況を確認して、理想とする顧客像の条件を決定します。そして、理想から条件をゆるめつつ、複数のランクに分けて条件を設定するといった流れです。

この際、戦略と一緒にKPI(重要業績評価指標)の設定もおこないます。

ターゲットリストを作成する

戦略をもとにターゲットリストを作成します。ターゲットリストとは、営業活動で使用するターゲットの情報をリストにまとめたものです。

しかし、むやみやたらにターゲットリストを作成すれば良いというわけではありません。質の低いターゲットリストを使用した場合、なかなか成果につながりにくい非効率な営業活動となってしまいます。

ターゲットリストを作成する際は、質の高いリストを作成しましょう。質の高いターゲットリストの条件は、次の通りです。

  • 最新の情報に更新されている
  • リストの情報が重複していない
  • 必要な情報が揃っている

トークスクリプトを作成する

ターゲットリストが完成したら、次はトークスクリプトを作成します。トークスクリプトとは、営業トークの流れをあらかじめ決めておく台本です。

トークスクリプトを作成しておくと、誰でも一定レベル以上の営業トークの品質を担保できます。スムーズに営業トークをおこなえるため、成果につながりやすくなるのです。

なお、以下の記事ではトークスクリプトの作成方法を解説しています。断り文句への対処法も紹介しているため、あひ併せて御覧ください。

テレアポで失敗しないための「トークスクリプト」作成方法とは?

ターゲットにアプローチする

ターゲットリストとトークスクリプトが完成したら、実際にターゲットである企業のキーパーソンにアプローチします。キーパーソンとは、サービスの購入に関して決定権を持っている人です。

キーパーソンを選び間違えると、ターゲット企業内の社内確認が増えてしまい、商談が長期化してしまいます。社内で決定権のある人にまで話を上げてもらえず、受注につながらないこともあるのです。

そのため、ターゲットにアプローチする際は、アプローチする対象としてふさわしい人であるか確認しましょう。

キーパーソンにアプローチして、自社サービスに興味があるアクションを確認できれば、ターゲットの情報を取得しましょう。

アポイントを獲得する

インサイドセールス担当者がアポイントを獲得して、商談は営業担当者が実施する流れとなります。インサイドセールス担当者がアポイントを獲得できなかったとしても、獲得したBANTCの情報は次回以降のアプローチに活かすことが可能です。

得た情報を分析すれば、次回いつアプローチすれば良いのかが判断できます。

ABMを成功させるコツ

ABMを成功させるために、ABMツールを活用しましょう。ABMツールとは、ターゲットの情報の統合や選定をおこなうツールです。

ABMツールに搭載されている機能には、以下のようなものがあります。

  • データクレンジング
  • 企業データベースの提供
  • 確度の高いターゲットの抽出
  • 他システムとの連携

このようにABMツールには、ABMを効率的におこなえる機能が搭載されているため、少ない工数でターゲットを抽出できるのです。

ABMをエクセルでおこなうことは可能であるものの、手動による工数が多く、膨大な手間と時間がかかります。さらには、データが増えるに伴い、動作が遅くなるなどトラブルが発生する可能性があるのです。

ABMの成功事例

ABMが成功した株式会社ユーザベースの事例を紹介します。

株式会社ユーザベースは、経済情報プラットフォーム「SPEEDA」などを運営している企業です。

顧客の管理に膨大な手間がかかっており、自社で抱えている顧客に適切なアプローチができていない悩みを抱えていました。そんな状況を脱するために、ABMツールを活用してABMを実施したのです。

その結果、追うべき案件と追うべきでない案件の区別がつけられるようになりました。前年度の商談数は保ったまま、受注率を前年度の約5倍以上までアップさせることに成功したのです。

まとめ:インサイドセールス代行の利用も検討してみよう

本記事では、インサイドセールスでABMを実施する流れを説明しました。紹介した流れは、以下の通りです。

  1. 戦略を設計する
  2. ターゲットリストを作成する
  3. トークスクリプトを作成する
  4. ターゲットにアプローチする
  5. アポイントを獲得する

ABMの実施には、営業リソースを集中させられることや効果測定がしやすいことなど複数のメリットがあります。ぜひ本記事で紹介した、ABMを成功させるコツを参考にしてみてください。

ちなみに、当社soraプロジェクトでは、テレアポの代行業務をおこなっています。13年の実績がありながら、インサイドセールス代行会社の中でも安価な価格設定です。

テレアポを外部に委託したい場合は、ぜひsoraプロジェクトの利用を検討してみてください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。