目次
購買プロセスと聞くと「AISMA」「AISAS」が思い浮かぶ方もいるかもしれません。
しかし、これらはBtoC向けの購買プロセスであり、BtoBには適しない場合が多いです。
本記事では、BtoB向けの購買プロセス「ASICA」と、自社製品や顧客に合わせた購買プロセスの作り方を解説します。
購買プロセスを理解すべき理由も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
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購買プロセスとは?
購買プロセスとは、製品やサービスを認識してから購入までの過程のことです。
ビジネスモデルの違いや、製品やサービスを販売する相手が企業なのか一般消費者なのかによっても購買プロセスは異なります。
購買プロセスを理解すべき理由とは?
自社の製品やサービスを売るためには、購入者が購入にいたるまでのそれぞれの工程に合った施策を実施する必要があります。
購買プロセスを理解しなければ工程ごとにどのような施策を立てればよいのかが見えにくくなるため、成果を出せなくなってしまうでしょう。
また、顧客とのタイミングのずれにより、案件が途中で頓挫したり決裁者につながらなかったりして契約できなくなる恐れもあります。
チーム全体で購買プロセスを共有して成果を出すためにも、購買プロセスの理解は重要です。
BtoB購買プロセスの特徴とBtoCとの違い
BtoB購買プロセスの特徴と合わせて、BtoCとの違いを解説します。
購買に関わる人が多い
BtoBの特徴として、購買に関わる人が多いことがあげられます。
BtoCでは利用者自らが購入を決定するのがほとんどですが、BtoBでは利用者だけで購入を決定することはあまりありません。
購入を決定するのは利用者ではなく、営業部長や購買担当部門などが多いでしょう。
金額が大きければ、さらに上の人に承諾してもらう必要も出てきます。
また、セキュリティや契約書関連では法務チェックが入る場合もあります。
意思決定までの期間が長い
BtoBでは購買に関わる人が多いこともあり、決定までの期間が長くなります。
製品やサービスの種類によっては調査や検討、関係者へのプレゼンなどで数か月~1年以上かかるケースもあります。
一方、BtoCは個人で完結できる場合が多いため、検討期間は短いです。
論理的・合理的に意思決定される
BtoCでは個人的な「欲しい」気持ちで製品やサービスを購入する場合が多いですが、BtoBでは「費用対効果が高い」「納期が守られる」など、論理的・合理的な説明が必要とされ、それらを総合的に判断したうえで購入が決定されます。
ただし、BtoBでは慎重に意思決定がされるため、購入決定後は安定的に収益が得られる可能性が高いでしょう。
BtoBの購買行動モデルASICA
購買行動モデルとは、サービスや商品を購入するまでの消費者の行動や心理的変化をモデル化したものです。
BtoBの購買モデルには「ASICA」があります。
ここでは、それぞれの頭文字の意味を解説しましょう。
Assignment(課題)
「課題」は、企業自身が抱えている課題を認識する段階です。
現状抱えている課題だけでなく、今後起こりそうな問題や潜在的なものも含まれます。
BtoBを対象にした企業では、ターゲット企業が抱えるであろう課題を洗い出す作業を行います。
Solution(解決)
「解決」は自社の課題を解決する手段を探す段階です。
BtoB企業は、自社製品やサービスにより課題解決できることを説明します。
課題解決だけでなく、導入によるメリットや競合他社との比較、費用の説明なども行うとよいでしょう。
Inspection(検証)
「検証」は、提案された製品やサービスが課題の解決に適しているのかを検証する段階。
ここでは製品を実際に利用したり、費用対効果や他社比較をします。
BtoB企業は、自社の優位性を上げるための提案や解決案の提示などの作業が必要になります。
Consent(承認)
検証が十分に行われたあと「承認」されます。
稟議書の承認は決裁者の同意が必要です。
ここでは、契約内容の確認や見積もり、アフターフォローなど、決裁者向けの資料を提供します。
Action(行動)
「行動」とは契約や購入のことです。
BtoB企業のやるべきことはここで終わりかと思われるかもしれませんが、その後のアフターフォローが重要です。
定期的な訪問により問題がないかを確認したり、点検やメンテナンスを実施したりするなど、購買後の関係構築を大切にすることで取引期間も長くなります。
また、アップセルやクロスセルなどで、取引金額が高くなるケースもあるでしょう。
- アップセル:利用している製品やサービスの上位のものを提案し、購入してもらうこと
- クロスセル:利用している製品やサービスとは別のものを提案し、購入してもらうこと
アップセルやクロスセルが気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
購買プロセスを理解する上での注意点
購買プロセスは、すべての製品やサービスに当てはまるわけではありません。
企業によってはプロセスの順番の前後・省略が起こる可能性もあります。
特に、BtoBでは利用者と決裁者が異なるため、利用者は納得しているのにもかかわらず決裁者が納得していない場合もあり、何度も説明が必要になるなど、購買プロセスを行ったり来たりするケースもあるでしょう。
購買プロセスの作り方
BtoBの購買プロセスとして「ASICA」を挙げましたが、ここでは独自の購買プロセスを作成する方法を紹介します。
目標の設定
購買プロセスを作る目標を設定します。
目標設定では「売り上げの向上」「新規顧客を増やす」のようにあいまいな目標ではなく、「1年の間に売り上げを〇倍にする」「特定の地域での新規顧客を半年で〇%増やす」のような具体的な数値を用いましょう。
顧客分析
次に、自社が想定している顧客を明確にします。
顧客となる企業自体の分析はもちろん、部署の方針や担当者、上司、決裁者などを細かく分析します。
自社分析
自社分析では、自社の強みや弱みだけではなく、顧客から見た際に考えられる自社の強み・弱みを分析します。
他にも、既存取引企業の洗い出しや、今後開拓したい企業や業界などを細かく見ていきましょう。
他社分析
競合他社をリストアップしましょう。
そのうえで、競合他社はどういった企業にアプローチしているのか、競合他社の強みや弱みなどを分析します。
自社や他社分析で利用できるフレームワークとして「SWOT分析」「3C分析」「4P分析」などさまざまなものがあります。
フレームワークを用いれば、分析もしやすくなるでしょう。
SWOT分析や3C分析など、分析に使えるフレームワークが気になる方は、以下の記事を参考にしてください。
購買プロセスの開始・終了を決定
購買プロセスの開始・終了を決定します。
開始は、見込み顧客が課題解決のための製品やサービスを検索するとき、一方の終了は「契約」です。
購買プロセスの開始と終了の決定時には、3か月や半年など、終了までの期間も合わせて決めておきましょう。
終了までの期間を決めておけば、現在から逆算して今すべき行動が見えやすくなります。
開始から終了までの流れを設計
開始から終了までに想定される工程を設計します。
顧客分析でターゲットを明確化しているため、行動のプロセスも考えやすいです。
ターゲットをイメージしながら、具体的な購買プロセスを設計しましょう。
購買プロセスに合わせたマーケティング施策の設計方法
購買プロセスを作れば、それに合わせたマーケティング施策が立てられます。
ここではマーケティング施策の設計方法を解説します。
工程ごとの担当者を考える
BtoBでは利用者だけではなく決裁者など複数の関係者がかかわるため、購買プロセスのどの段階でどのような担当者が出てくるのかを考えます。
理由は相手の役職によって、製品やサービスに対する見方が異なるためです。
例えば、現場の利用者は使いやすさや効率性などを重視しますが、役職者はコスト削減や業務効率化などを重視する傾向が強いなどが考えられるでしょう。
担当者の求めているものを考える
購買プロセスに関わる担当者が、それぞれの工程でどのような課題を感じるか、どのような情報が必要なのかを考えます。
同じ担当者だとしても、工程により必要な情報やコミュニケーションの仕方も変わります。
企業規模や業種によって求めているものが異なる場合もあるため、顧客に合わせて考えましょう。
工程に合わせた施策を決める
工程と担当者の求めているものが明確になったら、フェーズに合わせた施策を決定します。
テレアポやメールマーケティングといった「プッシュ型」の施策や、オウンドメディアに問い合わせや資料請求ページを作ったりSNSにさまざまな情報を提供したりするような「プル型」の施策があげられます。
また、オウンドメディアから問い合わせを受けた場合に、どのようなタイミングで電話をするかなど「プル型」の施策に対するアクションも考えておきましょう。
KPIを設定する
マーケティング施策は実行したらそれで終わりではありません。
施策に効果があったのかを検証するために「KPI」を設定しましょう。
KPIとは、最終的な目標を達成するための中間目標のことです。
KPIも数値を用いて設定します。
例えば「ターゲットとなる企業を〇社リストアップする」「ターゲット企業の担当者〇人と会う」など、工程に合わせたKPIを設定しましょう。
KPIの設定により、無駄な行動を省くことが可能で目標達成に向けたアクションが取れるようになります。
KPIを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
BtoBの購買プロセスを理解しよう
BtoBの購買プロセスには関わる担当者が多いためBtoCと違って複雑であり、自社の製品や顧客の業界などによってもプロセスが異なります。
自社製品や顧客に合った購買プロセスを分析し、フェーズに合ったアクションや施策を考えることが大切です。
購買プロセスを理解し、工程ごとに合ったマーケティング施策を実施して成果を上げていきましょう。
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投稿者プロフィール
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1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
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