営業戦略を事例で学ぼう!資生堂やメルカリ、スタバなどの例を紹介

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「営業戦略とは何だろう?」

「成功した営業戦略の事例を知りたい」

営業戦略という言葉を聞くと、何となくイメージがつきますが改めて説明を求められると難しいと思う人は多くいるかもしれません。

そこで今回の記事では、営業戦略の意味や重要な理由、メルカリやUSJなど数々の企業が取った営業戦略の事例を紹介します。

ご自身の会社や競合他社の営業戦略を検討する際、ぜひ参考にしてください。

ではまず営業戦略の意味を紹介します。

営業戦略とは

営業戦略とは、企業の長期的な計画に基づいて決められた営業指針のことをいいます。

例えば、「15年後には売上10億円を目指す」という長期的な計画のために「どの市場の誰に何を売るか」を考えるのが、営業戦略です。

営業戦略が決定されたら、目標達成のために取る手段を営業戦術といいます。

ターゲットに商品を販売するためにどうすればいいか、マーケティングや広告、販売ルートや価格設定など、具体的な方法を検討します。

しかし企業によっては、営業戦略と営業戦術の概念を混同している場合があり、大枠の営業戦略と方法の営業戦術を同列で考えるところもあるようです。

そのため、営業戦略は各企業の方針に基づいて検討する必要があります。

営業戦略を立てることは重要

長期間をベースにした営業戦略を立てることは、企業にとって必須です。

営業戦略がなければ、従業員それぞれが目の前の商品を単発で売るなどバラバラの行動が目立ち、会社の継続的な成長や存続が困難になるからです。

その場しのぎの営業や思いつきといった短期的な目線で動くことになり、会社にまとまりがなくなります。

そのようなバラつきや先の見えない動きを防ぐために、営業戦略が必要です。

営業戦略は経営とも深く関わっているので、営業部だけでなく経営陣ともよく相談して決めていく必要があるでしょう。

会社全体の行動指針を作って競合他社に負けない強い企業体制になるため、営業戦略を立てることはとても重要になのです。

成功した営業戦略の事例とは

では成功した営業戦略の事例を紹介します。

皆さんも知っているような有名企業ばかりですので、ぜひ参考にしてください。

健康志向の「ロイヤルホスト」

料理への想い

【出典:ロイヤルホスト公式ホームページ

まず、健康志向メニューを打ち出し売り上げ増に成功したファミリーレストラン「ロイヤルホスト」の事例からお伝えしましょう。

ロイヤルホストでは、少子高齢化や観光問題の意識への高まりといった外的要因を踏まえて、質の安全性にこだわった健康志向メニューを積極的に取り入れています。

例えば、セットメニューのパンを低糖質パンに変更したり、ステーキの付け合わせをフライドポテトから野菜に変えたりしています。

また、素材にもこだわり天然のエビや生パスタをメニューに加えるなど、ファミリーレストランとは思えない質の高い料理の提供を開始。

その他、別の年では「Good Japan」という方針を立て、日本食材をメインにした新しいメニューも出しました。

その結果、価格帯を少し高めに設定したにもかかわらず、売上高は2016年から2019年にかけ増加しています。

優雅なサードプレイスの「スターバックス」

Corporate Profile

【出典:スターバックス公式ホームページ

誰もが一度は行ったことがあるコーヒーショップの「スターバックス」は、サードプレイス作りを意識した戦略を打ち出しています。

「サードプレイス」とは日本語で「3つ目の場所」と訳され、つまり家庭や職場以外の3つ目の場所という意味です。

さらに、環境に配慮した場所となるよう地域に応じた店舗デザインを取り入れています。

その取り組みは功を奏し、現在国内だけで1,600店舗以上にまで広がりました。

観光地だけでなくオフィス街にもスターバックスはあり、ランチや営業の合間、仕事帰りや休日にもスターバックスは多くの人に愛用され、「サードプレイス」としての地位を確立しています。

グローバルブランドとして成長する「資生堂」

shiseido

【出典:SHISEIDO公式ホームページ

化粧品の国内シェアトップである「資生堂」は、中長期戦略として「VISION 2020」を掲げ、「世界で勝てる日本初のグローバルビューティーカンパニー」を目指していました。

集中投資する事業を選択し、国内だけでなくメイド・イン・ジャパンブランドとして中国やアジア地域に展開を強化しました。

さらにデジタル化を促進させ、Eコマースやデジタルマーケティングに集中したほか、化粧品だけでなく毛髪再生など新価値を創造しています。

その結果、目標売上を前倒しで達成し、グローバルブランドとしての成長を果たしました。

日本のユニコーン企業である「メルカリ」

【出典:メルカリ公式Twitter

2018年時点でダウンロード数7000万(日本国内のみ)、総取引数2.8億回を誇る日本のユニコーン企業「メルカリ」の事例を紹介します。

フリマアプリのメルカリは、スマホがあれば誰でも簡単に物を売買できるアプリを提供しています。

ダウンロード数を見ても分かるように、「不要なものを売りたいときはメルカリ」「安くものを買いたいときはメルカリ」として、社会に定着してきました。

他にもフリマアプリがあるにもかかわらず、ここまで成長した理由はまず操作が簡単だということ。

写真を撮ってアップロードすれば3分で出品が可能です。

さらに、配達サービスのメルカリ便やバーコード出品、梱包資材の販売やスマホ決済サービスのメルペイなど、利用者にとって便利なサービスが多数打ち出されています。

その結果、利用者数が莫大に増え、メルカリは日本で唯一のユニコーン企業と呼ばれるようになりました。

※ユニコーン企業…創業して約10年以内で企業価値評価額が高い、上場していないベンチャー企業のこと

話題になった「いきなり!ステーキ」

【出典:いきなり!ステーキ公式ホームページ

次に、ステーキが気軽に食べられることで話題になった「いきなり!ステーキ」の事例を見てみましょう。

「いきなり!ステーキ」は、銀座を皮切りに次々と都市部への出店を開始しました。

立食形式を取り、客の回転率を高めることで安くて美味しいお肉の提供が実現できるため、出店数や売り上げがどんどん伸びていきました。

その結果、2019年には400店舗以上まで延び、全国展開を果たしています。

しかし、途中まで延びていた売り上げは「カニバリゼーション」と呼ばれる自社の店舗同士の競合により低迷し始めてしまいました。

2022年現在も新型コロナウイルスの影響もあり厳しい状況が続いていますが、今後の復活に期待したいところです。

急成長を遂げた「クラウドワークス」

【出典:クラウドワークス公式ホームページ

「クラウドワークス」は、大手のクラウドソーシングプラットフォームを提供しています。

オンライン上で仕事のマッチングができるため、副業が流行り出した現代にとって重要な役割を果たしています。

事業が急成長した理由は「オンラインでフルタイムのような働き方を実現する」というサービスを生み出したこと。

それまでオンラインで受注できる仕事は、お小遣い稼ぎのスポット的な案件が多くありました。

そこに目をつけ、お小遣い程度ではなくフルタイムと同じように稼げるような仕組みづくりに注力したのです。

オープン当初はエンジニアとデザイナーをターゲットにしてユーザーを増やしていきました。

現在は、ライターやコンサルなど業務の種類も多岐に渡り、業界No.1のシェア率を誇る企業へと成長しました。

日本の労働人口不足や在宅ワーク、フリーランスなど働き方が大きく変化する中、クラウドワークスのさらなる成長が期待できそうです。

V字復活した「USJ」

【出典:USJ公式ホームページ

日本を代表するテーマパークの1つである「USJ」は、2001年に開業してたった2年で入場者数に低迷が見られました。

当初のコンセプトでは主にハリウッド映画ファンを対象としていたのですが、危機感を持ったUSJは、映画だけでなくエンターテイメントを楽しめる場所となるよう経営方針を路線変更しました。

映画だけでなくアニメ、ゲーム、レストランなど多様なエンターテイメントの要素を導入し、巨大テーマパークの維持と回復を実現したのです。

20周年を迎えた2021年現在では、世界で人気を誇る「スーパー・ニンテンドー・ワールド」がUSJにやって来て大きな話題を呼んでいます。

さらに、ストリート・パフォーマンスであるフラッシュモブを強化し、客を感動させることにも成功しました。その結果、多くの客を呼び寄せています。

ハロウィンやクリスマス、卒業旅行など、シーズンごとのイベントも人気があり、今では世界中から訪れる人が絶えない人気テーマパークに急成長しました。

CMで粉から作るうどんをPRした「丸亀製麺」

【出典:丸亀製麵公式ホームページ

安くて美味しいうどんが食べられる「丸亀製麺」は、テレビCMでPRしたことから売り上げが伸び始めました。

国産小麦を使って打ち立てを用意している点を徹底的にアピールし、そのマーケティング手法が功を奏し来客数が増加。

魅力的に茹でたてのうどんをCMで流して、それまでは外食で選ばれにくかったうどんの地位を上げることに成功しました。

丸亀製麺は中長期的な視点でブランディングを見直し、効果的な方法でPRしたことで多くの人に愛されるお店へと成長しました。

営業戦略の事例から学ぼう

今回の記事では、メルカリやUSJ、クラウドワークスや丸亀製麵といった有名企業から営業戦略の事例を紹介しました。

マーケットのニーズを読み、中長期的な視点から営業戦略を経営陣と共に打ち出し、実行していくことが大切だとわかりました。

実際の事例を具体的に知ることで、営業戦略がいかに大事か知ることができたのではないでしょうか。

会社の規模や事業内容に合わせて、適切な営業戦略を立てて継続的に成長できるよう努力していきましょう。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。