優れた見込み客リストの作り方|分類方法・エクセルでの作り方を解説

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社内に散逸している見込み客の情報を、リストによって一元化して管理したいが、どのように作成すればよいものかお悩みの方もいるのではないでしょうか。

その購入意欲の段階に応じて見込み客を4種類に分類することで、効率的な営業アプローチが可能な優れた見込み客リストが作れます。この記事では、見込み客の分類方法、エクセルでの見込み客リストの作り方を解説します。

見込み客のリストは4種類に分類できる

一口に見込み客といっても、商品への購入意欲の度合いはさまざまです。見込み客のリストを作るときは、それぞれが商品に対してどれほど興味や欲求を示し、必要性を感じているかによって、4つの種類に分類することが大切です。

見込み客は「いますぐ客」・「おなやみ客」・「そのうち客」・「まだまだ客」に分けることができます。それぞれに最適なアプローチを行うことで、効率的に、効果的な営業をすることが可能になるのです。

いますぐ客

「いますぐ客」は、4種類の見込み客のうち、最も顧客になる可能性の高い見込み客です。

商品について興味や欲求を示しているだけでなく、その商品の必要性を感じているため、商品購入をかなり前向きに検討しています。

しかし、それだけ購入意欲が充分に高いということは、類似の競合商品が他に出てきた場合は、そちらを購入してしまう可能性もあるということです。いますぐ客には、機を逃さず、速やかにアプローチすることが大切です。

おなやみ客

商品の必要性は感じているものの、何らかの理由で欲求に歯止めがかかり、購入検討段階まではいかない見込み客のことです。

購入の検討に至らない理由は、予算の都合や経営者の説得が難しいなど社内的な理由や、競合商品と迷っているなどといった理由が多いでしょう。こういったおなやみ客には、比較情報を示すことが有効です。

具体的には、自社商品を購入した場合のメリットや、購入しなかった場合のデメリット、他社製品と比較したときの自社商品の優位性を提示してみましょう。

本当に必要なもので、ほしいと思ってもらえれば、見込み客は購入できない理由を自ら解消しようとしてくれるものです。ただし、過剰なアプローチは、押しが強い印象を与えてしまい、敬遠されてしまいます。相手の反応を見ながら、効果的なアプローチをするようにしましょう。

そのうち客

「そのうち客」とは、商品に興味はあるものの、その必要性を感じられず、購入の検討まではいかない見込み客のことです。

興味はあるので、資料請求やメルマガ登録、Webサイトの訪問など、自ら行動を起こして、何らかの接点を作っていることが多いでしょう。購入意欲を高めるには、必要性を感じさせる有効な情報提供をすることが効果的です。

具体的には、メルマガやWebサイトの中で、商品を購入すればどういうメリットがあるのか、何が改善され、どんな未来が待っているのか、逆に購入せずに現状維持した場合はどうなるのかといったことを盛り込んでいくことで必要性を高めます。

少し時間はかかるかもしれませんが、徹底したフォローによって購入意欲を育てることができるでしょう。

まだまだ客

まだ商品に興味もなく、必要性も感じていない状態の見込み客のことです。

商品についても全く知らないか、名前を聞いたことがあるというくらいでしょう。ただ、本人が気づいていないだけで、潜在的には興味や必要性を感じる可能性はゼロではありません。

購入検討段階に至るまでには、かなりの時間がかかることが予想され、気長に継続的にフォローしていくことが大切です。まずはメルマガ登録やSNSなどで継続的に情報提供できる機会を作ることを目標にするとよいでしょう。

見込み客のリスト作成の分類基準:ニーズとウォンツ

優れた見込み客リストの作成には、見込み客を4つの種類に分類することが大切です。見込み客をカテゴライズする際の分類基準となるのが、ニーズとウォンツです。

実際に商品やサービスの購入に踏み切る背景には、その商品の必要性を感じ、欲しいと思う、すなわちニーズとウォンツがあるものです。逆にいうと、ニーズとウォンツが揃わなければ、購買行動は起こしません。

それぞれの見込み客のニーズとウォンツがどれくらい高まっているかを見極めることが、見込み客を分類する際には大切です。

ニーズとは

ニーズとは、直訳すれば必要性のことです。ニーズは、理想と現実のギャップにあります。

例として、「夏には痩せた状態になっていたい」という理想があって、今は太っているという現実があるとしましょう。この場合、理想と現実の間には痩せる必要があります。これがニーズです。

ニーズとは、不満を感じる現状と理想的な状態を比較したときに見いだすものなのです。

ウォンツとは

ウォンツとは、欲求のことで、ニーズを満たすための手段にあたります。先に挙げた例で説明すると、夏までに痩せたいというニーズに対して、ダイエットサプリが欲しい、というのがウォンツにあたります。

ウォンツとは、理想を達成するための具体的な手段のことをいうのです。

見込み客リストのエクセルでの作成方法

見込み客はリストにして管理することが大切です。データベース化する際に、どの段階の見込み客かも併せて入力しておけば、漏れやアプローチミスを減らすことができます。

データベース化はエクセルでも可能

見込み客のリストは、システムやツールを購入して作ることもできますが、エクセルでも可能です

マイクロソフトオフィスが入っているパソコンであれば、コストをかけずに作成することができますし、ネット環境が整っていれば、グーグルドライブで共有することができるので、リアルタイムでの情報共有も可能です。

一度フォーマットを作ってしまえば、入力するだけで済むので、かかる手間も少なくてすみます。

エクセルで見込み客リストを作成する際のポイント

エクセルで見込み客リストを作成する際には、以下の情報は最低限入力するようにしておくとよいでしょう。

  • 会社名
  • 郵便番号・住所
  • 電話番号
  • メールアドレス
  • 企業URL
  • 業種
  • 担当者名・部署
  • 情報入手経路(例:セミナー参加者名簿、展示会来場者など)
  • 受注確度(見込み客の段階)
  • 備考欄

情報入手経路は、ニーズとウォンツを測るために重要な情報です。必ず入力しておくようにしましょう。

入手した見込み客の情報は、エクセルへの入力を徹底することが大切です。せっかく入手した情報を一元管理できなければ、非効率ですし、リストを作る意味もなくなってしまいます。

また、入力する情報の誤字や脱字にも気を付けましょう。誤って入力すると、検索しても見つけられなかったり、リストを使ってDMを送る際に不達となってしまうなど、不便が生じます。

リスト化した見込み客へのアプローチ方法

見込み客へのアプローチは、それぞれの段階に合わせた方法ですることが大切です。適切なアプローチを行うことで、効率的な営業が可能となり、さらには売り上げアップにもつながります。

いますぐ客へのアプローチ

ニーズもウォンツも十分に高まっているいますぐ客へのアプローチは、スピードが大切です。できるだけ早くにアポイントを取って、商品デモや費用対効果の分析提示など、積極的にフィールドセールスを行いましょう。

おなやみ客へのアプローチ

ニーズは感じているものの、ウォンツが低いおなやみ客は、いうまでもなくウォンツを高める必要があります。競合商品を検討している可能性もあるので、おなやみ客へも早めにアプローチすることが大切です。

おなやみ客は、ニーズはわかっているものの、手段であるウォンツが見えていない、または、自社の商品がニーズを満たせることを知らない状態にあります。

自社商品の魅力や他社商品との違いを具体的にメール配信などを通じて伝えていくことで、ウォンツを高めていきましょう。

そのうち客へのアプローチ

ウォンツは高いけれども、ニーズが低いそのうち客は、ニーズを高めます。そのうち客は、課題はあっても緊急性を感じていないため、購買意欲の高いいますぐ客へ育てるには、時間がかかることが多いでしょう。

しかし、行動しないことで発生する将来的なリスクを提示することで、今、行動することの必要性を感じさせ、ニーズを喚起することができます。メール配信などを通じて、アプローチを続けることで、今すぐ客へ引き上げることも可能でしょう。

まだまだ客へのアプローチ

ウォンツもニーズも育っていない、まだまだ客へは、そのうち客と同様に、ニーズを高めることから始めましょう。4つの見込み客の種類のうち、もっとも育成に時間はかかりますが、メール配信など定期的なアプローチを気長に続けることが大切です。

見込み客を見つける方法

見込み客を見つける方法には、Webで顧客情報を得る、展示会に出展して来場者と名刺交換をする、業者からリストを購入するといった方法があります。それぞれにメリットもデメリットもあるので、状況に応じて、最適な方法を採用しましょう。

Web上で顧客情報を得る

費用をかけずに顧客情報を得たい場合は、Webで検索する方法があります

ターゲットとする見込み客像に該当するキーワードで検索してみたり、会社情報が集まる求人サイトで検索してみたりするのもよいでしょう。

この方法は、コストがほぼかからないことはメリットですが、かなりの手間がかかることがデメリットといえます。大量の見込み客情報が必要な場合などは、まず使えない方法です。

展示会での名刺交換

展示会に出展し、自社ブースに来訪した人との名刺交換によって、見込み客を見つける方法です。

自社ブースに来たということは、ニーズやウォンツがそれなりに高いことが伺え、優良な見込み客情報を集めることができるでしょう。ただし、展示会への出店にはコストがかかることがデメリットといえます。

リストを購入する

リストを販売する会社から購入する方法です。コストはかかりますが、質の高いリストを入手すれば、ターゲティングがしやすくなります。成約率が高くなる傾向にあり、結果として契約一件あたりのコストは低くすむ可能性もあります。

質の高い見込み客リストを作って効率的にアプローチしよう

見込み客は購入意欲の度合いによって、最適なアプローチ方法が異なります。

それぞれに効果的なアプローチをし、成約につなげるためにも、ニーズとウォンツに応じて見込み客を分類し、その情報を盛り込んだ見込み客リストを使って営業することは非常に大切です

ぜひ質の高い見込み客リストを作って、効果的に活用し、売り上げアップにつなげてください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。