リード獲得とは?行う目的や獲得率を上げる方法・コツを解説!

この記事を読むのに要する時間:約 2

BtoBマーケティングにおいては、どれだけのリード獲得ができるかということが売り上げや業績に大きく影響します。
その際に重要になってくるのがリードの質です。

リードをいくら獲得できても、その質が低ければ売り上げにはつながらないでしょう。

今回は、マーケティング分野における「リード」という言葉の意味などの基礎知識と共に、質の高いリード獲得をするために大切な3つのポイントをご紹介します。

マーケティングにおける「リード」とは

英語のリード(Lead)には、「先導する・案内する・きっかけ」などの意味があります。
マーケティング用語として置き換えると、「見込み客」という意味で使われます。

つまり、自社の商品やサービスを今後購入する見込みのあるターゲットのことです

まずリード獲得を確実にしないことには、販促メールを送ったり営業したりすることができないため、リード獲得はビジネスを成功に導く大きな要素といえます。

しかし、リードと一口に言っても商品の認知度によってさまざまな段階に分けられます。

例えば、

  • Webサイトを見ただけの段階
  • 展示会などで直接会って名刺交換をしている段階
  • 他社商品と比較・検討をしている段階

という3つの段階では、それぞれ商品購入に至るスピードや可能性が異なることが分かるでしょう。
そのため、同じリードといえども商品への関心度によってレベル分けをして、各レベルに対して適切なアプローチをする必要があるのです。

リード獲得の目的 

リード獲得を行う目的は、当たり前ですが「顧客や受注件数を増やし売上を向上させること」。
リード獲得を行うことで企業は経営を安定させたり、事業を拡大したりすることが可能です。

一般的な営業・マーケティング活動のプロセスは、リード獲得を起点として始まります。

従来の新規営業活動は、

  • 候補となる企業リストを作成し、リストに記載された企業に営業電話をかける
  • 電話でアポイントが取れたら直接訪問
  • ヒアリングや情報提供などを行いながら案件の成約

のような流れで行ってきた企業が多いでしょう。

しかしこの手法では、自社にどれほど興味があるかどうかがわからないところも含めてアプローチする必要があり、効率的とは言えません。

近年では、働き方改革によって展示会がきっかけの商談や対面での営業活動が減少し、アプローチ先担当者の勤め先へ営業電話をかけてもつながらなくなっていたということも増えています。

さらに、インターネットや各種マーケティングツールを含むデジタル技術の進展により、営業活動にも変化しました。

より効率的に営業活動を行うため、自社サービスに関心をもったリードの連絡先を入手した上で、まずメールや電話で接触しながら相手の反応を見て営業アプローチをかけるターゲットを探っていく方法が広まったのです。

まずはメールを経由して営業アプローチを仕掛けるためにもオンラインでのリード獲得が重要性を増しています。

しかし、多くのリードを獲得しても、リードの購買意欲が低いままだといつまでも受注にはつながりません。

そこで、メルマガなどを活用し、リードの購買意欲を高めるための施策(関係性構築)も必要になります。

リードを営業に渡す前に、リードに対してメールなどで情報提供を行いながら自社に対する関心を高める活動を行う場合もあり、こちらはリードナーチャリング(リード育成)と呼ばれます。

リード獲得後のリードナーチャリング 

リードナーチャリングとは、獲得した見込み顧客(リード)の購入意欲をメールなどで高め、将来的な案件受注につなげていくマーケティング方法です。

製品やサービスの購入に至るまでの検討期間が長いBtoBにおいては、顧客の熱量や興味関心を見極め、適切なタイミングで情報を提供することで信頼関係を構築するリードナーチャリングが非常に有効です。

具体的なオンラインの手法としては、メルマガやホワイトペーパーなどを使ったWebコンテンツ配信、オフラインの手法ではセミナーなどが挙げられます。

リードナーチャリングが重要視される背景

BtoBビジネスの場合、高単価の商材が多く、意思決定に複数人が関わります。そのため購入までの期間が長期化する傾向がありました。

加えてインターネットの普及によって、購入行動に検索・比較・検討といった行動が加わり、プロセスはさらに長期化・複雑化しています。

中には、案件化までに数年を要するケースもあり、1件1件の顧客が非常に重要です。

「顧客情報が膨大すぎて、どの顧客からアプローチすべきかわからない」「アプローチするための人手が足りない」といった理由で検討中の顧客を放置していると、大きな機会損失につながりかねません。

リードナーチャリングを行うメリット

リードナーチャリングには3つのメリットがあります。

  1. 機会損失を防げる
  2. 営業効率や受注率が上がる
  3. 新規顧客開拓に追われずに済む

リードを数多く獲得した上で育成することで、自社商品・サービスへの理解度や購買意欲を高められます
また、購買意欲が高まった状態で営業担当に引き渡すことで、商談が進みやすくなるのです。

リードナーチャリングの方法

BtoBビジネスのリードナーチャリングは、主に次の流れで行います。

まず、リードとの信頼関係がある程度構築されて購買意欲が高まった段階でアポイントを取り、フィールドセールスに引き継ぎます。

マーケティング施策を通じて獲得したリードに対して、インサイドセールスなどがメール・電話でコミュニケーションを取り、リードの興味・関心を育成するのです

例えば、獲得したリードに対して事前に作成しておいたステップメールを送り、興味・関心を引き上げます。

そして関係値が高まった状態でフィールドセールスは商談やプレゼンなどの訪問営業を行い、受注を獲得してクロージングするという流れが一般的です。

現時点では案件化が見えないリードであっても、長期的・継続的に良質なコミュニケーションをとり、他社に奪われないようにすることが重要となります。

リードナーチャリングについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。

リードナーチャリングとは?意味と手法をおさらいしてインサイドセールスの基本を再確認

リード獲得の具体的な方法

では、どうすればリード獲得が実現できるのでしょうか。

オフラインとオンラインに分けて、具体的な方法を解説します。

方法1:オフライン施策で獲得する

まずはオフラインでの施策を4つ見ていきましょう。

テレアポ

テレアポ、つまり電話営業も有効なリード獲得の手段です。
ターゲットとなる見込み客の営業リストを作成し、順に電話をかけていきます。

リストアップされた企業の数が多い場合や、人材不足で既存の担当者をテレアポ業務にアサインできない際は、テレアポ代行会社に外部委託してリード獲得を目指します。

展示会への出展

次に、展示会に出展することで同業者や自社製品に関心のある企業担当者と知り合うことができます。
展示会に来場する担当者は、特定の業界の製品やサービスに興味があるため、質の高いリード獲得が見込めるでしょう。

ただし、展示会には出展料だけでも数十万円単位でかかることがあるので、予算をそこにかけるべきか慎重に検討が必要です。

対面型セミナーの開催

対面型セミナーを開催するのもリード獲得の有効な方法です。
例えば、無料で自社会議室やアクセスの良いレンタルスペースなどでセミナーを開き、そこにわざわざ足を運んでくれる企業担当者は強い関心があるといえるからです。

上記のテレアポや展示会よりも、質の高いリード獲得が期待できるといっても過言ではありません。

交通機関への広告掲載

交通機関へ広告を掲載し、自社製品やサービスの認知度を高めることで、リード獲得につながることがあります。
多くの人の目に触れる機会が多いことから、BtoBよりもBtoCの製品・サービスに向いています。

即効性は低いかもしれませんが、効果的な広告を作成すれば記憶に残る可能性があるでしょう。

方法2:オンライン施策で獲得する

次に、オンラインツールを使った施策を見ていきましょう。

Web広告の出稿

まずはWeb広告を出稿することで、リード獲得が見込めます。
ユーザーが特定のキーワードで検索すると広告が表示されるよう設定すれば、ピンポイントで多くの人の目にとまる機会が増えます。

また、地域や年齢、性別など自社のターゲットに合わせて広告を表示することも有効です。

ただし、やみくもにWeb広告を出せばいいのではなく、キーワード設定などWebマーケティングの知識が必要になります。
簡単ではありませんが、リード獲得に有効なツールなので導入を検討するといいでしょう。

Webページ・ブログの強化

自社のWebページやブログの更新頻度を高め、SEO対策を強化するのもリード獲得に有効です。
ユーザーが関心のあるコンテンツを公式ホームページやブログで掲載すると、キーワード検索から流入しやすくなります。

ブログコンテンツの更新頻度を高めて読者の興味を引き続けることで、リード獲得が期待できるでしょう。
そのためにはコンテンツマーケティングの知識や、ライターや編集者などの確保が必要になります。

SNSの活用

最近ではどの企業もSNSを活用してPRを強化するようになってきました。
上記のWebページやブログ構築と並行して、インスタグラムやFacebook、TwitterといったSNSも活用してリード獲得を目指しましょう。

各SNSで特徴が異なり、インスタグラムは写真のデザインを統一し、Facebookはビジネスライクに、Twitterは気軽に宣伝するのにも適しています。

ただし、自社イメージを崩さないよう統一することが大切です。

ウェビナーの開催

世界中のどこにいても受講できるウェビナーを開催することで、多くの人にアプローチが可能です。

ウェビナーとは、「ウェブ」と「セミナー」が組み合わさった造語で、オンラインセミナーを意味します。
商品・サービスを紹介したり、ユーザーにとって役に立つ情報を配信したりすることで、質の高いリード獲得が見込めるでしょう。

ウェビナーは気軽に受講できる反面、内容がつまらなければ簡単に離脱しやすくなります。
セミナーの構成作りや話し方など注意して、魅力的なセミナー作りを意識することが大切です。

メルマガの配信

メルマガも見込み客を育てることができるツールの1つです。
過去に名刺交換した企業担当者のメールアドレスをリスト化して、メルマガを配信すると、リード獲得につながる可能性があります。

思わずクリックして読みたくなるようなタイトルをつけて、ユーザーの役に立つコンテンツを作成するようにしましょう。

量より質が大切!質の高いリードを獲得するメリット

上述のようにリードにはさまざまな段階があり、商品購入の可能性が低いリードを多く集めても効率的ではありません。
商品・サービスを購入してもらい利益へと結びつけるには、質の高いリード獲得を目指すことが重要です

では、質の高いリード獲得にはどのようなメリットがあるのか、具体的に見ていきましょう。

売り上げにつながりやすくなる

質の高いリードは、すでに商品購入に近い状態にあるため当然売り上げにつながりやすくなります。

例えば、商品のことを認知しているだけのリードを1000人集めたとしても、その中で実際に購入につながるのは少数でしょう。
対して、商品購入を実際に検討している段階のリードであれば、半数の500人を集めるだけでより大きな利益につながることが期待できます。

営業工数を削減できる

質の高いリードは、商品に関する知識量が豊富にあり、こちらが伝える情報量が少なく済みます。
最後の一押しのアプローチで売り上げにつながる可能性が高く、商品の特徴や使い方などを知らない段階のリードに比べて、営業工数をはるかに削減できるのです。

その結果、購入に至るまでが早いことに加え、仮に購入に至らなかったとしても次のリードへアプローチを移した際、また少ない営業工数で済むため効率的なマーケティングが実現します。

質の高いリード獲得を実現するためのコツ

では、質の高いリード獲得に向けてどうすれば良いのでしょうか。

以下では、マーケティングの際に抑えておきたいポイントを4つご紹介します

ポイント1:どのようなリード獲得をしたいのか明確に

質の高いリードを集めるためには、どのようなリードを獲得するのかを明確にすることが重要になります

曖昧なままではリードの数にばかり意識が向いてしまい、質の低いリードを集めがちです。
成約可能性の低いリードばかりでは、その後のアプローチ法をどんなに工夫しても成約率が上がることはありません。

手間やコストに見合う成果が上げられませんし、モチベーションも下がってしまうでしょう。

獲得すべきリードを明確にし、それを獲得するための計画を立案することが重要なポイントです。
獲得すべきリードを明確にするためには、ターゲットとなる顧客層の購買行動を把握することが大切になります。

まず、商品やサービスに興味を持ってからどんなステップを踏んで購買にいたるのかをしっかりと理解しましょう。
そのうえでリードの状況を確認し、最適なアプローチを行うことが成約につながるのです。

そのために、理想となるリードをペルソナとして設定する方法もおすすめです。
また、マーケティング部門と営業部門とのすり合わせも必要になります。

どんなリードをどのようなタイミングで渡せば営業が動きやすいのか、どんな情報がほしいのかなどをしっかりと打ち合わせしておくことで、成果につながる組織営業が可能になるでしょう。

ポイント2:他の方法と連携して質の高いリードを獲得

リード獲得の方法を1つに絞るのではなく、あらゆる手段を組み合わせるよう意識しましょう。
テレアポ、展示会やセミナーなどのイベント、ダイレクトメール、広告などの手法と連携することでより相乗効果が発揮できるようになります。

展示会やセミナーなどでは、短期間に大量のリードを獲得することが可能です。
その場で面談することができるので、案件化につながるかどうかを判断することもできるでしょう。

リードに対して営業活動を強化すれば、成果につながる可能性は高くなります。

また、郵送やFAXによるDMも効果的です。リードからのリアクションをインバウンドテレマーケティングで行うことで、質の高いリードを獲得することができます。

広告の活用も短期間で大量のリードを獲得するのに向いています。
出稿する媒体の特性によって、ある程度ターゲットを絞り込むことが可能です。

コストはかかりますが、オファーなどを工夫することで質の高いリード獲得につながります。

複数の方法を連携する場合、それぞれの方法の役割を明確にすることが大切です。
また、目標を数値化し、PDCAを回すことでリード獲得の精度も高まるでしょう。

ポイント3:魅力的なオファリングとそれを簡潔に伝えるスクリプト

どの方法を利用するにしても、魅力的なオファーやコンテンツが必要となります。

例えば、テレマーケティングで質の高いリードを獲得するためには、トーク上でのオファリングが重要になります
無料診断や資料、サンプルなどのオファリングを行うことでリードを獲得できるだけでなく、そのリードの成約可能性を判断することにもつながるのです。

また、オファリングのハードルの高さを変えることで、獲得するリードの質をある程度コントロールすることも可能です。
ハードルを低くすれば数が集めやすくなりますし、ハードルを高くすることで成約可能性の高いリードを絞り込むことができます。

自社にとって最適なリードを獲得するためには、どんなオファリングがより効果的なのかをしっかりと検討しましょう。

オファーの内容が決まったら、それがリードにとって魅力的であることを簡潔に伝えることが必要です。
限られた文字数や時間の中で、商品の特徴やオファーの内容を的確に伝えなければなりません。

あれもこれもと詰め込んだのでは、返ってマイナスになってしまうでしょう。

ポイントを絞り込み、リードを引きつけるためのオファリングを短いセンテンスの中で行うことが重要になるのです。
ユーザーの心理状況を踏まえながらオファーをより魅力的にアピールできるよう、コンテンツ作りに励みましょう。

ポイント4:顧客データベースは常に最新の状態にする

新たなリードを獲得する場合であっても、既存のリード情報が蓄積されたデータベースを参考にすることが大切です。
そのため、データベースは常に最新の状態にしておくことが重要になります。

今までのマーケティングで得たリード情報を活用することで、新たなリード獲得もより効果的なものになるのです。

例えば、質の高いリードの顧客属性を調べることで、より成果につながりやすいターゲット設定が可能になります。
質の高いリードを獲得するためのポイントや、リードとの関係性を高めるためのポイントもみえてくるでしょう。

顧客の購入までの行動パターンを知ることで、リードが現在どのフェーズにあるのかを判断することも可能です。
また、休眠リストに再アプローチして案件化につながるリードを発掘するという方法もあるでしょう。

データベースを最新状態にするためには、営業担当者がリードと接触するごとに履歴を残したり、リードの経営状況や現在の担当者名など企業情報を反映させたりすることが大切です。

データベースは顧客情報だけでなく、今までのノウハウが蓄積された重要な資産です。
古い情報がそのまま残っていたり、誤った情報が入ったりしていたのではマーケティングの精度も落ちてしまいます。

データベースを常に最新の状態に保って新たなリード獲得のために活用しましょう。

リード獲得率アップにおすすめのツール

リードを獲得するにあたって、ツールを活用することが重要です。ツールを活用することで以下のメリットが得られます。

  • 見込み客に広くアプローチできる
  • リードの特徴を事前に把握できる
  • リード獲得から管理まで効率的に行える
  • 見込み客を育成できる

様々なリード獲得ツールがあるので、自社に適したツールを選定しましょう。

リード獲得のおすすめツールについては、以下の記事でも解説しています。

リード獲得にはツール活用が必須!おすすめの7選を紹介

育成~成約までを意識してリード獲得しよう

リード獲得は売り上げや業績をアップさせるための手段であって、目的ではありません。
リードは獲得して終わりではなく、獲得した時からスタートなのです。

リード獲得を行う際には、このことを意識することが重要になります。
より成果につながるリードを獲得するためには、その後のリード育成までを見据えることが必要です。

そのため、リード獲得を行う前にリードの獲得から育成、成約までの戦略や計画をしっかりと立案しておくことが大切になります。

リードが成約にいたるまでのプロセス、各フェーズに提供する情報やアプローチする方法、クロージングすべきタイミングなどについてしっかりと検討しておくことが必要です。これがないと、いくら質の高いリードを獲得できても成果にはつながりません。

リードの育成から成約までを見据えて戦略的にリード獲得をすすめるには、インサイドセールスに特化した組織に外注することも一つの手です。
soraプロジェクトは、テレアポやインサイドセールスを専門にしている企業で、売上の拡大や商談機会の創出をサポートしています。

詳しいノウハウや体制について知りたい方は、資料をダウンロードして参考にしてみてください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。