営業コストを削減するための4つの施策|注意点も解説

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営業部門は企業の売上や利益を生み出す要の部署です。

しかし、目標や理想的な売上とコスト削減のバランスのとり方に、頭を抱えている担当者も多いのではないでしょうか。

生産性を落とさずにコストを削減するには、営業活動そのものの見直しや効率化を図るツール導入などさまざまな施策が必要です。

本記事では、営業コスト削減の4つの施策や注意点を解説します。
ぜひ自社にも取り入れて、効果的なコストカットを推進しましょう。

なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。

営業で見直すべきコスト

営業コストを削減するための4つの施策|注意点も解説

営業部門で見直すべきコストは下記のとおりです。

人件費従業員の給料、賞与、福利厚生費、退職金、通勤費用など
交通費 商談やアポのための訪問や移動の際にかかる交通費など
販促費広告出稿などのマーケティングに関わる費用など
システム費営業支援システムや社用携帯の使用料金など
外注費 外部に営業活動の代行を依頼したりする場合の外注費用
賃料オフィスの賃料など
諸経費コピー用紙の費用や営業活動に関わる費用など

この中でも特に注意して削減に取り組むべき営業コストを3つ紹介します。

消耗品費

会議資料や顧客向け資料などにかかるコストの見直しが急務です。

  • コピー用紙
  • 文房具
  • クリアファイル

1つずつの出費は少額ですが、積み重なれば大きなコストになります。

例えば、コピー用紙1枚あたり約1円とすると、月2,000枚印刷に使えば年間で24,000円。
社内資料はデータでやり取りするか両面印刷にするなど、ルールを決めてコスト削減をめざしましょう。

交通費

近くの顧客先でも往復の交通費が1,000円を超えることがほとんどでしょう。
宿泊が必要な遠方企業への訪問では、1度の訪問で数万円の経費が必要になります。

また、再訪問や商談の日時変更など、何度も訪れなければならないこともあります。

すべての訪問が無駄ではありませんが、必要最低限の訪問にだけ絞り込めれば大幅に交通費を削減できるでしょう。

人件費

最後は人件費の削減です。
しかし、ただ人員や給料カットをしては、売上や生産性、モチベーションの低下を招いてしまいます。

売上を下げることなくコストカットを実現させるためには、限られたリソース内で無駄なコストを最大限に削減することが重要といえます。
最も大きなポイントが、残業代です。

残業をしなくても良い仕組みや、ノー残業デーなどの施策を取り入れましょう。

営業コストを削減する4つの施策

営業コストを削減するための4つの施策|注意点も解説

本章では営業コストを削減する4つの方法について具体的に解説します。

  • 営業プロセスの見直し
  • デジタル化
  • 外部リソースの活用
  • CRMやSFAツールの活用

それぞれ解説しますので、自社で取り組めるポイントを見つけてください。

営業プロセスの見直し

まずは営業プロセスの見直しです。
営業プロセスを見直してムダな業務を排除することでコスト削減を図ります。

具体的には、顧客が購買に至るまでの具体的なフェーズごとにどのようなアクションを取るべきかを検討しましょう。

下記は、営業プロセス全体をまとめたものです。
アプローチ・案件化・受注交渉・成約など、自社が抱えている問題点を洗い出しましょう。

問題点を「見える化」することで、いままで気付かなかった課題が判明するかもしれません。
また、課題が分かれば、次にとるべき行動も見つけられます。

営業コストを削減するための4つの施策|注意点も解説

引用:【図解あり】営業プロセスとは?営業プロセスを見える化するステップとポイントを徹解説!|Sherpa

もちろん、営業部門だけに留まらず他部門との連携も必要です。
どの情報を共有するか、どのようなシステムの構築が必要なのか、誰が運用担当になるのかなど、詳細まで洗い出しておくのがよいでしょう。

デジタル化

2つめはデジタル化の導入です。
オンライン営業の導入はコスト削減だけでなく、さまざまなメリットもあります。

  • 受注までの時間短縮が可能
  • 商談数を増加できる
  • リードナーチャリングに有効
  • 遠方顧客へもアプローチが可能

ほかにも、顧客先への出張費用の削減や時間の短縮、契約書や資料などもWeb上で完結できるためコピー用紙や印刷費用の削減にもつながります。

外部リソースの活用

3つめは、外部リソースの活用です。
外部リソースを活用する主なメリットは下記の2つ。

  • 固定費を流動費化して経費削減
  • 税理士に依頼して節税

固定費は毎月一定の費用が発生し、企業のリソースを圧迫する原因の1つでしょう。
そこで、アウトソーシング化できる業務を外部へ依頼することで、変動費として計上できる上に、月々の経費削減も可能です。

外注化によって効率的・スピードアップ・品質向上ができれば従業員の削減や再配置が可能になり、企業の生産性・競争力・付加価値アップにつながるでしょう。

CRMやSFAツールの活用

最後は CRM (顧客管理ツール)や、SFA (営業支援ツール)を活用する方法をご紹介します。
CRMとSFAは、どちらも営業活動を効率化するためのITツールです。

CRMのメリットは、顧客情報を収集し一元管理できることです。
一方のSFAは、案件や商談情報、顧客との商談情報を細かく入力できます。

また、ツールを導入することで属人化も防げるというメリットもあります。
そのため顧客行動を分析したり、営業ノウハウを蓄積したりするのには欠かせません。

どちらのツールも一方のみの単体もありますが、多くは2つの機能がセットになったツールがほとんどです。

ただし、どちらのツールも導入時のコストや使い方の共有が必要です。
最大限に活用できなければ、コストだけがかかる結果となってしまいます。

営業コストを削減するときの注意点

営業コストを削減するための4つの施策|注意点も解説

営業コスト削減は重要なミッションですが、ただただ削減をすれば良いわけではありません。
ここでは、営業コスト削減時の注意点を3つ紹介します。

  • 営業力を低下させない
  • 従業員のモチベーションを低下させない
  • 企業全体でコスト削減の意識を持つ

営業力を低下させない

1つめは、営業力を低下させないことです。

従業員の削減や、安易な賃下げを行うと従業員の離職へつながり、深刻な人手不足に陥る可能性があります。

新たに採用や求人を行っても良いですが、手間とコストがかかるのがデメリットです。
そして、減少したままの従業員だけでは、今までのような営業力を発揮するのは難しいでしょう。

労働力が不足したまま業務を進めれば、ビジネスチャンスを逃したり、サービスの低下などさまざまな問題が発生します。
売上の低下や業績悪化はもちろん、企業ブランドのイメージを損ねることにもなるので要注意です。

従業員のモチベーションを低下させない

2つめは従業員のモチベーションを維持することです。

営業コスト削減のために経費を削減し過ぎると、従業員のモチベーションが著しく低下します。
もし仕事へのモチベーションが失われれば、必然的に生産性やエンゲージメントも落ち込み、業績の悪化や機会損失につながるでしょう。

また、利益が減少するため、再びコスト削減を迫られることになり、さらに従業員のモチベーション低下という悪循環に陥ってしまいます。

企業全体でコスト削減の意識を持つ

最後のポイントは、社内一丸となってコスト削減に取り組むことです。

従業員1人だけが削減につながる行動を行ったとしても、わずかなコストカットにしかつながりません。
しかし、全従業員がしっかりと意識することで、大きなコスト削減を実現できます

また、営業部署だけがコストカットに取り組む施策だと不公平さが生まれ、営業部署内のモチベーションやエンゲージメントの低下につながります。

そして「次はどの部署がコスト削減をされるのか」と、不安な日々を送ることになると企業全体の業績・売上ダウンはもちろん、離職者が増える原因にもなりかねません。

そのため、企業全体を通してコスト削減の意識を共有できるようにしておきましょう。

営業コスト削減にはインサイドセールスが有効

営業コストを削減するための4つの施策|注意点も解説

営業コスト削減には、インサイドセールスの活用が有効です。

インサイドセールスとは、直接訪問はせずに電話やメール、Webツールを活用して、見込み客にアプローチを図り案件化をめざす営業活動法のこと。

インサイドセールスの活用は下記の2つのメリットがあります。

交通費の削減が見込める

最もわかりやすいメリットは、交通費の削減が見込める点です。

インサイドセールスは外回りなどの訪問型営業(フィールドセールス)とは違い、すべての業務をオンラインで行えます。
そのため、訪問にかかる交通費を大幅に削減可能です。

従来のインサイドセールスは、アポイントに結びつかない、怪しいといったようなイメージがありましたが、昨今は企業のIT化やDX化に伴い再び評価されています。

また、業務を効率化できるCRMやSFAツールを活用することで、より質の高いインサイドセールスが可能になりました。

売上・利益アップにつながる

2つめのメリットは、売上や利益率アップにつながることです。

例えば、見込み顧客を育成するリードナーチャリングはインサイドセールスを行う大きなメリットの1つ。
確度の高いリードの獲得や増加につながれば、成約率につながる割合も増えるため売上や利益につながるでしょう。

また、顧客への訪問を行う必要がなければ時間短縮になるほか、オンライン上で顧客を集めるため幅広いリードを獲得できる大きな間口も魅力の1つです。 

デジタル化を推進して営業コスト削減を目指そう

営業コストを削減するための4つの施策|注意点も解説

営業コストの削減はコストの洗い出しや、持続可能でバランスの良い削減が成功のポイントです。

また、デジタルツールやインサイドセールスなどは外部リソースを活用することで、大きく営業パフォーマンスの改善につながるケースもあります。

当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトは、インサイドセールス代行をはじめとしたサービスを提供しております。
慢性化する人的リソース不足やインサイドセールスの体制構築など、企業の営業活動をさまざまな観点から支援可能です。

営業コスト削減にお悩みの際は、ぜひお気軽にお問合せください。
各企業に合わせた、柔軟かつ満足度の高いサービスで課題解決に貢献いたします。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。