目次
アカウント営業とは、対象となる顧客の情報を幅広く聞き出し、ソリューションを提示することで顧客ニーズに応える方法です。
顧客一人ひとりの情報を深掘りするため、効果的に信頼関係を構築できることが利点です。
特に、アカウント営業で獲得した顧客は、信頼関係が強まるためロイヤルカスタマーとなり得るメリットがあります。
しかし、アカウント営業は適切な方法で実施しなければかえって逆効果になり、期待していた営業効果を得られなくなります。
そこで本記事では、アカウント営業の4つのメリットをはじめ、正しい手順やポイントについて詳しく解説します。
なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。
アカウント営業とは
アカウント営業とは、対象の顧客情報を深く幅広く聞き出し、その後に課題解決の方法を提示するセールス手法です。
特徴として、顧客一人ひとりに多くの調査時間をかけています。
情報を深く幅広く調査することで、顧客一人ひとりのニーズに応えやすくなり、効果的に信頼関係を築けます。
顧客との信頼関係により、長期的な関係構築が期待でき、長期的な営業が行えるでしょう。
また、顧客の課題に寄り添い、解決し続けることで、効果的なソリューション提供を実施できます。
特に、対象を明確に絞りこむことで、顧客情報の聞き出しがしやすくなります。
アカウント営業は、長期的に信頼関係を構築したい場合に行うとよいでしょう。
アカウント営業と従来の営業の違い
アカウント営業と従来の営業との違いは、顧客にかける時間です。
アカウント営業の場合、顧客一人ひとりの情報を深く幅広く調査するため、多くの時間がかかります。
一方で従来の営業方法にあたるルート営業やプロダクト営業の場合、対応する顧客の数が多いため、1人・1社にかけられる時間が短くなります。
多くの方に商品をアピールできる点はメリットですが、アカウント営業ほど顧客情報を調査していないため、長期的な信頼関係の構築にはつながりにくいものです。
このような点から、アカウント営業は従来よりも顧客一人ひとりのニーズに応えやすくなるため、信頼関係の長期的な構築が期待できます。
また、顧客ロイヤリティの向上も見込めます。
アカウント営業の4つのメリット
アカウント営業のメリットは次の通りです。
- 成果が出やすく利益を得やすい
- 顧客の信頼度が高まりやすい
- 顧客流出の防止につながる
- 営業ノウハウや顧客対応ノウハウを蓄積できる
上記の4つについて以下で詳しく解説します。
成果が出やすく利益を得やすい
1つ目のメリットは、成果が出やすく利益を得やすいことです。
アカウント営業では、顧客一人ひとりの情報を深掘りし、課題の解決策を提示します。
顧客に合う効果的な解決策を提示できるため、素早い課題解決がしやすいことが特徴です。
それにより顧客のニーズに応えられ、課題を解決できるため成果が出やすくなります。
また、成果を出すことで顧客からの信頼が高まり、長期的にサービスを利用してもらうことが期待できます。
結果として長期的な利益につながり、他社に顧客を奪われにくくなるでしょう。
顧客の信頼度が高まりやすい
顧客一人ひとりの情報収集を深く幅広く行うことで、ニーズに応えやすくなり、顧客からの信頼度を高められることもメリットです。
アカウント営業で課題を解決し続けることで、顧客の企業への満足度も高まることでしょう。
顧客からすると、営業マンは自社の理解者です。
信頼関係の構築によって長期的な付き合いになればなるほど、抱える課題を共有しやすくなり、効果をさらに発揮できます。
まずは、対応する顧客の情報を深く幅広く調査し、課題解決のために寄り添うことから始めましょう。
顧客流出の防止につながる
継続的な契約をしている顧客でも、競合他社に切り替えられる懸念がないとは言い切れません。
アカウント営業で顧客を獲得することで、他社への流出防止にもつながります。
顧客一人ひとりに合う適切な方法でサービス提供を行うことで、顧客は自社に相談すれば効果的に課題解決できると考えることでしょう。
自社に対する絶対的な信頼があれば、容易に顧客が流出する不安は軽減できると言えるでしょう。
営業ノウハウや顧客対応ノウハウを蓄積できる
顧客一人ひとりにかける時間が長くなることで、営業・顧客対応のノウハウを蓄積できることもアカウント営業のメリットの1つです。
アカウント営業は、時間をかけながら顧客情報の深掘りをするため、情報を集める能力が磨けます。
また、効果的な情報を集めることが重要であるため、必要な情報のみを分析し、収集する能力も身につきます。
この情報収集能力は、企業の営業ノウハウとして蓄積できるでしょう。
さらに、顧客一人ひとりと長期的に付き合うことが多いため、顧客対応の能力もノウハウとして蓄積できます。
アカウント営業の手順
アカウント営業の手順は次の通りです。
- ゴールの設定
- 課題の抽出・仮説の構築
- 顧客との関係性強化
- アカウント戦略の提案
- ソリューションの提案
- サービスの提供
- 顧客との関係性拡大
以下ではそれぞれの手順を詳しく解説します。
手順1. ゴールの設定
まずは顧客の情報を深掘りし、ニーズ調査を行います。
顧客のニーズから、どのようにすれば課題を解決できるのか考えてゴールを設定しましょう。
ゴールが明確であるほど効果的なアカウント営業を実施できます。
しかし、顧客との関係性を向上しなければ見えてこない潜在的なニーズも存在します。
次の手順でニーズをさらに深掘りし、より明確なゴールを設定するとよいでしょう。
手順2. 課題の抽出・仮説の構築
ゴールを設定したら、課題の抽出・仮説の構築を行います。
ニーズ調査を元に設定したゴールを目指すために、顧客にヒアリングして課題を抽出しましょう。
抽出した課題からどのようにすれば効果的に目標達成ができるのか、仮説を立てます。
設定したゴールから逆算することで、より詳細な仮説の構築が可能です。
手順3. 顧客との関係性強化
課題を解決するため、顧客に何度もヒアリングを繰り返して関係性の強化を目指します。
「手順1. ゴールを設定」でも解説したように、信頼関係がなければ見えてこない潜在的なニーズを顧客は持っています。
関係性を強化するため、最初の数回のヒアリングでは顧客の情報を大まかに調査し、距離が縮まってきたところで深掘りするとよいでしょう。
信頼関係の構築がアカウント営業で成果を上げる近道であることを忘れず、ヒアリングを行うことも重要です。
手順4. アカウント戦略の提案
顧客の潜在的なニーズを深掘りしたら、課題を解決するアカウント戦略の提案を行います。
アカウント戦略は顧客によって異なるため、慎重に提案しましょう。
同じ課題を持っている顧客だとしても、企業によって適切なアプローチ方法が異なるからです。
顧客の情報から分析し、どのようなプロセスが必要なのか提案してください。
提案するアカウント戦略は1つではなく複数を用意しておくことで、顧客側が選びやすい状態を作るとよいでしょう。
手順5. ソリューションの提案
アカウント戦略を提案したら、課題解決のために導入するソリューションの提案をします。
自社サービスを導入することで、なぜ課題を解決できるのか端的にわかりやすく説明しましょう。
導入してもらいたい気持ちが強くなりすぎてしまい、売り込みにならないよう注意してください。
提案する方法として、「自社サービスを導入することで、顧客が抱える課題を解決するための手助けになる」ことをメインに訴求することで、売り込み感を抑えられます。
手順6. サービスの提供
ソリューションの提案に顧客が了承したら、サービス提供が始まります。
サービスを提供したらアカウント営業終了ではなく、課題解決の情報を随時更新し、効果の調査を行いましょう。
また、定期的に顧客のヒアリングを実施することで、情報交換を効果的に行えるでしょう。
手順7. 顧客との関係性拡大
アカウント戦略によって1つの課題を解決したら、顧客との関係性拡大のために次の課題の解決案を提案しましょう。
課題に対して再び手順1から繰り返し、顧客の課題を解決し続けることで、関係性の強化が期待できます。
長期的に自社サービスを利用してもらうことがアカウント営業のメリットであるため、顧客との関係性維持・向上は重要視すべきです。
以上がアカウント営業の大まかな手順です。
アカウント営業を効果的に実施するための3つのポイント
アカウント営業を効果的に実施するために、重要なポイントは次の通りです。
- 顧客との関係性強化を欠かさない
- ゴールを明確に設定する
- 顧客の情報を十分に管理する
上記の3つを意識し、アカウント営業を効果的に実施して顧客のニーズに応え続けましょう。
以下では3つのポイントをそれぞれ詳しく解説します。
顧客との関係性強化を欠かさない
アカウント営業を効果的に実施するには、顧客との関係性が重要です。
顧客との関係性がよければ、腹を割って話しやすくなり、多くの情報を集められます。
一方、関係性の強化をしていない段階で顧客の情報を深掘りしてしまうと、不快に思われる可能性もあります。
ヒアリングの実施や連絡を定期的に行うことで、関係性が強化され、顧客の情報を深掘りできるでしょう。
また、顧客との関係性を強化することで潜在的なニーズの調査が行えるようになり、より効果的にアカウント営業を実施できます。
ゴールを明確に設定する
ゴールを明確に設定することで、そこから逆算してアカウント営業を実施でき、効果的な課題解決が期待できます。
ゴールが明確ではない場合、アカウント戦略を行う最中に方向性が定まらず、かえって逆効果になってしまう場合も考えられるため注意しましょう。
顧客との方向性の相違が生じてしまうと、関係性悪化につながる可能性があります。
顧客と同じゴールを見るように方向性を定めることで、アカウント営業を効果的に実施できるでしょう。
顧客の情報を十分に管理する
アカウント営業では顧客のさまざまな情報を扱うため、情報管理は徹底的に行いましょう。
情報管理を適切に行えないと顧客からの信頼が下がり、サービスを利用してもらえなくなる場合もあります。
セキュリティ対策や管理方法の統一により、管理体制を万全にしましょう。
アカウント営業に必要なスキル
アカウント営業に必要なスキルは次の通りです。
- 仮説構築スキル
- 高度なコミュニケーションスキル
以下で詳しく解説します。
仮説構築スキル
アカウント営業では、顧客の情報をもとに課題解決をするための仮説を立てます。
仮説を構築するスキルがなければ、顧客に効果的な提案ができません。
普段から次のようなことを意識してみてください。
- 「Why So?」「So What?」の思考:「なぜ起こったのか?」「だからそうなった」と考え、仮説を立てる
- アブダクション思考:起こったことについて自身が知っている法則を当てはめ、仮説を立てる
上記のような思考を普段から意識することで、仮説を構築するスキルを磨けます。
また、ビッグデータの解析ができると自身の知っている法則を増やせるため、仮説を構築するスキルにさらなる磨きをかけられます。
高度なコミュニケーションスキル
顧客との関係性が重要なアカウント営業は、高度なコミュニケーションスキルが必須です。
このコミュニケーションスキルは、外交的であれば高いというわけではありません。
高度なコミュニケーションスキルとは、顧客側が話しやすくなるよう、会話のリズムやバランスをコントロールする能力です。
自身の伝えたいことを端的に伝え、相手の言葉をしっかりと聞き取るよう普段から習慣化しましょう。
また、ジェスチャーを加えることでコミュニケーションの幅が広がります。
必要なスキルを身に付け適切なアカウント営業を実施しよう
本記事では、アカウント営業の4つのメリットや手順、ポイントを詳しく解説しました。
アカウント営業を実施するメリットは次の通りです。
- 成果が出やすく利益を得やすい
- 顧客の信頼度が高まりやすい
- 顧客流出の防止につながる
- 営業ノウハウや顧客対応ノウハウを蓄積できる
効果的に実施するためには、顧客との関係性を強化し、アカウント営業のゴールを明確にすることが重要です。
アカウント営業を効果的に実施するためには、外部の営業支援会社に業務委託することも1つの手です。
私たちsoraプロジェクトは、営業代行・支援を行っている企業です。
導入資料も無料でダウンロードいただけますので、そちらも参考にしてください。
投稿者プロフィール
-
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。
最新の投稿
- 2024年8月6日マーケティングウェビナーの集客方法とは?成功させるコツやポータルサイト・ツールを紹介
- 2024年5月9日マーケティングTikTok広告のログイン方法は?広告の種類・メリットを解説
- 2024年4月2日営業代行ファクトファインディングとは|意味や目的、やり方や例文まで徹底解説
- 2023年12月18日テレアポ時価総額1000億円以上の企業は?各種ランキングとリストを紹介