マーケティングで活用できるホワイトペーパーとは?メリットや作成方法を解説

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  • 「マーケティングでのホワイトペーパーとは何か?」
  • 「なぜ作成する必要があるのか?」
  • 「どうすれば、ダウンロードされるホワイトペーパーを作れるのか?」

上記の疑問を持っている担当者は多いのではないでしょうか?

ホワイトペーパーは、顧客の情報を取得したり、製品やサービスをアピールしたりするうえで重要な存在です。高品質なものをひとつでも用意すれば、売上は大きく成長するでしょう。

ホワイトペーパーの有用性を知らないまま着手しないままでは、獲得できたはずの膨大な成約を失うかもしれません。そこで本記事では以下を解説します。

  • ホワイトペーパーの定義や基本的な構成、種類
  • 作成および公開するメリット
  • ホワイトペーパーを作成する基本的なステップ
  • 作成するうえでの注意点とアイデア

ホワイトペーパーの導入を検討している担当者は、ぜひご参考にしてください。

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マーケティングに役立つホワイトペーパーとは?

マーケティングでのホワイトペーパーは、閲覧者に何らかの有益な情報やソリューションを提供するための書面・データを意味します。主にBtoBビジネスで活用されています。

ホワイトペーパーは多くの場合自社サイトで公開されるものです。顧客はそれをダウンロードし、参照することで情報やソリューションを得られます。同時に自社製品やサービスを訴求し、購買へ繋げるのが最終的な目的となります。

ホワイトペーパーとはもともと、国家や公的機関が発表する年次報告書を意味していました。マーケティングではそれが転じて、上記の意味で使われています。

基本的な構成

マーケティングで使われるホワイトパーペーは、基本的に以下で構成されています。

  • 表紙
  • 目次
  • 本文
  • 導線

表紙から本文までは、一般的な報告書と違いはありません。

しかしホワイトペーパーの最終的な目的は報告ではなく、製品やサービスの購買です。したがって末部(もしくは文中)には、購入や問い合わせ用の窓口、つまり顧客導線が設置されています

ホワイトペーパーの種類

ホワイトペーパーには、いくつかの種類があります。

  • 課題解決型/企業が抱えがちな課題に対してソリューションを提供する
  • 導入事例型/自社製品やサービスの導入事例を伝え、導入した場合のメリットをアピールする
  • レポート型/関連する業界や市場の調査結果を報告する
  • 議事録型/重要なテーマについてディスカッションした内容を記録する
  • 解説型/専門的な知識をわかりやすく解説する(用語集など)

ほとんどのホワイトペーパーが上記いずれかに分類されます。自社で作成する場合も、上記からひとつ選ぶのがよいでしょう。

手探りてホワイトペーパーを作るよりも、既存のセオリーやテンプレートを利用し、より高品質なものが作りやすくなるからです。

注意したいのは、自社や製品、サービスにフィットする型を選ぶこと。これを間違えるとホワイトペーパーの訴求力や集客力が低下します。慎重に検討しましょう。

営業資料との違い

営業資料との違いは、内容が誰の視点から述べられているかどうかです。

ホワイトペーパーは基本的に顧客側の視点に立ち、情報やソリューションを提供します。ダウンロードさせるのが目的であるため、潜在的顧客の立場から見えるニーズを深掘りすることも。

対して営業資料は自社側の視点に立ち、自社の製品やサービスにどのようなメリットがあるのかを述べています。つまり売り込むための資料です。

ホワイトペーパーはあくまでも導線のひとつであり、営業資料のように熱心に成約を導くものではないものだと知っておきましょう。

マーケティングでホワイトペーパーを公開するメリット

マーケティングでホワイトペーパーを公開するメリットはあまりにも多く存在します。だからこそ、これだけホワイトペーパーが重要視されています。主なメリットとして以下が挙げられるでしょう。

  • リード顧客の情報を集められる
  • リードナーチャリングを実施できる
  • 成約率の高い商談機会を創出できる
  • 顧客との良好な関係を構築できる

いずれも営業やマーケティングの部門にとって重要な部分です

リード顧客の情報を集められる

リード顧客の情報を集められるのは、ホワイトペーパーを利用する最大のメリットです

ホワイトペーパーはほとんどの場合自社Webサイトで公開され、ダウンロードするためのリンクやボタンが設置されます。同じような形式を他社Webサイトで見たことがある人も多いでしょう。

ホワイトペーパーをダウンロードする場合、以下のような顧客情報入力を求めるのが一般的です。

  • 会社名
  • 所在地
  • 従業員数
  • 担当者の名前
  • 担当者の職位
  • 連絡先
  • メールアドレス

つまりホワイトペーパーがダウンロードされるたび、リード顧客の情報をひとつ獲得できます。これに基づきDMや電話でアプローチできるようになります。

仮に製品やサービスの購買に繋がらずともリストとして蓄積し、今後のマーケティングで活用することも可能です。

良質なホワイトペーパーがひとつあれば、半自動的に次々とリード顧客情報を集められるようになるでしょう

リードナーチャリングを実施できる

リードナーチャリングを実施できるのも、ホワイトペーパーを活用するメリット。

リードナーチャリングとは、リード顧客を成約しやすい状態に教育するステップです。具体的には以下のような流れでナーチャリングが進められるでしょう。

  • ホワイトペーパーがダウンロードされる
  • 内容が参照され、自社製品やサービスを認知
  • DMやテレアポなどのインサイドセールスで購買意欲を高める

つまりホワイトペーパーはリードナーチャリングの起点となり得ます。

ペーパーの内容次第では、より高い客単価へ誘導したり、関連製品に興味を持たせたりして、チャンスを拡大することも可能です。

成約率の高い商談機会を創出できる

営業分野から言えば成約率の高い商談機会を創出できるのは重要なメリットです。上記のとおりリードナーチャリングが実践されれば、購買意欲の高いホットな顧客が営業に回されます。

つまりすでに自社への印象がよく購買にも積極的な、成約率の高い相手との商談機会を得られます。

営業に対してホットな顧客をコンスタントに回せるようになれば、売上も安定するでしょう。ホワイトペーパーひとつでこの流れを作り出せる可能性があります。

顧客との良好な関係を構築できる

ホワイトペーパーを公開するのは顧客との良好な関係を構築することにも繋がります。

ホワイトペーパーは、自社にとって顧客との接点や商談チャンスを創出するための手段です。一方顧客からすれば、今抱えている問題をクリアするための資料でもあります。

もしホワイトペーパーで顧客の課題が解決されれば、自社に対してよい印象を持つでしょう。そうすることで顧客との良好な関係を保てます。

ちなみに単に「顧客」と述べたのは、良好な関係を構築する効果が、見込み顧客ではなく既存顧客にも有効だからです。つまり既存の顧客もホワイトペーパーをダウンロードしたり、あるいはルートセールス中に提供したりすれば、優良顧客としてナーチャリングできます。

ホワイトペーパーの基本的な作成手順と運用方法

ホワイトペーパーを作成する方法がわからない担当者も多いでしょう。

幸いなことに作成手順とその運用方法は、すでにある程度セオリーとなっています。基本的に以下のステップで進めましょう。

  • 情報収集
  • 数値的目標の設定
  • ターゲットの決定
  • ホワイトペーパーの作成
  • 公開

ホワイトペーパーに必要な情報を収集する

最初にホワイトペーパーに必要な情報を収集しましょう。具体的には以下の情報が必要です。

  • リード顧客の抱えている課題
  • 既存顧客からよく寄せられる問い合わせ
  • 自社製品やサービスの詳細な仕様

ホワイトペーパーは、主にリード顧客の抱える課題を解決するために作成されます。まずはその課題が何であるか掴みましょう。さらに既存顧客の意見を聞けば、より良質なホワイトペーパー作成のヒントが得られます。

また自社製品やサービスの詳細な仕様も確認しておきましょう。例えば技術仕様書を読んだり、開発者にヒアリングしたりすれば、この情報は収集できます。

数値的目標を定める

必要な情報を確保できたら、続いて数値的目標を定めましょう。つまりKPIを決めるステップです。

ホワイトペーパーの運用では、特に以下の数値的目標が用いられます。

  • ダウンロード数
  • 問い合わせ数
  • コンバージョン率

これらがKPIとなります。一方でKGIは、ホワイトペーパーから発生した売上数か金額となるでしょう。

ターゲットを決定する

数値的目標が決まったら、ターゲットを明確にしましょう。つまりホワイトペーパーを誰に向かって書くのか決めるステップです。

ターゲットが明確になっていれば、それが求める内容を選び、より適切な表現を用いて作成できます。また必要のない情報も記載しなくなるため、ホワイトペーパー自体の内容に無駄がなくなります。

基本の構成方法に沿ってホワイトペーパーを作成する

ターゲットが決まったら、基本の構成方法に沿ってホワイトペーパーを作成しましょう

構成にはいくつかのパターンがありますが、慣れないうちは以下のシンプルなものでもかまいません。

  • 表紙
  • 目次
  • 本文
  • 導線

また本文中に多少であればコンバージョン導線を設置してもよいでしょう。また本文では文章だけではなく、画像や表を使って視覚的に理解しやすいように工夫するのも有効です。

内容が完成したら社内で最終確認し、外部へリリースしましょう。

ホワイトペーパーを作成するうえでのコツと注意点

ホワイトペーパーを作成するうえで、いくつかのコツがあります。

  • 専門用語の使用を控える
  • 営業職をおさえる
  • 入力項目を最低限にする
  • ダウンロード後の導線設計を徹底する

これらを知っておけば、よりよいホワイトペーパーを作成できるようになります

専門用語の使用を控える

ホワイトペーパーを作成するときは専門用語の使用を控えましょう。難しい用語が多いと、入手したユーザーが内容を理解できない、しようとしない懸念が大きくなるからです。

専門用語の使用を控えて、誰が読んでもわかるような文章に仕上げましょう。

営業色をおさえる

営業色をおさえるのも、ホワイトペーパー作成時のコツのひとつ。

ホワイトペーパーで求められているのはあくまでもノウハウやソリューションです。この段階で何かを売り込まれては、読み手に不快感を与えてしまいます。

もちろん最終的にコンバージョンへの導線などは設置しますが、できるだけ営業色をおさえて忌避されないようにしましょう。

入力項目を最低限にする

ホワイトペーパーをダウンロードする際には、顧客情報を入力させるのが一般的。しかし項目が多すぎると離脱されやすくなります。

これを防ぐためには、入力項目を最低限にするのが有効です。たとえば社名と担当者名、連絡先とメールアドレスだけでも入手できれば、そのあとでテレアポやDMなどでアプローチできます

しかもユーザーの手間が少なくなるため離脱されにくくなり、ホワイトペーパーもダウンロードされやすくなるでしょう。

他社よりも興味深いホワイトペーパーを作成するためのアイディア

本記事ではホワイトペーパーのメリットや基本的な作成方法を解説しました。しかし、それだけでは十分と言えません。

ホワイトペーパーは、数多くの企業で公開されており、その中から自社を選ばせるには、特別な工夫や努力が必要です

これは簡単なことではありませんが、例えば以下の工夫で顧客の興味を惹きつけられます。

  • タイトルにこだわる
  • 表紙のクオリティを高める
  • 1ページ1コンテンツを意識する
  • 「情報提供が9割」を心がける

これらのポイントをおさえるだけでも、他社と比較して興味深いホワイトペーパーを作成できるようになります。それぞれ解説するのでご参考にしてください。

タイトルにこだわる

取り組みやすい点として、タイトルにこだわる点が挙げられます。これをブラッシュアップすれば、「自社にとって重要なホワイトペーパーだ」と思ってもらいやすくなります。

特にこだわりたいのは以下5つのポイントです。

  • ターゲットが持っている悩みを代弁する
  • それに対して適切なソリューションを提供していることがわかる
  • 専門的な用語を使っておらず、誰でも内容が理解できる
  • 「最新」「期間限定」などの文言でペーパーの重要性を高める
  • 時には不安を煽るような表現も使う

こういったタイトルに対する工夫が実践できれば、わずかでも他社より興味深いホワイトペーパーが出来上がります。

ホワイトペーパーはとにかくダウンロードされるのが大事です。タイトルに徹底的にこだわって「ダウンロードしてみよう」と思われるようにしましょう。

表紙のクオリティを高める

表紙のクオリティを高めるのも重要です。デザイン性を高く保ち、視覚的に魅力が伝わるようにしましょう。

ホワイトペーパーは、BtoBビジネスであることが関係しているのか、表紙が簡素なデザインで完結しているケースが多々あります。

たしかに一般消費者向けでないなら、そこまで華美な装飾は必要ではないかもしれません。しかしホワイトペーパーでも表紙が簡素すぎると、何を書いているか分かりづらく、また「役に立ちそうだ」とも思ってもらえないでしょう。つまりダウンロードする動機が損なわれます。

可能な限り表紙のデザイン性を高めたり、見やすくしたりして、「見てみよう」と思われるように工夫しましょう。このデザインに関しては、自社で作成が難しいなら外注するのもひとつです。

1ページ1コンテンツを意識する

ホワイトペーパーを読ませるには、1ページ1コンテンツを意識しましょう。つまり1ページごとで情報を区切るやり方です。

複数ページにまたいで同じコンテンツに言及すると、どうしても読みづらくなります。

しかし1ページごとでまとめれば読みやすく、あるいは分かりやすい内容となります。また、あとで見返す場合にも見やすくなるでしょう。

どうしても複数ページにまたがるなら、コンテンツごとで色分けしたり、フォントを変えたりするのがおすすめです。これによりある程度ホワイトペーパー内での棲み分けが明らかになり、ユーザーの理解が促進されます。

「情報提供が9割」を心がける

ホワイトペーパーを作成するなら、「情報提供が9割」であることを意識しましょう。ホワイトペーパーは自社にとって集客やマーケティング手法のひとつですが、読み手からすれば情報やノウハウを仕入れるための資料にしかすぎません。

ここで情報提供をおろそかにしてサービスや製品を売り込んでばかりいては、途中で離脱されやすくなります。

ホワイトペーパーを手にしているなら何らかの目的があるので、まずはそれに9割のコンテンツを持ってして応えましょう。コンバージョンへ繋げるのは、残り1割の部分で問題ありません。

ホワイトペーパーをマーケティングで有効活用しよう

本記事ではマーケティングで役立つホワイトペーパーのメリットや作成方法を解説しました。ホワイトペーパーがあれば、顧客の情報を獲得したり、コンバージョンへ誘導したり、さまざまな効果が得られます。

高品質なものであれば、設置しておくだけでコンスタントに何らかの成果を挙げ続けるでしょう。

ホワイトペーパーを作成する方法は、ある程度セオリーとしてまとまっています。またいくつかのコツをおさえれば、他者との差別化も可能。ぜひ一度、ホワイトペーパーの作成に取り組んでみましょう

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。