リスティング広告とは|費用相場や予算の決め方まで分かりやすく解説

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リスティング広告とは、検索連動型広告とも呼ばれ、GoogleやYahoo!などの検索エンジンの検索結果画面に広告を出稿する手法です。

「どんな仕組み?」「予算はどのくらい?」と悩んでしまい、出稿に踏み出せない広告担当者もいるのではないでしょうか。リスティング広告は、予算の決め方や運用方法などのポイントを押さえて実施することで、高い効果が見込めます。

本記事では、リスティング広告の特徴や費用の仕組みとあわせて、費用対効果を高める5つのコツも紹介します。特徴を正しく理解して、効果的なプロモーションに役立ててみてください。

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リスティング広告とは

リスティング広告とは、検索エンジンの検索窓にキーワードを入れて検索したときに、検索結果画面に掲載される広告のことです。たとえば、「レストラン おすすめ」というキーワードで検索すると、検索結果画面に「広告」マークが付いて表示されます。

自然検索で該当したページよりも上部に表示されることから、ユーザーの目に留まりやすいのがポイントです。

一方で、自然検索の場合は、検索上位表示を維持するのは非常に困難です。掲載順位を左右する検索エンジンのアルゴリズムは不定期かつ頻繁に更新され、更新情報は公開されていないからです。

その点、リスティング広告では特定のキーワードが検索された際に上位表示できるので、高い即効性が期待できます。「〇〇というキーワードを検索したユーザーの検索結果画面に表示させたい」など、ターゲットやニーズが明確な場合におすすめの広告手法です。

リスティング広告の特徴

リスティング広告は、特徴を把握したうえでターゲットや広告を設定することで、高い効果を発揮します。

代表的な特徴について紹介するので、出稿目的やターゲットとマッチしているか確認しながら見ていきましょう。

若年者やビジネスパーソンと相性が良い

リスティング広告は、検索エンジンを活用した広告手法なので、インターネットをよく使う層との相性が抜群です。悩みの解決方法や興味関心のある物事を日常的にインターネットで検索して自ら情報を取りにいく層であれば、有意義な情報が表示されればクリックにつながるでしょう。

総務省が発表している「令和3年度 情報通信白書」では、令和2年度の属性別インターネット利用率は、13歳から59歳までで90%を超えていることが分かりました。特に、20~30代の利用率は98%以上と、日常的にインターネットを利用していることが分かる結果となっています。(参照:総務省「令和3年度 情報通信白書」

このことから、若年者やビジネスパーソンをターゲットとしている商品やサービスは、リスティング広告に適していると言えるでしょう。

顕在層へのアプローチに効果的

リスティング広告は、特定の検索キーワードに合わせて広告を掲載できるので、顕在層へのアプローチに有効です。

ユーザーが検索をするときは、何かを知りたい、何かを探しているなどの目的があります。たとえば、「パソコン 掃除グッズ」と検索した場合は、パソコンの掃除グッズを購入したくて探していることが多いでしょう。そのため、既に特定の商品やサービスを探している顕在層へのアプローチに高い効果を発揮します。

しかし、同業他社も同様にリスティング広告を出稿する可能性があります。他社との差別化ができるよう、ターゲットの検索意図やニーズを踏まえたうえでの魅力発信がポイントです。

手頃な予算から始められる

リスティング広告は最低出稿金額がないため、比較的少ない予算で始められるのも特徴です。1日数百円から数千円、1か月数万円からでも始められます。まずは少額から始めてみて、配信結果を見ながらリアルタイムで予算を調整できるのも大きなメリットです。

ただし、予算が少ないと配信可能数が限られます。特に、競合の多いキーワードはクリック単価が高いため、少額だとデータが溜まりにくく、思うように分析・改善できないこともあるので注意が必要です。

リスティング広告費用の仕組み

ここからは、リスティング広告費用の仕組みを解説します。広告予算を決めるときに必要な基本知識となるので、ぜひ確認してみてください。

リスティング広告の費用は、「クリック課金制」と「オークション制」の2つの仕組みで決まります。それぞれの仕組みについて見ていきましょう。

クリック時に費用が発生する「クリック課金制」

リスティング広告の課金方式は「クリック課金」です。表示された広告をユーザーがクリックした時に初めて費用が発生します。

表示されただけで費用が発生するインプレッション課金とは異なり、広告内容に興味のあるユーザーがクリックした時のみ課金対象となるのがポイントです。ユーザーにクリックされるまでは予算内で何回でも広告を出稿できるので、無駄なコストが掛かりません。

クリックされた時に発生する費用は、クリック単価によって決まります。では、クリック単価はどのように決まるのでしょうか。

キーワードごとに入札を行う「オークション制」

クリック単価は、オークション形式で決まります。広告主は、広告を出稿したいキーワードに対して、クリック単価をいくらまで支払えるか提示したうえで入札を行います。その入札単価とあわせて、品質スコアと広告表示オプションを組み合わせた結果で広告ランクが決まり、より高い広告ランクの広告が優先表示される仕組みです。

広告ランクの計算式は以下の通りです。

【広告ランク=入札単価×品質スコア+広告表示オプション】

品質スコアは、推定クリック率・広告の関連性・ランディングページの利便性を基に算出されます。広告表示オプションは、利用しているかどうかが評価の対象です。そのため、入札額を上げるほど広告が優先的に表示される、というわけではないので注意しましょう。

オークションの結果、広告が表示される場合、入札したクリック単価がクリック1回あたりの費用として発生することになります。

リスティング広告予算の決め方

リスティング広告は最低出稿金額が決まっていないとはいえ、効果を出すためにはどのくらい予算を掛けたらよいか迷ってしまう担当者もいるのではないでしょうか。

代表的な予算の決め方は、大きく分けて次の2つがあります。

  1. クリック単価の相場を参考に決める
  2. 目標成果から逆算して決める

広告予算を決めずに運用を開始してしまうと、思っていたよりコストが掛かったり、成果につながらなかったりする可能性があります。広告予算の決め方を知り、目標達成に必要な予算を算出しましょう。

クリック単価の相場を参考に決める

1つ目は、広告を出稿したいキーワードの上限クリック単価に、成果とするクリック数を掛けて算出する方法です。

前述の通りクリック単価はオークション形式で決まりますが、Googleキーワードプランナーなどで事前に上限クリック単価を調べられます。たとえば、上限クリック単価200円のキーワードで1,000回のクリックを目指すとしたら、200円×1,000回で、予算は20万円となります。

ただし、クリック単価は変動するので、途中で予算切れによる機会損失を生まないよう、目標の顧客獲得単価よりも高い予算を設定しておくことがポイントです。

目標成果から逆算して決める

2つ目は、目標CPAに獲得したいコンバージョン数を掛けることで、予算を算出する方法です。

リスティング広告を出稿する際は、目標CPAを考える必要があります。CPAとは、顧客獲得単価を指し、広告を通じて得られる最終的な成果であるコンバージョンを1件獲得するのに掛かる費用です。

目標CPAの計算式は以下の通りです。

【目標CPA=販売価格-原価-確保したい利益】

たとえば、目標CPAを10,000円、目標コンバージョン数を20とした場合、10,000円×20で、予算は20万円となります。

このように、目標成果が決まれば、逆算して広告予算を考えられます。

リスティング広告の費用相場

費用の仕組みや予算の決め方を解説しましたが、一般的な費用相場はどのくらいなのでしょうか。ここでは、自社運用の場合と代理店運用の場合の費用相場をご紹介します。

あくまで相場であり、広告を出稿する商品やサービスによって費用は変わることに留意し、広告予算を決める際の参考にしてみてください。

自社運用の場合は数十万円~数百万円

自社運用の場合、一般的な費用相場は月間で数十万円程度と言われています。会社規模によっては、数百万円単位でリスティング広告を出稿している企業もあります。

しかし、最低出稿金額がなくて自由に運用できるのがリスティング広告のメリット。企業や市場規模を考慮し、出稿したいキーワードのクリック単価や成果目標から、効果的な予算を決めて無理のない運用をしましょう。

代理店運用の場合は手数料がプラスで必要

代理店へ依頼する場合には、数十万円~数百万円の運用費にプラスで、代理店へ支払う手数料が必要です。

リスティング広告の運用は、代理店に依頼するのも方法のひとつです。代理店に依頼すると、一般的に広告運用業務全般を担ってもらえることがほとんど。自社でのノウハウが不十分だったり、専属の担当者を確保できなかったりする場合に役立ちます。

手数料は、広告費用の20%前後が相場。広告費を20万円とした場合、代理店に依頼すると手数料として4万円がプラスで掛かるイメージです。

また、初めて依頼する場合には、アカウント初期設定などに掛かる初期費用が必要になる場合もあります。初期費用の相場は5万円程度ですが、代理店によって費用は異なるので、ぜひ問い合わせてみてください。

リスティング広告の費用対効果を高めるコツ

余計なコストを抑えることで、リスティング広告の費用対効果を高められます。広告予算を減らすだけがコスト抑制ではありません。さまざまな運用のコツを押さえることで、限られた予算内で費用対効果の最大化を目指せます。

ここでは、費用対効果を高めるための5つのポイントをご紹介します。ポイントを押さえた効率的な運用で、高い費用対効果を目指しましょう。

コンバージョンしやすいユーザーに絞って配信する

コンバージョンとは、広告出稿を通じて最終的に得たい成果を指し、商品の購入や問い合わせなどが挙げられます。コンバージョンしやすいユーザーに絞って配信することで、1コンバージョンあたりの単価を抑えることが可能です。

むやみにターゲットを広げて広告を配信しても、クリックされるだけでコンバージョンにつながらなければ非効率です。つまり、コンバージョンにつながらないクリックに費用を掛けていることになるので、費用対効果は低くなってしまいます。

リスティング広告では、精度の高いターゲット設定ができ、キーワードや見出し・説明文などの広告内容も細かく設定できます。ユーザーの検索意図やニーズを正しく把握したうえでコンバージョンする可能性が高いキーワードのみ設定するなど、見込み客に絞って配信するのがポイントです。

除外キーワードを設定する

コンバージョンにつながらないキーワードの設定を除外するのも、費用対効果を高めるコツのひとつです。

リスティング広告を配信すると、管理画面ではキーワードごとのクリック数やコンバージョン数を確認できます。キーワードによっては、クリックされるけれど全くコンバージョンが発生しないものも出てきます。

こうしたコンバージョンにつながらないキーワードを「除外キーワード」として設定すると、設定したキーワードでは広告が表示されなくなります。それにより費用対効果の改善が期待できるので、配信の際にはこまめに管理画面を確認し、キーワード設定を調整してみましょう。

マッチタイプを「完全一致」に設定する

リスティング広告では、キーワードのマッチタイプを次の3種類から選択でき、「完全一致」に設定することで高い費用対効果が見込めます。

【部分一致】  ユーザーの検索キーワードと設定キーワードが関連する場合に表示
【フレーズ一致】設定キーワードがユーザーの検索キーワードに含まれて同じ語順の場合に表示
【完全一致】  ユーザーの検索キーワードと設定キーワードがすべて一致している場合に表示

「多くのユーザーに広告を表示させたい」とリーチ数重視でマッチタイプを設定してしまうと、余計なコストが掛かり費用対効果は低下します。リスティング広告の目的は、リーチやクリックではなく、その先のコンバージョンであることを忘れないようにしましょう。

しかし、配信前にコンバージョン率の高いキーワードを判断するのは至難の業です。まずは部分一致で配信し、管理画面でコンバージョンにつながっているキーワードを検証するのもひとつの方法です。その後、最も効果的であると考えられるキーワードを完全一致に設定することで、費用対効果の改善が期待できます。

マッチタイプを狭めることでクリック数が増えないことも考えられるので、予算の消化率を確認しながら調整してみてください。

配信しながらキーワードを調整する

リアルタイムでこまめにキーワードを調整するのも効果的です。配信時にキーワードを設定しますが、設定内容は配信中いつでも変更できます。

前述の通り、コンバージョン率の低いキーワードを除外する以外にも、コンバージョン率の高いキーワードの入札額を引き上げることも可能です。さらに、効果のあるキーワードはランディングページに多く反映させるなど、広告文とキーワードとランディングページの関連性を高めることも、広告スコアの改善に効果的です。広告スコアが改善されれば、コンバージョン率の高いキーワードで優先的に表示されるようになり、費用対効果の最大化が期待できます。

しかし、こまめな管理が必要なことから、最低でも1人は専属の担当者が必要になります。小規模な企業の場合、リソースの確保が難しいなどが懸念されます。

運用のプロである代理店へ依頼する

自社でのリソース確保が難しい場合には、代理店に運用を依頼する方法もあります。代理店に依頼する場合、基本的にはリスティング広告運用に関するすべての広告を担ってくれるので、自社のリソースは必要ありません。

また、リスティング広告運用の経験が豊富なので、ノウハウが蓄積されており、すぐに結果を出しやすいのもメリットです。経験のない担当者が運用するとリサーチにも時間や労力を要し、結果的に人件費が跳ね上がることも考えられます。

そのため、短期間で高い効果を出したい場合には、代理店への依頼も検討してみてください。

リスティング広告の注意点

リスティング広告にはメリットがたくさんありますが、ターゲットや打ち出したい商品・サービスによっては相性が合わない可能性もあります。

効果を最大限に発揮するには、メリットとデメリットを照らし合わせたうえで、適切な広告手段であるかを判断することが必要です。

潜在層へのアプローチには不向き

リスティング広告は特定のキーワードに連動して表示される広告なので、設定キーワードに興味関心のない層には広告が表示されません。

潜在的な興味関心はあっても、まだ顕在化していない層はそのキーワードで検索する可能性は低いでしょう。そのため、潜在層へのアプローチには不向きです。

たとえば、パソコン掃除グッズを広告で打ち出したい場合、「パソコン 掃除 グッズ」と検索するユーザーはすでに購入意欲が顕在化しているので、リスティング広告でのアプローチに向いています。しかし、パソコンが汚いと思いつつも、掃除するという概念がないユーザーはそもそも「パソコン 掃除」などでは検索しないでしょう。

そういった潜在層へのアプローチは難しいので注意が必要です。

単価の低い商品やサービスには高コスト

単価の低い商品やサービスなど、販売によって得られる利幅が小さい場合は、リスティング広告を運用するとかえって赤字になる可能性があります。

リスティング広告は、顧客獲得単価を決めて運用するのが一般的です。たとえば、商品の販売価格が200円だとしたら、1人の獲得に掛けられる費用は非常に少なくなります。

広告費用に対して利益が少なければ広告運用を行うメリットは薄いので、商品やサービスの単価を考慮したうえで運用するかどうかを決めましょう。

広告運用者の負担が大きい

細かい設定やリアルタイムでの調整ができるのがリスティング広告のメリットですが、その分運用や管理に手間がかかります。

広告文の作成やキーワード設定はもちろん、広告効果を最大化するためには、配信後の管理も日々行わなければなりません。もし専門知識やノウハウがない場合には、リサーチにも膨大な時間がかかるでしょう。

しかし、この手間を無くしてしまうと効果的な広告運用は成り立たないので、広告運用担当者の配置は必要不可欠です。

リスティング広告の運用は「soraプロジェクト」にお任せください

リスティング広告は顕在層へのアプローチに有効で、比較的手頃な費用で始めやすい広告です。ユーザーニーズや目標成果を考慮し、ターゲットを明確にして素早くPDCAを回すことで、費用対効果も高まります。

相性の良い商品やサービスの場合、ポイントを押さえた運用をすると大きな成果が見込めるので、気になっている方はぜひ始めてみてくださいね。

広告運用担当者の負担が心配な場合や、人手不足で必要なリソースを確保できない場合は、ぜひ「soraプロジェクト」にご相談ください。創業以来、約700社/2,000案件の企業営業・マーケティングを代行してきたノウハウや手法をもとに、成果の出る広告運用を実現します。

リスティング広告に関する相談はもちろん、SNSやSEO対策、コンテンツマーケティングなどの相談も受け付けています。不明点や気になる点がある方は、お気軽にお問い合わせください。

また、ホームページでは効果的なWebマーケティングのヒントとなる資料を公開しています。ダウンロードは無料なので、ぜひ参考にしてみてください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。