ラポール形成とは?さまざまな場面で使えるテクニックを紹介!

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ラポール形成は、日常生活にだけではなく、ビジネスシーンにおいても大切であると言われています。
しかし、ラポール形成は難しく、どのように実践すれば良いかわからない人も多いのではないでしょうか。

本記事では、ラポール形成に関する基本的な知識を理解するとともに、形成するメリット活用シーンラポール形成を成功するためのテクニックを解説していきます。

これからラポール形成の考えを取り入れたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

ラポール形成とは

ラポールとは、フランス語で「架け橋」を意味する言葉です。
相互に信頼しあえる関係、という意味合いが一般的に用いられています。

複数の人間がいる中でその関係性を示す際に一般的に使われていますが、本来は、精神感応の意味で用いられており、関係性だけに着目したものではありません。
精神感応とは、言葉を交わさなくても不思議と気が合うような、無意識に心が通じ合う精神的な感覚のことです。

そのためラポールは、コミュニケーションの改善を行えば形成するわけではありません。
「約束を守る」ことや「遅刻をしない」といった社会人として当たり前の行動にも注力しています。

知識や理屈によるものではなく、直観的なフィーリングにより形成されることを前提に考えましょう。

ラポール形成のメリットと活用シーン

ラポール形成を築くことで、相手との信頼関係を高めるだけでなく、心理的な安全性を確保すること可能です。
そのため、相手とのコミュニケーションが心理的に安心できます。

お互いの考えや価値観を尊重でき、お互いの意見を素直に聞き入れられる関係性になるという点で、互いにメリットがあります。

心理的な安全性を確保することで、コミュニケーションを円滑に行えるため、ビジネスシーンにおいても昨今、ラポール形成が注目されています。

ビジネスにおける営業活動

ラポール形成を築くことで、円滑なコミュニケーションをとる環境を作ることができます。
顧客とのラポールの形成がされている場合、心理的な安心感から顧客の本音を引き出すことができます。

本音を引き出すことで、顧客が本当に求めている要望もわかり、新たな提案を行うこともできます。
お互いに信頼していて、円滑なコミュニケーションが取れるため、他社で代替できる商品であっても、「この人だから、商品を買いたい」と思われる機会も増えるはずです。

その結果、商談が成功する確率も高くなり、会社の業績アップにも期待ができます。

上司と部下のコミュニケーション

ラポール形成は顧客との間だけではなく、社内、特に上司と部下の間柄でも形成するメリットがあります。

部下が上司に対して、本音で話すことは困難です。
上司が部下に対して業務上のアドバイスをしたつもりでも、ラポール形成が築かれていないと、部下が何らかのハラスメントと捉えてしまうケースは珍しくありません。

また、上司の機嫌を損ねないように、部下は上司に対して意見を述べることを遠慮してしまうこともあります。
しかしラポール形成がされている場合は、お互いに尊重しあえるため、お互いに本音で話し合える機会が増えるはずです。

チームパフォーマンス力向上

ラポール形成は、チームワークを高めるためにも役立ちます。
ラポールが形成されているチームは、チームメンバーの一人ひとりがお互いの意見や価値観を尊重しあえる環境のため、会議などの場でも意見が活発に飛び交う傾向があります。

また、新規プロジェクトなどの慣れない仕事であっても、チーム全体でアイデアを出し合い、サポートし合うことが可能です。
結果としてチーム全体のパフォーマンス力が向上し、業績アップにもつながります。

心理学に基づくラポール形成の3つの段階

ラポール生成はもともと心理学で使われる用語です。
上記にも記載した通り、ラポール形成は、コミュニケーションを改善することで形成されるものではなく、「精神感応」つまり直観的なフィーリングにより形成されることが前提にあります。

そこでラポール形成を効果的に行うために必要な3つの段階を解説します。

肯定・尊重段階

相手の意見を肯定的に捉えることや、相手を尊重することが、はじめに重要な段階です。

「相手を意のままにコントロールしたい」という気持ちがある限り、ラポール形成は困難です。
まずは、相手の伝えたいことに耳を傾けたり、相手の考えに共感する姿勢が大切です。

自分の価値観を完全に曲げるのではなく、互いの価値観を互いに尊重することが重要です。

類似性・同調段階

心理学の分野では、互いに姿勢や行動に類似性や同調性があると、相手に対して安心感や好感を抱く傾向があると言われています。

自分と相手の生い立ちや趣味など、会話の中から類似している点を見つけることが重要です。
類似性のある話題を中心に会話を進めていくことで、ラポール形成に役立ちます。

ペーシングとリーディング段階

ペーシングとは、相手の話し方や話すスピードなどを合わせてコミュニケーションをとるテクニックです。
相手の声質や会話スピードと合わせることで、相手に親近感や好感が生まれます。

ペーシングはラポール形成を効果的に築くために効果的なテクニックといえます。

また、さらに相手との距離を縮めるテクニックがあります。
それがリーディングです。

リーディングとは、質問や提案を相手に投げかけ、会話をリードし、コミュニケーションを活性化させるテクニックです。
より効果的にラポール形成を築きたい場合は、ペーシングとリーディングをセットで実施することをおすすめします。

ラポール形成を成功させるための4つのテクニック

最後にラポール形成を成功させるための4つのテクニックを紹介します。
ビジネスにおいての活用シーンに合わせて実施してみましょう。

ミラーリング

ミラーリングとは、相手の行動やしぐさなどの視覚的動作を真似するというテクニックです。

具体的には、相手と同じタイミングで飲み物を飲んだり、呼吸のタイミングを合わせたり、鏡に映った相手をイメージして行動することです。
心理学の分野では、人は好意を抱いている相手と無意識に行動を真似ようとする傾向があると言われています。

その心理を利用し、コミュニケーションの中で相手の行動と自分の行動を似せることで、相手に興味を持ってもらう狙いがあります。

キャリブレーション

キャリブレーションとは、言葉以外の要素から相手の感情を把握する際に用いられるテクニックです。

具体的には、後輩社員が「まだ頑張れます」と言っているが、顔色が悪かったり、声のトーンがいつもより低かったりする場合、実は体調がよくなかったりする場合があります。
この場合、言葉以外の要素を読み取ってあげ、「無理しないで大丈夫です」などの声かけを行ったりすることが重要です。

その結果、相手は自分の本心に気付いてもらえたことで、相手が自分へ信頼を寄せることが期待できます。

しかし、必要以上に相手の感情を探ろうとする行為は、逆に相手に不快感を与えてしまうケースがあるため、初対面の方には不向きといえます。
活用シーンに合わせて加減をすることが大切です。

マッチング

マッチングとは、声の大きさや話すスピードなどを相手に合わせて会話をするテクニックです。

極端に話すスピードが自分と異なる場合、話の理解が追いつかず、会話のペースが乱れてしまい、不快に感じてしまいませんか。
このようにコミュニケーションの内容ではなく、少しの気遣いや行動で人は不快感を覚えてしまい、ラポール形成の妨げとなってしまいます。

まずは、話すスピードを相手に合わせることから始めてみましょう。

また、マッチングは汎用性が高く、使いやすいテクニックです。
対面でのコミュニケーションの場だけでなく、電話などの非対面のコミュニケーションの場でも活用できます。

バックトラッキング

バックトラッキングとは、相手の話した言葉の意味を変えず、似たような意味を持つ言葉を返しながら会話をするテクニックです。
日本ではオウム返しとも言われていて、できるだけ相手の言葉を変えずに、会話を進めていくことがポイントです。

例えば、「最近、健康に気を付けて運動しています」と言われた際、「そうなのですね」などのあいづちだけでは、そっけない態度と捉えられる可能性があります。
この場合、「○○さんは、健康に気を使われて、最近運動されているのですね」と相手の言葉を同じ内容で繰り返す形で返答をすることが望ましい対応です。

「○○さんは、健康管理に気を使われていて、毎日適度な運動をされているのですね。」という言い回しも同じ意味合いですが、言葉を置き換える箇所が多いと、相手は受け取りづらくなったり、ニュアンスの違いから不快感を覚える恐れがあるため、注意が必要です。

バックトラッキングは話し相手にとって、話の内容を理解していると感じるため、快いコミュニケーションを続けることができます。
コミュニケーションを活性化し、ラポール形成を成功に導いていきましょう。

ラポール形成は相手への尊重が重要

ラポール形成は、相手との信頼関係を築き、人間関係を円滑にします。
一般的にラポールとは、「相互に信頼しあえる関係」のように複数の人間がいる中でその関係性を示す際に使われます。

しかし本来は、言葉を交わさなくても不思議と気が合うような、無意識に心が通じ合う精神的な感覚である「精神感応」の意味で用いられます。

ラポール形成を築くことで、信頼関係や心理的な安全性を保てることから、ビジネスシーンにおいても注目されています。
これから顧客とのラポール形成を築き、業績アップにつなげたいという方は、ラポール形成を成功させるテクニックを実践してみましょう。

当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトは、顧客との良好な関係性を築きながら、業績アップにつなげる営業支援サービスを提供しております。
顧客とラポールを形成し、互いに信頼できる関係性を築きたい方は、ぜひお問い合わせください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。