営業と製造現場は仲が悪い?部門別の原因や解決策を解説

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営業と製造現場の仲が悪いのは、遂行すべき業務や環境が異なるのが原因です。
そのため、営業と製造現場が仲良くなるには、互いの業務内容をよく知ることが大切。

本記事では、営業と製造現場の仲が悪い原因とともに、解決するための方法を解説します。
部門の境を超えたシームレスな体勢構築にお役立てください。

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【製造現場】営業と仲が悪い3つの原因とは?

製造現場が営業に対して悪いイメージを抱く原因は、無理な要求や突発的に発生する仕事のほか、人材不足などです。
本章では、製造現場が営業に対して悪いイメージを与える原因を詳しく解説します。

原因1.営業が製造現場に無理を通す

営業が製造現場に無理を通すのは、顧客を大切にしようとするあまりに、製造工程や生産にかかる時間を考慮せずに仕事を受注した際に発生するケースです。

例えば、顧客からの「10日で製造してほしい」という要望を受け入れた場合です。
実際には製造に最低でも2週間かかる製品でも、受注してしまった以上は製造するしかありません。

現場では、製造を急ぐために残業や休日出勤などが必要となる可能性があり、大きな負担を強いる結果になるでしょう。
上記のような状態が発生すると、製造現場の営業に対するイメージが悪化してもおかしくありません。

原因2.営業が突発的な製品を受注する

生産管理部門では、製造工程や納期を考慮して、複数の製品を効率的に製造できるように生産計画を策定します。
製造現場は、生産計画に従って製造する一方で、突発的に発生した製品の製造に対応する場面も。

突発的に発生した製品に対応するには、生産管理・製造現場が協力した上で、残業・休日出勤などの検討が必要です。
さらに、人員が不足している場合は、外注も視野に入れて検討しなければなりません。

突発的な製品の受注は、生産管理・製造現場にとって大きなストレスの原因となり得ます。

原因3.製造現場の人材不足が深刻化

営業が無理を通したつもりがなくても、人材不足が深刻化していれば、製造現場が営業に対して悪印象を抱く原因になりかねません。
営業が「いつも通り」の量の仕事を受注していても、もとは100人いた製造スタッフが70人に減少していれば、製造スタッフの業務負担が大きくなるためです。

製造スタッフの業務負荷が増加すると、心身のストレスが生じやすくなり「これ以上の仕事は受注しないで欲しい」と感じる場合もあるでしょう。

人材不足が原因となる不仲は、営業と製造現場のどちらにも悪い点がないため、解決するのは困難。
詳しくは後述しますが、解決には工場内の業務効率化を図り、より少ない人的リソースで対応できる環境構築が必要です。

【営業】製造現場と仲が悪い3つの原因とは?

営業が製造現場に悪印象を抱くのは、営業が置かれている状況を現場が把握不足に起因するケースがほとんどです。
しかし、具体的にはどのような場面が想定できるのでしょうか。

本章では、製造現場と営業の仲が悪い原因を、営業目線から解説します。

原因1.製造現場が納期を把握していない

納期を遵守するのは当然と考えるかもしれませんが、製造現場では「納期」という意識が低いケースもあります。

納期を意識しないのは、情報共有体制が構築されていない場合に多く、生産管理部門と製造現場との連絡不足が原因です。
例えば、製造現場にディスプレイを設置して、必要な情報の可視化ができていれば上記のような問題は発生しにくくなります。

しかし、十分な情報共有に必要なシステムを導入できている企業はごくわずかなのが現状。
そのため、製造現場が納期を意識せずに仕事を進めてしまうのです。

営業部門としては、納期遵守が当たり前となっているため、製造現場に対して悪印象を抱くでしょう。

原因2.製造現場が顧客との関係性が悪化する事態を引き起こす

前述したように、納期が守られない場合は、顧客への謝罪が必要になる場合もあります。

営業部門としては、ようやく契約できた新規の顧客を相手にした仕事かもしれません。
しかし、納期が守られなければ顧客が離れてしまう可能性も十分に考えられます。

納期が守られなかった場合に、顧客へ謝罪に向かうのは、実質的にはミスをしていない営業パーソンです。
自分がミスをしたわけではないにも関わらず謝罪をして、ときには顧客を失ってしまうことを考慮すると、いらだちの矛先は製造現場に向かってしまいます。

原因3.営業の仕事が煩雑で相手を気遣えない

近年では、働き手不足によって人材確保が困難になっています。
そのため、製造現場や営業部門では、業務効率化や省力化などの必要性が高まっているのが現状です。

実際に、生産管理システムや営業支援システムを導入している企業も少なくありません。

一方で、営業部門が担う業務は、顧客管理・案件管理・社内業務などと多岐に渡ります。
人材不足が深刻化する中で、煩雑な営業業務が営業パーソンに与える負荷は大きくなりがちです。

自分自身が抱える仕事が手一杯では、他部門を気遣う余裕がなくなってもおかしくはありません。

営業と製造現場の仲が悪い、最大の原因は「思いやり不足」

営業と製造現場が不仲になるのは、理解不足や忙しさが生んだ「思いやり不足」が最たる原因です。
互いに相手を尊重し、業務の内容や辛さを理解できていれば、自然と相手を思いやる気持ちが芽生えます。

例えば、気の置けない相手が軽微なミスをしても「少しくらいなら」と思える反面、印象の悪い相手が同程度のミスをするといら立つことも。
上記は極端な例ですが、互いを知り、理解し合うことの重要性がわかります。

それでは、互いを思いやる気持ちはどのようにして育むといいのでしょうか。
営業と製造現場の仲を修復するために必要な方法は、次章で詳しく解説します。

営業と製造現場の関係性を改善できる3つの方法とは?

営業と製造現場の関係性を修復するには、コミュニケーションを中心として、業務の可視化・効率化に取り組む必要があります。
コミュニケーションは人間関係を構築する上での基本的な事項となり、業務の可視化・効率化は、相互理解の補助的な役割を担えるためです。

本章では、営業と製造現場の人間関係を改善する方法を解説します。

方法1.営業と製造現場のコミュニケーション強化

営業活動の中で、単純接触効果(ザイオンス効果)を活用するケースはないでしょうか。
単純接触効果とは、接触を繰り返すうちに相手の警戒が緩む心理のこと。

単純接触効果は、より効果的な営業活動をするために活用されていますが、製造現場のスタッフを相手にも同様の効果が得られます。
製造現場スタッフは「知っている営業パーソンが頑張って獲得した仕事」と感じていれば、きっと頑張ってくれるでしょう。

納期を守る・丁寧に製造するなどを心がけるようになり、結果的に営業部門に利益をもたらしてくれます。
一緒に食事を摂ったり飲みニケーションの場を準備したりと、互いに楽しみながらコミュニケーションを図ってください。

なお、製造現場と営業のコミュニケーション強化は、生産管理部門も含めて行動する必要があります。
なぜなら生産管理部門は、製造現場と営業の間を取り持つ役割を担っているためです。

営業・生産管理・製造現場のコミュニケーション強化が成功すると、仕事の受注や生産計画策定、製造までがスムーズに流れるようになります。
そのため、総合的な業務効率化や生産性向上が可能です。

方法2.互いの業務を可視化

相互理解を深めるには、営業と製造現場がどのような業務をこなしているかを知る必要があります。

例えば製造現場では、稼働しているスタッフ数・生産数・稼働時間などを営業に伝えると効果的です。
営業パーソンが獲得した仕事で、工場のスタッフにどれだけの負担がかかっているかが伝わるため、自然に営業パーソンの工場に対する責任感が生まれます。

営業部門から工場に伝えるべきは、目標としている売上や商談の内容などです。
営業は、顧客対応のように可視化が困難な業務もあるため、目標を共有するのがポイント。

同時に、1日の生産量をもとにして、目標にどの程度近付いているのかを明確にしておきましょう。
営業と製造部門の足並みがそろいやすくなるとともに、互いのモチベーション向上効果にも期待できます。

方法3.業務効率化で時間的余裕を持つ

忙しさのあまりに、心に余裕がなければ、相手を思いやることは困難です。
業務効率化に努めて、時間と心に余裕を持たせるようにしましょう。

営業と製造現場の業務効率化に有効な取り組みは、下記の通りです。

  • 製造現場:工場の可視化や生産管理システム・ERPなどの導入
  • 営業:営業業務の可視化やMA・SFA・CRMなど営業支援ツールの導入

上記のほか、製造現場ではアウトソーシングを活用したり、営業部門では営業代行やテレアポ代行を活用したりするケースも。
特に、営業代行やテレアポ代行は、ニーズの多様化にともなって増大した営業パーソンの負担軽減に大きな効果を発揮します。

さらに、営業支援ツールとアウトソーシングを組み合わせる方法も、業務効率化に有効です。
現状を踏まえて、どのような方法がいいのかを検討しながら取り組んでください。

営業と製造現場の仲が悪い状況を改善したい方へ

本記事では、営業と製造現場の関係が悪い原因や解決策を解説しました。
特に大切なのは、以下3つのポイントです。

  • 営業と製造現場の不仲の原因は、相互理解と思いやりの不足
  • 営業と製造現場の関係改善には、時間的余裕と心の余裕が必須
  • 営業・製造現場の業務効率化は、システム・ツール導入やアウトソーシングが有効

当メディアを運営する株式会社soraプロジェクトは、統合型CRM「HubSpot」を活用したインサイドセールス代行やテレアポ代行などを提供しております。
企業の状況に応じて柔軟な対応や提案を致しますので、営業部門の業務効率化にお悩みの際は、お気軽にお声がけください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様へターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。