営業におけるパイプライン管理とは?なぜ重用されるのか?

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  • パイプライン管理とは何なのか?
  • 営業をパイプライン管理すると何の特があるのか?
  • 具体的にどうすればできるのか?

このように思っている人は多いでしょう。

パイプライン管理は、営業を管理するうえで実に理に適った手法です。
本記事ではパイプライン管理の定義や目的、メリットや実施方法を解説します。

なお、株式会社soraプロジェクトでは営業代行の基礎をまとめた資料「マーケ・営業・IS担当者必見!はじめての営業代行」を無料で配布しています。

パイプライン管理とは?

営業におけるパイプライン管理とは、アポイント獲得から成約に至るまでのフローを可視化して、分析や管理を実施する手法です。これを活用することで、営業活動を高度にマネジメントできるようになります。

石油やガスのエネルギーを送る管=パイプラインのようにとらえられることから、このように呼ばれます。
具体的には以下のようにステージ分けして管理するのが基本です。

  1. アポイント確定
  2. ヒアリング
  3. 訪問
  4. 提案
  5. 見積もり
  6. 成約
  7. フォローアップ営業

管理の目的は「問題の可視化とその解決」

パイプライン管理の最大の目的は「問題の可視化とその解決」にあります。

仮に提案の段階で、見込み顧客の離脱が著しく多いとしましょう。
それであれば、提案内容・方法に問題があるのは明らかなため、やるべきこともおのずと見えてきます。

このようにどこで「パイプが詰まっているか」を可視化して解決するのが、パイプライン管理の最大の目的です。

営業でパイプライン管理が重要視される理由

パイプライン管理が重要視されるようになった理由は3つ挙げられます。

  • 問題解決がしやすい
  • ツールの進化でパイプライン管理自体のハードルが低くなった
  • 顧客情報や営業活動の複雑化

最大の理由は、問題点の発見とその解決がしやすい点です。
またツールの進化でパイプライン管理がしやすくなったことも関係しています。

また現代では取得できる顧客情報が増え、それに基づく営業活動も複雑化しました。
それをカバーする必要が出てきたのも、パイプライン管理が求められる一因です。

インサイドセールスの一部もパイプラインになりうる

フィールドセールスのみならず、インサイドセールスの一部もパイプラインに組み込んで考えるケースがあります。
つまり、見込み顧客発掘の段階も管理の対象になりうるわけです。

どこまでパイプラインとして考えるかは企業でそれぞれ。
ただインサイドセールスも含めて考えれば、そこで起こった問題を認知して解決することも可能です。

営業でパイプライン管理を実施するメリット

営業でパイプライン管理を実施するメリットは、大きく分けて3つ挙げられます。

  • どこに課題があるか明確になる
  • 指導内容が的確になる
  • 全体で情報を共有できる

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

どこに課題があるか明確になる

最大のメリットはどこに課題があるか明確になる点です。
パイプラインのどこで数字が落ちているか把握できれば、何が課題なのかはすぐにわかります。

もしパイプライン管理をしていなければ、「数字が落ちた」という事実しか見えず、適切な対策を取りにくくなります。
こういった問題を避けるうえでも、パイプライン管理は有効でしょう。

指導内容が的確になる

パイプライン管理を実施すれば、指導内容が的確になります

どこで問題が起こっているのかをすぐに把握できるため、何をどう改善すればよいか、十分に検討することが可能です。
そうすることで、担当者に対してより的確な指導ができるようになります。

問題が見えていないときは、抽象的、精神論的な指示になりがちですが、パイプライン管理ができていればこういったことも回避できるでしょう。

全体で情報を共有できる

全体で情報を共有できるのもメリットです。

パイプライン管理を実施すれば、営業活動全体がどのように動いているのか、フローのどの部分で何が起こっているのか、全体で把握できます。

これにより、営業担当者同士で連携したり、マーケティング部門との協議がやりやすくなったりします。

営業におけるパイプライン管理を実施する方法

営業におけるパイプライン設計は、以下のステップで実施します。

  1. パイプラインを設計する
  2. 実際の業務をステージに割り振る
  3. ステージごとでの数字を追跡する
  4. 改善を実施する

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

なおこの作業は、SalesforceやHubspotを利用することで実施できます。

1.パイプラインを設計する

最初に営業全体の活動をステージ分けし、パイプラインを設計しましょう。
基本的には以下のように分けるのがおすすめ。

  1. アポイント確定
  2. ヒアリング
  3. 訪問
  4. 提案
  5. 見積もり
  6. 成約
  7. フォローアップ営業

必要に応じてインサイドセールスを組み込んだり、見積りと提案を同一にしたり、カスタマイズしても問題ありません。

2.実際の業務をステージに割り振る

パイプライン管理のステップが明確になったら、実際の業務をステージに割り振っていきましょう
これで何らかの問題が起こったとき、どの業務に改善の余地があるかわかりやすくなります。

3.ステージごとでの数字を追跡する

続いてステージごとでの数字を追跡しましょう
営業の場合は、成約に至る前に離脱してしまうタイミングを追いかけるのが最も重要です。

一方で余裕があれば、そのステップでかかっている時間やコストも追いかけるとよいでしょう。
そうすることで、かかっているリソース・コストとパフォーマンスのバランスを見直しできるようになります。

4.問題を優先順位づけして改善を実施する

続いて、パイプライン上にある問題を優先順位づけして改善を実施しましょう。

営業であれば、もっとも多くの離脱が発生しているステージの改善を最優先で実施する必要があります。
この時点で、営業全体の成績の一定レベルでの上昇が期待できるでしょう。

このように優先順位に沿って、改善を繰り返していきます。
そうすることで、パイプライン管理と営業フローがブラッシュアップされるでしょう。

営業におけるパイプライン管理を実施するうえでの注意点

パイプライン管理は有効な手段ですが、以下3点には注意してください。

  • 情報入力にリアルタイム性が必要である
  • 営業部門での入力の負担を軽減しなければいけない
  • ステージを細分化しすぎない

この2点を軽視して、管理が失敗するケースは多々あります
それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

情報入力にリアルタイム性が必要である

パイプライン管理を実施する場合、情報入力にはリアルタイム性が求められます

そうでなければ古いデータを参照して、誤った改善策に辿り着いてしまうかもしれません。

なるべく新しい情報を入力できるようにして、常に最新の状況に合ったアクションが取れるようにしましょう。

営業部門での入力の負担を軽減しなければいけない

パイプライン管理では、営業部門での入力の負担を軽減しなければいけません

この入力作業が複雑だと、担当者の本来の業務を阻害する可能性があります。

自動化ツールやマクロを活用して、できるだけ負担がかからないようにしましょう。

ステージを細分化しすぎない

パイプライン管理を実施する際は、ステージを細分化しすぎないようにしましょう

あまりにも細かく分けていると、数字の変動が平坦になり、問題を見つけにくくなります。

細かく分けるとさも緻密に管理しているように勘違いしますが、それが問題解決を遠ざけるケースがあるので注意しましょう。

営業におけるパイプライン管理に関するよくある質問

本記事では営業におけるパイプライン管理に関して解説しました。
ここではよくある質問に回答します。

  • パイプライン管理のデメリットは?
  • どのツールを使って管理すればよい?
  • Excelでも管理できる?

それぞれについて詳しく解説するので、参考にしてください。

パイプライン管理のデメリットは?

パイプライン管理のデメリットとして以下が挙げられます。

  • パイプライン管理を導入するにはコスト・リソースが必要
  • データの継続的かつ正確な入力が求められる

まずパイプライン管理を実施するには、ツールの導入コストやそれを使用する人員のリソースが必要です。
新規に導入するうえでは、どのようにコストをおさえるかがポイントになるでしょう。

またデータの継続的かつ正確な入力が求められる点にも注意。
これができていなければ、現実に起こっている問題をパイプライン上に表現できません。

これらの点をどのようにカバーするかは、関係者できちんと考えておく必要があるでしょう。

どのツールを使って管理すればよい?

パイプライン管理は、HubSpotなどに代表される、いわゆるCRMを活用するのがおすすめです。

これらにはパイプライン管理機能が搭載されています。

すでに導入している場合は追加費用がかかりません。

Excelで管理できる?

Excelでも最低限のパイプライン管理は実施できます

ただし、実施できるのはあくまでも最低限のものであり、本格的な運用には不向きでしょう。

Excelでの管理は試運転程度にし、本格運用する場合はCRMを活用するのがおすすめです。

営業のパイプライン管理を実施しよう

本記事では営業におけるパイプライン管理に関して解説しました。
最後に重要なポイントをおさらいしましょう。

  • パイプライン管理とは、アポイント獲得から成約に至るまでの可視化するもの
  • これを実施することで営業フロー上の問題を可視化して、速やかに改善できる
  • 指導内容が的確化したり、情報共有が進んだりするのもメリット
  • パイプライン管理は、HubSpotなどを利用すればある程度容にスタートできる
  • 注意点は、情報入力のリアルタイム性や、営業部門での入力負担軽減などが求められる点
  • Excelなどでもパイプライン管理は実施できるが本格的におこなう場合はHubSpotなどのCRMツールが必要

パイプライン管理は、営業フローを俯瞰し、問題点をすみやかに見つけられるすばらしい手法です。
営業に対するマネジメントが不足していたり、課題を感じたりするなら、一度導入を検討してみましょう。

HubSpotを利用すれば、手軽にパイプラインを始められるので、ぜひ一度試してみてください。

私たち株式会社soraプロジェクトでも、スコアリング含むHubSpotの運用支援を実施しています。
興味がある方はぜひ一度ご連絡ください。

投稿者プロフィール

樋口 裕貴
樋口 裕貴
1985年福岡生まれ
福岡発のインサイドセールス支援会社、soraプロジェクトの代表
スタートアップから外資大手まで700以上の営業支援プロジェクトの実績を持つ。
営業活動でお困りの会社様に
ターゲットリスト作成から見込み客育成、アポの獲得まで、新規開拓の実行支援が専門分野。